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1991-04-12 第120回国会 衆議院 運輸委員会 第9号 公式Web版

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  1. 会議録情報

    平成三年四月十二日(金曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 亀井 善之君    理事 鴻池 祥肇君 理事 佐藤 敬夫君    理事 武部  勤君 理事 二階 俊博君    理事 柳沢 伯夫君 理事 左近 正男君    理事 山中 末治君 理事 春田 重昭君       井奥 貞雄君    魚住 汎英君       金子 一義君    木部 佳昭君       坂本 剛二君    塩谷  立君       平泉  渉君    藤井 裕久君       古屋 圭司君    増子 輝彦君       宮崎 茂一君    村田 吉隆君       山村治郎君    赤松 広隆君       緒方 克陽君    小林 恒人君       関山 信之君    常松 裕志君       細川 律夫君    浅井 美幸君       草川 昭三君    佐藤 祐弘君       高木 義明君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 村岡 兼造君  出席政府委員         運輸大臣官房長 松尾 道彦君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         総括審議官   大塚 秀夫君         運輸大臣官房国         有鉄道改革推進         部長      黒野 匡彦君         運輸省地域交通         局長      佐々木建成君         運輸省地域交通         局陸上技術安全         部長      松波 正壽君         運輸省海上技術         安全局長    戸田 邦司君         運輸省海上技術         安全局船員部長 小和田 統君  委員外出席者         参  考  人         (日本国有鉄道         清算事業団理事         長)      石月 昭二君         参  考  人         (日本国有鉄道         清算事業団理         事)      荘司 晄夫君         参  考  人         (日本国有鉄道         清算事業団理         事)      池田  本君         運輸委員会調査         室長      長岡日出雄君     ───────────── 委員の異動 三月二十七日  辞任         補欠選任   草川 昭三君     市川 雄一君 同日  辞任         補欠選任   市川 雄一君     草川 昭三君 四月十二日  辞任         補欠選任   増子 輝彦君     塩谷  立君   村田 吉隆君     金子 一義君   山村治郎君     井奥 貞雄君   高木 義明君     柳田  稔君 同日  辞任         補欠選任   井奥 貞雄君     山村治郎君   金子 一義君     村田 吉隆君   塩谷  立君     増子 輝彦君   柳田  稔君     高木 義明君     ───────────── 三月十六日  船舶安全法及び船舶職員法の一部を改正する法律案内閣提出第八一号)(予) 四月十二日  船舶安全法及び船舶職員法の一部を改正する法律案内閣提出第八一号)(参議院送付) 三月二十日  精神薄弱者に対する運賃障害者割引適用に関する請願石田幸四郎紹介)(第一九八一号) 四月二日  精神薄弱者に対する運賃障害者割引適用に関する請願木島日出夫紹介)(第二二六二号)  同(串原義直紹介)(第二二六三号)  同(上田利正紹介)(第二三一八号)  同(貝沼次郎紹介)(第二三一九号)  同(坂井弘一紹介)(第二三二〇号)  同(嶋崎譲紹介)(第二三二一号)  同(菅原喜重郎紹介)(第二三二二号)  同(徳田虎雄紹介)(第二三二三号) 同月九日  精神薄弱者に対する運賃障害者割引適用に関する請願北沢清功紹介)(第二三三九号)  同(中曽根康弘紹介)(第二四一〇号)  同(日笠勝之紹介)(第二四一一号)  同(清水勇紹介)(第二四四六号)  同(谷村啓介紹介)(第二四四七号)  同(亀井久興紹介)(第二四七七号)  同(水田稔紹介)(第二四七八号) は本委員会に付託された。     ───────────── 三月二十二日  北海道新幹線建設促進に関する陳情書外一件(第五五号)  東北新幹線盛岡・青森間の早期建設に関する陳情書(第五六号)  北陸新幹線早期着工並行在来線存続に関する陳情書外一件(第五七号)  九州新幹線鹿児島ルート建設促進に関する陳情書外四件(第五八号)  東北本線沼宮内から八戸間の存続に関する陳情書(第五九号)  奥羽本線の完全複線化促進に関する陳情書(第六〇号)  日豊本線の高速化複線化に関する陳情書外一件(第六一号)  磁気浮上式リニアモーターカー常磐ルートの導入に関する陳情書(第六二号)  リニアモーターカー実験線充実強化東九州新幹線早期実現に関する陳情書(第六三号)  JR豊肥本線早期完全復旧に関する陳情書(第六四号)  精神薄弱者鉄道運賃等割引に関する陳情書外二十四件(第六五号)  仙台空港拡張整備国際空港機能整備に関する陳情書(第六六号)  秋田県北空港早期実現等に関する陳情書 (第六七号)  航空運賃低減措置に関する陳情書(第六八号)  新石垣空港建設即時着工に関する陳情書(第六九号)  離島空路等交通体系整備に関する陳情書外二件(第七〇号)  重要港湾整備促進に関する陳情書(第七一号) は本委員会に参考送付された。     ───────────── 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案内閣提出第七四号)  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、中部運輸局岐阜陸運支局自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出承認第二号)  船舶安全法及び船舶職員法の一部を改正する法律案内閣提出第八一号)(参議院送付)      ────◇─────
  2. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 これより会議を開きます。  内閣提出日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日参考人として日本国有鉄道清算事業団理事長石月昭二君、理事荘司晄夫君及び理事池田本君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     ─────────────
  4. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中末治君。
  5. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案につきまして質問を申し上げたいと思います。  これまで資産処分審議会の答申に基づく土地処分方式幾つか出ております。今度の株式変換予約権つき事業団特別債券方式、これを今度は提案をされたわけでありますが、この提案を今取り上げられる理由はどの辺にあるのか。それからもう一つは、この方式適用していく対象土地は、聞くところによりますと汐留ということも聞き及んでおりますが、他にどこが予定されているのか。また、その面積等はそれぞれ幾らぐらいあるのか。あわせて御質問申し上げたいと思います。
  6. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 清算事業団の抱えます膨大な長期債務償還財源として、清算事業団用地をできるだけ早期に適切に処分していかなければならないわけでございますが、地価への影響を排除する意味で、いろいろな地価顕在化法による処分を考えてまいりました。  そのうちで、汐留のような大規模用地につきまして、今回国会に提案させていただきました法律に基づく株式変換予約権つき事業団債を取り入れるという趣旨でございますが、幾つかこの方式についてはメリットが考えられます。  第一が地価対策への配慮でございまして、土地株式という金融資産に変えて最終的な処分を行うことから、土地のみならず建物建設による開発利益などを含めた価値としてあらわされるために、地価に悪影響を与えることがないということでございます。  第二に、一体的開発が確保されます。貴重な都市開発空間でございます汐留などの大規模用地を分割売却せずに、地方公共団体などが強く要望しております一体的、計画的な開発が可能であるということでございます。  第三に、巨額な資金の調達が円滑化されるという点で、債務償還に必要となる巨額な資金を、市場流通性のある債券発行することにより、一般投資家対象として証券市場を通じて調達することができる点から、大規模用地処分が具体化していくこととなる、こういう点が考えられるわけでございます。  なお、今申し上げましたように、この特別債券発行方式につきましては大規模用地を考えておりまして、とりあえずは汐留対象として今検討しているところでございますが、その他には品川東口用地、また梅田北口操車場跡地、それから東京付近清算事業団用地、こういったところを候補として考えております。
  7. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 それぞれの面積もわかっておればということを御質問申し上げましたが……。
  8. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今例示して申し上げました候補地の中で、汐留は約二十二ヘクタールでございます。それから品川東口が約十ヘクタール、それから梅田北口操車場跡地が約二十ヘクタール、東京付近、これは丸の内側八重洲側に分かれますが、これが約三・五ヘクタールといったところでございますが、これにつきましては、大規模用地でございますので区画整理事業等をやって、この用地の中から公共施設等に減歩されるということも予定されております。
  9. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 それでは、今説明がございましたように、地価等への配慮、一体的に開発が可能だ、それから非常に地価の高いところで適当な規模面積がある、こういうことでございましたが、一応この東京駅の場合、両方合わせて三・五ヘクタールということですから、これから開発されるその他の分について、今の四カ所はわかりましたが、その他の開発の分についてもこの法案適用される場合があり得ますか。
  10. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 清算事業団用地につきましては、これは基本的に公開入札処分していくということになっておりますが、先ほど申し上げましたように、地価対策等から、地価の不顕在化法として建物つき土地処分方式あるいは土地信託方式、また不動産変換ローン方式等をとっているところでございます。  この法律に基づきます特別債券方式というのは、債券発行する手続、またそれが株式に変換されるまで相当な期間を要するという点から、大規模用地で他の不顕在化方式では不適当なところということを候補に考えておりますので、今申し上げました四つが候補地でございますが、その他のところについては今のところ他の方式で可能ではないかということで検討を進めております。
  11. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 それでは、この機会にちょっと大臣にお聞かせいただきたいと存じますが、昭和六十一年三月八日、衆議院の予算委員会で我が党の川俣健二郎議員質問に対しまして、時の運輸大臣三塚運輸大臣は、地価プラスアルファ、適正な評価額プラスアルファというふうになっておるのですが、議事録を素読みしますと、五兆八千億円、これはそのときの一定の場所の額でありますが、「五兆八千億円プラスアルファということで、国民負担をできるだけ軽減をしてまいりたい、これが基本的方針であり、これからの進め方であります。」というふうな答弁をされています。これは、適当な価格売却すればよいというのであればそれでいいわけですが、プラスアルファの要素が入っているようなんですね。そのプラスアルファによって国民負担をできるだけ軽減する、こういうところまで答弁をされております。  それでその後、今お話ございましたように地価顕在化をさせないという方針が出てまいりまして、時間的には三塚運輸大臣答弁の方が随分先なんですけれども、地価顕在化させないという方針が出されてきておるわけです。その当時の運輸大臣の御答弁が即地価を上げたのかどうか、これはまだわかりませんけれども、そういう方針が出されておったのでありますが、今回こういう 法案が出てまいりまして、その答弁だけではちょっと足りないというふうな感じも私はいたしますので、この三塚運輸大臣説明答弁をされた基本的方針なるものが今日の段階では消えてしまって、新しい基本的な方針というものが出ているのかどうか、そのあたりをお尋ね申し上げます。
  12. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 当時の三塚運輸大臣が、国民負担をできるだけ軽減してまいりたい、これが基本方針であります、こういう答弁をしておりますが、この基本的方針は変わらないと思っております。清算事業団用地につきましては、適正な価格前提となりますが、債務のこともありますのでできるだけ高く売却するという方針は現在も変わりません。その後、地価が上昇しておりますので、総額も、当時は五兆八千億と言っておりましたが、大きくなっていると考えております。
  13. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 私は、今の大臣答弁でも、そういう答弁になるのかなと予測していましたのですけれども、その当時、適正な時価売却するということであれば余り問題ないけれども、何兆何千億円プラスアルファという答えが議事録の中に出ていますので、その考え方国民負担を減らすという面では積極性があるわけです。だけれども、それはその後の反省で、そういう考え方が行き渡りますと今度は地価高騰につながってくる、地価顕在化してくるという両刃の剣のような感じがしまして、その辺をはっきりしておかぬといかぬのではないか。  大臣は、今、三塚運輸大臣の基本的な方針はそれでいいのだという意味の御発言でした。そういうことになると、今度出ました法案の約四カ所の土地についてはこの方式でいきますけれども、これは適正な時価プラスアルファという考え方でなしに、先ほど大塚さんから説明ありましたように地価顕在化をさせないというところに努力点が見られる、ほかにも理由はありますが。その基本的な方針という考え方については、三塚運輸大臣のおっしゃり方も、意欲はわかるけれども、国民負担軽減していくという意欲はわかるけれども、ちょっと適正じゃないのではないかというふうに思えてなりません。  今おっしゃった四カ所以外について、清算事業団がこれから売却していく土地については三塚運輸大臣考え方が生きてくるという意味にとったのですが、そういうことでよろしゅうございますか。
  14. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 先生指摘三塚大臣の御発言というのは、当時、六十年四月時点公示額から五・八兆円という計算をしたわけでございますが、そのころは実勢価格地価公示額の間に実態的には相当幅があったということで、五・八兆円プラスアルファということで言われたと理解しております。したがって、その意味というのは適正な範囲内でできるだけ高く売却して債務償還に充てるという趣旨でございまして、その点は現時点でも変わっておりません。ただ、最近は地価対策が浸透してまいりまして、地価公示額実勢価格の間にそれほど差がなくなってきておるということも事実ではないかと考えます。  私ども、今の株式変換予約権つき債券方式による大規模用地処分のほかに、他の用地につきましても同様に適正な価格範囲内でできるだけ高く売却していくという方針は変わりがございませんで、そのために地価の不顕在化法として他の方式も採用しておりまして、この地価の不顕在化法というのは、公示額等より安く売るという意味では全くございませんで、地価影響を与えない範囲でできるだけ適切にかつ債務償還に資するような価格で売るという趣旨でございます。
  15. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 趣旨はよくわかっておるのですが、議事録を見る限りは、今おっしゃったように公示価格実勢価格はあのときは差があったのですよ、それをうまくそういう言い方をして、そして適正な価格売却するということになれば問題なかったのです。  プラスアルファというような言い方をしていますから、この議事録を見るだけでは意欲はわからぬことはないのですよ、国家負担をできるだけなくしていくのだという意欲は。だけれども、表現としてはこれは妥当でなかったということですから、これからについては、大臣にもお願いしておきたいと思いますが、やはり実勢価格公示価格との差があるから、これは実勢価格で売るのか公示価格で売るのかという問題ですが、本当は、適正な時価というのは実勢価格を何ぼか集めてそれで計算していくということですから、やはり適正な価格売却する、その中で国民負担がなるべく少なくなっていくという努力を積み重ねたいということならいいと思うのですが、このままの議事録の文章を読むとそういうことに聞こえますので、特にそういう場合には影響が大きゅうございますから、これから特に御留意を賜りたい、このように存じます。  次に移ります。  六十二年度首で三十七・一兆円となっていたところの国鉄改革に伴って処理すべき長期債務等総額の中で、償還財源として分類された内容と金額、これがございますね。これは清算事業団から出ていますものを見ますと、その当時のものだと思いますが、その後、現在時点でその数字がどう変わっているのか、この機会にお尋ね申し上げたいと思います。
  16. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 清算事業団の承継しました長期債務につきましては、約二十五・五兆円が、その後金利等の増で二十七・一兆円にまでなりましたが、ことしの三月二十九日に、営団出資持ち分清算事業団の持っております持ち分政府に一括譲渡すること等もございまして、平成三年度首では二十六・二兆円と見込んでおります。  この債務土地JR株式売却収入新幹線鉄道保有機構に対する債権で償還することとなっておりますが、当時の一つの見込みと比べまして、土地売却収入につきましては、その後の地価趨勢等を反映して総額が上がってまいっていると考えております。平成二年度首の地価公示額をもとに清算事業団計算しているところによりますと、約十五兆円になるということでございますが、ただ最近の地価動向も不透明でございますので、この数字についてはなお精査が必要だと考えております。  それから、先生指摘資料等におきますJR株式売却収入というのは、これは額面を計上しておりまして、実際にJR株式売却するときには、額面の四千五百九十五億ではなしに市場価格売却できるということでございます。ただ、この売却価格幾らかということは、株式市場動向もございますので、現時点で私ども予測することは困難でございます。  また、新幹線鉄道保有機構貸付料のうちの清算事業団への債務につきましては、その後毎年の貸付料の一部から償還しているところでございます。  そのような全体的な今後の収入というのは今のところ正確に見積もることが困難で、今後JR株式売却が始まりましたら全体的な予測計画が立てられるものと考えておりますが、いずれにしましても、先ほど先生指摘いただきましたように、土地も適切な範囲内でできるだけ高く売却し、JR株式につきましても適切な範囲内でできるだけこれを売却するということで、全体として最終的な国民負担をできるだけなくす方向努力したいと考えております。
  17. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 数字大分変化をしてきているようですが、そういうもくろみの中で、国民負担十三兆八千億というのは数字は変わっていませんか。
  18. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今も御説明申し上げましたように、もともとこの十三・八兆円というのは、株式売却収入営団JR合わせて一・二兆円としております。このうち〇・七兆円が営団出資持ち分でございましたが、これは既に政府への売却で九千七百億円ぐらいになっております。残りの〇・五兆円と見ておりますJR株式、これは先ほど申し上げましたように額面株式を書いてございます。当時から売却収入というのが予測でき ませんので、そういう計算国民負担を十三・八兆円としたものでございますので、その当時としても、実際に株式売却できればそれより少なくなるということは十分予測し得たわけでございます。その後土地も上がっておりますし、JR株式売却も、JR経営が順調でございまして早期に行い得ると予測が立ちますので、国民負担というのはこれより限りなく少なくなる、そしてできるだけなくす方向で考えていかなければならない、努力していかなければならないと考えておるわけでございます。  ただ、具体的な数字については現在のところ申し上げられない状況でございます。
  19. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 国民負担軽減ばかりを言うわけじゃないんですけれども、御尽力されて、できる限り国民負担を下げていくという御努力、これを要望しておきたいと思います。  ただ、気になりますのは、この文書に、これは清算事業団から出されている文書でございますが、「事業団としては可能な限り自主財源からの収入の増大に努め、それでもなお不足する分については最終的には国による処理(国民負担)をお願いすることになっています。」こういうふうに書いていまして、これはやはり一番後に国民負担と言われる国からの支出、それに何か期待しておられるような印象を非常に強く受けるんですよ。これは活字になっていますからね。  ですから、もう少し意欲を持った決意のほどをここで示しておくべきじゃなかったのかなというふうに実は私は考えています。そうしませんと、国民負担というのは一番最後に残ってしまって、その前にいわゆるここに書いてありますところの自主財源をどうして求めていくかという前提がありまして、それで幾ら努力してもだめならこの国民負担で最終的にはお願いすることになっていますと書いてありますので、何かこれは昔から言う武家の商法と違うかという錯覚を起こしかねません。もう少し意欲が欲しいなというふうに思っておりますが、そういう意味で、国民負担の十三兆八千億をどこまで軽減することができるのか、これをこの法律案の施行によってひとつ判断をしていかざるを得ない。ですから、さっき大塚さんがおっしゃったできる限り国民負担を下げていきたいということに大いに努力をお願い申し上げたいと思います。これは要望いたしておきます。  それから次に、現在ある出資会社でございますね、これの設立の経過と、これから設立される出資会社計画はどのようなものがございますか。これが一つ。  もう一つは、この法律案を見る限りにおきまして、出資会社の全体像というのが出てこないのです。これはもちろんこの法律案だけでございますから二、三項目書いてあるだけで、それによって実現していくところの出資会社の全体像というものはなかなか浮かんでこない、イメージというのは浮かんでこないので、出資会社というのは大体こういうものなんだということを国民の前にわかりやすく説明が要るのじゃなかろうか、こういうふうに思いますので、全体像をひとつ説明していただきたい。  それから、この法律が施行された後の会社設立、株、債券発行株式上場、それからその後の見通し、こういうものについてもあわせて説明をいただきたいと思います。
  20. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 ただいま先生からお話のございました国民負担の問題でございますけれども、清算事業団といたしましては、事業団が発足いたしましたころに比べまして、その後JR経営も非常に順調であり、また土地値上がり等もございましたので、最大限の努力をしてできるだけ国民負担を少なくするという前向きの姿勢を示したつもりでございますので、この点、ひとつぜひ御認識をいただきたいと思います。  お尋ねの、まず現在事業団が既に設立してきた出資会社でございますけれども、現在ございますのは、昭和六十三年十二月に、関東地域を主体といたしまして、マンション販売の媒介とか事業団土地に関する情報誌の発行、さらには住宅展示場の運営、簡易駐車場の運営というような、事業団土地開発されるまで暫定的に利用する業務を行っておりますレールシティ関東という会社がございます。  次に設立いたしました会社といたしましては、平成元年三月に、都心に残されました非常に貴重な開発空間である汐留土地につきまして、これの暫定利用を主として行う、加えまして、その汐留に関連する必要な都市施設の配置を含めた土地の有効利用活用のための調査業務を事業団の委託を受けて行うレールシティ汐留企画という会社設立いたしました。それから、平成二年四月でございますけれども、不動産変換ローンを実施いたしましたが、この受け皿会社といたしまして、レールシティ東開発株式会社及びレールシティ西開発株式会社設立いたしました。これが現在まである既設の四社でございます。  次に、今回の株式変換つき事業団債を発行するに当たりまして、その受け皿会社としてどういうものを考えておるかというお尋ねでございますが、この点につきましては、法律を通していただきましたならば、関係法令の整備後、早速私どものところで会社設立準備室をつくりまして、具体的な定款の内容であるとかそれから組織であるとかを検討したいと考えておりますが、とりあえずの会社の仕事といたしましては、この汐留地区を対象として設立される会社でございますが、どういう開発をやるかというその基本計画の策定が主要なる任務になりますので、現金出資で、比較的小規模会社で主としてそういう企画業務をやる会社をとりあえず発足させる。その後、都市計画等の開発条件が確定いたしまして仮換地の指定等が済みますれば、現物出資をいたすことになりまして特別債券発行いたしますので、この段階においてはもう少し組織を拡充しなければいかぬのではないかと考えております。  さらに、将来これが、都市開発が、不動産開発が進みましてちゃんとした会社になった場合どんな会社になるか、こういうお尋ねでございますが、私どもといたしましては、この新しく設立される出資会社は、汐留というような都心に残された唯一の優良な土地を統一的な計画のもとに一体的に開発する、二十一世紀に残るようなすばらしい町づくりをやるという事業主体でございますし、また、現在いろいろシミュレーション等をやっておりますが、その不動産賃貸規模等につきまして、汐留面積等を考えれば、現在ございます大手不動産会社の賃貸規模と比較いたしまして決して遜色のないような賃貸の床面積を有する会社になります。  加えまして、新しくつくる会社でございますので、最新の建築技術によりまして都市計画法上の用途とか容積率の規制限度いっぱいまでの効率的なビルの建設が図られる、さらに賃料も、新しいビルの新しい賃料でございますから、既存の賃料に比べれば比較的有利な賃料が期待できる、そういう意味でかなりいい会社になるというぐあいに考えておる次第でございます。  以上、簡単でございますが、先生のお尋ねに対しての私の説明でございます。
  21. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 後ほど関連したこともお尋ねしたいと思いますが、株式上場前の新しい会社の位置づけと、株式上場後の新しい会社の位置づけ、位置づけというのは、いわゆる運輸省もしくは清算事業団との関連においてどういうふうになりますか、お尋ねをしたいと思います。
  22. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この特別債券発行に基づく子会社と申しますのは、清算事業団土地を現物出資してつくる会社であり、将来、債券株式に変換されるまでの間は子会社株式清算事業団が全額保有しているということで、清算事業団の一〇〇%の子会社でございます。  債券株式に全部変換されますと、変換されないものについても清算事業団株式処分して、純粋な民間会社になります。この民間会社になるまでの間に清算事業団と協力してその大規模用地について計画をつくり、ビルその他の上物施設をつくっていくわけでございますが、完全な民間会 社になった後は不動産賃貸業を行う会社というように位置づけられると思います。
  23. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 そうしますと、株式上場までの十年とか十二年とか、その期間がありますね。その間は清算事業団が唯一の株主でございますから、いろいろな計画を立てる場合、今理事長がおっしゃったようにマスタープラン、土地利用基本計画をつくったり手順を追っていく、これはその子会社がつくるわけですね、出資会社が。その場合も、清算事業団清算事業団の持っているノーハウをそこへ持っていって、そして協議する、運輸省側も運輸省としてのノーハウをそこへ持っていって、この目的に沿うような、そういう事業がうまく達成できるような関係はあるわけですね。
  24. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 そのとおりでございます。
  25. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 上場後なんですけれども、今おっしゃったようにそれはもう一つ株式会社として歩いていく、そしてそれはいわゆる土地とか建物とかを貸していく、こういう会社としてひとり歩きしていくわけですね。その場合は、清算事業団あるいは運輸省との関係は、いわゆる公的な関係は特になくなってしまうわけですね。  その場合、それから後、ちょっと私も割り切らないかぬなというふうには思っているのですけれども、なかなか気持ちの上で割り切れないものがございまして矛盾を感じているわけですが、それは一個の独立した株式会社でございますから、今度は株主があって株主総会の意向とかそういうものを酌みながらその会社経営をされていく。せっかく汐留のあの場所でいいものができたけれども、数年をたたずしてそれは売却されてしまうとか、こういうことはないのかあるのか、それはもう考えてもしようのないことなのか。割り切らないかぬなという感じはするのですけれども、その辺が気になって仕方ありませんが、そのあたりをどういうふうにお考えになっているかお聞かせいただきたいと思います。
  26. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この方式というのはあくまでも清算事業団用地土地処分を行うための方式でございますので、最終的には、土地処分が行われて清算事業団あるいは国のコントロールの及ばない民間企業になっていくというのはやむを得ないのではないかと考えております。ただ、先ほどこの処分方法のメリットとして申し上げました一つでございます一体的、計画的な開発というのは、この子会社が完全な民間会社になる前に行われるものでございまして、一体的、計画的な開発は保証される、これは清算事業団を通じ国も指導できるところでございます。  それから、それでは民間会社になったら勝手なことができるかと申しますと、このような大規模用地については都市計画決定が行われまして、それぞれの開発地区というのが定められますので、業務地区あるいは文化施設の地区、そういった区画の中で、将来幾ら民間会社といえども勝手に他の業務に変えていくというようなことは都市計画上制限されるということが一つでございます。  それから、この会社が特定の企業に結びつくというようなことがないためには、この会社株式変換を終えて完全な民間会社になっていく過程で、安定株主対策ということは清算事業団を通じて考えていかなければならないと考えております。
  27. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 わかりました。  そういうことになりますと、今度は株主の問題が重要なファクターを持ってくると思うのですね。それで、株式発行に関して、今おっしゃったような内容を含めて債券発行のときから注意しなければならない点が何点かあるんじゃないか。その裏側には、今くしくもおっしゃった安定株主対策というのも会社としては一つ出てくると思うのですが、特定の業者とか会社とかがこれによって特定の利益を得るというようなことはございませんか。債券発行イコール株式発行につながりますが、株式取得につながりますが、これで注意すべき点があればお聞かせいただきたい。
  28. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 安定株主対策というのは、清算事業団債券発行して株式を保有している間には直接出てまいらないわけでございますが、債券発行するときにその債券が特定の者に偏らないように販売されるということは確保する必要があると考えております。そこで、証券会社に委託して公募する方式を採用する考えでございまして、幸いにして人気が高まって応募の方が多いというような場合には、公正な抽せん等の方法で相手方を選定し、広く国民の投資家によって債券が保有されるようなことを考えなければいけない。それから、将来株式に変換されるに当たりましては、これはJR株式の上場の際にも同様な問題がございますが、中立的な企業等による安定株主ということも考えなければいけないんじゃないかと思っております。
  29. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 今おっしゃったことはまことに大事なことだと思うのです。それはそういう方針を確認して進めてほしい、このように思います。これは確約されたというふうに私はとっておきますけれども、方針としてそれが大事だ。  それともう一つは、この債券発行される場合、清算事業団が募集するわけにいきませんので、証券会社とかそういう資格のあるところへ委託をされるのですね、そうですね。そういう場合、これは実は大きな金額でもございまして混乱の起こらないようにやらなきゃいけませんが、先ほど申されたように広く国民一般に債券を引き受けてもらう、こういうことでございますから、証券会社へ委託する場合にもその点は十分配慮をしていただくと同時に、証券会社へ委託するその間の証券会社の利益は、手数料だけに限られますか、そのほかに影響が及ぶことがございますか。影響が及んだら大変だと思うのですが、お伺いします。
  30. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 これは他の債券発行の場合と同様で、手数料だけに限られると考えております。
  31. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 手数料は幾らですか。
  32. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 今度の特別債券につきましては、いまだこの種の債券は日本に存在いたしませんが、従来、一般に発行されております社債の発行の場合の手数料というのは約二%でございます。
  33. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 この債券発行するときの手数料は二%と考えてよろしゅうございますか。
  34. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 先ほども申し上げましたように、まだこの種の債券というのは日本には存在いたしませんので、現在のところ、確言はしかねますが多分二%程度でおさまると考えております。
  35. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 これは幾つの証券会社に委託をされるのか、その関係もございますし、額が非常に多うございますから、だから私は手数料二%でおさまりますかということを申し上げたけれども、本当はそれより少なくても、評判がよければこれはいけるという考えを期待してもよろしゅうございますか。
  36. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 私どもこの債券発行するに当たりましては、従来行われております引受募集の方法で発行したいと考えております。この方法によりますと、証券会社事業団から委託された価額で投資家に販売するわけでございまして、証券会社はその募集すべき債券のすべてを投資家に販売することが原則となっておりまして、この募集の状況につきましては取引所とか大蔵省その他の監督官庁に対する報告義務が付されておりますので、その点は問題ない、こういうぐあいに考えております。
  37. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 私どもが今日まで聞き及んだところの状況によりますと、この企業というのは、東京のいい場所で、面積も実にいい面積がありますし、一体性のある開発もできますし、便利な場所でもございますし、これは清算事業団さえきちっとやられれば非常に有望な将来性のあるものだというふうに、私どもが得た情報ではそう思うのです。ですから、それに参画していただく証券会社へ委託するときも、できるだけ偏らずに一般の国民に、先ほど大塚さんがおっしゃったように広く行き渡るような方法、完売してしまうという方法で、これこそ意欲を持ってやっていただきた いなと、このように要望いたします。  それと、汐留土地の利用計画から事業完成までの手順、これは先ほど石月さんがおっしゃいましたので省きますが、その土地利用計画から事業完成までの間に地方公共団体の許認可、審議等があるわけですから、そういう中で公共用地の要望等も、これはいわゆる道路とか河川とか公園というものではなしに、そういうものは当然都市計画事業の中に入っていますから、そのほかに、例えばこういう施設をつくりたいのでひとつ公共用地としてその用地が欲しいとかいうふうな場合も地方公共団体としては出てくる可能性があるのかなという感じがするのですが、その点について、土地利用計画から事業完成までの間に、地方公共団体がそういうプランをつくられる中でそういう要望が出てくる場合に、協議されるという場はございますか。
  38. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 汐留開発の都市計画、この前提となるものは私どもの資産処分審議会の方で答申を出しました土地利用計画でございます。この土地利用計画の策定過程におきましては地元公共団体、東京都、港区の皆様方の参加も得まして、その意見を十分反映して土地利用計画ができる、それを踏まえて都市計画決定が行われるという手続になっておりますので、その点で、先生のおっしゃる地方公共団体の要望は十分に吸収されているというぐあいに考えております。
  39. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 では、地方公共団体と協議とか話し合いをする場はある、こういうことでございますね。そのように受けとめておきます。  あと時間がなくなりましたけれども、一番後の方でございますが、この法律施行に関連しまして、この法だけではまだ行き届いたものでもありませんので、必然的に政令の整備というものが俎上に上ってくるというふうに聞いておるわけですが、その政令の内容というのは何と何が必要なのか、粗いもので結構ですからお示しをいただきたいと思います。
  40. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 特に政令で定めるべきものとしては、今回の株式交換権つき特別債券の内容でございまして、法律の第四十条第八項で債券発行その他の必要な事項は政令で定めるとありまして、その中で、発行の方法あるいは申込証、引き受け、払い込み、債券発行、それから株式交換権つき債券の原簿の問題、交換の手続、交換株式の保有義務等について定める予定にしておりますが、まだ具体的な内容は検討中でございます。
  41. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 これはだめかなというふうに思っておりますけれども、先ほどから債券発行から株式の交換まで申し上げたのですが、そういう有望な株式なら清算事業団として幾らか保有すべきじゃないかという意見、これも私たちの議員の中では出ているのです。それは、清算事業団が保有するとそれだけ債務償還が減ってくるので調子が悪いのだということは存じておるわけです。  といいますのは、個人の場合、自分の土地を手放すのは惜しいけれども、今手元に金がないのでこの土地を手放したいんだ、しかしこの土地は非常に有望なんだ、手元に金さえできればそれをもう一回買い戻したいぐらいの土地なんだという場合がございますね。それでもやむを得ない、手元にお金がないので売り払う、しかしこの土地がやはりうまく発展してほしいという願いがこもっています。その場合に、願いがこもっているだけで、先ほどの話では、会社が発足すればこれはもうその会社が株主とともに独自の活動をするということで、清算事業団も国としても公の面ではそれに一切関与ができない。そういうものをもっと発展させてほしいということでその株式を保有することはどうしてもできないのか、お尋ね申し上げます。
  42. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 十年間は清算事業団が保有するということになりますが、十年前後を経て株式に変換された後、なお清算事業団がその一部を持てないかという点につきましては、国鉄改革趣旨からしまして、清算事業団というのは土地株式処分によって長期債務を返還していくという暫定的、限時的な機関でございますので、これを永続的に株式保有のために存続させるというのは適当でないと考えております点が一点。  それから、このような不動産の開発会社については、清算事業団がいつまでもコントロールするよりは、民間の活力を活用して民間企業として進む方が将来のためではないか、株式に変換する後の株式価格の維持等の面からもその方が望ましいと考えております。  それでは、清算事業団が暫定的な機関なら運輸省ないし国が一部を持ったらどうかという御意見もあろうと思いますが、これも行財政改革の趣旨国鉄改革趣旨からして、国有財産として一部残すのは不適当であると考えておりますので、どうしても今のスキームのように将来は完全な民間会社、つまり土地処分を終えるということにならざるを得ないと考えております。ただその際に、公正さの確保その他で安定株主対策等にも配慮しなければならない点は、先ほども申し上げたとおりでございます。
  43. 山中(末)委員(山中末治)

