○水谷
政府委員 お答えをいたします。
赤土の流出問題、これは
沖縄の自然環境の保全とか観光面あるいは漁業資源の保存の面等から大変重要な問題であると
考えております。特にこの問題は複合的な要因によるものでございまして、その
意味では全県的な
取り組みが必要であるかと
考えております。
昨年来、私どもの方も国の中、県との
関係、いろいろ
調整をしてまいりまして、全体について具体的に御報告をさせていただきたいと思います。
まず、御
指摘がございましたような全体的な連絡協調体制を整えよということでございました。これにつきましては、昨年の九月に
沖縄開発庁を初め九
省庁から成ります国レベルの、東京レベルの赤土流出問題に関する
関係省庁の連絡
会議を設けさせていただきました。また総合事務局におきましても、同様に局内の連絡
会議を組成をいたしました。それから県におきましては、かねてからやはり
県庁内の対策
協議会が設けられておりました。国と県との間は、
沖縄の出先におきまして総合事務局の農林水産部と開建部がそれぞれ県の組織との間で連絡
協議会を持ちました。それから別途、これはとりわけ御
指摘ございましたように土地改良の問題が重要であるということでございましたので、やはり農林省の方で構造改善局とそれから出先の総合事務局と県との間で担当
課長による連絡
会議を設けさせていただきました。これが協調体制、官としての
取り組みの問題でございます。
それから大きく第二としまして、監視体制の問題がございます。とりわけ赤土の問題は、直接土に接する人たちの啓蒙を含めまして努力をお願いしなければいけないということでございますので、監視体制の
整備ということに努めてまいりまして、これは末端で申しますとそれぞれの事業の現場がございます。国営事業、県営事業、市
町村営事業、その他民間事業、そうした末端のいわば流出源からそれぞれの報告を市
町村なり県なりにそれぞれの組織を通じて上げていただいて、かつそれは総合事務局にも上がり、また
開発庁にも上がってくるという、いわば国も含めた全県的な情報あるいは監視あるいは報告といったことのネットワークをつくらしていただきまして、たまたま昨日、県においては市
町村及び保健所等に
説明をいたしております。いずれこれが稼働してくると思います。これによってお互いに、特に末端現場においてやはり赤土問題が重要であるという認識を深めながら、一歩でも進めさしていただきたいと
考えております。これが第二点でございます。
それから、第三でございますけれども、御案内のように赤土の問題、いろいろまだ未解明なところ、わからないところがございます。したがいまして、かねてから
調査研究ということでこの問題に取り組んできておりますけれども、
開発庁におきましては総合赤土対策検討
調査を
平成元年度から行っておりまして、これは三年度までかけたい
と思っております。それからもう
一つ、これは
平成三年度における新規の事業でございますけれども、先ほど申し上げました九
省庁の連絡
協議会等の検討、それから出ました派生的な問題としまして、環境庁におきましても国立の研究所等を動員をいたしましてやはり赤土の発生機構の解明、防止技術に関する
調査を
平成三年度から始めていただくことになりまして、
平成三年度
予算は三千万円というかなりまとまった金額が計上をされております。
それから、規制あるいは行政指導というのが第四番目に挙がろうかと思います。これにつきましては、私ども
現地の総合事務局で行っておりますことだけ申し上げさしていただきますと、例えば講演会を建設業者、農業団体あるいは市
町村の行政担当者等を対象として実施をするとか、あるいはマニュアル、パンフレット等を作成、配布をいたしまして、この問題に対する認識を深めたいと
考えております。
最後に、国は
公共事業の主体でございます。したがいまして、国としてもこれまでいろいろ努力をしてまいっておりますけれども、特に
一つの昨年来の改善事項としまして、例えば土地改良事業で申し上げますと、
沖縄県における土地改良事業
計画指針の運用を改善いたしまして、例えば造成の勾配の角度、これは従来は八ないし九%でございましたけれども、さらにその傾斜度を三%程度まで緩めるとか、あるいは、毎年度
予算をつけました後、実際に実行をします場合には実施
計画というものを農林省に出します。その実施
計画書の中に赤土の流出防止対策を具体的に書く、それを農林省がヒアリングするということをお願いをいたしました。さらに建設省
関係におきましても、例えば国道工事に係る設計書の特記仕様書において赤土防止のための対策を義務づけるといった改善事項を行っております。
ただ、いずれにしましても赤土問題、大変広がりも大きく、根も深うございますので、即効性、つまり直ちに効果を上げるという点ではなお改善努力をしなければならないと存じますが、引き続き努力をしてまいりたいと思います。御支援をいただきたいと存じます。