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中山国務大臣 新しい国連中心の
国際外交というものが展開されていくだろうと思いますが、その中で、
日本がしかるべき評価を受ける立場につくということについては、私はこの国連への
協力のあり方というものが一つ基本にあるだろうと思います。それは、国連を運営していくための資金的な拠出、これは、
日本は御案内のように、
世界で第二位になっておる、加盟国では第二位になっておりますから、資金的な
協力の面では批判をされる立場にはもうないと私は思います。
それで第二に、国連における職員の中で、どの程度
日本人の
活動の舞台があるかというと、これは上位の部に入っていない。 それは、事務次長が明石さんというのがおりますが、あとは国連機関としてはWHOの中島事務総長、それから今度難民高等弁務官になった緒方
先生、ここらが目立つところでありますが、私も国連へ参りまして、なぜ
日本の人たちが国連で働きにくいかというと、まず給与の面でニューヨークの総領事館に勤める人の方が円高の結果国連職員よりもコストが高くなっている、これが一つあります。
もう一つは、この国連の
世界というのは
国際法を十分知っていなければならない。
国際法を十分習熟した上でドイツ語、フランス語あるいは英語といったような三カ国語ぐらいを平気で専門的な知識について使いこなす能力を持った
日本人がそれほど育っていない、こういうふうな本質的な問題が、私は
日本の人的な、この中に入り込む一つの障害になっていると思う。これは率直に認めなければならない。それを早急に改善する方法は、人間の育成しか私はあり得ないと思います。かつては国連職員にみんななりたかったそうです。それは、ニューヨーク総領事館の人よりもうんと手取りが多かった時代があったそうです、円安の時代は。今円高になってこちらの方がよくなった、こういう一つの問題がある。それから、
日本におって結構いい生活ができるということが一つ大きな問題があるのではないか、そこいらが人的な問題だと思います。
それから、
国際貢献の国連
協力の問題では、私は、例えば北欧の国連待機軍のような組織が
日本にもございませんし、
日本が参加したといえばナミビアとかニカラグアとかといったごくわずかないわゆる選挙監視団に参加をしたといったようなケースが
考えられるだけでありまして、そこいらにはほかの国に比べると非常に弱いものがある。それから、
安全保障の面では、国連
安保理事会の
理事国に過去に六回当選いたしております。私も国連とかいろいろな国との外相との会談では、来年
日本が
理事の再選になりますから、来年は
日本が立候補しますよ、そういうことでひとつ
協力をしてくれということで今いわゆる票の獲得に
外務大臣としては努力をしている最中でございますから、そういうことから
考えていきますと、
理事国には来年当選をする可能性は出てきている、しかし、常任
理事国になっていく問題は、なかなかハードルが高いのではないか。
この中で、
委員も御
指摘のように、旧敵国条項というものが憲章に載せられている。これを何とか廃止するように
日本としては全力を挙げて努力しなければならない。これには対象国が幾つかあるわけです。だから旧敵国条項の中で旧敵国として羅列している国々とも連絡をとりながら、新しい国連の世紀を迎えるわけでありますから、旧敵国条項の廃止、それと常任
理事国の数をふやしていく。たまたまECが統合するものですから、現在の常任
理事国の中にフランス、イギリスといったEC加盟国が二カ国あるわけで、来年統合された場合にこの扱いがどうなるかという問題が一つございます。既にポルトガルとかブラジルとかといったような国の
外務大臣は、
日本は、イタリーもそうですが、常任
理事国に立候補したらどうか、こういう話も私
どもにやってこられますけれ
ども、これにはそれ相応の準備をしていかないと、いわゆる常任
理事国になりますと、いわゆる軍事参謀
委員会、これの関連をどうしていくのか、ここいらの問題がこれからの国連
外交を展開していく中で
日本が名誉ある
地位を占めようと思えばそれなりの準備と
考え方を整備しなければならない、このように
考えております。