    山中(末)委員 もう時間が来ましたが、この開発の問題につきましては、非常に国民も注目をしておりますし、失敗のないように、所期の目的が達成できるような御努力を特に期待いたします。  それから、この開発については特定の会社とか特定の者が利益をこうむるような結果にならないように特に御配慮をお願い申し上げておきたい、これは要望いたしておきます。  時間が参りましたので、一つ残っていましたけれども、これで終わります。
  44. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 次に、細川律夫君。
  45. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 関連で御質問をさせていただきたいと思います。  東北新幹線の東京—上野間が六月二十日に開業が予定をされております。これについての運賃及び料金は既に決まっているのかどうか、まずお伺いいたします。
  46. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 東北新幹線の東京—上野間はことしの六月二十日に開業する予定でございまして、今後この区間について運賃、料金を設定する必要がございますが、JR東日本の申請を受けて運輸大臣が認可をして決定すべきものでございまして、今後申請を待って決定することとなっております。
  47. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 昨日の新聞報道によりますと、JR東日本では特急料金について五百円値上げをするというような報道がありましたけれども、事実そういうような話が運輸省にあったのかどうか、そしてこれに対してどのように対応したのか、仮にこの五百円とした場合に上野及び東京からの料金はどういうような内容になるのか、御質問いたします。
  48. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 東京—上野間の運賃、料金につきましては、開業も迫っておることでございますので、JR東日本と私どもの間で非公式かつ事務的に議論しているところでございますが、まだ申請も出ていない段階でございますので、その具体的内容は決まっておりません。  なお、JR東日本の議論の中で一つの案とされております五百円が追加となった場合は、現在の上野までの特急料金に一律五百円が加算されることとなります。
  49. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 大臣に御質問したいと思います。  上野—東京間は三・六キロメートルでありまして、新幹線の駅から駅までの距離としては大変短い距離なんですけれども、これに一律五百円特急料金をプラスということはいかにも高い、サービスが向上したということを考えても余りにも高いと思いますけれども、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  50. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 先ほど総括審議官がお答えしたように、上野—東京間の料金につきましてはまだ申請も出ていない段階でありますので、私から具体的なコメントは避けたいと思いますけれども、申請があった場合には、利用者に過大な負担とならないように厳正に審査いたしたい、こう考えております。
  51. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 この新幹線の今までの上野までの料 金でいきますと、例えば盛岡から東北新幹線を利用した場合、盛岡から宇都宮まで乗った場合、小山まで乗った場合、大宮まで乗った場合、いずれも特急料金は五千三十円でございます。この宇都宮─小山─大宮間は七十キロメートルあるわけでございます。そしてもう一つ、盛岡から上野まで、この間の特急料金は五千三百四十円となっております。大宮─上野間が三十キロメートルですから、この三十キロメートルで三百十円のプラスになっているわけでございます。  こういうような従来の特急料金の体系からいたしますと、この東京─上野間、わずか三・六キロメートルでありますから、これを一律に五百円プラスということは当然高過ぎて考えられない、むしろ大宮─上野間三十キロメートルでプラス三百十円になっておりますから、当然これは東京まで行ったとしても同じような料金、盛岡からは五千三百四十円の同じ特急料金にすべきであろうというふうに私は考えます。  また、新幹線そのものが通勤にも最近は多く利用されておりますし、また日常的な旅行などでも新幹線は必須の交通機関になっておりますから、そういう意味でも、利用者の方からすれば安い料金で新幹線を利用できるというふうにしなければならないと私は考えます。  そういう意味で、再度この点については、私は特急料金は値上げをしないという考えなんですけれども、大臣のお考えを聞きたいと思います。
  52. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 先生おっしゃいますように、新幹線は最近通勤を初めとし日常的な国民の足として広く定着しており、このような利用実態を踏まえ、運賃及び料金につきましても適正な水準を確保すべきものと考えておりますが、いずれにいたしましても、先ほども申しましたように申請がまだ出ておりません。出た段階でいろいろな問題で検討を加えなきゃいけない、こういうふうに思っております。
  53. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 大変抽象的な答弁ですが、きのう新聞などで報道されておりまして、五百円じゃ高いのではないか、しかも三・六キロメートルで何も新幹線の料金を上げることはないじゃないかというような声が大変強いと思うのです。そういうことに対して、具体的にもっと大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。
  54. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 先ほど私が答弁申し上げましたように、まだ非公式かつ事務的に、いろいろな資料に基づき、またJR東日本側の意見を聞いている段階でございますので、大臣から今こうするということを申し上げられる段階でないことを御理解願いたいと思います。
  55. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 これは運輸省、運輸大臣に認可の権限があるのでありますから、運輸省としての考え方というものをきちっと、これは国会の場ですから言っていただかないと承服をしかねるわけです。  そもそも国鉄が民間に移行したときに一番心配されたことは、値上げがされていくのじゃないか、利用者が利用しにくくなるのじゃないか、そういう心配があって国会でも大変議論になったわけなんですから、そういう観点からも、こういう場できちっと運輸省としての考え方、これをぜひ聞かしていただきたいと思います。
  56. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 ただいまJRと非公式な議論をしている中でJR東日本の主張というのは、今回は新線部分が開通したわけでございますから、その開通に伴いまして駅関係の要員増、改良費用等の経費がかかるという点、それから上野─東京間が従来の山手線等の利用に比べて時間短縮でき、利用者のサービスが改善されるという点をとらえて、新線開通に伴う運賃、料金改定の際に料金についても何らか手を加えたい、改定したいというような意思表示をしておるわけでございますが、私どもも今結論を申し上げるにはまだ資料等も十分取り寄せておりませんし、また具体的には認可申請が出てきた段階で我々も公的な判断をしなければならない。したがって、認可の段階にはなぜそのような認可をしたかということについては世間的にも申し上げる必要がございますが、この段階で私どもあやふやな資料に基づいて先に結論を申し上げる段階でないということで御理解願いたいと思います。  ただ、先ほども大臣から申し上げましたように、利用者に過大な負担をかけないという観点は極めて重要だと考えております。
  57. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 質疑時間が終了したということですから……。  利用者に過大な負担をかけない、これは当然のことでありまして、具体的に五百円プラスをする、東京─上野間五百円一律にアップをさせる、そうしますと、先ほども申し上げましたように今までの新幹線の料金体系と違ってくるわけなんですけれども、それは私はおかしいと思うのです。東京─上野間だけにその費用がかかったとしても、東北新幹線全体を考えて料金というのは当然設定すべきでありまして、そこだけに費用がかかったからといって、あるいはサービスがそこだけ向上したからといって、それに一律五百円は高い、むしろ値上げはすべきでないというふうに考えますけれども、もう一度お願いいたします。
  58. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 ここで先生の御指摘について私がJR東日本の説明ばかりを申し上げると、まるでそれを支持したような感じになりますので、むしろ私どもとしては、そういうJR東日本の説明も十分に聞いた上で、先生の御意見も当然踏まえて公正妥当な結論を出さなければならないと考えております。
  59. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 それでは国民の要望として、新幹線の運賃の方は、三・六キロメートルの区間、これは当然上がると思いますけれども、しかし、特急料金については値上げはしないということでひとつ対処していただきたいと思います。  最後に、もう六月二十日に迫っておりますけれども、この運賃、料金の決定をするその手続的なものが今から間に合うのかどうか、タイムリミットはいつになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
  60. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 運賃及び料金につきましては、基本的には運輸大臣の認可事項でございますが、料金につきましては、認可に先立って運輸審議会の審議を経る必要がございます。ただ、JR東日本の主張としましては、指定席の販売等の準備期間が必要なのでできれば四月末までに認可してほしいと今事務的に言っているところでございます。
  61. 細川委員(細川律夫)

