○岡田(利)
委員 もちろん
平和条約の
交渉は、従来のペースの
ソ連邦
政府と
日本政府が折衝し
交渉するということになるだろうと思うのですね。そこまで持っていく、いわば
外交的なアプローチといいますか、これをどう構築するかということが問題だと思うのです。例えば、ロシア共和国と
我が国の外務当局なりがどういう交流をするとか、あるいはまた折衝をするとかこの面も避けては通れない問題となっているだろうと思うのですね。
それから、幸い今度
共同宣言の中に、北方四島についてはビザなしで交流してはどうかという
ソ連側の提案もあって、具体的にこれを協議する、また
ソ連軍も削減する方向で検討するという話も出されておるわけです。そうしますと、私も先に言ったのですけれども、これを機会に今までのようにかたくなに報道
関係は入ってはならぬとか、そういうことはやめて、大いに民間ベースの交流をさせたらどうか。ただし、民間ベースの交流をする場合には
原則を立てておかねばならぬと思うのです。その
原則に、私は三つの
原則を言っているわけです。
その
一つは、まずお互いが自由に往来ができる、自由アクセスを認める、そういう
気持ちで我々は交流するのですという態度がなければならぬと思います。
第二には、これは
日本の
領土であると我々は主張しています。しかしながら、
領土が返ったら皆さんこの島から追い出されるというものではない、もう一緒に住むなら一緒に住みましょう、こういう民間的な
話し合いも自由に行い得ることがなければいかぬのではないかな、こう思うのです。韓国併合は三十六年ですけれども、北方
領土は四十六年の時間がたっておるわけでありますから、そうすると人権上の問題を我々は重要視するという視点が大事ではないのか。
もう
一つの問題は、大変高度な政治問題でありますけれども、我々はここは平和な島にしたい、軍事を置かないで平和な島にしたい、そういう
気持ちでおるのだというような、三つぐらいの
原則的な
立場に立ってどんどん民間交流をやるということが大事ではないか。そういう状況の中で、島で世論
調査をやった場合に、
日本に返還してもいいという二五%が五〇%を超えないということは断言できないと思うのですね。
やはりそういう世論をお互いに接触の中でつくり上げていく、こういうことがないとするならば、また相当期間この問題の
解決の
話し合いの場というものは遠のいていくのではないか。ちょうど
共同宣言から十七年目が一九七三年の田中さんの
共同声明のときです。ことしはそれから十八年ですから、この調子でいくとあとまた十七、八年たたないとこのような詰まった、問題
解決に本当に直結するような場面というのが出てこないのではないかとすら
考えざるを得ないのですね。
そういう点について、今後対ソの交流について、外務省として十分検討されて新たな方針と政策を出すべきである、こう思うのですが、いかがでしょうか。