○和田(一)
委員 在留邦人の保護についてもひとつ十分御
配慮をいただくことをお願いして、次の質問に移らしていただきます。
先月のロンドン・サミット以後の
国際情勢について
大臣にいろいろお伺いしたいと思いますが、ロンドン・サミットというのは湾岸戦争以後初めてのサミットでもございましたし、従来のサミットと違ったのは、巷間言われるようにG7プラス1というような歴史的にも非常に
意味の深い
会議ではなかったか、こう思うわけでございます。
宣言、議長声明等を拝見いたしまして、特に今回のサミットに対する
日本の対応の仕方というものは、言うべきことはきちっと言った、毅然とした姿勢を貫いて
日本としての
立場が守られたし、また
日本の提言も取り入れられた、こういう
意味では私はなかなか評価すべき結果ではなかったか、こう思うわけでございます。まあ、その結果なんですね。その結果、
日本もまた国際的に大変な責任をしっかりと果たしていかなければならない、こういう大きな課題も同時に
発生している、こう思うわけでございます。
それで、今度の
宣言を拝見しますと、一口に言えば「国際秩序の強化」ということがこの政治
宣言の大きなテーマであった、こう私は思うわけでございます。このタイトルを拝見して、さらに細かく読んでまいりますと、ソ連の持っている新思考外交というものは、「
国際協力の新しい精神が、アジアにおいても欧州におけると同様に十分に反映されることを希望する。」こういうような
日本の
立場として非常に大事な表現が出てきておりますし、このことを踏まえて地球規模で
適用さるべきものではないか、こういう位置づけもされているわけですね。
こういうことを踏まえまして、特にその後の議長
宣言の中で北方領土の問題にも触れております。議長声明では、「北方領土問題の
解決を含む日ソ関係の完全な正常化は、このこと」つまり、いわゆる新しい
国際協力の精神というもの、これがもっと大きく寄与されるものであるというふうに、はっきりとこの議長声明では表現をされているわけです。私
どもはこういうことを考えますと、確かに今度のサミットには
日本というものの
立場が非常によく出てきている、こういう感じもいたします。したがって、これからはこのサミットを踏まえて我々が対処していかなければならない
国際協力の責務というものは、これは本当に腹を据えてかからないといけない、私はこう思うわけでございます。
そこで、一つだけ特にお聞きしておきたいと思うのは、この
宣言の中に、「国際の平和及び安全の回復並びに紛争
解決のために行動するという自らの役割を果たすこと」ができたと先般の湾岸戦
争の対処を評価しております。そして、これからは、「国際連合にとって、その創立者の希望と夢を完全に実現するための条件が存在しているものと信ずる。」非常に国連の当初の精神が生かされる時期が来ている、こういうようなことをうたい上げまして、「再活性化された国際連合は、国際秩序の強化において中心的な役割を果たすこと」になるのであろう、こういうふうにしております。そして、「平和維持における国際連合の役割は強化」されなければいけない、強化さるべきである、非常にはっきりとこういう
宣言をしております。
そして、クウェートに対する今度の湾岸戦争に触れながら、「一つの小国に対する武力併合を覆すため国際社会が示した圧倒的な反応は、次の原則が広く受け入れられていることの証左」であるということを言いまして、「平和に対する脅威に対抗し、侵略を鎮圧するために集団的
措置をとること」と、はっきり
宣言の中でうたい上げております。
私は、この国際連合の精神というものはここではっきりしているな、同時に、これから
日本が国際社会の中で寄与し、貢献していくという、そのことがここで問われているな、こういう感じがするわけでございます。そういう
意味では、この集団的
措置ということに対して、
大臣、これから
日本の外交が問われている一番ポイントではないかと私は思うのですけれ
ども、この
宣言を踏まえて、これからの国際貢献に対し、平和に対する脅威に対抗して侵略を鎮圧するためには集団的
措置をとる、この
宣言に同意された
日本として、これからの外交の中でこの集団的
措置に対する対応はどういう対応ができるか、このことをぜひひとつお聞きしたい。今すぐは難しくても、将来はこうなるであろうという展望でも結構でございます。ひとつお聞かせいただきたい。