    ○細川委員 今、東京─上野間の開通に伴います特急料金について御質問しましたけれども、庶民が利用しやすい新幹線として、特急料金の値上げはしない方向でぜひひとつ運輸省の対応を心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
  62. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 次に、緒方克陽君。
  63. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 今の問題で一つだけ聞きたいのですが、新幹線の特急料金というのも、その体系は要するに一定の距離で決められていると思うのです。そうすると、今度東日本が言うようなことになると、体系そのものが壊れてしまうということになるのじゃないかと思うのですが、その辺はどうですか。
  64. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今回は東京─上野間約三・六キロという新線の開通に伴う運賃、料金をどうするかという問題でございますから、今までの体系そのものを変えるという話ではないと理解しております。
  65. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 体系が変わらないということであれば、従前の料金で設定されるのが当然であるというふうに申し上げておきたいと思います。  それでは、法案について質問に入りたいと思います。  法案の資料だけではなかなかイメージがはっきりしないということでありまして、同僚議員からもいろいろ質問が出たわけでありますけれども、事は国民の財産の処分の問題であり、お金の問題であるわけですから、このことがわかりやすく処理をされていかなければいけない。土地処分がされ、そして債務が返済されていくということにならなければならぬわけですが、非常にわかりにくいという意味で、少し資料を確認したいと思う のです。  社会党として政府側から説明を受けた後、我々が質問するということでさらに大塚さんの方から説明をいただいたのですが、その資料があるわけですけれども、その中で「スキーム図」というのと「株式変換特別債券方式の仕組み」「特別債券の標準的スケジュール」、それから「債券の一例」「会社の概要」というものを示されているわけであります。これは本法律案と一体だということで、追加資料というようなことでしていかないとなかなか質問がしにくいものですから、追加資料というふうに受け取りたいと思うのですが、どうですか。
  66. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この特別債券発行方式につきましては、例えば、今候補地となっております汐留の例で申し上げましても、今後東京都が都市計画を決定するに当たり容積率が幾らになるか等はまだ定まっておりませんし、その時期は、今平成四年度の初めということで計画はしておりますが、これは東京都が行うことで、完全に確定していない要素がいろいろございます。  しかし、この方式をわかりやすく御理解いただくために、いろいろな仮定を前提として、その一例として資料をつくって御説明をしたというふうに御理解いただきたいと思います。
  67. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 確かに、それは不確定な要素はあるでしょう。あるでしょうけれども、何らかの根拠を示さないと結局議論にもならないということであって資料として出されたわけでしょうから、そういう意味では追加資料というふうに確認をしていきたいと思います。  二番目に、「株式変換特別債券方式の仕組み」の問題でございますが、開発条件が確定した後に債券発行額が決まることになるけれども、その決定の権限はどこにあって、その発行額の根拠はどうして決まって、発行数は幾らになるのかということについてお答えいただきたいと思います。
  68. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この法律が成立いたしました後、まず候補になるのが汐留だと考えられますが、この汐留について特別債券発行する場合には、まず清算事業団の方で、資産処分審議会に今の予定では特別な部会を設けてこの内容について議論をしていただく、かつ、債券発行するに当たりましては運輸大臣の認可を受けるということになっております。この認可は大蔵大臣も協議いたしますが、その際に、債券発行の内容等について政府でもチェックいたしますし、それ以前に、資産処分審議会におきまして専門家に御検討いただくことになろうかと思います。
  69. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 次に、場所の問題ですが、先ほど同僚議員の質問の中で、この方式汐留で出発するが、汐留と梅田と品川東京東京の場合は三つあるようですけれども、そのことについて、法律ができた後ひとり歩きするのじゃないかということでこれ以外にはないのかということに対して、今のところそれ以外は考えていないというような話でしたが、今のところということになるとその後あるのかということにもなるわけでありまして、そこはある程度明確にしてもらわないといけないのじゃないか。この四カ所の中でもほかの方式をとる場合もあるかもしれないけれども、少なくともこの四カ所が上限というふうに見ていいのじゃないかと思いますが、その辺はどうですか。
  70. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今のところは上限と考えておりますが、これに近い規模用地として、例えば名古屋の笹島地区とかございます。今のところはこの処分方式をそのような地区に採用する予定はございませんが、この処分方式が動き出して、これは非常にいい制度であって他の地区にも適用すべきだという声が出てきたり、あるいは世間がそういうふうに理解した場合の問題がございますので、私がここで四地区に限定すると言うことはいかがかと思いますけれども、今の段階で申し上げれば四地区が対象じゃないかと思っております。
  71. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 この汐留を含めて四つの土地処分計画されているわけですが、その資産評価額は最新のところで一体どうなっているのかということをお答えいただきたいと思います。
  72. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 先ほども申し上げましたが、現在の清算事業団の保有しております土地の総評価額というのを、平成二年四月に公表されました地価公示額で見直しました結果約十五兆円であると考えておりますが、それでは汐留品川等がそれぞれ幾らかということについては、これを申し上げますと地価顕在化させたということにもなりかねませんので、個別な価額評価については御容赦願いたいと思います。  ただ、汐留につきましては、このスキーム上、資料等で三兆円から四兆円というのを一つのめどにして検討していくが、これは債券を具体的に発行します平成四年度の段階で地価が変動しておるでしょうから、最新のデータに基づいてもう一度専門家に鑑定して評価していただくことになろうかと思います。
  73. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 それで、一つ一つ会社が今までの説明によると出発をしていくわけですが、四つの会社が発足をするということになるわけですけれども、まず汐留から出発して、しばらくたって第二、第三ということになるでしょうけれども、どういう流れで計画をされているのかということについてお尋ねいたします。
  74. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 汐留につきましては、この法律が成立しましたら直ちに手続の準備に入りまして、平成四年度には処分を開始する方向で進めたいと考えております。  その他の地区については引き続きということでございますが、今決まっておりますのは、このような大規模用地も含めて平成九年度までに実質的な処分を終了するということが閣議でも決定しておりますので、この趣旨に沿って進めたいと考えております。  ただ、梅田につきましては、梅田北の操車場の機能を吹田に移転するについて、まだ若干地元の問題が残っている。それから品川駅については、品川新駅の問題が検討中であるというようなまだ解決すべき問題が残っておりますので、そういう問題をできるだけ早く処理して、閣議決定の線に沿ってこの方式の導入について検討を進めたいというのが今の計画でございます。
  75. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 それで、この特別債券発行の問題ですが、先ほど同僚議員から質問がありましたので一、二飛ばしていきますけれども、この売り出しは全部か、あるいは部分的なこともあるのか、恐らく全部だというふうに思うのですが、大体どういう形で売り出しがされていくわけでしょうか。
  76. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 ただいま申し上げましたように、具体的な発行方法等については資産処分審議会で検討した後、運輸大臣の認可を受けることになりますが、平成四年度に債券を売り出す。ただ、その前提としまして、都市計画決定によって容積率等が改められませんと将来の青写真が描けないということもございますので、そういうものと関連して、時期を選択して債券発行して処分していくことを考えております。
  77. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 そして特別債券が売り出されて、最終的には株式処分がされるわけですが、債券発行後、何年後になるのか、そしてそれは全部なのかどうかということについてお尋ねいたします。
  78. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 つい常に前提汐留のケースで申し上げまして、今平成四年度と申し上げたのも汐留を念頭に置いたことでございますが、この場合には、平成四年度に債券発行するとともに、子会社は現物出資を受けてその地区について上物を建設して、上物ができますとテナントに賃貸しをして賃貸料で利益を上げていく、利益が上がれば株式というものが価値が出て上場もできるようになるという仕組みになりますが、私ども、これも今後さらに詰めていかなければなりませんが、今考えておりますのは、そのようなビルが全部完成して賃貸料から利益が上がって一人前の会社になるのに十年ぐらいではないか。したがいまして、十年後に株式変換ができる時期になり、その際債券を保有している投資家が変換権を行使する、そういうスケジュールを頭に描いておりま す。
  79. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 それで、先ほど資料ということで確認をしました「特別債券の標準的スケジュール」ということでいきまして、最終段階で株が処分されて上場をされた場合に、元本部分を差し引いたいわゆるキャピタルゲイン分というもののうち、二分の一が投資家への割り増し部分、それから残り半分が投資家の追加払い込みということで事業団に入って、その部分がまた債務償還に充てられるということになっているわけでありますが、先ほどの質問でもありましたように、できるだけ国民負担を少なくするという観点からすれば、この部分が二分の一という考え方についてどうなのかという気持ちがあるわけです。  例えばこの表で見た場合に、何十倍に見るかといういろいろな方式があるわけでありますけれども、二十五倍ということで売れたと仮定いたしますと七・五兆円で、一兆二千五百億が投資家、それから残りが事業団収入ということになるわけでありますけれども、そういうことはいかがなものか。もっと事業団の返済部分をふやすということで、例えば事業団三分の二、投資家三分の一というような考えもあっていいのではないかと思うわけでありますが、この辺、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  80. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 今、事業団と投資家と折半ということで、事業団の方をもう少しふやしたらどうか、国民負担を軽くするという意味でふやしたらどうかと。こういうことは私どもとしても大変望ましいことでありますけれども、一方、これは特別債券、あるいは将来株式になるわけでございますか、投資家の魅力が減少する、こういうような状況もございますので、その点も十分踏まえ、資産処分審議会の専門委員の意見も聞いて決定をしたいと考えております。
  81. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 それでは、「特別債券の標準的スケジュール」で汐留の場合の例で少し具体的にお聞きをしたいと思いますが、まず、子会社設立平成三年の秋ということで、ここでは幾ら出資をされるわけですか。
  82. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 会社設立は、今後の都市計画の決定の時期等とも関連いたしますが、私どもといたしましてはできるだけ早い時期に設立をいたしたいと考えております。  当初は、会社の業務は主として汐留開発の基本計画の策定にございますので、約二十億程度の現金出資で会社設立して調査業務に当たらせたい、こういうぐあいに考えております。
  83. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 そして引き続いて子会社への土地の現物出資ということで、平成四年度の中ごろを予定しているということに表ではなっておりますが、そのときに株の値決めをするために一定程度の債券事業団が持っておく必要があるということでありますが、それはどの程度のものを考えていらっしゃいますか。
  84. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 一応二割程度持てば十分ではないかというぐあいに考えております。
  85. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 そうすると、二割ということになりますと、六千億、六百億ですか、どれくらいになるのですか。
  86. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 一割ないし二割と訂正さしていただきたいと思いますが、まあ一割でございますと三百億ということになります。
  87. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 一割か二割かというのは、三百と六百では随分この数字が違うわけでありますが、幅がそんなにあるのですか。
  88. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 具体的な割合は今後検討していくことになりますが、NTT株や沖縄電力株の場合には、売却株数の約一割を値決めのために入札しておりますので、これらを参考にしたいと思います。
  89. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 そういたしますと、子会社設立で二十億、それから子会社への土地の現物出資のときに三百億、一割でですね、債券事業団も購入するということになるわけでありますが、そういたしますと、政府からもらいました資料でいきますと、最終的には子会社の上場に伴い株式変換権を行使したときに、元本部分とそれからそれにキャピタルゲイン部分がありまして、キャピタルゲイン部分が二つに割られて清算事業団と投資家へということになりますが、その部分は、この表でいきますと右の欄に出てくるといいますか、それはあなたの方から説明をいただいた債券の一例でいいますと、どの程度の部分がふえてくるということになりますか、三兆円ということを一例として挙げた場合のことになるわけですが。
  90. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 株式の一割でございまして、これは値決めのためでございますから、処分をいたしますと、これはキャピタルゲイン分も含めて清算事業団収入になるわけでございます。これは債券出資会社株式の交換と出資額との関連にもよりますが、例えば、債券を三兆円発行して、株式をその分としては三千億としますと、一割として三千三百億の資本金にしなければならないというような計算になります。
  91. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 三千三百億、もっと細かに言えば、子会社設立の二十億も入るのじゃないですか。(大塚政府委員「はい」と呼ぶ)そういたしますと、三千三百二十億になる。  私が質問しているのは、それがされていって、最終的に子会社が上場された場合の株式交換権の行使がされたときに、それは幾らになるのですかということをお尋ねしたわけです。
  92. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 これは非常に難しい計算で、株式が上場等をされた場合に時価が何十倍になるかという関連で数字が違ってまいります。したがいまして、今申し上げました例でも何十倍かによって違いますが、株式のうち、今の例で申し上げました三千三百億としますと、三百億は、その何十倍かになりましても入札価格そのものが処分収入になり、残りの三千億については、最初に仮に三兆円債券発行したとすれば、それが株式に転換されますので、これは仮置きでございますが、キャピタルゲインの二分の一が事業団収入になると事業団収入になる。これは何十倍になるかによって額が違いますので、それぞれについて計算が必要だと思います。
  93. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 ですから、政府の方から資料をいただいたもので見まして、仮に二十倍といいますか、六兆円ということになった場合にはどうなるのですか。
  94. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 単純な計算で申しわけございませんが、その三百億分が六千億になるということでございます。
  95. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 わかりました。六千億というよりも、二十億まで足せば六千四百億ですか。その部分が縦で出てくるということですね。  そこで次に、この会社のイメージについて少しお尋ねしたいのです。  先ほども同僚議員から質問がありましたように、この会社の将来がなかなか見えないということであります。しかし、どうもいろいろお聞きしてみると、会社設立のときには二十億円で設立をされて、それから現物出資と三千億という形になっていくわけですが、株式が上場されたとき、およそ十二年後、そのときには資本金三千億円の会社ということになりますが、現在、三千億円の資本金という会社は、日本の上場された企業の中ではかなり大きな方になるというふうに思いますが、何番目ぐらいになるでしょうか。
  96. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 かなり大きな規模になると思いますが、何番目ということはちょっと申し上げられません。  これは、資本金というのもそれぞれ、過小資本の会社もございますし、割合大きな資本金の会社もございますので、例えば自動車会社でいいますと、トヨタなどが二千五百億円、日産などが二千億、それから新日本製鉄が四千百億ぐらいというような現在、状況でございます。そういう企業に比べて資本金が大き過ぎないかという疑問もございますが、この資本金というのは現物出資の土地をあらわしている資本金でございますので、土地がそのまま生きて上物をつくるというので、それに見合った利益が確保される。逆に、どの程度利益が確保されるかによって資本金の額を決めればそういうことも可能ではないかという私どもの一 つの試算の例でございますので、もちろん具体的に会社をつくるときには、そういう将来の収益ももう一度専門家に検討してもらって資本金額を決めなければならないのじゃないかと思っております。
  97. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 今の話はちょっとおかしいのじゃないですか。要するに、資本金がこれだけ大きいということを言うと、いや、他のところの会社の資産とかその他を比べれば、資本金の額だけでは会社の内容を見ることができないという意味で、何か三千億をまた変えるような話もあるようですが、その辺は一つ考え方として、大衆的に債券を買ってもらう場合に、余り高いとなかなか買ってもらえないということで、皆さんの考えでは債券額面を五十万にしたということでありますが、これを仮に百万にすれば千五百億ということになるのですか。その辺はどうなんですか。
  98. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 これは、債券発行総額株式額面額と、それが上場された場合の時価として株価が何十倍になるかという関連でございますので、一つのパターンとして、仮に三兆円債券発行すれば三千億ぐらいの資本金で二十倍として六兆円ぐらいになる、こういう仕組みで全体として可能じゃないか、かつ三千億ぐらいに現物出資の土地を評価した場合に、土地代というものが新たに投資する必要がございませんので、上物をつくった場合に、それに見合う、つまり配当可能な利益を生むのじゃないか、そういった点で私ども一つの試算をしているわけでございます。
  99. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 いや、私が質問しているのは、あくまでも資本金ということで政府の方でもいろいろ検討された上で三千億円という数字が出たでしょうし、それが何か変わるような話であれば、これは審議にならぬじゃないですか。その辺は一定の根拠があって、いろいろなことを考えられてやられているのじゃないですか。その辺はどうなんですか。何かあいまいな話じゃ議論もできませんですよ。
  100. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 先ほども申し上げましたように、債券発行総額三兆円、資本金三千億というようなのは一つの例でございますので、これがそのまま汐留債券発行総額になるというものではございません。汐留につきましては、来年度、債券発行する直前の時価等を参考にして、できるだけ消化可能な債券発行総額を決めなければならない、またその時価に見合って資本金額を定めて、その上物の賃貸料等も計算しなければならない、こういうことでございますので、これで固定しますと、かえって今後汐留等について、先ほど大臣からも申し上げましたように、できるだけ適正な価格範囲内で高く処分していくという趣旨にも合いませんので、一つのパターンとしてこういうことが可能だということでございますが、債券発行総額その他、そのときの土地時価によってこの内容も変わってくるということは御理解願いたいと思います。
  101. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 今の話を聞いておりますと、地価がそんなにむちゃくちゃ変わるわけはないでしょう。三兆円という根拠も、これは一番想定される近い数字で出されていると思うのですが、それが何か変わるかもわからぬという話になれば、議論のしようがないじゃないですか。ある程度中心的にこの辺になるんじゃないかということで出されている数字じゃないのですか。
  102. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 これは地価の顕在法でございますので、汐留地価が三兆円というのは、その地価を我々があらわしたようなものでございまして、そういうふうに私どもは判断できませんので、汐留地価等を基準にして三兆円から四兆円ぐらいが今のところは想定されるものだが、具体的にはいろいろ専門家の鑑定を受けて、その開発後の地価等を想定して発行総額を決める、これがまさに地価顕在化法土地処分方法でございますので、説明資料ではそういうものを出しましたが、ここで、地価幾らか、もう決まっておるんじゃないかということについては、御答弁は御容赦願いたいと思うわけでございます。
  103. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 それで決まったというふうに言っているわけじゃないのだけれども、三兆なり四兆という幅があるわけだけれども、それはそれぐらいの考えでしょう。その場合に、資本金というのは、投資家のことを考えれば債券額面を余り上げればなかなか買ってもらえないじゃないかということになれば、結局三千億程度あるいは四千億程度の資本金ということに結果としてはなるのじゃないですか。
  104. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 そのとおりでございます。
  105. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 そこで、これは日本経済新聞社が出した会社年鑑ですけれども、資本金のランクがあるわけですが、一番大きいのは日本電信電話で七千八百億ですね。以下、東京電力、関西電力と続いて、東海銀行が十三番目で三千九十五億ということで、これは平成三年三月二十二日現在の、日本経済新聞社が出したやつでいきますが、これでいきますと十三番目か四番目の企業になるということでございますが、数字的にはそういうことになりますですね。どうですか。
  106. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 ちょっと今手元にあれを持っていませんが、単に額の順位からいえば、非常に高いランクに属すると思います。
  107. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 それで、この会社は上場されますと、今日の業界での分類では、最初はビル建設業のようですけれども、その後は不動産賃貸業ということになるようですが、それは間違いないかどうかということ、会社の性格。  それから、不動産賃貸業に最終的になった場合に、その会社は、今日の、例えば三井不動産が千二百から千三百億、それから三菱地所が九百億で、住友不動産が八百億程度の資本金ということになっておりますが、これは清算事業団の方からお答え願いたいのですが、大体そういうふうになりますですか。
  108. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 先生のおっしゃったとおりの資本金になっております。具体的に申し上げますと、一番大きい三井不動産の資本金が千二百八十四億でございます。建物の賃貸面積が百八十四万平米でございます。三菱地所の資本金が八百三十九億でございます。建物の賃貸面積が百七十四万平米でございます。住友不動産の資本金が八百六十三億、賃貸面積が四十四万平米でございます。これに対しまして、出資会社の現在のシミュレーションによりますと、建物の賃貸面積として七十一万平米ぐらいのものを考えております。
  109. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 この会社が認可申請をされていくわけですが、設立の場合にほかの会社と違う点があるのかどうか、あるいは認可申請の手続はどういう形になっていくのか、その点についてお尋ねいたします。
  110. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 清算事業団が全額出資するという点を除いては、通常の会社設立と同じような手続で進めます。
  111. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 その手続はどういう形になるんですか。事業団の方から。
  112. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 私どもは、法案が成立いたしますれば、関係諸法令の整備を待ちまして、その手続に従いまして私どもの定款を定め、運輸大臣の方に認可を得るようにお願いするということになると思います。
  113. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 これも政府からいただいた資料ですが、昭和六十三年十一月十五日、当時は運輸大臣石原慎太郎氏ですけれども、それに対して、日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦さんの名前で、「レールシティ関東株式会社に対する投資の認可申請について」ということで、投資額とか投資の理由とか、それから役員といいますか発起人まで含めて、それから定款も含めていろいろ出ておりますが、そういうものとほぼ変わりないということでありましょうか。
  114. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 そのとおりでございます。
  115. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 それから、この会社は、設立から上場までに性格が変わるのかどうか、会社の性格についてお尋ねをいたします。
  116. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 株式が変換されるまでは、事業団の全額出資の子会社ということで、事業団が直接コントロールするという形の子会社としての性格は変わりません。
  117. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 それで、実はこの会社は、あの地区に霞が関ビルのようなものを五つぐらい建てるということのようでありますが、そのためには膨大な資金が要るわけでありまして、約九千億ぐらいの資金が必要だというふうに言われているわけであります。その資金も、今日、公定歩合も下がろうかということでありますが、かなり資金的にいろいろ問題もあるということにもなるのではないか、資金調達は果たして大丈夫なのかどうか、その辺はどのように考えていらっしゃるか、事業団の方からお答えを願いたいと思います。
  118. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 御案内のように、この会社は、汐留という都内の最も優良なる土地を、金銭の支出を伴わないで取得するわけでございます。またその上に、建物の建設費につきましては、現在まだ都市計画等が確定しておりませんので明確に申し上げることはできませんが、先ほど先生がおっしゃいましたような金利を含めて九千億、一兆円近い額にトータルではなるのではないかというぐあいに想定しております。  しかしながら、この事業団の現物出資を受けたいい土地の上につくる会社でございますので、それに即応したような十分の賃料も取れる見込みもあり、そういうことを勘案いたしますと資産価値が非常に高いものを持っておりますので、それを担保として十分民間から借り入れることが可能だというぐあいに考えております。
  119. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 今の点で再度お尋ねしますけれども、これは公的なお金は入らずに、あくまで民間のお金を銀行その他から調達をされるということになるわけですか。
  120. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 一応そのように考えております。
  121. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 そこで、この会社設立のときは小さい会社ですけれども、十年後には不動産賃貸業ではもうトップもトップ、倍の資本金ということになるし、先ほど事業団の方からは貸し付けの面積なんかでいうとトップではないというような話もありましたけれども、大変な会社になるということは間違いないわけでありますが、この会社の人事はどこで、だれが決められるのでしょうか、政府の方にお尋ねいたします。
  122. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この会社は、基本的には清算事業団が出資する清算事業団の子会社でございますので、その人事等も清算事業団が中心となって定めることになりますが、この会社の目的に沿った人事が行われるように清算事業団には指導していきたいと考えております。
  123. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 質問したのは、どこで決めるのかということを聞いたわけで、事業団で決めるわけですね。
  124. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 そのとおりでございます。
  125. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 そうは言いますけれども、設立の場合には認可申請があるわけですね。その辺の絡みはどうなんですか。
  126. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 認可申請書等にはそういうものは添付されているから、私どももそれを見るといいますか、どのような内容かを知る立場にございます。
  127. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 そこで、この人事というのは非常に大きな問題があると思うのですが、特定の人、今まであの辺の開発をしてきたところの人等になるんじゃないかとかいろいろな話が巷間言われているわけで、関心の高い問題であるわけです。  そこで、事業団の方が申請書に名前を記して大臣に認可申請をするということのようですけれども、事業団としてはこのトップの人事はどのような基準で決められるわけでしょうか。
  128. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 この会社は、基本計画の策定、その後の事業の実施に関連いたしまして事業団と極めて密接な関係にある会社でございます。したがいまして、職員、役員の構成につきましては、まず従来から事業団汐留開発に従事をしておりまして汐留開発について十分に知識のある人を起用したい。それから、今後の開発の各段階に応じまして、都市計画とか区画整理というような関係の開発諸制度に通暁した人も必要でございますし、また、その開発資金の調達に関係いたしまして金融のエキスパートも必要でございますし、また、そのテナントの開拓等の営業活動を行うためには、これは不動産会社の経験のある方に来ていただかなきゃいかぬということで、ノーハウを持った優秀な人材というものを官民にわたって広く集めて考えていきたいというぐあいに考えております。
  129. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 結局そこのところで、不動産を、いわゆる清算事業団用地処分するというための一つ会社ができていって、その巧みな仕掛けの中で結局運輸省その他の天下りの人たちが、しかも非常に大きな会社の役員になるということに結果としてなるということで、そのためにつくられたんじゃないかというようなことになりかねないわけでありまして、天下りというようなことがあるのでしょうか、ないのでしょうか。
  130. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この会社が貴重な都市空間を一体的、計画的に開発していくという意味において、いわゆる天下り人事は排すべきだと考えますが、一方、この会社が適正に公的に開発していくということから見れば、それなりに各分野に精通した人間も必要である、特に清算事業団とは人事上も緊密な連絡を持つべきではないかと考えております。
  131. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 これは非常に大きな問題でありまして、関心事だということで、このことについては後ほど同僚議員がまた質問をされますので、そういうことでとどめておきたいと思います。  最後に、これは大臣にお尋ねをいたしますが、用地処分の問題で、こういう形で、大都市にあってしかも非常に価値の高い用地処分ということとか、あるいは地域開発に協力するといいますか役立つといいますか、そういうことでやる部分もあるわけですが、地方などでは実際には事業団土地だけれどもなかなか買い手がつかない、要するにそこは地方自治体の道路にするとかあるいは駐輪場にするとか、そういう地方自治体のところに適当な値段で譲渡をすれば公共団体も非常に助かるという意味で常に陳情がされているわけであります。今回の汐留のような比較的価値の高いものじゃないものが現実に地方には数多く残っているわけでありまして、これは用地を早く処分するという観点からも、そういうものは地方自治体に早急に処分するということが国民のためになるというふうに思うのでありますが、その点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  132. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 先生御承知のとおり、清算事業団用地清算事業団の抱える膨大な長期債務償還のための貴重な財源でありまして、その処分に当たりましては、国民負担軽減を図るとともに、公正さを確保するため公開競争入札によることを原則といたしておりますが、確かに今やっております汐留みたいな中央の土地と比べて、地方についてはなかなか処分ができないというようなところも聞いております。  また、地方におきましては、JR土地じゃないか、いわば国の土地じゃないか、非常に安く利用したい、こういうような考えで来ているところもあるやに聞いておりますけれども、地方公共団体が公用、公共用の用途に供することが確実な場合には、地域整備配慮する観点から随意契約により売却することといたしております。この場合でも適正、適切な価格配慮したい。もちろん駐輪場や道路あるいは駐車場、そういう場合につきましてもケース・バイ・ケースで今の方針に沿って指導してまいりたい、こう考えております。
  133. 緒方委員(緒方克陽)

