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高沢委員 海部総理という人は、やらないと言っていて後ですぐやるように変わる人だから……。その点は私の不規則発言として言っておきます。
それで、
大臣、クルド族のことでこういうことが起きはしないか。これはもう
日本の問題というよりは、アメリカを中心とする多国籍軍がクルド族の救援のためにイラクの国の中に
一つの保護区をつくるということで、現に今イラクへ入ってそういう作業をしているわけですね。そして何か最近、そのクルド族の代表とバグダッドのフセイン大統領との間に
一定の話し合いもできたというふうに報道されておりますが、そうすると、そのクルド族の安全を守るということから──ほうっておけばイラク
政府は本来クルド族をやっつける立場ですね、そういう戦いもあったわけですから。それをさせないということになって、クルド族の保護区というものは
一定の境界線をもって引かれる。となると、その中ではクルド族の自治が行われる、当然そうなると思います。
その自治というものは、これが一年、二年で解除されたらまたやられてしまう。そういうことに
なってはいけないとすれば、そういう姿が今後ずっと続いていくとなると、イラクという国の中にバグダッド政権の管轄権の及ばない
一つの区域というものができていく。それはクルド族自治区というふうになるのかどうか、そういうふうになる
可能性が大きいと私は思う。そして、そうなるきっかけは、アメリカや
イギリスや多国籍軍が入って、これはクルド族の保護区だといってつくったということが出発点になるわけですね。
私は、これは今までの国際法の
関係で、形からいえば明らかに内政干渉、ある国へほかの国が入っていって、ここを
一つの自治区にするんだぞ、ここへその国の中央
政府の管轄権が及ばないようにするというようなことは、これは国際法上あり得ない、だけれ
ども、ほっておけばクルド族がみんなやられてしまう、
一つの人道問題としてはほってはおけない、この両者の
関係の中で、今のようなケースは今までの国際法ではちょっと考えられない
一つのケースとして出てきているのではないのか、こんなふうに考えますが、これは国際法上どう考えられるか、
日本政府としては、それはいいのか悪いのか、どういうふうに御判断なさるのか、お聞きしたいと思います。