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守住有信君 通告いたしましたとおり、
最初に
郵政省、
郵政大臣に御
質問申し上げたいと思います。
ついさきの通常国会の逓信
委員会で審議の結果成立いたしました国際ボランティア貯金、これにつきまして実は私の
考え方、ずっと審議を通じて、その後も
考えて私なりに活動してまいりましたので、
決算ではございますが、新しい法律制度でございますから、ここから入らせていただきます。
この国際ボランティア貯金は、政府による援助ではなくて、国民一人一人の善意の浄財によりますところの途上国に対する、むしろ途上国というよりもその国民に対する援助でありまして、草の根のボランティア活動を支援することによって他の先進国に見劣りのしないような、国際社会に貢献できるというところに今日的な意義があります。また、
地域のそれぞれの
郵便局といたしましても、一種の社会的役割と申しますか、その評価につながってくるというふうにも思いまして、この法律制度の発足を私は高く評価したいと
考えております。
私なりの
考え方で申し上げますが、今アジア、アフリカなどの開発途上国では、慢性的な栄養不良や簡単に防げる感染症によって一日に約四万人の子供が死亡し、約八億人の人々が安全な飲み水すら十分に手にしていない生活環境のもとにあると聞いております。また、約十三億人の人々が衛生サービスのない
地域社会で暮らしておりまして、さらには約八億九千万人の成人が読み書きのできない
状況、そのためにユネスコでいわゆる識字運動というものが展開され出したと、このように聞いておりまして、また国連の専門機関もいろんな角度で各国に呼びかけておる
状況にあります。
きのうでございますが、ODAにつきまして外務省等にもいろいろ御
質疑がございました。ODAによる政府援助は、負担金だとか無償援助、有償援助等低利の融資もございますけれ
ども一兆円を超える
状況になってきましたが、いわゆる民間資金による国民一人当たりの援助は一九八七年度で我が国はわずか〇・八ドル
程度にすぎません。同じ先輩国である西ドイツと比べてみましても、西ドイツでは一人当たり十・五ドルと日本の十倍以上になっておりまして、日本のいわゆる非政府、民間による援助水準は極めて低い、同じ自由主義社会国家の中でも欧州や北米等々通じましてもいわば一番下だ、こういうふうな現実があるわけでございます。
他方では、我が国の中で、特にNHKの映像などで海外の厳しい現状や、一方では日本人のボランティアが現地で一生懸命活動していることは
部分的に一応我々国民は知ってはいます。ところが、この問題につきまして非常にいろんな方々がこれに共感して、さあいざ行動を起こそうといたしましても、どこに寄附していいのか、どんな団体がどのような活動を行っておるのか、またその結果はどうなのか、あるいはその団体を信用していいのかとか、いろいろ簡単にわからないというのが
実態でありまして、こうしたことも
原因となって我が国の民間レベルの海外援助が、
経済大国と言われながらもその地位に見合ったものになっていないのではないか、このように
考える次第でございます。
もう
一つございますのが、私のとらえ方でございますが、欧米のボランティア活動が活発なのは、いわゆるキリスト教による影響も大きいと思いますけれ
ども、我が日本におきましても、仏教によろいわば慈悲の心とか喜捨の心とか、最近は福祉の心、こういうことでございますけれ
ども、そういう思いやり、福祉という問題につきまして、先進国に負けないような取り組みが必要だ。したがいまして、この制度が来年一月から発足されるわけでございますけれ
ども、それぞれのいろんな工夫のPR、積極的なPRの仕方によっては、ボランティア貯金の普及はかなり図れるのではないか、このように受けとめております。
開発途上国の現状を踏まえまして、国際ボランティア貯金の仕組みをどうやって国民の
皆さんにPRするかということがまずもって大切なことと思います。聞きますと、
郵政省ではビデオ等により開発途上国の現状の周知をやっているようでございますけれ
ども、できるだけ多くの方々にアジア、アフリカ等の途上国の現状を知っていただくために、大臣もよくお話しでございますけれ
ども、まず、
職員みずからがこの貯金制度創設の背景や意義、効果というものをよく理解しておくことが必要であります。従来のセールス貯金、まあ民間とも競争しておりますけれ
ども、それと全く違った角度のものではないか、こう受けとめておるわけでございます。
また私、同じ
熊本出身のアルベルト・フジモリ氏がペルーの大統領にもなりまして、その間のビデオ等も、ペルーにおける原
住民のインディオその他の人たちの生活ぶりもまざまざと拝見したわけでございます。そういう映像というものとも結びつけての
職員あるいは
地域の方々へのPRの浸透、こういうことにつきまして、
深谷郵政大臣は別の角度からも
郵便局を愛と思いやりの
郵便局、ふれあいの
郵便局づくり、こういうもので
全国を駆け回っておられますけれ
ども、そういうお
考えからもこの大きな意味を持った将来の可能性、
郵便局のイメージアップを踏まえたところのこの国際ボランティア貯金について、大臣のいろんな御抱負なり、法律が通りました後の御体験を通じてのお
考え、取り組み等をお聞かせいただければありがたいということで、まず御
質問申し上げます。