    ○緒方委員 以上で私の質問を終わります。
  134. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十九分休憩      ────◇─────     午後一時一分開議
  135. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。常松裕志君。
  136. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 まず、設立される予定の子会社の定款を、あるいは定款の案をお示しください。
  137. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 会社の定款におきましては、会社設立目的としてその行う事業を規定することになっているところは御案内のとおりでございますが、今回設立いたします新たな出資会社は、汐留地区内の、事業団より現物出資を受けました土地におきまして不動産事業を行うこととされておりますので、基本計画の策定並びに実施設計、建設工事等を順次実施していく予定でございます。さらに、賃貸ビルの開業に向けましてテナントの募集等の営業活動を行うとともに、完成後のビルのメンテナンス計画等を策定していくこととなっております。また、ビルの開業後にはビル施設の管理、テナントの管理等、現物出資を受けた土地におきまして不動産賃貸事業を実施していくこととなっております。  新会社の定款におきましては、これらの具体的な事業を規定するものといたしております。建設計画の立案、建設工事の実施などの不動産開発事業、不動産賃貸などの不動産管理運営事業及びこれらに附帯する業務というようなことが記載されることになると思います。
  138. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 資本金の額及び設立委員の氏名等についてお答えください。
  139. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 資本金の額等につきましては、現物出資をいたします土地価格等を下回らない範囲内で、今後金融情勢等を勘案しながら決めていくことになろうと思いますけれども、一応千億から三千億程度の範囲内というぐあいに考えております。  それから、設立委員につきましては、現在のところまだそこまで検討はいたしておりません。
  140. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 いつその会社を発足させる予定なのですか。
  141. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 年内に発足させたいと考えております。
  142. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 年内に発足させる会社設立準備委員を、まだ考えていないということですか。
  143. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この会社前提となります法案がまだ国会で御審議中でございますので、その準備といいましても、事業団の中でこれから行うものでございますから、私どもそういう会社につきましては法案成立後に諸準備を行いたい、事業団を指導したいと考えております。
  144. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 それは国会の軽視ないしは無視じゃありませんか。  この法案は、目的として汐留あるいは梅田、品川等の非常に価値の高い土地売却を行うために必要な法案というような説明がございました。申し上げるまでもなく、大変貴重な国民の旧国鉄の財産ですね、それを処分をする会社の中身について国会の審議の場に提出をされないというのでは、審議のしようがないじゃありませんか。どういう会社になるのか全然見当がつかないじゃありませんか。NTTが民営化するときに、これは逓信委員会ですけれども、国会には会社法が提出をされて、そして一年以上にわたって慎重に審議をされたという経過があるじゃありませんか。どうして今回はそういう基本的な会社の輪郭のようなものがこの国会に提出をされないのですか。
  145. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 ちょっと先ほどの説明を補足させていただきますが、清算事業団が子会社をつくる場合、設立発起人は一人でもできますので、従来の例ですと理事長が設立発起人になっております。  それから、先ほど現物出資ということで資本金額を申し上げましたが、これは汐留その他共通して言える額を理事長から申し上げましたので、汐留を想定してつくります会社は今秋にも発足させたいと考えておりますが、当初は現金で清算事業団から二十億円前後を出資してまず会社をつくり、その会社が諸準備を行うとともに、都市計画決定をされた後に汐留土地を現物出資する、こういう手続で考えております。
  146. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 それは先ほど緒方委員質問に答えていらっしゃるからわかります。  私がお尋ねをしているのは、その資本金の額、それは会社の基本になるわけですから。あるいは、設立準備委員は一名だということですけれども、概ね役員にはこういう人を予定しているとか、そういう資料がなければ、国民の財産の処分に当たるこの委員会の審議として極めて不十分な資料ということになりませんか。
  147. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 法案が成立する前に余り具体的にいろいろ決めるというのもいかがなものかとも思いますが、今申し上げましたように、設立発起人については御説明しましたが、出資金額については、清算事業団の予算の管理費に分類されるものの中から、運輸大臣の認可を経て、今のところ二十億円ぐらいを出す。それから、後に現物出資する際の出資額につきましては、これは時価より低い額で出資することができるとなっておりますが、先ほども私御答弁させていただきましたけれども、汐留土地について来年債券発行する直前の時点での地価というものを鑑定評価して債券発行総額を決める、それとの関連において、先ほどは一つのメルクマールとして、めどとして三千億と申し上げましたけれども、そういう形の出資額なら利益も計上でき、将来上場できる、これは他の企業に比べて資本金額だけでいいますと非常に大きゅうございますが、そういうことを今念頭に置いて会社設立を進めたいと考えております。  ただ、役員にだれを任命するかどうかはまだ白紙でございまして、これも先ほど申し上げましたけれども、この会社清算事業団全額出資の子会社であり、清算事業団と一体となって今後計画を進めていく上で清算事業団とは人事上緊密な連携を保ってやらなければならない、そう今は考えられるだけで、今後具体的に進めていかなければならないと思っております。
  148. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 では少し逆の質問をしますけれども、なぜ今この法案なんですか。どうして今急いでこの法案をどうしても決めてもらいたいというふうに委員会大臣なり運輸省としては提出してきているのですか。いいじゃないですか、もっと先で。とりあえず二十億の会社をつくって、そして国会がきちっと審議できるように、定款その他、あるいは資本金の額はこうするんだというもう少し我々が審議できるような資料を出さなければ、どういう会社ができるのかわからないで決めると言わんばかりですよ。
  149. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この処分方式というのは、特別債券発行について、また、証券取引法第二章を適用するというようなディスクローズの問題について法律改正が必要なわけでございますが、そういう法律を国会で成立させていただいてこの処分方式がスタートできるわけで、その法律をお認めいただけるかどうかわからないうちに会社を先行させてしまうということも、これは行政上問題があろうかと思います。  そして、この法律をなぜ今急ぐかということにつきましては、清算事業団長期債務というのは年々多額の金利を生むものでございますから、その長期債務償還財源である土地処分というのをできるだけ早期に行っていかなければならない、しかも、中規模用地、小規模用地については軌道に乗ってきておりますが、その土地処分の中でも処分収入として大きな割合を占める大規模用地について、今後の清算事業団債務償還の過程の中で早く処分をしなければならないということを検討しました結果、この処分方式が必要だということで法律を出させていただいたわけでございます。  この法律でそういう処分方式が決まりますれば、東京都もそれに基づいて汐留地区の都市計画決定をする、そしてようやく平成四年度に間に合う。他の地区を順次行っていきまして、一昨年暮れの閣議決定にございますように、実質的に平成九年度に土地処分を終えるというような目標が達成されると考えております。
  150. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 大塚さん、そういうことを聞いているのじゃなくて、このつくられるであろう現物出資後の会社の概要を示せと迫っている、特に資本金をどのようにして決めるかということを示せと迫っているわけです。  なぜかというと、それは言う必要はないと思いますけれども、仮に運輸省から出ている資料のよ うに三千億の資本の企業になったとしますよ。その企業が配当できるかどうか。先ほど言ったように、トヨタのような非常に優良企業でも二千数百億円の資本金ですよ。日産はもっと少ない。NTT会社をつくるときのその資本金の決め方、あのときの七千八百何十億ですか、これも時間がありませんからくどくど言いませんけれども、その会社法の審議の中で、こういう資本金にしようじゃないか、こういう議論があって決まっていったわけです。設立された後の会社がどうなるか、株式の配当ができるかどうかということも含めて国会は責任を負っているわけですから、そうすると、その資本金については、法案を通してしまったら後は全部運輸省と事業団に任せるんだ、そういうわけにはいかないじゃありませんか。ですから、きちっとこういう根拠でその資本金は決めますと、少なくともその根拠ぐらいは、資本金を決める根拠、こういう根拠で決めますと。大体目の子で三兆円ぐらいの資産だから、十分の一にして三千億に決める、こういうことじゃないと思うのです。ですから、決める根拠を答弁してください。
  151. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 これは繰り返しての御説明になると思いますけれども、この会社がどれだけ利益が上がるか、これは賃貸料にかかっているわけでございますが、この賃貸料というのは地価とも相関関係がございます。この地価については、現時点での周辺地価公示額等から想定するものではなしに、できるだけ債券発行する直前の地価というものを参考にして考えなければならない。  それから、債券発行総額と資本金の額面額との関係でございますが、資本金の額面額というのが債券総額と将来いわば入れかわるわけでございますから、その債券総額額面額が入れかわったときに、今度は株式額面額が時価でどれだけになるかということも判断しなければならない。この三つのファクターでそれぞれの額が決まってくるわけでございますが、まず時価というのはその時点で決まってくる。それから、債券発行総額が今度は株式に通常一口対一口で交換されるわけでございますが、それが交換され、かつ将来株式が例えば二十倍になる、十五倍になるというときのキャピタルゲインが投資家にも還元され、事業団にも還元される。この三つのファクターを考えますと、例えば債券発行総額が三兆円といたしますと、株式額面を三千億として、経常利益が六百億円以上上がれば一割配当が可能だと考えられますが、そういう状況になり得る。  そうしますと、上場した場合に株式時価幾らになるか、これはまた予測することは非常に難しゅうございますけれども、他の不動産事業の例などから見て、仮に二十倍になるとすれば六兆円近くになる、私どもはこういう一つの試算をしておるわけでございますが、それぞれが一つの密接な方程式になっておりますので、この方程式に投入する変数というのはそのときの地価によらなければならない。平成四年度に債券発行するなら平成四年度の地価を参考にしなければならない。  現時点での仮の、仮置きの数字で申し上げれば私が申し上げたとおりでございますが、これは私どもの最大の要請、任務というのは、適正な価格範囲内でできるだけ高い価格処分しなければならないということでございますから、この時点債券発行総額あるいは株式額面を決めてしまうというわけにはいかないことを御理解願いたいと思います。
  152. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 要は、この法案が通過をいたしますと、事業団が保有している土地については時価より低い価額で現物出資をすることができる。理論的に言うと清算事業団が持っているすべての土地について現物出資をすることができるようになるわけですね。理論的にですよ、この法案からの帰結で言えば。  そして、国会からしますと、現物出資された土地がどう処分されるか、どうなるかということについては審議の外になりますね。違いますか。その設立された民間会社がどう処分をするかということであって、国会からすると処分対象の外になりませんか。汐留土地の例について言えば、これで仮に汐留何とかという会社設立されたとします。現物出資をされますね。そうすると、その現物出資をされた土地がどう処分をされるか、どうなっていくかということは、どう運営されていくかということは、国会の審議の外になりますね。いわばこの法案は、そういう、国会の立場から見ればその審議の外に置かれるような側面のある法案じゃありませんか。だから、できるだけその設立される会社についての詳しい内容が国会に示されなければ、私は国会の審議としては非常に不十分だと思うのです。  特に、先ほどから聞いていて私は非常に不審に思いましたのは、例えば値決め株のことが出ていましたね。値決め株のことなんかは全然出ていない、今まで附属資料の中に。その附属資料の中に全然出ていない値決め株が、一割発行するというわけですね、先ほどの答弁ですと。そうすると、この値決め株は、一割ということになりますと、仮に三千億円の資本金とすれば三千三百億円。その三百億円が上場されるときには仮に言えばその約十倍近い三千億円というものになっていくだろう、こういうことが全然今まで資料で国会に出ていないのですよ。私はきのう説明は聞きましたけれども、大塚さんの説明なりあるいは運輸大臣のこの間の趣旨説明のときなりに国会にそういう資料は出てこないじゃありませんか。これは値決め株の問題一つですけれども、ほかにもそういう問題は、私も素人だからわかりませんが、あるかもしれない。そういう資料を全部出してもらわなければ審議ができないんじゃないかと私は思うのですね。  しかし、一つ約束してもらいたいのは、国会の中でそういう不十分な資料しか出されてないことを私は遺憾に思いますけれども、ここで審議されていることが今後政令なり省令なりあるいは会社の運営なりにきちっと生きていくのかどうか、そこのところを、ここでのやりとりがただ国会での適当なやりとりだということではないと思うのですね。きちっとこの後の審議の中に生かされるということであるならばともかくとして、全くこれだけの条文で、そういう重大な国民の財産が処分をされていくことになるのに、これだけの不十分な資料で、この程度の資料でいいかどうかということがあるのですけれども、どう思いますか。
  153. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 確かに関係者の方々に御説明したときに、最初の現金出資の額、あるいは値決め株といいますか入札対象になる株式のことについては説明資料等に省略いたしました。しかし、そういうものを加えますとますます説明内容が複雑になってきますので、これは全体の債券発行総額の流れの中では、ネグレクトといいますか、一応説明しなくても決して土地処分にとってマイナスとかいうものでないので説明しなかっただけでございまして、ここでこうして説明している他の事項とあわせて、国会で御審議いただいている中で私なり事業団の代表が説明しておることあるいは答弁していることは当然今後生かされることでございますし、その辺の問題については十分留意しながら今後この内容を固めていかなければなりません。  ただ、地価というのは流動的な要素もございますので、ここで余り全体を固めるということは問題があります。これは、御質問の中にもありますようにできるだけ適正な範囲内で高く売るべきじゃないかという御要請にこたえるためにも、事前に額その他を決めるのもかえって問題があろうかと思いますが、今後十分審議過程も公開しながら内容を詰めていきたいと考えております。
  154. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 今の審議官のお答えどおり、ぜひ、国民の財産ですから、審議過程その他も公開しながら進めていただきたいと要望しておきます。  そこで、子会社について聞きましたから、少し子会社関連のことを幾つかお尋ねをいたしますが、私の問題意識はこういうことです。  この設立をされるであろう子会社は、今まで出されている資料でいうと、まず九千億ぐらいの借り入れをして、ビルをつくって、そしてたな子を募集する、そういう業務を行うわけですし、同時 にそれに関連したその後の事業もあるのでしょうけれども、そうすると、九千億からの借り入れをするとかあるいはそのためのテナントを選ぶということになると、相当大きな権限ですね。少し嫌な表現をしますと、人によっては、あるいは汚職、腐敗、利権の温床になるんじゃないかというふうな、そういうことを心配する声もあるぐらいのいわば大きな権能を持った会社の役員ということになりますが、この会社の役員をどういう基準で選考していこうというふうに考えているのですか。さっき石月さんから四つほど範疇が挙げられましたが、もう少し詳しくその辺をお答えください。
  155. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 現在のところ、具体的な、どういう方を役員にするかというようなことは決めておりませんけれども、従来私どもが設立してまいりました子会社と同様な考え方で、この会社につきましても、事業団と極めて密接な関係にある仕事でございますので、その仕事の内容からいくと、従来から汐留等の土地処分に関連しておりました事業団の職員、並びに今後この種の土地開発していくに関連いたしまして関係地方公共団体との都市計画等の調整の問題やらそういう問題もございますので、そういうことに明るい方々、また会社が現物出資を受けて現実にテナントを募集するような事態になれば不動産営業に明るい方々、そういう方々を入れて考えていかなきゃならぬと思っております。  とりあえずの問題といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、当面は基本計画の策定を事業団と密接に連絡をとりながらやるというのがこの会社の仕事でございますので、規模としても極めて小さく、少人数で発足をしたいというぐあいに考えております。
  156. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 当然のことですけれども、この秋につくる会社と現物出資の対象になる会社とは、これは同じ会社だというふうに理解してよろしいですね。
  157. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 同じ会社でございます。
  158. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 それで、今の石月さんの答弁は緒方さんに対する御答弁の中でありましたけれども、やや角度を変えてお尋ねしますと、あの周辺の土地をある特定の不動産会社が買い占めているというようなうわさがあります。周辺の住民の皆さんはそういう心配をしています。そして、その大手の不動産系列にどうもゆかりのある人が、この会社の取締役なりあるいは社長なりそういうところに就任をする可能性があるんじゃないか。レールシティ汐留企画株式会社というのがありますね。これは今、汐留にゆかりのある人、計画にゆかりのある方というようなことを石月さんおっしゃいましたけれども、これなんか計画をつくっているわけですから非常にゆかりのある会社ということになるのでしょうね。レールシティ汐留企画株式会社、こういうところから横滑りをしてくるとか、そんなこともあるんですか。
  159. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 汐留企画という会社は、汐留の暫定利用といいますか、汐留土地開発されるまでの間、駐車場とかいわゆる住宅展示場とかという形で収入を得て活用するという仕事のほかに、将来のこういう汐留土地における不動産事業の展開に備えまして、どのように交通施設を張りつけたらいいかとか上下水道を入れたらいいかとか、そういうことにつきまして事業団の委託を受けまして調査をする仕事をやっております。そのほかにも、事業団の命を受けまして、関係の地方公共団体との調整等の役割もやっております。  このような仕事は、この会社が発足いたしましてもまだ存続するわけでございますので、汐留企画の人が行くというようなことは別に考えておるところではございません。汐留企画という会社はそのまま残しておくつもりでございます。
  160. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 要するに石月さん、周辺の住民やら国民から見て、国民の財産なんですから、そういうものが、疑惑を持たれるような人事はないというふうに約束してもらいたいのですよ。
  161. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 少なくも、新しく設立されます出資会社は、国家公共の土地である汐留土地開発する会社でございますので、いやしくも国民から疑惑を招くような人事は行うつもりはございません。
  162. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 あわせてもう一つだけ聞かせてください。  その子会社が、役員が非常に高い退職金とか賃金とか、つまり先ほど緒方さんがおっしゃいましたけれども、事業団とか運輸省とかの天下り先をつくるのじゃないか、そういうふうな余り聞きたくもない話も巷間伝わっているやに聞いていますから、そうした賃金とか賞与とか退職金とか、そういうものについても国民の財産を運営する企業としての当然の一定のモラルみたいな、規範みたいなものがあると思うのですけれども、その辺についても基本的な考え方をお示しください。
  163. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 今度設立いたします出資会社につきましては、先ほどから申し上げておりますように、当初は汐留開発の基本計画をつくるという仕事でございまして、その後実施設計というような段階に入り、さらに工事に着手いたしまして建物が完成するのに三年ぐらいはかかる、それからようやく収入が入ってくるという会社でございますから、少なくも建物が完成いたしましてテナントを募集するまでの間というのは全くの赤字続きの会社でございまして、高額の退職金とか高額の給与を支給する余裕がもともと出てこない会社でございます。その後、約十年を経まして株式が上場され、極めて優良なる不動産会社になった場合には、それはやはり不動産会社としての、他の類似企業の例等を参考にしながら、適切なる給与体系というものを決めればよろしいのではないかと考えておるところでございます。
  164. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 次に、特別債券についてお尋ねをいたします。  まず、特別債券発行額はどのくらいなのか、その基準は何なのか、お答えください。
  165. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 特別債券方式では、特別債券発行することによりまして債券発行時において土地処分したのと同程度の債務償還効果がもたらされることを期待していることから、基本的には現物出資された土地が有する資産価値に見合う金額を確保した上で、さらに債券の消化が可能であれば、できるだけ開発利益等も含めて高い価額で発行したいと考えております。  最終的な処分効果は出資会社株式処分した時点で確定するものでございまして、キャピタルゲインの一部が改めて事業団収入となりますが、この会社株式評価については高い評価がなされるものと見込んでおりまして、それを両方合わせて相応の債務償還効果が期待できると思います。ただ、今後この方式対象となる候補地について具体的に債券発行するに当たりましては、資産処分審議会に諮り、できるだけ適正な価額の範囲内で高い価額の総額を決めたいと考えております。
  166. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 この売り出した特別債券は、これは長期債務の返還に充てられるというふうに理解してよろしいわけですね。
  167. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 原則として全額長期債務償還に充てられると考えております。
  168. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 ということになりますと、国会といたしましては、それが長期債務の返還に充てられるわけですから、そうすると、現物出資をした株式にいわば変換を予約するこの当初発行される債券が、一体どれだけの金額になるかというのは、これは長期債務がどんなふうに減っていくかということと直接リンクしているわけですから、したがって、その債券発行額がどのようにして決められるかということを資産処分審議会で決めるのですということだけでは困るのです、この委員会の審議として。もう少し運輸省として、資産処分審議会で決めるにしても、こういう考え方で審議会に諮るという答弁をしてください。
  169. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 一番近い候補地である汐留を例にとらしていただきますと、汐留というのは二十二ヘクタール、六万五千坪ございます。これについて東京都に都市計画決定をしてもらうわけでございますが、そのときに公共道路あるいは公 園等に充てられるところを区画整理事業によって減歩されるということになります。そのかわり、そういう公共道路が整備されることを前提にして容積率が、今あの辺で四〇〇%でございますが、相当部分は一〇〇〇%までもいくであろうと考えられ、これによって、減歩されますが、残りの区域については価格が上昇すると考えられます。  この減歩の割合につきましては、清算事業団土地で今まで区画整理事方式でやっておるものの平均を見ますと、大体四割程度でございます。したがって、二十二ヘクタールのうち四割程度は減歩されるのじゃないか。しかし残りの土地がその周辺の公共道路に面している土地と同程度あるいはそれ以上の価値を持ってくる、公共道路に面した区画のいいものになりますから。そのような都市計画決定がされ容積率が決まった上で、その価値が幾らであるかというのを周辺類似の土地公示額と比較しつつ、専門の不動産鑑定家に評価してもらって全体の価額を決める、これが第一段階。  それが、開発後といいますか都市計画決定後の地価になりますから、これで大体時価に見合った土地処分ができるわけでございますが、この処分方式というのは、そのような土地が将来、上物もできて開発利益も上積みされていくということもございます。その開発利益の一部を債券発行総額にも入れるか、あるいはそれは将来の株式時価として見るか、この辺は債券を購入する投資家がどの程度、一口五十万円としましたこの債券に魅力を感ずるかということにもなりますので、余り債券発行総額を多くして将来の利益が薄くなりますと、これは消化が困難になる。その辺の兼ね合いで、専門家の意見を聞きつつ、最低限は地価公示額相当額は確保した上で、あるいはこれにプラスアルファをして債券発行総額を決める、こういうことになろうかと思います。
  170. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 一言で言えば、確実に国庫に入ってくるであろう、国庫といいますか、長期債務の返還に充てられるであろうというのは、都市計画がされた後、開発条件が確定をした後のいわば時価といいますか、時価で評価した資産額、これが少なくとも長期債務の返還にこの債券売却を通して充てられる、こういうふうに理解してよろしいわけですね、債務償還という点から見た場合には。
  171. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 ただ、今の点、余りそのとおりでございますと言うと、債券発行総額が決まった時点で、それがすなわち地価だ、地価顕在化しているじゃないかということになりますので、なかなかそのとおりでございますと申し上げられないのですが、開発利益等も含んでこれだけの債券発行総額が確保され、それはまあ土地処分したと同程度以上の効果がある、こういうように御理解いただきたいと思います。余り直接的に結びつけますと、このような不顕在化法というのが実は地価幾らと決めたということになるおそれもございますので、その辺を御理解願いたいと思います。
  172. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 次に、その特別債券発行について、緒方委員からの質問の補足のような質問になりますけれども、この販売は全部証券会社に委託をするわけですね。
  173. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 現時点では証券会社に委託して公募する方法を考えております。
  174. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 どういう証券会社ですか。
  175. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 具体的にはどの証券会社ということは決めておりませんけれども、広く国民の皆さんに手に入るように、できるだけ多くの証券会社に委託したいと思っております。
  176. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 先ほど手数料の話が出ましたけれども、二%として概算六百億から一千億くらいの手数料収入が入るという非常に大きなものになるわけですから、特定のということになるとまたいろいろ問題が出てきますから、要するに今の答弁は、一定の条件を満たしている証券会社だったらどこでも投資家からすれば買える、そういう販売のされ方をする、こういう理解でよろしいわけですね。
  177. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 そのとおりでございます。
  178. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 だれに買ってもらうことを期待しているのでしょうか。
  179. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今回の特別債券趣旨からいいまして、広く一般国民も購入できるような形にしたいと考えております。
  180. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 それは非常に理想的でしょうし、この運輸省から出された資料にもそうしたことが記載されているわけですけれども、まさかこれだけの規模債券が大衆投資家だけで消化されるということはないのだろうと思うのです。一定の機関投資家の参加ということも当然予定されていると思いますけれども、そうでしょうね。
  181. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 公募方式でございますから当然機関投資家も参加すると思いますが、これだけの資金調達額でございますから、むしろ一般国民も参加していただかなければ資金が調達できないと考えております。かつ、そのように、一般国民が参加しやすいように、今転換社債等については一口百万円の例が多うございますが、今回の特別債券は五十万円くらいを目安にしたいと考えております。
  182. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 そういう場合にもう一方で出てくる問題は、この債券は同時に一対一の比率で株式に交換されますから、当然将来の株主ということになるわけですが、その安定的な株主対策ということも当然必要でありまして、表現は非常に悪いのですけれども、今非常に評判の悪い、例えば暴力団なんかが買い占めるということだってあり得るわけですから、そういうことも含めて、安定株主対策みたいなことは、先ほども答弁がありましたけれども、一定のお考えもあろうと思いますけれども、いかがでしょうか。
  183. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 これはJR株式の上場の場合にも同様な問題があると思いますが、この会社につきましても安定株主、しかも安定という意味が中立的な安定株主を確保して、この会社が健全に将来とも運営されなければならないと考えますので、そういう安定株主対策というのは、事業団が全額株を保有している間にもいろいろな方法を検討していかなければならないと考えております。
  184. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 中間的なという御発言がありまして、そこが非常に重要だと思いますので、事業団の方もぜひその点は、大塚さんが答弁したからあれは大塚さんの答弁であったということではなくて、事業団も同じくそういうことでやってもらわなければ困るなと思っております。  そこで、もう一回戻って債券発行額ということになりますけれども、これからどのくらい債券発行されるのかということはやはり金融市場関係者なんかだって注目しているわけですね。それで、この運輸省から出されている資料では一応三兆円、あるいは先ほどからの答弁だと三兆円から四兆円というお話です。しかし、三兆円から四兆円というのはちょっとおかしいのじゃないか。汐留土地、ことし出た公示価格で評価したって、どう考えたって六兆円くらいになるのじゃないですか。公示価格をあの面積に掛ければどう考えたって六兆円近いことになるのですけれども、三兆から四兆というのはちょっと低過ぎるのじゃありませんか。
  185. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 周辺の地価公示額のあるものをとって二十二ヘクタールに掛けると先生指摘のとおり数兆円以上になると思います。しかし、これは住宅地でもそうでございますが、公道に面している住宅地と公道に面していない住宅地というのは値段が違います。というのは、公道に面していない宅地については専用道路をつけなければならない、その分を差し引いて価額が決まるわけでございまして、この汐留の場合も、あれだけの面積のものというのは道路等を整備しなければ建物が建たない。したがって、近傍類似と申しましても、今地価公示がされているようなところは公道に面しているものでございますから、汐留についても、先ほど申し上げましたように公共道路等を減歩した上で評価しなければならない。  ただ、近傍のものが例えば容積率が六〇〇%と か四〇〇%に対して、公共道路が整備された後の容積率が一〇〇〇%になれば、それは当然汐留の方が価値が高くなると思いますので、総合的に判断して価額を決めなければならないと思っておりますので、私どもも三兆から四兆円というのが絶対的なものと考えておりません。これから地価公示額がまた改定されると思いますので、そういう点を含めて適正な価格にしなければならないと思っておりますが、そういうもので試算しますと、その辺に今のところは落ちつくような計算になっております。
  186. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 その額についてはその程度にしておきます。  今度は債務の返還についてですが、現時点では全額債務償還に充てるということでしたけれども、それは債券売却をされればその売却とほぼ同時に、同時期に、あるいは即座にと言ってもよろしいですけれども、長期債務の返還に充てられるということでよろしいのですか。
  187. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この点につきましては、今後JR株式処分の場合にも同様な問題が生じますが、現在の清算事業団債務というのはそれぞれ償還期限がございます。したがって、多額な処分収入が一どきに入った場合には繰り上げ償還という問題になる。このあたりは、繰り上げ償還ができるかどうか等について、財投の場合には財政当局とも折衝しなければならないという問題が残りますが、基本的には債務をできるだけ減らしていくという方向長期債務に充てるということになろうかと思います。
  188. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 次に、債券の利払いについて、利息を払いますね、この利息の利率はどのくらいになりますか。
  189. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 将来の株式へ変換した場合のキャピタルゲインといいますか、株式時価と元本との差の利益分、これが債券の購入者にとって魅力があるという反面、債券についての利子はできるだけ低くしたいと考えております。基本的に、これも今後の詰めにまつところがございますが、現在の通常の債券の二分の一程度の利率で消化できるのではないかと考えております。
  190. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 仮に今の御答弁計算をした場合に、予想される利子の支払い総額はどのくらいになりますか。
  191. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 現在の事業団の有利子債務の平均利子が大体六・五%でございますので、その二分の一とすれば三・二%前後、これは今後の金利動向によって変わってまいります。
  192. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 だから、その支払われるであろう利子の総額は十年の間に大体どのくらいになると予想されていますか。
  193. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 利子率によって変わってまいりますが、今私が申し上げた三%で考えますと、大体一兆円でございます。
  194. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 その一兆円の原資を将来のキャピタルゲインのところから充てたいということですね。このフレームとしては、形としては、将来株式公開をした場合のキャピタルゲイン部分からで一兆円を補てんしたい、こういうことですね。
  195. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 キャピタルゲインがどれだけになるかにもよりますが、それで補てんをし、あるいは補てんをしてなおおつりが来れば長期債務に充てる。逆に、補てんするのに足りない場合にはその分が持ち出しでございますが、現在の清算事業団長期債務の平均利子が六・五%でございますから、六・五%の債務を持っているよりは三%の債務を持っている方が得だ、こういう計算結果になります。
  196. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 次に、事業計画といいますか、あるいは都市計画といいますか、それに対する周辺住民及び自治体等の意見の聴取あるいは反映というような点での質問を二、三したいと思います。  申し上げるまでもなく、御近所の方々からすれば非常に大切な土地であります。御近所の方々が大変心配しておりますのは、今事業団が考え、あるいは我々が審議しているような計画が進められた場合には、周辺の地価が大変高騰して、そして固定資産税が上がる、相続税が上がるということで、長年住みなれた土地に住めなくなるな、そういう心配をしている周辺の住民の方々がたくさんいらっしゃるわけですね。私は、やはりそういう皆さんの意見というものに我々は十分耳を傾けなければいけないと思いますし、また計画等にも反映をさせていかなければいけないと思いますが、これから都市計画の決定がされるわけでありますけれども、これは都市計画の問題ですから自治体の問題だ、東京都の問題だと言えばそういうことになりましょうけれども、どうですか、事業団はそういう周辺の住民の皆さんのさまざまな御意見なりそういったものを、これまでの間に、あるいはこれからどんなふうにその計画の中に組み入れていきたい、あるいは耳を傾けていきたい、こんなふうに考えていらっしゃいますか。
  197. 池田参考人(池田本)

