○関
委員 これは大変に当たり方というのが科学的でなかったと思います。六ケ所から申請されているわけですから、六ケ所の
状態というものを十分に把握して、それでしかるべしという返事を出したものだと私は思うのです。思うのだけれ
ども、今お答えを聞けば、これだというと何も六ケ所でなくても、その方式をとればどこへ埋めて捨てたっていいじゃないか、こういうことになるのじゃないのか。とするならば、これは次はあなたの方の問題じゃありませんよ。何も青森県の六ケ所まで持っていかなくても、それぞれの
原子力発電所のサイトで今のような方法で技術を生かして処分すればそれで間に合うのじゃないか、こういうことに進めてもまた何とも言えないことになりゃせぬか、こういう
意味で私は今
委員長に聞いておったわけなんですが、これ以上の
委員長との論はまたいずれします。
だけれ
ども、いみじくも
委員長が、この後にそういうことがだんだんわかってくるのじゃないか、こうおっしゃっています。それじゃ遅いのです、あなた。決めてしまってからよく吟味しろなんて、これは後先間違っていますよ。これは科学じゃありません。何といったらいいでしょうね。学の方じゃない、あべこべ学とでも言った方がいいかもしれませんね。いずれにしても、私はやり直しをするようにされないかということを求めます。きずのある合格は不合格にしてもらって、そうして時間をかけていただくようにされないか、これは
委員長の方に希望であります。
あとは科技庁の方にお聞きしたいと思いますから、これでどうぞお帰りください。
科技庁長官に
お尋ねしたいと思います。
新しく長官になられて、さぞかし胸を張って
日本国民の将来にかかわる科学の
振興のためにお心を使っておられるだろう、こう思います。
そこで、私は長官に聞きたいことは、今
原子力安全委員長のお答えもお聞きになったと思うのですが、あなたの前の長官である大島さんが、昨年の十一月十五日に六ケ所の低レベル廃棄物の貯蔵
センターをよしとする許可書を出されました。私はこのとき、長官、何でこんなことを国会のさなかにやらないで、国会が終わってすぐやらねばならなかったのだ、我々
委員会としては
現地調査も何もしていない、しかも
委員会としては
現地調査もする、六ケ所の地質
調査もする、そういう上で私は許可が至当であれば許可となるのであろうとも思っておりました。ところが、我々の
調査も、これは
委員会の怠慢だからあなたの
責任じゃありませんよ。今度の
委員会は
委員長を初めとしてみんな立派な方々ばかりだから、近く
現地調査もする手はずにはなっております。
あそこの場所はとにかく、あなたも北村知事の応援で青森においでになりましたね、そうして
現地もごらんになりましたね。せっかく
現地をごらんになったのだから、あそこに地下十二、三メートルに大きな穴があります。あの穴をくぐってくれば、こういう穴の中にそういう廃棄物を置いていいだろうかという疑問が出るはずですよ。固い岩盤のところにピットを張ってぴっとやるからぴっといくだろうなんて言うけれ
ども、これはぴっといかないのです。
コンクリートというのは水を通すでしょう。ドラム缶は鉄ですから鉄は水を通さない。通さないけれ
ども、時間がかかればさびますよ。ですから、こういう
放射能に満ち満ちたドラム缶、低レベルというけれ
ども、本当に低レベルかといえばこれも低レベルじゃありません。相当なレベルの高いものです。当初の考え方からはずっと変わりました。でも表向きは低レベル、中身は中レベルもいいところというのが実態だろうと思います。
そこで、そういうものをそこにぶち込まれて、そうして水が通りませんよと言ってみたところで、通らないことはないのです。雨は降る、雪は積もる、そうして自然の地盤じゃありませんよね、手づくりの地盤と申しましょうか、盛り土ですよ。そうして粘土質のものだと言うのだけれ
ども、一体どれくらいの粘土質になるのか。一五%程度でしょう。そういうようなものを巻いて覆って、二メートル、四メートル、六メートルもあるのだから大丈夫、水は行かないだろう、こう言うのだけれ
ども、やってみたかと言うのです。何の実験もしない。何の裏打ちもない。それで、今の
委員長も言うように、大丈夫でございます。村上安全
局長も大丈夫ですと前にも答えていましたよね。聞かなくてもわかっている、だけれ
ども、やってみもしないで大丈夫と言うのはこれは科学じゃない。これは危険というものですよ。そんな危険は聞けぬ。
そこであなたは、初めて科技庁長官になって今一番純粋なお心持ちで当たっていると思うのです、右にも左にも左右されないで。私はあなたが長官になったときに、ああ、いい方がなったなと思った。これは純粋に物に当たっていただければいいな、こう思った。しかも今、
日本のお母さん方というのは、子供の将来のためにあそこが、次は再処理工場の問題もありますから、あの場所がそういうふうに
放射能がどんどん出るような場所にされたらどうなるのかという心配がたくさんあるのです。ですから、今のようなことできちんと整理していかないと不安で不安でしようがないのです。
知事は北村さんが上がりましたよ。あなた、応援しに行ってあげましたよね。あげましたけれ
ども、取った点数は四四%です。五六%のあの選挙に臨んだ県民というのは、白紙撤回、凍結、その諸君なんです。
比較多数制で知事になるのだから、なるものはこれは仕方がない。だけれ
ども、青森県民の
意思というものは非常に強いものがある。核燃反対、白紙撤回、凍結。あそこの村長さんは今、凍結論で一昨年の十二月に当選した人ですよ。したがって、今日、ウランの濃縮工場の問題についても安全
協定が結ばれない、結べないでいるために、施設はできたけれ
ども動くことはまだまだでしょう。そういう現況にあるわけですよ。
ですから、この低レベルの廃棄物というものも、低レベルの
内容も中身がずっと変わったのです。それだけに吟味というものが科学的になされなければとても承服できない。一たん許可したものだからしょうがないなんて言わないで、この許可について再吟味をする、そういうような構えで当たっていただけないだろうかと思うのですけれ
ども、いかがでしょうか。