○松前
委員 大変心強いお言葉でございますが、
研究開発を進めてまいりたいというところですべて終わってしまうんです、
政府がやっていることはすべて。その先をどうするか。大体これは実際に
実用化していかなければいかぬ。そこのところはだれがやるんだというと、これは任せてしまう。それは商業化してしまうんですよ。だから、
コストの安いところしかいかなくなってしまって、しっかりした将来の
エネルギーができていかない。枯渇すればどうせ石油は高くなるだろう、そのときまでは石油を使っているなんということをやるわけ。
日本がそんなことをやってしまうんですよ。
これは、本当は
日本は金があるんだから率先してそういうことは、まず石油などは
開発途上国の方に持っていかなければいけない、安い
エネルギーを。ところが、我々の方は先端的に科学
技術を
研究をして新しい
エネルギーを
開発してそれを
利用していくということをしなければいけないのに、電力会社はほとんど民間ですから
コストの安いものを使ってくる、そして公害をぼんぼんまき散らすというようなことになって、市民運動があって問題を起こして、そうして政治問題になって選挙で我々が負けてしまう、そういうことになるんですよね。そういうようなことが出てくる。それは余計ですけれども。
いずれにしても、
エネルギー、これは
日本としては責任を持って、将来、
世界のためにやっていかなければいかぬ。というのは、これまでは追いつき追い越せだったからいいけれども、今は
経済は先頭に立ったんだから、そうなったら科学
技術庁も
考え方を変えろというのです。全体の予算の
考え方も私はそういう観点からやってもらいたい。これを全部見ると、どうも今までと同じ。創造
技術などと言っているけれども、大体創造
技術といったら何だ。創造
技術、これはどういうふうに役立つんだよと私ら思うのですね、やらなければいけないけれども。ただおくれているから、おくれているからと言うけれども、おくれているのはわかり切っているのですよ、それはやってくれるのはいいけれども。
しかし、その創造
技術を一体どういう観点からお金を渡すのに選ぶか。これは
世界のため貢献するのか、社会のためにどういうふうに役立つか、
開発途上国のためにどういうふうになるのかとか、やはりそういう観点から選んでいく必要がある。ただ個人の名誉のためにやるだけのものであったらだめだと私は思います。いろいろな
考え方はあると思いますけれども、そういうレベルで選んでくれていると思うのだけれども、よろしくお願いしたいと思います。
それで、
エネルギー問題ですね。もっと小さい話になりますけれども、こういうのもやはり科学
技術庁できちっと考えなければいかぬ、
システムとして物事を科学
技術庁は考えていかなければならぬということなんですが、東京一極集中排除というのが盛んに言われておる、東京問題というのがあるのですが、その中で自動車、こういう自動車社会で
環境劣化になっておるということがだんだん認識されてきた。今までみんな言わなかったですよ。自分が自動車に乗って便利ならば、自分が公害をまき散らしていることは全然言わないで、
原子力発電の方が悪いとか、何か石炭火力の煙が悪いとか、そんなことばかり言っている。ところが、実は自分の自動車が物すごい公害を出していることがようやくわかってきた。それで
電気自動車をやろうじゃないかなどという話になってきました。
電気自動車にすることが本当にいいかどうかということを科学
技術庁は考えたことあるかどうか。ありますか。
大体どうしてそんなことを言うかというと、
電気自動車、トータル
システムで
世界のレベルから見ると、
世界じゃない、
地域でも同じですけれども、東京はきれいになりますね。それが
開発されてやりますと東京はきれいになる。
電気自動車というのは電池ですよ。今やっているのは電池らしいけれども、
太陽電池はまた別、普通の充電する電池。そうすると、東京の空気はきれいになる。ところが、電池に充電する
電気はだれが発生しますか。その
電気を新しく発生しなければいけない、それをどこで発生しますか。そうしたら、私どものような静岡県とかそういうところに
発電所をつくるでしょう。二百万キロワットの石炭火力をつくるというので今住民運動が大変なんですよ、実はもう市を二分してしまって。そんなようなことになってしまう。
東京ばかりよくなって、そのために
地方がそういうものを発生するためにどんどんいろいろな問題を起こしていく。そうしてさらに、これによって総トータルの
電気の発生量はふえなければいけない。となれば、石油だってまたもっと使わなければいけない。このままでもってこんなことをどんどん進められたのじゃ、これはもう片手落ちですよ。やはりトータルのことを考えて、それでこれをやりますということを言ってくれないと、ただ単に東京ばかりよくなるなんて、みんな
電気自動車はいいななどと言っているけれども、これは必ず後で問題になりますよ。
だから、やはりこういうようなものは
システムとしてきちっと科学
技術庁は考えてくれなければいけない、そういうふうに思うのですけれども、この辺どう考えていますか。自動車は、大体あんなものやめた方がいいように思うけれども、自動車やめるわけにいかないから、それの
技術開発などもやらなければいけないと思うのだけれども、ちょっとその辺どう考えているのですか。