    ○池田参考人 先生指摘の、周辺住民の方々との意見交換等も含めまして、今まで土地利用計画をつくってきたという過程におきましては、当然資産処分審議会あるいはその地域計画部会で土地利用を審議していただきました。そういう中で、部会の中あるいはさらにその検討調査会というような場にも自治体の方にも出ていただいておりますので、自治体を通じてのいろいろな御意見は伺っておるというふうに理解をいたしております。  ただ、今もお話ございました土地利用計画を要旨としたような形でのいわゆる都市計画決定、区画整理事業の区域あるいは新たな道路の設定等々につきましては、これからの審議をお願いすることになりますので、そういう場におきまして当然区画整理等の都市計画の案が出てまいりました段階で意見を伺うとか、あるいは公示、縦覧という手続もございますので、そういう場におきましていろいろな御意見を伺いながらやってまいりたいというふうに考えております。
  198. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 もう少しはっきりお尋ねしますけれども、これからこの事業を進めていくに当たって、事業団あるいはこの新しく設立される会社が周辺の住民の皆さんの意見を聴取する、聞く、耳を傾けるということをお約束していただけますね。
  199. 池田参考人(池田本)

    ○池田参考人 ただいま申し上げました都市計画の段階におきましていろいろな御意見を伺うということのほかにも、具体的な建物を建てるということになりますと、当然周辺地域の方々の御了解が必要になります。したがいまして、そういう場におきまして、事業団みずからあるいは設立されました会社の関係者が住民の方々等の御意見を伺う機会は十分あると思いますので、先生指摘のようにやってまいりたいと思います。
  200. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 今回の汐留開発が進んでいきますと、確かに地価顕在化はさせませんけれども、先ほど審議官が御答弁されたように、周辺の地価は必然的に高騰せざるを得ないと私は理解しますけれども、その点いかがですか。
  201. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 影響がないとは考えませんが、汐留地区の周辺というのは既に都心の中の都心でございますから、これ以上周辺が開発されたからといって地価が大幅に上昇するということはないのではないか。それから、周辺地区は既に監視区域でございますので、監視区域としての必要な措置がとられるのではないかと考えております。
  202. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 そういうふうに言えばそうですけれども、経済の実勢でいえば、とにかく都市計画が行われて、そしてこの地区の容積率が仮に一〇〇〇%になったとしますよ。そういうことになれば、それはこれまでの通例でいえば地価が上がっていく。そして、それは昔からそこに住んでこられた方々にしてみれば、固定資産税や相続税が、特に問題なのは相続税ですけれども、上がって住み続けられなくなってというふうな被害をこうむるというふうに周辺住民の方々が受けとめていることについては、事業団は理解していますか、そういう声を聞いていますか。
  203. 池田参考人(池田本)

    ○池田参考人 汐留にございます事業団の区域を中心とした地域の中の問題と、それからその周辺にかかわる問題、あるいはこれらに同時に発生い たします、あるいは進められております地下鉄の計画であるとか新交通システムの計画あるいは新しい道路を設置するという問題があるということになります。  これらが全体的に行われるわけでございますが、今先生がおっしゃいましたような地価がどうなるという問題につきまして御意見のあることは伺っておりますが、一方、新しい町づくりという観点から進めなければならないこともあろうかと思いますので、その両者を相まってうまく合理的にやっていくのが都市計画かと思います。そういう中で一緒にやってまいりたいと思っております。
  204. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 最後に大臣に伺いますけれども、今申し上げましたように、周辺の住民の皆さんの目もあります。また、清算事業団に対する国民の目というのは相当厳しい目があると私は思うのです。例えば、口を開けば私は取り上げている、千四十七人の方々を去年の四月に首を切った。その首を切っておいて、首を切った張本人の杉浦さんは今度全日空の会長になる、あるいは今度こういう形で清算事業団の偉い方々はどんどん天下っていく先ができてくる、一方、千四十七人の方々は闘争団をつくって頑張っている、こういうことなども含めて、事業団に対する世間の目はいろいろ厳しいというふうに受けとめていただかなければならないと私は思うのです。  そこで大臣、最後に、この汐留開発、この法案に関連して、周辺の住民の皆さんなり国民の皆さんに対する大臣の決意といいますかあるいはお気持ちといいますか、そういうものがありましたらひとつこの際御開陳をいただきたいと存じます。
  205. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 先ほど来各先生から、あるいはただいま常松先生から、いろいろ審議の過程を私も聞いておりました。本法案が成立いたしますと、事業団用地のシンボルであります汐留処分についての見通しをつけることができまして、本格的な償還が大幅に前進することとなると思っております。  特別債券方式の実施の担い手となる出資会社につきましては、債務償還のみならず、都市空間の開発等の観点からも重大な使命を有するものでありますので、先ほど来言われておりますように周辺の方々の意見も十分聞き、かりそめにも疑惑があるような、国民から非難されることのないように全力を尽くしてその業務に邁進すべきものと考えておりますが、運輸省といたしましても、このような観点から常に注意を注ぎながら、必要がありますれば事業団を通じて指導監督を厳重に行ってまいりたい、こう思っております。
  206. 常松委員(常松裕志)

    ○常松委員 よろしくお願いします。  ありがとうございました。
  207. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 次に、春田重昭君。
  208. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 同僚議員の多岐にわたる質問で若干重複する点があろうかと思いますが、御了解いただきたいと思います。また、答弁者におきましては、限られた時間でございますからひとつ簡潔に御答弁いただきたい、こう思っております。  まず、清算事業団理事長に御答弁いただきたいと思いますが、現在清算事業団が抱えている債務総額幾らなのか、その償還財源は何をもって返すのか、これを御答弁いただきたいと思います。
  209. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 現在私ども清算事業団が抱えております債務総額は、平成二年度首におきまして二十七・一兆円でございましたが、現在まだ二年度の決算が完結いたしておりませんが、種々の債務削減策をとっていただきました結果、平成三年度首には二十六・二兆円になる見込みでございます。  それから、現在私どもこの債務償還財源として持っておりますのは、一つは引き継ぎました土地でございます。これは現在約十五兆と見込んでおります。それから次はJR各社の株式でございます。これは額面は五千億でございますが、これは今後上場によってどの程度の値段がつくかというのは今後の上場時の株式市況によるということでございます。そのほかに新幹線保有機構に対する貸付金がございます。これが現在約二兆円ほどございます。ちょっと正確な数字を今調べます。  以上でございます。
  210. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 償還財源土地処分株式売却で行うということが御答弁ございました。しかし、これが具体的な資料がないわけです。私たちが聞くところによりますと、売却予定地が清算事業団では現在三千百ヘクタールある、これは平成二年の四月現在でございますが、どの用地幾ら売却できるのか、可能なのか、明らかになっておりません。また、JR株式も九百十九万株、うち本州三社が八百二十四万株でございます。額面で五千億という話がございましたけれども、果たしてこの株がどの時点でどれぐらいで売却できるのか、それもわかりません。  そういったことで、私はこのいわゆる償還計画書なるものをきちっと出していただきたい。それで、そちらから、事業団なりまた運輸省から説明があるのは大体十五兆円で、残り十一兆円がまだ残っておりますが、これが今後株が上がれば何とか返済できると思いますという形で終わっておりますので、委員長にお願いいたしますが、債務償還計画を書類でもって提出いただきたい。委員長からひとつ確認をしていただきたいと思います。
  211. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 債務償還計画というものを立てる必要があることは先生指摘のとおりでございますが、ただいま先生の御質問にもございましたように、土地というのは、総額をある程度現在評価して、かつ、一昨年暮れの閣議決定で平成九年度までに実質的な処分を終了するということになっておりますので、これはその時点までに今の評価ですと十五兆円前後の収入になるということでございます。  ただ、株式につきましては、これは評価方法が非常に難しくて、株式市況の状況によって評価をいたしますと株価に予断を与えることになるということになります。  例えば一例を挙げますと、類似企業から評価するという方式もございますけれども、私鉄十四社をとりましても、一昨年暮れあたりは額面株価の四十倍にもなっておりました。しかし、今は二十四倍ぐらいでございます。そうすると、これから本州三社を何年間でやるか、私どもは少なくとも土地処分の終了時期でございます九年度までには処分したいと思いますが、その時点その時点でどの程度になるかということ、これを評価するのが難しいし、また、この株価というのが償還計画の中で大きなウエートを占めます。したがって、二十倍にするか十五倍にするか三十倍にするかによって償還計画はすっかり変わってきますので、いろいろな想定でいろいろな例をつくるということはございますが、またこれが世間に出ても困りますので、先生に個人的にこういうケースですとこうですということなら御提出できるかと思いますが、これが世間に漏れると、運輸省は株価をこう考えているのかということになりますので、その辺は御理解願いたいと思います。
  212. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 確かに審議官の御答弁どおりだと思うのです。いろいろなケースがあろうかと思いますが、そういった形でひとつ提出していただきたい、こう思っております。  当初、国民負担は、六十二年四月の時点ではいわゆる二十五兆五千億円のうち約半分の十三兆八千億円でございました。これは今後の株価の行方にもよると思うのですが、運輸省としてこの国民への負担ですね、最終的にあるかどうか、これはどうお考えになっておりますか。
  213. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今まで私どもは極力なくす方向努力すると申し上げてきましたが、JR株式についても、完全民営化という方向で極力早期処分するということも必要でありますが、一方では長期債務償還財源として株式市況を見ながら適正な価格で譲渡しなければならない、こういうことも我々の努力のうちでございまして、最終的には極力なくすと考えております。  先ほど先生指摘の十三・八兆円というのは、これは株式額面で見ておりますので、そのよう な額には絶対ならないと申し上げていいかと思います。
  214. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 つまりは、株式が今額面で大体五千億弱あるわけですから、これが例えば二十倍だったら十兆円、三十倍だったら十五兆円になっちゃうわけですね。そしたら残り十一兆円は国民負担でなくなる、そう考えていいわけですね。最低、株価の評価が何倍ぐらいになった場合国民負担はなくなるか、この点をお答えいただきたいと思います。
  215. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 非常に問題のある評価をしなければならないと思いますのと、それから、現在の長期債務償還必要額というのは二十六・二兆円でございますが、毎年ここから金利が一・五兆円前後発生します。したがって、早くこの長期債務の元本を償還していけば金利も減ってくる。ところが、後にすればその金利がまた長期債務の中に繰り入れられて債務が累増するというので、二十六・二兆円分を用意すれば相殺されるというものでもないところが難しゅうございます。  ただ、先生の御質問のように考えますと、今の土地の評価が約十五兆円でございますが、二十六・二兆円から引くと残りが十一・二兆円になる。今JR株式総額で四千五百九十五億ございます。ただ、三島はいつ上場できるかわかりませんから、本州三社が当面問題になって、本州三社の額面が合計で四千百二十億でございますが、これが仮に三十倍になると、四、三、十二で計算は合いますが、先ほどの金利という問題がございますし、いつの時点収入が入ってくるかということも関連がございますので、その辺を総合的に考えなければいけないと思っております。
  216. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 いずれにいたしましても、株の評価が三十倍以上にならなければ全額返済にならないということでこちらは受けとめておきます。  次へ進みます。  今回の汐留駅の跡地の土地処分です。これは、債券を将来株に変えるということで、初めての作業である、画期的なものであるという御答弁がございました。対象地域はこの汐留駅と、将来は品川、梅田北、東京付近でも考えていきたい、こういう御答弁でございました。これは残りの品川、梅田北、東京付近でもそれぞれ地域ごとにやはり出資会社をつくっていくのですか。
  217. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この出資会社と申しますのは、単に土地開発していくだけではなしに、将来債券が転換される株式をその会社が持っているということになりますので、投資家がその会社の将来というものを予測できなければいけない、そういう意味で、債券投資家の保護の意味からも、それぞれの箇所について会社をつくって、それぞれの箇所についての債券発行するということになろうかと思います。
  218. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 それぞれの箇所で会社をつくるということでございますが、同僚議員の質問であったように、この会社についてはいろいろな問題を含んでいると私は思うのです。民営化の名のもとに巨大な権力がこの会社に集中していく、汐留におきましても九千億円というビルを建設していく、大変な権力といいますか、これがそこへ集中していくわけでございまして、これがあと三カ所もできるとなれば、もしこれ事故があった場合、大変なことだと私は思うのですが、その問題につきましては後で質問させていただきます。  そこで、債券発行して株式に変換するスケジュールが運輸省から出されておりますけれども、まず都市計画をつくらなければならない。平成四年度の初めに決定という形に一応計画でなっておりますが、これは、今回の都市計画区域はいわゆる区画事業で行うようになっております。事業団用地が二十一・六ヘクタール、周辺の土地が含まれて計画では三十六ヘクタールになっております。したがって、かなり民有地があります。民有地には当然地権者がおいでになると思うのですが、こういった方たちが何名ぐらいいるのか、こういった方たちの合意を得ていわゆる平成四年の当初に都市計画が決定されるのかどうか、この辺の見通し、また東京都ないし港区はこの都市計画について十分協力があるのかどうか、その辺もお聞かせいただきたいと思います。
  219. 池田参考人(池田本)

    ○池田参考人 今お話ございましたように、汐留地区につきましては国鉄事業団用地二十一・六ヘクタールのほかに周辺にも民有地等々ございます。今、土地区画整理事業でこれをやろうということで、当局等で進めていただいておりますが、まだ具体的な範囲がどこまでかということが確定をいたしておりません。  先ほど先生言われました三十六ヘクタールと申しますのは、事業団として資産処分審議会の場で土地利用計画を全体としてどうしようかということを審議していただいた範囲でございまして、その中のある部分になるのかあるいは全体になるのか、あるいはそれを超えるのか、この辺がまだはっきりいたしておりませんので、具体的な地権者の数というのは、その中身によって具体的な範囲によって決まってくるものでございます。その辺、現在まだ調整中でございますので、ちょっと数字を持ち合わせておらないわけでございます。  なお、この都市計画につきましては、既に新交通システムの建設あるいは地下鉄十二号の建設等々の都市計画に関連しまして汐留地区内の一部の道路につきましては都市計画が決定されておりますが、残余の道路あるいは汐留地区全体の今申し上げました土地区画整理事業につきましては、今都市計画決定をする前段としていろいろ地元と調整をしていただいておりますので、これをそのまま進めていただきまして、十分間に合うようにしていただきたいというふうにお願いをしておるところでございます。
  220. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 いや、お願いをしているのじゃなくて、間に合うかと聞いているのですよ。
  221. 池田参考人(池田本)

    ○池田参考人 間に合うと思っております。
  222. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 私が運輸省にお願いした資料の中には、仮に三十六ヘクタールが対象になった場合は地権者二百十名、こう聞いております。二百十名というのは大変な数ですよ。これだけの方たちの合意を得ようと思ったら、来年の平成四年の初めでしょう、間に合いますか。
  223. 池田参考人(池田本)

    ○池田参考人 既に地元地域とお話をしていただいておりますので、間に合うと思っておりますし、間に合うと思います。
  224. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 この都市計画がおくれた場合は全体がずれ込んでくるわけですから、その辺のところはひとつ地元の地権者とよく何回も話し合いをしながら進めていただきたい、こう思っております。  ところで、この都市計画の策定の中で用途地域を変更されますね。住居地域から商業地域にするということで、容積率が四〇〇%から一〇〇〇%になる、先ほど大塚さん答弁されました。容積率を緩和することによって当然建物が建って床面積が増加されますね。このプラスになった面は、都市計画、線引きを見直すわけですから、東京都なりまたは港区に私は還元すべきであろう、こう思います。  また、土地利用の方針の中では四つのゾーンを考えておられますね。業務ゾーン、商業ゾーン、文化ゾーンとか居住ゾーン、特に浜松町寄りについては、いわゆる居住ゾーンを含めた総合開発となっております。地元の方と連携をとりまして、何か要望はないかと言ったところ、要するに地元としては、業務用のビルとか商業ビルばかり建てないで住宅もやはり建ててほしい、こういった要望が非常に強いのですよ。そういった面で、この都市計画の中にその住宅は入るのかどうか、確認しておきたいと思います。
  225. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 既に土地利用計画でも居住機能も含めて計画が決まっておりますので、居住機能を当然取り入れて今後検討しなければならないと思っておりますが、ここは大変高額な地価のところでございますので、どういう居住機能にすべきか、億ションばかりできたというのじゃこれまた問題でございますので、十分東京都と、住宅政策当局と御相談しなければならないと考えております。
  226. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 そこなんですね。分譲なのか賃貸な のかわかりませんけれども、いずれにしても一等地でございますから大変な高額な価格になると思います。そこで、先ほど言ったように、いわゆる都市計画を変更することによって事業団としては相当プラスになるわけですから、そのプラスになった面はやはり地元に還元するということで、そういった住宅の価格についても特段の配慮をして、いわゆる一般の方たちが入れるような賃貸なり分譲取得価格にするといったことも私は配慮していただきたい、このようにこれは要望しておきます。  さて、事業団土地を、現物を会社に出資するわけでございますが、この会社の全体像が全然わからない、非常に不透明である、こういうことで今までもさんざん論議されてきたわけでございますが、私も全く同じ意見でございまして、こんな見えない会社のことに対して国会の審議をやれといっても、賛否の態度なんか出せないですよ。これは大臣、どう思いますか。全然わからないでしょう、この会社
  227. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今御説明しました会社の概要以外には、人事等はこれから決めていくことでございますが、この過程につきましてはできるだけ広報その他の手段を通じて世間にも知っていただくとともに、先生方から要請がございましたら何でも情報公開して、不明朗にならないように考えたいと思っております。  この会社自体は、清算事業団と一体となってまず基本計画を立てていくということで、現物出資された後は上物を建設、管理するという、目的は非常に明確な会社でございますし、また、清算事業団の能力やノーハウも動員して、できるだけ管理費は節減してコンパクトな会社にしなければならないと考えております。
  228. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 大塚さんはそんな不明朗のないような会社にしていきたいとおっしゃっておりますけれども、九千億円ないし一兆円というビルの建設、これは大変な権限ですよ。権力がそこへ集中するわけですから、私は事件とか事故が起こらないのはおかしいぐらいに実は思うのです。いろいろな雑誌なんかに出ておりまして、そういったことが巷間うわさされておるわけでありますが、これは十分過ぎるほど事業団なりまたは運輸省が監視しなかったら大変な問題になると思うのですよ。これは大臣、どう思いますか、正直言って。
  229. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 先ほども常松先生にもお答えを申し上げましたが、かりそめにも疑惑があったり国民のためにならないようなことがないように、ひとつ厳重に運輸省としても指導監督を続けていきたい、こう思っております。
  230. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 このビル建設の九千億円、これは大体何年ぐらいで返済していくのですか。
  231. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 十年間ぐらいに建設を終えて賃貸できるような仕組み、十年後には利益が計上できるような形で考えております。  なお、この十年間というのは、清算事業団が全額子会社株式を保有しておりますので、確かに毎年巨額な投資を行いますが、清算事業団において、また清算事業団を通じて厳重に監督していくつもりでございます。
  232. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 十年間で利益を出すように考えていきたいという御答弁ですが、株式を上場するのは大体何年後ぐらいなんですか。
  233. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 平成四年度に現物出資をいたしまして、十年後には上場基準に達するような利益が出て上場できるのではないかというスキームを一つの試みとして描いております。
  234. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 東証の上場の基準では、いわゆる前三年から利益が出なかったら上場されないんじゃないですか。十年目から利益が出るんだったら上場できないじゃないですか。いわゆる上場前の三年間、三割でしょう。二年前は三割、前年は四割の利益がなかったら上場できないんですよ。十年目から利益が出るんだったら上場できないじゃないですか。
  235. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 ちょっと補足的に申し上げますと、これは一気に各ビルを建てるんじゃなしに、各ビルを順次建てていくわけでございますが、先生指摘のとおり、直前の年には資本金の四割、その前二年間は資本金の三割でございます。仮に三千億の資本金とすれば、九百億、九百億、千二百億円の利益を計上しなければならないということでございますが、十年後に上場できるような利益が計上できるというふうに計算しているところでございます。もちろんそれには鋭意この会社もビル建設その他について努力をしていかなければならぬ。できるだけ早く上場して株式変換するというのが、その間の利息の支払い等を節約する上でも重要でございますので、早く株式に変換するというのも一つの目標じゃないかと考えております。
  236. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 この九千億円のビルの建設の請負企業との契約ですが、どんな方法を考えておりますか。
  237. 池田参考人(池田本)

