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大原委員 十一月十四日にクエール副大統領さん、この人は、副大統領になられてこれほどかすんだ副大統領はいなかったなと思ったのですが、突如として
日本にあらわれまして、総理
大臣に何か親書らしきものを出した。この中には、
新聞も書き方はまことにずるいね、中身は米に触れていないんですよ。
農業ウルグアイ・ラウンドで協調をうたっているだけなのに、クエールさんは後で帰りがけに米のことを触れたようでありますが、いかにもこの親書が米問題に限定されたような印象を与えるのですね、あの
マスコミの読み方からしますと。私はそういう
意味で、このような
マスコミの扱い方はやはりいかにも扇情的だなという
感じがしてならぬわけであります。
我々はお米を一日どれだけ食べているかといいますと、これはもう釈迦に説法でありますが、七十一キロを三百六十五で割りますと、二百グラム弱、百二十円ですね。
日本の庶民は、オフィスガール、OLさんたちは昼ちょっと出てコーヒー一杯飲むと三百六十円でしょう。コーヒー一杯で三日分の米を食っているんだな。二杯飲んだら六日分の米を食べているわけですよ。私は、価格バランスというのがあると思うのですね。
アメリカが安いから安いものを買えばいいんだというのではなくて、それならコーヒーも半分にしなさいというんだ。やはりそういう生活全体に仕組まれた価格の相対バランスというのがあるわけで、そういったことを勉強もしないですぐに米だけ取り上げて針小棒大に安い高いの
議論をするのはやはり私は間違いだと思います。
実は御報告でありますが、せんだって、私はふとした御縁で、ストラスブールで欧州評議
会議会同盟というのがありまして、行ってまいりました。三日間
会議に出るというので、長いな、一日くらいでいいのじゃないか、本当に三日間
ECの方たちが参加をしまして
議論をいたしましたが、やはり
農業問題が非常に核心的な
部分でありました。
それで、ホルツという方がリポーターでありましたが、
ドイツの社民党で二十三年間国
会議員をやっている方でありますが、この方がメーンリポーターでありました。
農業問題はここでは別の
委員会をつくってやりましたのでその報告をいたしますと。我々は
ECじゃありませんから、オブザーバーですから発言権はないのでありますが、その際に、ペギー・フェナーという、これはきれいな奥さんでしたね。とにかく私の隣に、残念ながらお年を召していまして、本当にサッチャーさんよりももっときれいな方でありましたが、非常にいい演説をされたのが印象的でありました。
この方がまとめた報告案で、ずっと前に農林政務次官をやっておられるのですね、だから
農業専門家なんですよ。その中に入った作文が、皆拍手喝采喝采をしておられましたが、私は英語が余り堪能じゃなくて駆け足でそれを読んでみたのでありますが、やはり
ECでは農村地域、ルーラルという言葉とカントリーサイドという言葉をやたらに使うのでありますが、農村地域の持続的な維持発展にかかわるあらゆる諸要素について、均衡ある相互
関係の発展のための開発計画をぜひとも今後も推進していかなければならない、特におくれた東側のこれからの
農業の救済のためにも先進
農業国が協力していかなければならぬ。そのほかに、
農業改善、それから生産物の質と衛生基準の確保、土地、水、空気等、環境汚染のないきれいな農村環境、農村の生き生きとした繁栄という社会的価値の再評価、そして満足すべき水準における食糧安全保障の確保という言葉が入っているのですね。私はそれを聞いたときに非常に感激いたしましたね、どこかの国が言っていることと同じだなと。
フランスは一二八%の自給率を持ち、西
ドイツは九十数%、イギリスは七七%、
我が国、三九%しかない国。それに比べて、これだけ豊かな
農業生産国がやはりフードセキュリティーという言葉を高らかにうたったということで、私は夜、ペギーさんの隣でありましたが、非常に感激しまして、乾杯しながら何回も褒めたのです、僕の英語がわかったかどうかわからないけれ
ども。非常に感激をした思い出がありました。
やはり
ECはアーバンシティーなんですね。平らかなところに森があり、畑があり、田んぼがあり、田んぼの中に生まれた町なんですね。だから、田園都市ということがぴったりくる町づくり、そういった中に息づいている、土台になっている農村を大事にしなければ都市も崩壊するという
考え方、私はこの哲学に非常に共鳴したものでありまして、やはり今度も
ECのそういった問題に十分御理解をいただきまして、ひとつ
大臣、自信を持ってこの点については
ECと協調していただきたいなという
感じで申し上げたわけであります。
時間がなくなりましたが、次に、やはり
ガットで、米ばかりじゃなくてでん粉、乳製品の市場アクセス問題が取り上げられておりますが、この点について農水省の
対応をぜひお聞かせ願いたいと思います。