    ○池田参考人 汐留地区におきます開発事業につきましては、高層のオフィスビル等の建設が主体となっております。こういうものを予定をいたしております。  これらの建設につきましては、高度な技術を要するということでございますのでだれでも参加できるというものでは決してございませんが、一方、そういう技術的にも非常に難しいものでございますので、一定の実績と資力、信用を有する者でなければならないというふうに考えております。ただ、当然公正かつ適正な方法によりまして契約の相手方を決定する必要があるものと考えておりますし、また既に国内で行われておりますいろいろな開発プロジェクトの例等も参考にしまして今後決めてまいりたいというふうに思っております。
  238. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 入札方法ですが、これは随契なのか指名なのか競争なのか、どうお考えですか。
  239. 池田参考人(池田本)

    ○池田参考人 今まで国内で行われております大規模プロジェクト、例えば関西国際空港であるとかあるいは東京の地下鉄建設等々の例を見ますと、契約方式は指名競争入札というのが主体でございますので、こういうことを参考にしてやってまいりたいというふうに思っております。
  240. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 先ほどから何回も言っているように、この出資会社は大変な権限、権力を持つわけですね。聞くところによりますと、六十階建て、高さが二百メーターですか、そんなでかいビルが四棟ぐらい建つ。床面積が延べで百十七ヘクタールというビルを建設するということになっておりまして、大変なそういった権力を握るわけですが、これに対する運輸省の指導監督、これは株を上場するまでの十年間は当然事業団の下で、また運輸省なりの指導監督ができる。ところが株が上場された十年後には、完全民営化されて運輸省、事業団の手を離れていく、こういうお話ですね。これだったら、十年後この会社が何をやっても運輸省としては何ら関知できない、こうなるわけでございますが、そんな形でいいのでしょうか。やはり運輸省は何らかの形で監督する、また指導する、そういった形が必要じゃないかと思うのですが、どうお考えですか。
  241. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今回の処分方法も清算事業団用地処分の一方法でございますので、原則として処分後について運輸省ないし清算事業団が監督していくという立場にございませんが、先生指摘のように極めて貴重な空間を管理する会社になるわけでございますから、定款上の配慮、あるいはこれについての都市計画で決定した施設というものは容易に他に変更できませんので、そういう面での規制、それからまた、この会社について株主が特定のグループに偏らないような中立的な機関による安定株主対策、こういったことを十年間に事業団を通じて指導していかなければならないと考えております。
  242. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 時間がございませんから、次に進みたいと思います。  いわゆる特別債券発行総額です。同僚議員からも何回も質問されておりますが、これも全く不透明でわからない。全然国会にも出されていない、法案にも出されていない、こんな重要事項が明らかでないものについては非常に賛否の態度が とりにくいと私たちは思っております。  そこで、この発行総額についての基準といいますか根拠をお伺いしたいわけでありますが、二十一・六ヘクタール、更地の場合、いわゆる公示価格ではじいた場合の価値は幾らか。それから条件を、何といいますか容積率を高くしますね、用途を変えます、そういった条件をつけていけば当然価値が上がってまいります、そのときの資産価値。それからビルができ上がり、道路が整備され、鉄軌道が、そういった都市施設が整備された後の利益。それぞれ価値が違うと思うのですが、それぞれ試算した場合、どれくらいの金額になるのか、お答えいただきたいと思うのです。
  243. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、現在の周辺の地価等を勘案して、汐留の例だと思いますが、汐留についての地価総額幾らかといっても、これは地価顕在化という面で予断を与えてはいけないと思いますが、先ほども申し上げましたが、三兆円から四兆円ということを想定しております。この額というのは、現在の更地ということではなしに、来年度の初めにも都市計画決定が行われて、公共道路が整備され、かつ容積率が上がったときの価格をもとに、減歩分を除いた残りの土地についての総額ということで今はじいておるわけでございます。  ただ、先生指摘のとおり、そういう都市計画決定が済み、容積率が変わった後の更地の価格というものと、その後そこに建物が建ったときの価格、町並みが全部整備されてからの価格というのは違うと思います。そのどれを債券発行総額にするか、私どもとしては都市計画決定後の更地の価格を回収すればこれは一応土地処分したことになると思いますが、債務償還の見地からできるだけ多くの発行総額を得たいとは考えております。  しかし、この発行総額を余り高くすると、将来の株式時価とほとんど同じになればキャピタルゲインが得られなくなって、こんな債券を持っていても普通の債券の金利の半分の金利しか得られないというので投資家に魅力がなくなる、こういう問題がございますので、投資家が魅力を持つ範囲内においては、あるいはその都市計画後の地価開発利益の一部を上乗せするくらいの発行総額を得られるのじゃないかとも考えておりますが、この辺は、その時点において専門家の意見を聞いて、消化できるという責任も持たなければなりませんので、そういうことで考えたいと思います。最低限でいいますれば、都市計画決定後の更地の価格を基準にして考えるということになろうかと思います。
  244. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 そこで、運輸省から一例という形で出ておりますこの参考資料には、発行総額を三兆円として、債券額面は五十万円、口数を六百万口としておりますが、今審議官がおっしゃったように、これが四兆円になった場合、債券額面は、三兆円の場合五十万円という形で出ておりますけれども、どんなふうにお考えになっておりますか。
  245. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 先生の御指摘は、多分その債券総額が変わった場合に額面を変えなければ株式との転換の比率が変わってくるじゃないかということだと思います。その場合に、株式と一対一にしないで転換率を変えるか、あるいは株式額面を変えるか、つまり地価がそれだけ値打ちがあるとすれば賃貸料というものももっと取れるじゃないかという見方もございますので、その辺は今後詰めていかなければならないと考えます。しかし、債券発行額、あるいは株式の変換率というのは、一般投資家にできるだけわかりやすい、一対一・二とかいうようなことにならないようにはしたいとは思っております。
  246. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 投資家の受取金利でございますが、これは金利は通常の金利の二分の一、この一例では三%になっておりますね。それプラス、将来株に転換した場合キャピタルゲインの二分の一が投資家に返ってくる、こういうことでありますが、仮に五十万円の債券を買った場合、投資した場合、この特別債券と他の商品を十年後に受取金利を比較した場合、他の商品もワイドとかいろいろな定期とかいろいろあると思うのですが、一番高い商品と比較した場合、この債券株式に変換するとき何倍以上の株式の評価があれば投資家にとってはメリットがあるのか、その辺お答えいただきたいと思います。
  247. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 これは他の金利等も変動しておりますのでそのときそのときで違うと思いますし、私も他の商品について詳しい知識がありませんので、他の魅力といいますかスイートナーがあるかもわかりませんが、例えば定額貯金が現在金利が六・三三%でございますか、この場合ですと倍率が十八倍ぐらい、ワイドが七・二〇%の金利がございますが、この場合で二十倍ぐらい、こういう想定はございます。
  248. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 すなわち、十八倍ないし二十倍以上のいわゆる株価の評価が十年後なかったならば投資家にはメリットがないという形になるのです。自信はありますか。
  249. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今の不動産関係の類似企業との比較、またこの会社というのが、土地が現物出資というので事実上投資経費なくして使えるというようなことで、賃貸料による利益というのが相当計上できるというようなことを総合的に勘案すれば、十年後、これはよほど株式市場が暴落したりすれば別でございますが、今のような状況でございますと二十倍ぐらいはいくのではないかと考えております。
  250. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 時間がなくなってまいりましたので、最後一、二点聞きたいと思うのですが、この法案にも載っておりますけれども、投資家保護の企業内容等の開示、これはリスクの情報についても私は適時適切に公開すべきであると思っておりますが、どうお考えになっておりますか。
  251. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今回の特別債券は、一般の事業団債と異なり、特に子会社株式に変換するということでございますから、この子会社の将来の計画、内容等を投資家に情報公開しなければならないという判断で、法律上特別に、他の国債等と異なり証券取引法第二章の開示制度を適用することとしたわけでございます。これでできるだけ子会社の内容を開示しなければならないと思っていますが、その具体的内容は証券取引法の所管官庁でございます大蔵省とも相談して決めたいと思っております。
  252. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 この地価顕在化させないための手法として今回のやり方が出されたわけでございますが、しかし私は、これだけの大規模開発が行われれば、当然周辺の地価も上がってくる、だから結果的に、そういった競争入札をして土地が上がっていくんじゃなくして、この大規模開発によってやはり土地が上がっていくということが考えられるのですね。  そういった点で私は、投機的なそういった動きが一部言われているわけでありますけれども、そういったものについては、運輸省だけじゃなくして関係各省、また地方自治体とも連携を密にしながら十分監視してほしい。大塚さんは先ほどの答弁で、既に監視区域だからそう上がることはないと思いますということでございますが、しかしこれだけの都市開発をやる、すばらしい地区になるわけですよ。そういった面では私は相当これからまた上がっていくんじゃないかという心配をしております、危惧をしております。この辺のところも十分各省または各地方自治体とも連携をとりながら、そういった投機的な行為に対しては厳しく監視していく、これを私はお願いしたいわけでございますが、御答弁いただきたいと思うのです。
  253. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 地価顕在化しないということでこういうような特別債券方式公開入札というのが原則でございますけれども、いろいろ東京都あるいは国の状況がありましてこういうような特別債券方式になったものと思います。  こういうような開発が行われますと地価もある程度上昇するかと思いますが、先ほどもお答えしたように、国土利用計画法というものもございまして、監視区域内でございますので、この点も、開発するに当たりまして東京都あるいは国土庁、こういうところとの打ち合わせをしながら、高騰 しないような状況でやっていきたい、こう思っております。     〔委員長退席、二階委員長代理着席〕
  254. 春田委員(春田重昭)

    ○春田委員 最後になりますけれども、いずれにいたしましても、今回の法案というのは、会社の全体像が非常に不透明、不鮮明でありますし、また債券にしても株式にしても全体の総額がわからないし、またキャピタルゲインの問題、また金利の問題、発行口数の問題、額面の問題、いずれもわからないわけですよね。そういった面で非常に私は心配する点が多々あります。また、この会社に巨大なる権力がやはり集中していく、そういったことで心配もされているわけでございますから、どうか大臣におかれましては、また運輸省におかれましては、事業団におかれましては、そういった国民の貴重な財産が変な方向に走らないように、十分監視しながら、関与しながら進めていただきたい、私はこのことを強く要望して、質問を終わりたいと思います。
  255. 二階委員長代理(二階俊博)

    ○二階委員長代理 浅井美幸君。
  256. 浅井委員(浅井美幸)

    ○浅井委員 日本国有鉄道清算事業団は、国鉄改革の実施に伴って昭和六十二年四月一日に事業団法ができて設立されました。そういう特殊法人であって、旧国鉄の大半の債務を承継し、その債務を清算しなければなりません。その清算は、土地あるいはJR株式売却でこれを償還していくのが主たる業務なんです。  大臣、この国鉄改革というのは非常に大変なことだったのです。六十一年あるいは六十二年にかけて、それこそ国民の注目の中で民営化ということに踏み切ったわけなんです。そして今四年を経て、この清算事業団債務が二十六兆二千億も残っておる。その中で、今回汐留、同僚議員がいろいろと御指摘を皆さんなさったろうと思いますけれども、非常にわかりにくい。また、問題も多いように私ども思います。  それはなぜかといえば、いわゆる事業団が約二年間かけてこのことを考えてきたというけれども、その間我々運輸委員あるいはまた議員に対して、その経過あるいは考え方、そういうものをきちんと説明してこなかった。この二、三日以来、質問をするというので、あるいはこの法案は問題だというので、運輸当局や事業団の方は説明にお見えになりました。しかし、この土地は国の財産であるとともにそれは国民の財産なんです。この国民の財産を軽々に処理をする、あるいはまた後代に悔いが残るような処分の仕方というのは私どもは避けなければならぬ、こういうふうに思うわけです。その処分のあり方について運輸省としてはこれが最高だということでお出しになったわけですけれども、そういうふうな観点から見て、国民共有の財産であり、その処分に当たって十分な配慮がなされたと大臣は思われますか。
  257. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 今先生のあれで、十分な配慮をなされたかどうかと。  まず、先生御承知のとおり二十六・二兆円の債務、毎年一・五兆円ぐらいの利息を払わなければいけない、やはりどうしても早く清算事業団債務を返還しなければならない。一方、先ほども申し上げましたが、公開入札が原則でございますけれども、一極集中の結果、土地の高騰その他がありまして、地価顕在化することは好ましくない。東京都あたりあるいは地方からも要望がありまして、顕在化しない方法でこういうような特別債券方式を考えたものと思います。  先生おっしゃいますように、軽々に処分を急いだり、そういうことはしてはならないのでございますけれども、しかし、この債務の返還について、運輸省の方で、あるいは清算事業団の方で、あるいはまた都市計画その他、こういうことも十分に話し合って、少なくとも国民の疑惑になるような、あるいはまた近くの住民の方から批判とならないような方式にひとついきたいと思っておりまして、私は、いろいろな問題はあろうかと思いますが、この方式が最良で、そして今後運営に当たりましては、厳重に十分に指導監督してまいりたい、こういうふうに考えております。
  258. 浅井委員(浅井美幸)

    ○浅井委員 せっかく大臣が今御答弁ですが、十分に指導監督ということにつきましては具体的に後でお伺いいたします。  まず質問の順番といたしまして、これは清算事業団にお伺いすることなんでしょうが、国鉄の改革時におきまして国鉄の長期債務等償還計画がつくられました。そして、六十二年四月当時ですけれども、国鉄の債務が十六兆八千億、鉄建公団と本四公団の債務が二兆一千億、経営安定基金が一兆三千億、年金負担等が五兆三千億。このときの試算としては土地が七兆七千億、これは公示地価を基準とした試算だということです。JR株式が五千億、新幹線鉄道保有機構の債権が二兆九千億、営団出資持ち分が〇・七兆円。今日現在この数字は変わっていませんか、それとも変わっておりますか。
  259. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 清算事業団が発足いたしましたときの数字先生がただいまお述べになりましたとおりでございますが、その後土地値上がり等もございまして、私どもの方で現在の時価平成二年度首で評価しますと、土地が約十五兆程度と思われます。  株式の方は、六十二年度の計算額面でございますので、今後売却時に幾らになるかということは、これは市場に聞かなければわからないわけでございますから、これはさておきまして、営団出資持ち分につきましては、一口百円の出資証券を先般の特別国会におきまして三十二倍に評価していただきまして、残りの債券約九千四百億でございますが、これを全部一般会計に代物弁済させていただきましたので、現在持ち分はございません。新幹線保有機構からいただく金でございますが、これは発足時約二兆八千億ございましたけれども、これを繰り上げ償還をやったり、それから各年にもらってまいりまして、現在では約一兆九千億となっております。
  260. 浅井委員(浅井美幸)

    ○浅井委員 長期債務の内訳はどうなっていますか。今のは資産の方でしょう。
  261. 荘司参考人(荘司晄夫)

    荘司参考人 債務の方につきましては、総額で二十六・二兆円というふうになっておるわけでございますが、中身といたしましては、旧国鉄債務が十二・八兆円、鉄建・本四公団債務が一・五兆円、経営安定基金が一・二兆円、年金負担等が四・六兆円、その後事業団になりまして借りかえました債務等は六・一兆円ということでございます。
  262. 浅井委員(浅井美幸)

    ○浅井委員 これは大臣、六十二年の四月に、清算業務ということで長期債務償還計画が各年度別にずっと出たのです。先ほど私が申し上げた数字と明らかに違ってきているのは、事業団の借りかえ債務が六兆一千億というのがふえました。国鉄債務は四兆円減っております。そういう変化に伴い、きちんとした償還計画が我々にも出されなければなりませんし、また、その償還計画は閣議で了承を受けなければならないと思うのですけれども、そういうものが六十二年の四月のままで全然放置されておる、あなた任せというか、政府はそれに対してきちんとした関与をし、あるいはまた運輸大臣として、これから毎年度どういう償還計画になっているかという御関心をお持ちですか。
  263. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 清算事業団債務土地及びJR株式売却等により償還することとしており、土地につきましては、平成元年十二月の閣議決定に従い、平成九年度までに実質的な処分を終了することとしております。また、JR株式についても、同閣議決定に従い検討、準備を進めているところでありますけれども、その処分は、JR各社の経営動向株式市場動向等に影響されるものでありますことから、現時点において売却の終了時期等を見通すことが非常に困難であります。  いずれにいたしましても、土地及びJR株式の効果的な売却により国民負担を極力なくすべく今後とも努力をしてまいりたい。償還計画、株の方がなかなか見通しが立ちませんので、その点についてはなかなか容易じゃない、こう思っております。
  264. 浅井委員(浅井美幸)

    ○浅井委員 今大臣はしなくもおっしゃったように、この償還、我々も一生懸命考えています。考 えて、またあるいは勉強しても非常に不確定要素が多いということ。  土地売却がいつできるのか、これは後で私は清算事業団に文句を言いたいのですけれども、六十二年からことしまで一体何をしていたんだ、一生懸命努力したのか、売ったのか、借りている利子ばかり払っておるんじゃないかと言いたいぐらいなんですけれども、この計画どおり進んでいない。今政府のいわゆる申し合わせで、平成九年度までには土地は全部売ってしまえ、こう言っておる。ところが、言っておりながら、新幹線鉄道保有機構からの返済なんか二十五年間かかる。JR株式だって、先ほどの御答弁じゃないけれども、何倍で売れるなんと言ったら予断を与えるために言えません。  そういうものの中で我々は、国鉄の債務というのは国民負担と大きなかかわりがあり、あるいはまた土地を売るにしても、国民の財産だという観点から、この問題はまじめに取り組めば取り組むほど非常に頭が痛い。だから、不確定要素がありながらも、その不確定要素をそのまま、しょうがないかという、今回のこの法案を審議するに当たってこれしかないと言い切れないところに、我々だってすとんと胸に落ちてこない。  例えば、東京の一等地であるところの、もう再び出ないと言われた汐留土地が、十年たったならば民間になってしまう。それも地価顕在化しないというために時価よりもはるかに低く売ってしまう。本来ならば競争入札で時価相当以上で売れるものを、時価よりも低いもので売って、そしてそれが民間に移ってしまうということには、我々として何ともしっくりこの問題は受けとめられないところがあるのです。  大臣の今の御答弁でも、清算事業団が不確定要素もあってなかなかこの計画が立てにくいということで、めどを平成九年度までとおっしゃる。本当にこれがそういうやり方でいいのかどうかということを、まず私は前提大臣にお聞きしたいのですよ。
  265. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 確かに先生指摘のように、不確定要素が非常にあろうかと思います。私も、先生のように経済知識とか証券知識がないわけでございますが、先ほどお答えしているように、幾ら幾らということをここで想定しているということは、予断を与えたりすることもあるのでなかなか言えない。  同時に、先ほどの質問に出ましたけれども、六万五千坪、時価に直すと六兆円というようなことにもなろうかと思います。しかし、私も国会の合間を見まして汐留用地を見にいきました。先生方御承知のとおり、あの広大なところに道路はございません。したがいまして、開発するには道路を相当数つけなければいけない、区画整理するには、私の聞いている範囲ではやはり四割ぐらい道路用地あるいは公園等に出さなければいけない、そうするとあとは六万五千坪の六割しか残らない、こういうようなことで総括審議官清算事業団の方は慎重な答えをいたしていると思いますが、国民の財産でありますものを非常に安く売るとかなんとかということは決して考えておりませんし、実際できれば競争入札をすれば一番いいのでございます。一番いいのでございますが、現時点ではそれができないので、この特別債券方式を考えたと私は思っておりますので、この点の苦しいところも先生御理解をお願いいたしたい、こう思っております。  先ほど申されましたいろいろな雑誌に出ていることも私読ませていただきました。したがいまして、そういうような特定の、あるいは疑惑のあるような状況には、当然これは皆さん注目のところでございますから、そんなようなことには絶対させませんので御理解をいただきたい、こう思っております。
  266. 浅井委員(浅井美幸)

    ○浅井委員 それから、清算事業団ができ上がったときの本来の目的と確かにやや中身が変質してきていると思うのです。これは大臣清算事業団理事長にもお伺いしたいのですけれども、本来、元国鉄が持っておった土地処分するという、その売却が主たる目的だったのですけれども、売れないということになってきて、だんだん民間会社というか不動産会社というか、開発会社というか、このパンフレットを見ますと出ていますように、今でも四社ですか、レールシティ関東株式会社、レールシティ汐留企画株式会社、レールシティ東開発株式会社、レールシティ西開発株式会社、ここへ皆清算事業団が資本金を出している。本来清算事業団には二千五百人の職員がおるのです。そのおる者が、民間のノーハウをもらうかもらわないか知りませんけれども、こういう株式会社をまたつくる。今度またこの汐留汐留開発というのをつくる。大阪は大阪でまた今度開発会社をつくる。一体この清算事業団というものは何で設立されたのか、このことについての目的が、中身がだんだん変質しているように私は思うのです。  そして、レールシティ関東株式会社が何をやっているかという報告義務もない。清算事業団は金は勝手に出しておる。だけれどもこのレールシティ関東株式会社というのは民間なんです、株式会社ですから。これに対する監査だとかこれに対する国会報告だとか、こういうものの義務づけは全然ないわけです。清算事業団法の中にそういうものがあるのですけれども、こういう形でどんどん進んでいく。  汐留のいわゆる払い下げが終わり、次のところは大阪だ、全国三千何カ所あるといったときに、こういうものばかりがどんどんできて、一体どういうふうな形にしようとしているのか、ちょっとよくわからない。     〔二階委員長代理退席、委員長着席〕
  267. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 まず初めに、先ほど先生からおしかりをこうむりました清算事業団債務償還が大変おくれているではないかという点でございますけれども、御案内のように、土地処分は私どもが当初計画しておったよりもおくれておることは事実でございます。これは一つには、やはり鉄道の用地でございまして、直ちにすぐ商品としての土地として売るわけにはいかない。現に線路がある、道路が、接道条件が全然悪いというような土地でございますので、こういうものは、私どもの言葉で基盤整備と申しまして、その鉄道の線路を取り払い、また必要な施設をほかに移転しということで、大変時間がかかるという点をひとつ御理解いただきたいと思っておるわけでございます。  いま一つは、もう先生御承知でございますので申し上げませんが、清算事業団発足後の地価高騰影響で、事業団土地処分原則である一般競争入札がほとんどできなくなった、そういうことで土地処分が若干おくれておりました。しかし、その対策として地価顕在化しない処分方法を考えろということで資産処分審議会等の答申もいただきまして、ようやくこれが実を結ぶ時期になってまいりまして、そのことで平成二年度は約一兆円近いものを何とか実現したいと思って努力してまいりまして、それに近い数字土地処分をやったところでございます。  その意味で、私どもの方はそれなりに最大限の努力をしているというところをひとつ御理解いただきたいと思う次第でございます。  それから、いろいろの出資会社をつくっているではないかということでございますが、先生今御指摘のレールシティ関東という会社は、事業団用地開発されるまで相当時間がかかりますので、その開発されるまでの間、あいている土地を駐車場にするとか住宅展示場にするとかという形で収益を上げる、それを事業団の職員が直接やっていたのでは非常に非効率でございますので、OB等の方も採用いたしまして、できるだけ安いコストでそういう業務を事業団の代行としてやろうということでやっておるわけでございます。その他、事業団が不顕在化方式の一端といたしまして例えばマンション販売等をすることになりますが、それのいろいろな販売業務とかそういうようなことをこのレールシティ関東というのは行っているところでございます。  それから汐留企画につきましても、汐留企画と いうのは、同じような暫定利用のほかに……(浅井委員「もういいです。わかりました」と呼ぶ)先生御存じのようでございますから省略させていただきます。  その他、レールシティの東、西というような開発株式会社をつくっておりますが、これも不動産変換ローンという不顕在化方式を導入する上ではどうしてもその受け皿としてこういう会社が要るわけでございまして、不顕在化方式に伴って必然的に出てきた会社だということに御理解いただければありがたいと思う次第でございます。
  268. 浅井委員(浅井美幸)

    ○浅井委員 大臣地価顕在化させないということ、これは土地対策の上から必要でないと私は申し上げません、必要だと思います。しかし、国鉄改革の清算事業の中で国民負担を少なくして国鉄の清算業務をやりたいという気持ちと相反するものなんですよね。高く売りたい、片一方はそうじゃない、抑えろという。その辺のところの問題で、今回もまたこの汐留土地のことを会社にして、そして先ほどの大塚さんの返事では大体都市計画決定時の価格を参考にして決めたい。だけれども、それを高くすると一般投資家に魅力のない債券なので買ってもらえない。そうなると、精いっぱい高く売りたいのに、株主、一般投資家の方に目が向くと安く売らなきゃならぬという、その谷間にある問題なんですね。そこが我々がこういう方法でいいのかという納得のいかない点になっているわけなんです。これは大臣もおわかりいただけると思うのですがね。民間会社にするために、そういうことで株主への配慮なんということが出てくる。それが非常に問題が多い、これは指摘しておきたいと思うのです。  それから今の、民間のノーハウを持ってきて民間会社にして効率的に、能率的にやりたい。清算事業団の職員がやればいいんです、今はそれは清算業務なんですから。変わってきているのですよ。それだけまた持ってやらなければならないなら、やらなければならない仕事をやればいいんです。それが二千五百人の職員の仕事なんですよ。それを民間の方にやった方がより効率的で安くつく。そんな安くつくというより、職員をふやして民間会社をつくってやっていればそれだけ給料もかかるし、投資もかかっているのですよ。そういうことも考えないで、ただ単にそういうものをつくればいい、不動産会社や管理会社をつくればいいというような考え方事業団がいつまでも持っておるのでは、私は困ると思います。  時間も参ったようでございますけれども、最後に、運輸省からもあるいは事業団からもこの改革案について何回か説明を受けましたけれども、内容の詰めがいかにも不十分です。数字自体についても非常に不確定な部分があります。だから、このような重要な法案をたった一日の審議で上げようとするところに私は問題があると思うのです。本来これだけの重要な、三兆円あるいは五兆円、六兆円と言われるような膨大な国有財産の処分をするときに、国の予算全体から見てもこの金額は膨大なんですよ、それを軽々に決めようというやり方は私は非常に疑問に思います。本来は慎重審議できちんとした討論もし、あるいは議論もし、勉強もし、そして後代の批判を招かないような処分方法というものがあってしかるべきだと思いますので、この点を強く指摘しておきたいし、最後に大臣の所見を伺っておきたいと思います。
  269. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 先ほど来の先生の御意見等を踏まえまして、こういうような相当大きなプロジェクトあるいは相当な資産の処分ということにつきまして、今後ともひとつ先生方に情報提供をやりたいし、それからまた、今理事長からお話がございました、みだりに出資会社をつくるのではなく、私どもの方でも出資会社の場合にはこれを認可するというようなこともございますので、こちらの方でもそういう点も十分指導監督いたしますし、もしこの案が成立をして動き出す場合には、浅井先生初め先生方の今までの御意見等も十分に勘案しながら、厳重に、少なくとも疑惑のないような運営の方法をやっていきたいと思いますので、御理解をお願いいたしたい、こう思っております。
  270. 浅井委員(浅井美幸)

    ○浅井委員 終わります。
  271. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 次に、佐藤祐弘君。
  272. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 本来はこの問題は、土地処分の問題と、もともと国民共有の貴重な財産でありますからそれをどう使うのかという二つの面があるのだと思うのです。今回提起されているのは処分後の開発も含めてのものになっている、そういう点でいろいろな要素が複雑に絡み込んで入っているというように感じております。  順次お伺いしていきたいのですが、最初に、やりとりも既にありましたが、幾つか確認したい問題があります。それは債券の問題です。債券の額の決定ですが、御説明では現物出資を三回に分けてやるのだというふうに聞いたのですけれども、それはそのとおりでしょうか。
  273. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 まず、会社をつくりますために現金で約二十億円を考えてございますが、ことしの秋に会社をつくりまして、基本計画等を清算事業団と手伝いつつやっていく。都市計画が決定された後に汐留なら汐留土地を一定の額で現物出資する、こういうことでございますので、二回でございます。
  274. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 そうしますと、都市計画決定もされて基本計画も定まる、その後で現物出資という段取りですが、その債券総額はその時点で何を基準に決めるということでしょうか。
  275. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 都市計画決定をされまして区画整理がされますとともに容積率等が改定されますと、それだけ土地の価額が高くなりますので、まずそれで地価というものが、周辺の公示額も参考にしつつ容積率も勘案して決まることになります。  これが一つ債券発行総額の基準でございますが、この汐留土地を例にとりましても、そこに上物が建ち町並みが整備されてくると、開発利益というものが上乗せされます。十年後にはまた相当な価値が出てくると思いますが、それをどの程度取り入れるか取り入れないか、その辺は将来の株価の時価額等をにらみつつ、投資家にどの程度魅力を与えるべきか、投資家に購入される範囲内でできるだけ開発利益も取り入れて債券発行総額を決めたいと考えております。
  276. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 処分の場合に、従来の方針顕在化させない、公正さの確保と同時に売却と同程度の収入を得ることとするというのが基本だと思うのですが、その点は保証されるのですか。
  277. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 従来の価額というのは、今私が申し上げました中の都市計画決定後の地価公示額を基準とした額でございますので、その分でもう保証されているわけでございます。しかし、それにさらに将来の開発利益というものをオンするかどうかということは十分検討する必要があると思っております。
  278. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 もう一点、債券額面五十万という御説明も聞いているのですが、大体そういうことかということと、それから、けさほどの質疑の中で、総額は三兆あるいは四兆にもなるというお話がありましたけれども、これは低利ですから、将来、株取得の段階でうまみというか利益を得ようということで、低利でも持ちこたえられるという人でなければなかなか飛びつけないと思うのです。そうなりますと、一般投資家も購入しやすいように、できるようにということでありますけれども、多くは機関投資家であるとか大企業、大資産家というような人たちが入手するということになるのじゃないかと思うのですが、このあたりはどう考えておりますか。
  279. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 そういうことにならないように、一般の転換社債等の例ですと一口百万円というのが多うございますが、一口五十万円で一般大衆も購入しやすくするということ、それから、この発行に当たっては証券会社の窓口等で公募して、一般大衆も窓口で購入できるようにする、こういうことを考えております。  また、これだけの巨額な資金でございますから、特定の機関投資家等の資金だけで調達できるものではございませんので、逆に一般大衆が参加 しなければこれだけの債券は消化できないと考えております。
  280. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 しかし、なおかつ逆に、大変巨額ですから一般投資家もということですが、かなりの部分が機関投資家とか大企業所有ということになるだろうと私は思うのです。  それに関連して、先ほどの答弁で中立的なのが望ましいとかいう答弁がありましたが、これはどういう意味ですか。
  281. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この会社というのは、十年をめどに株式に全額債券が変換された時点から純粋な民間会社になるわけでございますが、これだけの土地を管理して不動産賃貸をやるわけでございますから、特定のグループに会社を支配される等があってはならないと考えておりますので、安定株主対策という意味は、中立的な、つまり運営系統に発言しないような株主を確保していかなければならないと考えておるわけでございます。
  282. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 運営系統にかかわらないような株主という今のお話ですが、建設とかで関連する企業なども当然いろいろ出てくると思いますけれども、そういうのも排除するということですか。
  283. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 排除するということは難しいと思いますが、そういう株主が支配権を持たないように安定株主を確保する、これはJR株式上場の前にも同様な問題がございますけれども、同様に考えていかなければならないと考えております。
  284. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 私はその点は、実際にやってみなければわからない要素もありますし、確たる保証はないという感じがいたします。ですから、そこには大変問題が含まれているということだけ御指摘しておきたいと思います。  そこで、今回私が中心的な問題と考えておりますのは、具体的には要するに汐留です。  汐留につきましては、もう十年も前から、あの地域は一等地ですから、どう使おうか、使いたいという議論が盛んにあったわけです。具体的なプラン的なものにいたしましても、私が承知しているのでは、一九八二年になりますが、東京都臨海地域開発研究会というのが「汐留地域再開発計画報告書」というのを出して、どういう方向で進めていくかというような具体的な動きが始まっている。その研究会には、住友とか鹿島とかの大建設会社、そういう企業も入っておりますし、国鉄の東京第一工事局も特別会員に入っていたのです。報告もまとめているわけです。そういう動きが既に、これは八二年ですが、その前の年、さらにその前あたりからあった。  そして八三年からは、こういう具体的な汐留地域再開発計画というようなものが出ましたから、あの周辺で猛烈な地上げが始まるんですよ。当時の新聞を見ますと、何度も繰り返し出ています。いろいろな記事も持ってきていますが、特に住友とか三井グループが買い占めに大変動きまして、ダミーを使ってのものが非常に狂奔したわけですね。建設省も、ダミーを使ってのものはもっと慎めというようなことを言わざるを得ないような状況があったわけです。その時点汐留についてはいわば地価狂乱の引き金になっているんですね。八三年の当初で、例えば浜松町一丁目で見ましても、坪五、六百万円だったのがもう一挙に六千万になるというような事例さえあるんですよ。大変な地価狂騰、高騰の引き金になった経過もあるんですね。  しかもこれは、国鉄の民営・分割の話が公式に出てくるのはもっとずっと後なんです。大体が再建監理委員会がスタートするのが八三年ですね。その前からもう、そういう汐留をどう使うかと。国鉄自身をどう再建するのか、国会審議ももちろんまだ何もありません、その段階から先行的に、あの土地をどう使うかというのがJAPIC、財界大企業中心の組織でありますが、JAPICでありますとか、それから東京都のこういう研究会でありますとか、いろいろな形でそういうことが計画される、構想されるといいますかね、ということがあったわけですね。  ですから私は、国鉄の貴重な一等地を活用するためにどう再利用、再開発をするかということが民営・分割のむしろ大きなねらいであったというふうにも考えるし、現実の流れはそうなんですね、汐留開発計画がどんどん先行していく、その後に国鉄監理委員会ができて、民営・分割の具体的な法案が国会へ出てくるのは八六年三月です。ですから、当初からそういう点で私は、国鉄の土地問題については非常に問題がある、大変重要な問題があるというふうに認識をしてきているわけです。  それで、結局今回のこの法案は、そういうかねてからの国鉄用地を再開発に使いたいというJAPICその他、もちろんJAPICだけではなくて政府も、中曽根首相が責任者、推進本部長になりました国有地有効活用推進本部というのもつくって、いわゆる民活路線で大々的に促進もしたわけですね、それをいよいよ具体化するものだというように考えていますが、そういう点はどういうふうに考えていますか。
  285. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 汐留操車場跡地について随分以前からいろいろな意見が出ていたことは事実でございますし、国鉄改革に当たって、貨物機能の変化に伴う国鉄貨物の不必要になった用地処分して長期債務、借金の返済に充てるということが一つの柱になったことも事実でございます。  しかし、汐留処分に当たりましては、民間に任せればもっと早く処分できるというような声もございましたけれども、この汐留というのが東京に残された貴重な都市空間、しかも大きな空間であるという認識から、地元東京都や港区の要望もこれを一体的に開発すべきだということでございましたので、地価の不顕在化法として今回の特別債券発行方式を導入いたしました。この方式が、特定企業の思惑を排除するということにおいても、結果的には中立的な企業が全体的に管理運営していく面でも、一番今の時点で目的にかなった方式ではないかと考えております。
  286. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 基本計画を決めますね、それは一番土台になるのは何ですか。「汐留地区の土地利用に関する計画について」という資産処分審議会の答申がありますね、恐らくそれが一つの土台になるのじゃないかというふうにも思うのですが、あるいは汐留企画なりがいろいろなプランも出しています。そういうものと基本計画との関係はどうなりますか。
  287. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 土台になりますのは、一昨年の二月に報告されました資産処分審議会土地利用基本計画でございまして、この計画策定に当たっては地元も参加して検討したということでございます。
  288. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 私が今申し上げているのは、かねがね、単純に言いますとあの地域を使って高度再開発をしたい、霞が関ビル五棟分とかいろいろなことも言われていました。要するにこの資産処分審議会土地利用計画というのも、大体従来からJAPICその他で言われてきていた高度再開発に沿うものだと思うのですね、業務系ビル、オフィスビル中心の開発。地元の意見も聞いたと言われるが、私はその点については後でまた意見を申し上げたいと思っていますが、そういうことですから、結局は、かねがねのねらいを保証していくといいますか実現していく、今回はそのステップになっているものだというふうに言わざるを得ないと思っています。  大臣に関連してお聞きをしたいのですが、政府としては東京一極集中の抑制、解消というのは大きなテーマになっていますね。私は、今回の再開発計画はそれに明らかに反するものだと思うのですが、大臣はどう考えていますか。
  289. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 東京一極集中の是正を図り、多極分散型の国土を形成するということは、第四次の全国総合開発計画の基本的目標といたしておるところでありますが、同計画におきましても、東京圏は、我が国の首都として国内的な中枢機能のみならず、金融、情報等の面でも世界の中枢都市の一つとしてその役割を果たしていくことが求められておりまして、この一極集中是正措置を図らなければ東京圏は将来五百万人もふえる、こうい うことで、その一極集中の是正措置をとりますと、それでも大体三百万程度ふえるのじゃないか、こういうふうにも言われておりまして、その意味では一定の人口の増加は見込まれる、こう思っております。  汐留地区につきましても、このような状況に対応して今後の東京にふさわしい都市開発を行うというものでありまして、東京一極集中の是正にこの部面においては反するものではないと私考えておりますけれども。
  290. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 どうも論旨が一貫していないと思いますね。一極集中はなぜ起こったか、最も単純に言うとオフィスビルですよ。それで、国土庁がオフィスビルの過大な需要予測を発表して、それがこの地価狂騰も招くというようなことがあったわけですね、一定の反省的答弁もこれまでの国会でありましたが。今も工場などの規制は一定程度あるわけですよね、だが、オフィスビルについてはないというのも一つの検討すべき問題点になってきておる。さきの知事選挙などでも、東京では副都心の問題、これも一極集中じゃないかということで見直すということが選挙戦の過程で言われて、最後には知事自身も見直すと言わざるを得ないというような問題ですね。だから、全体に開発自体について、本当に国民の利益といいますか立場というか、どう国土、自然を守るかとか、環境とか、いろいろな観点から見直すべき時期に私は来ているのだと思うのですね。  ところが、従来型のままで今回は突っ走ろうとしているというふうに言わざるを得ないと思うのですよ。だから、今大臣はそうおっしゃったけれども、現実にあそこに業務・商業系中心のオフィスビルがうんと建つのですよ。それ自体が集中じゃないですか。だから、進まないと思っているというお答えは、私は全然納得できないと言わざるを得ないと思っています。
  291. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 確かに、汐留に大きなビルが建ったりなんたりということは、先生のおっしゃるとおり集中の方になるかもしれませんが、私は、物事は全体的に見なければいけない。例えば、学校にいたしましても大学にいたしましても、あるいはその他の官公庁にいたしましても、そういう全体的な面から見て東京の一極是正を図っていくべきでありまして、そしてまた、何で地価高騰が起こったかと申しますと、やはり事務所不足その他、しかも環境が悪い、こういうようなことで、地元とも十分相談をして、一等地ではございますけれどもそういうような計画もしていかなければならぬということで、一部分を見れば反するかもしれませんけれども、全体的ないろいろな東京の一極是正ということ、例えば首都機能の移転ということでも、国会の決議にもありますように、そういう全体的な問題でとらえていかなければならぬ、こういうふうに私は考えております。
  292. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 今も自己矛盾だと思うのですが。  国会など首都機能の移転という国会決議がありますよね。我が党は反対しました。それは首都のありようの問題という基本問題でありますとかいろいろありますけれども、その他、またさらに再開発のプランも見え隠れもしているということもあるのですね。だから、今大事なことは、本当にこの集中をどうしてなくすかということが大きなテーマでなければならないと思うのですね。  大臣答弁がまたありましたから関連してお聞きしますが、一昨年ですか、土地基本法ができました。あの中で一つの強調点は、公有地の拡大を進めなければならぬということですよ。日本は諸外国に比べても非常に公有地が少ない。よくこれはパリと比較してとかドイツと比較してとかいうお話もありますが、大変少ないわけですね。  一つ具体的な例で言いますと、公園ですね。汐留について公園の要望も出ているということもありますから、公園で申し上げますと、本当に東京は緑が少ないのですよ。都民一人当たりの面積が、区部では二・二平方メートルですね。ロンドンは三十・四、十五倍ですね。ほかは、ワシントンも二十倍とか、パリは六倍ですが、それでも十二・二あるのです。東京は一人当たりの都市公園の面積がわずか二・二平米しかない。そういうことからいうと、本当に緑、公園、そういう空間をどう確保していくかということが進められなければならないと私は思うのですね、いろいろな施策を考えていく場合にも。基本的には私は、今回の精算事業団用地、そういう大都市部における用地の問題は、そういう観点からの接近も必要だと思うのですよ。  しかし、今回提案されているのは全くそうではなくて、従来型といいますか、さらに一極集中を加速するような高度再開発という点でも、私たちはこの問題については反対なんですということを申し上げたいと思います。  それからまた、これだけの一〇〇〇%の容積率ということを言われておりますし、そうしますと、周辺地価の上昇を招く問題ですね。先ほど何か否定されるような答弁があったようですが、私は否定し切れないと思いますが、どうですか。
  293. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 私も一〇〇%否定しているわけではございませんで、大きな影響を与えないのではないかということを申し上げましたのは、一つは、周辺といいましても、銀座等も含めて都心中の都心で既に相当高価な地価の地帯であるということ、それからもう一つは、監視区域であるという点で、できるだけ地価が安定することを私どもも望んでいるところでございます。  ただ汐留そのものにつきましては、今のような貨物跡地として更地であるものが、いろいろな業務機能あるいは文化・イベント機能等を含んだシティーセンターとして開発されたときに価値が出ることは、これまた事実である。したがいまして、そのような中で文化・イベント機能を初め周辺の人々にも利用していただけるようないい町にして、住みよい都市にするということが一つの目標じゃないかと考えております。
  294. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 文化・イベントの町というと、また全然イメージが変わっちゃいますが、実態は、そうではないというふうに思います。  それから、今もおっしゃった監視区域云々とかいうことで抑制可能だという論法でいけば、別に顕在化してもいいじゃないですか。顕在化させないということをしきりに言われるけれども、私は見え見えだと思うのですね。あのあたりがおよそ幾らか。それは先日の公示地価でも坪大体一億円になりますよ、八〇〇%のところで。一〇〇〇%になればさらに二〇%アップするわけですから、大変な金額ですね。だから、形式的で、実質的にはもう見当もついちゃうわけですね。この新方式による処分が行われても、およそ地価幾らでこれをやられたんだと、プロなら一目でわかりますよ。  だから、そういうことを言いながら、公開入札ではなくてそういう手法で、結局はかねがね財界代表が推進してきたような再開発方向汐留用地を提供するということに客観的にはなる。そういう点で、やはり私は、今の都の状況、都民の要望、東京都の一極集中解消の必要性、緑や空間の確保、住宅の確保とかいろいろなことからいって、方向転換をすべきだ、抜本的に見直す必要があるというふうに考えておるわけです。  会社の問題も、いろいろ御質問もありました。私もお聞きしたいことが何点かあったのですが、一〇〇%出資ですね、公的な性格。しかし、純然たる民間だということになりますね。そうしますと、先ほどから大臣も絶対に疑惑などを招くようなことはしないように断固やるというふうにおっしゃったわけですが、果たしてその保証がどういうようにあるのか、私は大変懸念をするのですね。  近くの例で言うと、副都心開発で、あそこはテレコムセンターというのが中心ですね。東京都とほかが出資をして第三セクターができました。そこの会社には、当然工事を受注する建設会社の人間が銀行員となって出向している。人数までわかります。そういうことがあって、そこでいろいろ工事価格とかを決めるわけですからね。それが外 部に漏れているというようなことで入札がストップするとかいろいろな事態も起きているわけです。それだけに、先ほどの答弁では上物のいろいろな整備に九千億ですか、それだけの巨額の開発を進めるということですから、出資は一〇〇%しておりますが純然たる民間でございます、絶対疑惑が持たれるようなことが起きないようにやりますと言われても、その保証がどこにあるのかという点は、これは依然残る疑問ですね。大臣は、決意は表明されたけれども、具体的にその人事、事業計画その他について公正さがどう担保されるかという点はどうですか。
  295. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 先ほど理事長から、会社の方の人事その他を決める、こういう話がございました。清算事業団については、運輸省としてもその人事とか何か今現在決まっておりませんが、ことしの秋というような話もありましたので、そういうような人事については御指摘の点がないようにしていきますし、私自身は、九千億というような開発の状況であろうかと思いますけれども、これは一年やそこらで行われるものでもないし、また、入札の面も出ましたけれども、東京都のウオーターフロントのようなものではなく、そういう形態にするのではなくて、従来いろいろ官公庁でも入札形式はとっておりまして、たまにおかしなのも出てきますけれども、そういうようなことのないようにしていきたい、こう思っております。
  296. 佐藤(祐)委員(佐藤祐弘)

    佐藤(祐)委員 時間が終わりになってきましたので、最後に申し上げて終わりたいと思います。  汐留というところは、皆さん御承知のとおりで、「汽笛一声新橋を」のときの新橋駅ですよね。去年、港区の調査で、あそこから当時の新橋駅のホームの遺構というのも発見されたのですね。それから江戸時代の大名屋敷跡が随所にあるという問題もあるのですね。それも発見されて、東京都としても調査をするということになっているのですよ。仙台の伊達藩とか会津藩の松平家とか、いろいろな江戸屋敷があったり大砲の練習場があったりとか、かなり貴重な江戸時代の遺構、遺跡がある。だから、その辺からもいろいろ地元では要望が出ているのですね。鉄道発祥の地としてそういう記念公園にする必要があるのじゃないかとか、それからまた、そういう史跡などもありますから、そういうものも生かす工夫とか、それから何よりも地元で強いのは、今、地元だけじゃなくて東京都民の強い要望は、住宅要望ですよね。  ですから、私は結論的に申し上げておきたいのですが、事業団その他の文書にしばしば出てくるのですが、「都心部に残された貴重な開発空間である」という文言がありますよね。開発空間とするところに問題があると思うのです。あくまで開発対象としてみんな見ているわけですよね。その開発というのはオフィスビルの乱立なんですよ。そうでなくて、私たちは、都心部に残る貴重な国民の財産であって、公共空間だというふうに思うのですね。だから、財界、大企業がねらっていたような開発方向土地を提供するんではなくて、本当に切実な都民の要望とか東京都のあるべき都市像というかな、そういうものも含めて、緑と住宅、公園とかそういうものをベースにした再開発、そういう方向に転換すべきだ、それとは逆の方向に進める今回の法案には反対だということを申し上げて、質問を終わります。
  297. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 次に、高木義明君。
  298. 高木委員(高木義明)

    高木委員 国鉄清算事業団法の一部を改正する法律案につきまして若干のお尋ねをいたします。  まず、今回の改正の趣旨は、いわゆる国鉄改革の一環といたしまして、国鉄の長期債務そして資産の処分を適切に行うということは極めて大切なことでありますし、同時に、私は、国民負担をできるだけ少なくして、しかも地域振興に大きく寄与する、こういう土地処分、これが最も留意される点ではないかと思っております。  私たちよく地方都市に行きまして旧国鉄の跡地を見るわけでありますが、なかなかにして貴重な土地がそのままになっておるという光景をよく見かけるわけでございます。今回はとりわけ大都市圏の汐留等ということで焦点になっておるわけでありますが、まず債務処理が事業団としての大切な業務でございますので、今日まで事業団土地処分の状況は一体どうであったのか、こういうことにつきまして、まずその売却実績についてお尋ねをしておきたいと思います。
  299. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 事業団土地処分の実績でございますが、先ほども申し上げましたように、事業団用地は鉄道線路等がございまして、これを撤去して商品として売れるような土地にする、こういう作業等もございまして、若干そのための時間を要する。そのほかに、事業団が発足いたしました直後の六十二年十月には、地価高騰に対処するために、地価高騰のおそれのある地域においては当分の間は一般競争入札を慎めという閣議決定が行われたわけでございます。  私どもの所有しております土地は、現時点で大ざっぱに申し上げまして、価格ベースで申しますと九〇%が地価高騰地域といいますか監視区域にございますので、そういう意味で手足を縛られたような格好になっておりまして、結果といたしまして、従来事業団土地売却の主流は、地方公共団体が公共、公用の用に供する場合に行うことのできる随意契約が主流になってまいりました。ようやく平成二年度に至りまして地価が表面に出ないような不顕在化方式による土地処分というものが実を結んでまいりまして、平成二年度につきましては、その地価顕在化手法による土地処分も加わりましてかなりいい実績が上がってくるわけでございますが、過去の三年間におきましては処分がうまくいかなかったということでございます。  ちなみに金額を申し上げますと、事業団発足の六十二年度には千三百二十九億円、六十三年度には二千四十一億円、それから平成元年度には二千七百六十八億円、平成二年度は目下集計中でございますが、一兆円近い土地処分が可能になろうかと思っておる次第でございます。
  300. 高木委員(高木義明)

    高木委員 ただいま申されましたように、昭和六十二年から平成元年度、大体当初の目標では九千五百億円、こういう目標に対しまして六千百三十八億円の実績でございます。これは買い手がないのか。特に自治体あたりへ公共用地として残すことは大切でございますので、自治体としては、とりわけ地方においては財政の脆弱なところがほとんどでございますので、地方に行けば行くほど、そういう地方自治体としての買い手がないというのは私、理解できるわけでございますが、同時に体制の不備、いわゆる本当の意味努力をされておったのかということも、私は、今回売却に向けてそれなりの努力をされたのか、そういうことについてもぜひお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  301. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 ただいま申し上げましたとおり、平成元年までは私どもの土地処分の主流は自治体に対する公共、公用の随意契約でございましたので、私どもとして、自治体の方に、まず大きな土地につきましてはどのような利用計画があるかというようなことを御相談し、それに基づきまして土地の利用計画資産処分審議会に諮ってつくる、また、その他の土地につきましても、自治体の方で御要望のあるものについては積極的にこれを売ってまいった次第でございます。
  302. 高木委員(高木義明)

    高木委員 債務の処理の見通しでございますが、膨大な債務、二十六・二兆でございますか、そういう債務があるわけでありますが、当然土地処分あるいはJR株式処分、これにつきましては現下の経済情勢等を見ながら対応されると思うのですけれども、こういうことに対して、その債務処理の見通しについて今現時点でどう考えておるのか。特に今日時点で年間どのくらいの利子の額に上っておるのか、その辺を含めてお聞きしたいと思います。
  303. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 債務の状況につきましては、事業団が発足いたしましたときは二十五・五兆円の債務を負って出発したわけでございますが、その後、ともかく巨大な債務でございますので、金利がかさみまして年々ふえてまいります。それで、 平成二年度首には二十七・一兆円にふえました。このような状況に対処して、このままでいっては事業団債務の累増傾向がとまらないというので、政府でいろいろの措置をとっていただきまして、そのおかげで平成三年度首には二十六・二兆円に減らせる見込みでございます。  平成三年度には、土地処分はまた昨年に引き続きまして、それの五割増しの一・五兆円の土地処分をやるということで一応計画をしております。  なお、事業団債務償還資源といたしましては、御案内のように大きなものは土地売却収入とそれからJR各社の株式処分でございますけれども、株式処分は、閣議決定によりまして諸般の情勢をにらみながら遅くとも平成三年度以降検討するということになっておりますので、今後株式の上場等によりまして大きく債務償還できれば、事業団債務の累増傾向というのはとまるというぐあいに考えております。  いずれにいたしましても、ともかく金利が大きゅうございますので、私ども、土地処分は時間との競争だと思って一生懸命やっている次第でございます。
  304. 高木委員(高木義明)

    高木委員 一年間の利子はどのくらいに上りますか。
  305. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 約一兆五千億でございます。
  306. 高木委員(高木義明)

    高木委員 次に、いわゆる今回の法律改正の内容であります株式変換予約権つき事業団債方式ということでこの土地処分を実施しようとするわけでございますが、このいわゆる特別債券方式、これについて、これは大都市圏の大規模用地というふうに言われておりますが、特に汐留というのは明らかに出ておるのですけれども、実施予定地についてはどう考えておられるのか、そういう方式を使う背景も含めてひとつよろしくお願いします。
  307. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 今回の特別債券方式と申しますのは、大規模用地について一体的な開発が必要であり、かつ、その資金調達において通常の他の方式では調達が困難である、そのような用地対象として考えているわけでございます。したがいまして、汐留のほかに品川東口あるいは梅田北、また東京駅の国鉄本社跡地・八重洲側用地、こういったところ、上限として四カ所を考えておりますが、今後この株式変換予約権つきの特別債券の運用状況によっては、他の候補地ということも出てくる可能性はございます。しかし、今のところはその四つを考えております。
  308. 高木委員(高木義明)

    高木委員 債務償還については早期かつ効果的に処分をするということは当然でございますけれども、さらに一歩進んで、いわゆる地価対策への配慮あるいはまた都市整備の観点、こういう面についてこの方式は十分に対応できるのかどうか、その辺はいま一度、非常に心配になるところでございますので念のためにお聞きをしておきたいと思います。
  309. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 この方式による大規模用地処分におきましては、地価対策の面では、一方で、地価顕在化させないということで周辺の地価に悪影響を及ぼさないという点がございますし、他方で、都市空間を一体的、計画的に開発することによって、例えば業務用地、良好な業務施設を提供することによって総体的にそのような用地地価の安定に資するのじゃないかと考えております。  それから、都市整備との関係におきましては、このような大規模用地、いずれも土地利用基本計画に基づき地元の都市計画決定を経て都市計画決定に従って一体的、計画的に開発していくものであり、他の方式と異なり、子会社が全体を一括管理する上においても都市整備に最も有効ではないかと考えております。
  310. 高木委員(高木義明)

    高木委員 次に、資金調達の面についてですが、いわゆるこの特別債券の購入者として、私たちは、そのイメージなんですが、やはりその債券が売れるかどうか、十分に目標どおり売れるかどうか、これが一番大きな心配なんですが、どういう方々を念頭に置いておるのか、一体この資金調達がうまくできるであろうかという観点からお伺いをしておきたいと思います。
  311. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 我が国内の個人資産も年々増加しております。この資産が銀行預金に回るか有価証券市場に回るか、そのときどきの金利にもよるわけでございますが、私どもとして、今回の特別債券については証券会社に委託し広く一般投資家を公募するということで調達する、その際に一般投資家に魅力のあるような商品を形成することが当然前提となり、その辺については十分検討する必要があると考えております。
  312. 高木委員(高木義明)

    高木委員 改めてお伺いしますが、調達額はどの程度お考えですか。
  313. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 一番近い事例としての汐留前提に考えますと、汐留について今後都市計画決定が行われ、区画整理がされて容積率等が改定された時点での地価総額を鑑定して、その総額をもとに、将来の開発利益の一部ももし組み入れられれば組み入れて債券発行総額を考えたい。しかし、先ほど申し上げましたようにこれが消化できるような魅力をつけなければならないので、商品としての魅力ということも勘案しつつその総額を検討しなければならないと考えております。
  314. 高木委員(高木義明)

    高木委員 次に、いわゆる開発構想の点なんですが、汐留用地開発につきましては既に各種調査が行われておると聞いておりますが、やはり一つ開発構想なり基本方針なりはきちっとしておかなければなりません。したがって、その開発構想はどういう形で協議をされ、どういうものなのか、そしてまたその手順についてもあわせてお伺いをしておきたいと思います。
  315. 大塚(秀)政府委員(大塚秀夫)

    大塚(秀)政府委員 汐留東京に残された貴重な都市空間であり、その規模から、地元公共団体を加えて資産処分審議会で検討を行い、一昨年の二月に土地利用計画を出したところでございます。この土地利用計画におきましては、汐留について「国際化等に対応した多機能空間の形成を図ることから、業務・商業系を主体とする土地利用とする。」ということで、四つのゾーンに分けて、業務・商業系あるいは居住機能を含む高度な業務・商業系あるいは文化・交流を主とした業務・商業系、そのように分けているところでございます。
  316. 高木委員(高木義明)

    高木委員 この汐留地区の開発に合わせまして、いわゆる交通アクセス、地下鉄とか新交通システム、こういう整備計画をされておると私は聞き及んでおりますけれども、その現状について、また今後どう整備をされていこうと考えておられるのか、その点についてお示しをいただきたいと思います。
  317. 佐々木(建)政府委員(佐々木建成)

    ○佐々木(建)政府委員 お答え申し上げます。  汐留地区の開発に関連する鉄道及び軌道としましては、地下鉄の十二号線及び新交通システムの臨海線の整備が予定されております。地下鉄十二号線の環状部につきましては、平成元年の五月に免許、それから新交通システムにつきましては昭和六十三年十一月に免特許を得ておりまして、現在いずれも工事着手に必要な工事施行認可申請が出されておりまして、審査をしているところでございます。  汐留地区における鉄軌道の施設は、都市計画道路補助三百十三号線を中心に予定されておりまして、十二号線は道路の直下に汐留駅を設け、それから新交通システムにつきましては道路上に汐留駅を計画しているということでございます。なお、事業者として申請しております内容を見ますと、完成予定は地下鉄十二号線が平成八年度末、新交通システムにつきましては平成五年度末という予定になっております。
  318. 高木委員(高木義明)

    高木委員 今でも交通渋滞、通勤通学の大きな問題が生じておるわけでありますが、こういう開発がなされますと、もちろん開発途中もそうですが、開発後もこれまた多くの方々の出入りというものが出てくるわけでございます。したがって、私は、今の交通渋滞解消策と同時に、やはりこの面についても一極集中を排除する、そういう交通アクセスが当然前々から練られるべきだと思っておりますが、重ねてその辺を念を押しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  319. 佐々木(建)政府委員(佐々木建成)

    ○佐々木(建)政府委員 昭和六十年に出ました運輸政策審議会の答申で、平成十二年、西暦二〇〇〇年を目途の地下鉄の整備計画等が盛り込まれておるわけでございまして、十二号線につきましては汐留等ももともと通るというような予定で計画されております。新交通システムにつきましても実態に即して整備が行われているということでございまして、汐留に対するアクセスという意味では非常に効果のある路線がもともと予定されて、これから着手が行われるというふうになっておるわけでございます。
  320. 高木委員(高木義明)

    高木委員 次に、出資会社についてお尋ねしますが、この開発事業を行うべき出資会社というものの役割はかなり大きな地位を占めておるわけでありますが、この出資会社、いつごろどういう方法で設立する予定なのか、お尋ねをしておきます。
  321. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 汐留開発を行います出資会社につきましては、この法案を成立させていただき、関係の法令が整えば、直ちに、できるだけ早い時期に発足させたいと考えております。その前に、私どもの方といたしましては、事業団の内部にこの出資会社設立準備室をつくりまして、いろいろ組織のあり方とか定款の内容とかそういうものを決めまして、運輸大臣の方に出資の、投資の認可の申請をすることになろうかと思っております。  初めに発足いたしましたときの出資会社の主な任務というのは、都市計画決定を踏まえましてどのような不動産開発をやるかということが主要な任務になりまして、その基本計画の策定が主たる仕事になります。とりあえずの問題といたしましては、大臣の認可を得て二十億程度の出資をいたしまして、その会社で少人数で基本計画の策定をすることになろうかと思っております。その後、実施設計その他が進みまして、なおかつその都市開発条件としての換地というようなものが決まりました段階になりますと、これで現物出資をいたし、債券発行する、工事も始まるということになりますので、この段階でまた組織を若干拡大していくという形で考えている次第でございます。
  322. 高木委員(高木義明)

    高木委員 私は、特にこの出資会社におかれてはしかとした経営理念を持っていただきたい。というのは、これまでも出ておりますように、いわゆる雇用のための会社ではなくて、あくまでも事業推進をする会社である、こういう前提に立ちながら効率的な運営を進めていただきたい。特に、こういう事業につきましてはノーハウが必要でございます。したがって、清算事業団としてもこれまでの経験の中からかなりのものがあると思われますけれども、どうしても民間人の採用というのも大切な問題だと私は思いますが、民間人の登用についてどういうことでお考えでしょうか。
  323. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 先生お説のとおり、この会社は、いずれ建物の建設が終わりますればテナントを募集し、それからビルの賃貸を行うというような仕事もございます。また、ビルのメンテナンスを行う仕事もございます。こういう仕事等につきましては、民間のノーハウを極力導入していかなければならない。また、資金調達につきましても、相当膨大な資金調達が必要でございますので、やはり金融の専門家の意見も聞かなければいかぬ。そういう意味で、官民を問わず各般の分野で必要な人材を集め、衆知を集めて効率的な運営をやっていきたいと考えている次第でございます。
  324. 高木委員(高木義明)

    高木委員 今後、例えば建設工事につきましてもあるいは建設が終わった後のテナントの契約にしましても、これまでよく言われておるのは、とにかくいわゆる企業関連あるいは国鉄関連ということで、なかなか多くの公正な参入ができない、そういう声も一部では聞こえたわけでございます。今回はその辺については、公正に仕事の参入あるいはテナントの契約、こういうことが行われるものと私は確信しますけれども、その点はどうでしょうか。
  325. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 お説のとおり、旧国鉄の用地という極めて公的な資産でございます。その上で展開される不動産事業でございますので、広く各般の皆様方に参加いただいて、いい仕事をやりたいというぐあいに考えている次第でございます。
  326. 高木委員(高木義明)

    高木委員 地方自治体との関係なんですが、これはもちろん汐留の問題も東京都、港区等との連携は当然十分にしていかなければなりませんし、特に土地利用に関する計画の策定あるいは都市計画決定あるいは用途地域の変更、こういったこと等々につきましては、どうしても地元自治体との十分な協議がなければならないと私は思っておりますし、同時に、貴重な公共用地をそういう一つの一体的な開発の中にも残していくというのが大事なことでございます。したがって、そういう意味でも地方自治体の意見を十分組み入れるということが当然なされてしかるべきであろうと思っておりますが、その点についてどう踏まえておられるのか。
  327. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 私どもの汐留開発計画というものは、もともと資産処分審議会土地利用計画に基づいておるものでございます。資産処分審議会土地利用計画を決めます場合には、地元の東京都なり港区なりに御参加いただきまして、その意見を十分に取り入れて土地利用計画を決める、その土地利用計画を踏まえて都市計画が決定されるという形になっておりますので、その意味では地元の意見は十分に反映していくことが可能であると考えております。
  328. 高木委員(高木義明)

    高木委員 次に、いわゆる地価税ですね。地価税の創設に伴いまして、今後、今時価三兆円と言われておりますが、地価動向が必ずしも将来にわたって明確ではございません。また、資産価値の変動もこれは予測が難しいところでございますが、とりあえず今回の地価税につきましては、国鉄清算事業団が有する土地処分などにつきましては地価税は課さない、こういう特例もあるようでございますが、一体この地価税というものがこの事業に対してどういう影響を与えていくであろうかということについて、今日時点でどう踏まえておられるのか。
  329. 石月参考人(石月昭二)

    石月参考人 お答え申し上げます。  特別債券との交換によりまして株式処分された時点から出資会社は課税を受けることになりますが、御案内のように、税率が〇・三%と低うございますので、これによる影響は極めて小さいものだというぐあいに考えております。
  330. 高木委員(高木義明)

    高木委員 時間も限られておりますので、最後になりますが、そういうふうにこの問題については不確定要素が多い。そういう中ではありますけれども、私は国鉄改革法の精神にのっとって事業団が持っておられる土地処分については早期かつ適切に行ってほしい、こういうことで切に御期待申し上げます。  同時に、特に申し上げたいのは、この出資会社設立に当たっては、できるだけ簡素で効率的な経営を心がけていただきたい。そして、目的の達成を図って国民負担軽減をしてほしい、こういうことを申し上げたいのですが、最後に大臣の決意をお願いをしたいと思います。
  331. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 二十六・二兆円というような膨大な債務を抱えまして、国鉄用地処分につきましては、急がなければ毎年一・五兆円も利息がかかるということで、この処分その他について一生懸命頑張りたいと思いますし、先ほど来各先生方から、不確定な要素も多い、確かに地価顕在化させないというようなところで不確定要素も多いわけでございますが、一方、国民に迷惑のかからないよう、いやしくも疑惑のないようにひとつやっていきまして、出資会社につきましても、先生おっしゃいますように効率的な、簡素な、目的に沿ったものをつくっていきたい、こう思っております。よろしくお願いをいたしたいと思います。
  332. 高木委員(高木義明)

    高木委員 終わります。
  333. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ─────────────
  334. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 本案につきましては、日本共産党から討論の申し出がありましたが、理事会の協議により、討論は御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。  これより採決に入ります。  日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  335. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────
  336. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、佐藤敬夫君外三名から、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨説明を求めます。佐藤敬夫君。
  337. 佐藤(敬夫)委員(佐藤敬夫)

    佐藤(敬夫)委員 ただいま議題となりました日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     日本国有鉄道清算事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。  一 株式変換予約権付事業団債券方式(以下「特別債券方式」という。)の実施が日本国有鉄道清算事業団(以下「事業団」という。)の資産価値の高い大規模用地の効果的な処分を目的とすることにかんがみ、当該用地の現物出資評価額、特別債券発行額、金利等の決定に当たっては、公正かつ適切に行われるよう十分に配慮すること。  二 事業団は、特別債券方式の実施による効果的な債務償還の実現を図るため、その用地の現物出資を受けて事業を行う出資会社経営が適正に遂行されるよう必要な指導を行うこと。  三 特別債券方式が都市圏に残された貴重な開発空間として都市整備の観点からも重要な土地において実施されることから、当該開発の推進に当たっては、長期的観点から適切な開発が行われるよう関係地方公共団体等との十分な連携を図るよう努めること。  四 今後、事業団の所有する資産の処分に当たっては、本法案に関する国会における議論に十分に配慮すること。 以上であります。  本附帯決議は、当委員会における法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものでありまして、本法の施行に当たり、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにし、事業団債務の処理の推進を図るため、地価顕在化させない土地処分の一方法である特別債券方式の実施に遺憾なきを期そうとするものであります。  以上をもって本動議の説明を終わります。(拍手)
  338. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  採決いたします。  佐藤敬夫君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  339. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村岡運輸大臣
  340. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 ただいま事業団法の一部を改正する法律案につきまして、慎重御審議の結果御可決をいただき、まことにありがとうございました。  また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、政府として十分の努力をしてまいる所存であります。  まことにありがとうございました。(拍手)      ────◇─────
  341. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 次に、内閣提出地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、中部運輸局岐阜陸運支局自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。  本件に対しましては、質疑、討論ともに申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、中部運輸局岐阜陸運支局自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  342. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両案件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  343. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕     ─────────────
  344. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 次に、本日付託になりました内閣提出参議院送付船舶安全法及び船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨説明を聴取いたします。村岡運輸大臣。     ─────────────  船舶安全法及び船舶職員法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────
  345. 村岡国務大臣(村岡兼造)

    村岡国務大臣 ただいま議題となりました船舶安全法及び船舶職員法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  海上における通信は、過去数十年にわたり、モールス設備を主体とするシステムにより行われてまいりました。しかし、このシステムにおいては、モールス通信の専門的知識技能を有する者しか操作ができない、電波の到達距離が短く付近の船舶にしか救助を求められない、突然の転覆等の際に警報を発し得ない等の問題点がございました。これらの問題点を克服し、簡易な操作で、船間通信はもちろん、世界中どの海域にいても常に陸上との通信が行えるよう、最新の無線技術を利用したテレックスや無線電話を主体とする大幅に自動化、機械化された新しい海上無線通信システムの構築について、国際的な検討が進められてまいりました。その結果、この新しい海上無線通信システムを実施するため、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約、いわゆるSOLAS条約の改正案が昭和六十三年十一月に国際海事機関において採択され、平成四年二月一日から発効することとなりました。  また、近年の海難発生状況を見た場合、発生総件数はほぼ横ばいで推移しているものの、海洋レジャーの普及に伴い、小型・近距離航行船の海難が増加いたしております。一方、無線通信技術の開発、普及により、無線設備の低廉化、小型化、操作の簡易化、利用可能周波数の拡大等が図られ、無線設備の施設を義務づける船舶に関してその対象を拡大するための環境が整いつつあります。  これらの状況を背景に、SOLAS条約の改正の国内実施を図り、新しい海上通信システムによる通信の確実性を飛躍的に向上させるとともに、無線設備の施設を義務づける船舶の範囲を拡大し、船舶の航行の安全性の向上を図るため、今回、この法律案提案することとした次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、条約の内容の国内実施を図るため、船舶の航行する水域に応じて陸上との間で相互に無線通信を行うことができる無線電信または無線電話を施設することを義務づけること、従来の通信士資格に加えて、新しい海上通信システムに対応した海技従事者の資格を新設すること、新設する資格の免許要件、受験資格等について規定を整備すること等について改正を行うことにしております。  第二に、船舶の航行の安全性の向上を図るため、従来無線設備の施設を義務づけられていなかった船舶に対しても、原則としてその航行する水域に応じて適切な無線設備を施設することを義務づけることにしております。  以上が、この法律案提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  346. 亀井委員長(亀井善之)

    亀井委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  次回は、来る二十六日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十四分散会