○
山本参考人 御指名をいただきました
全国鉱業市町村連合会の
会長を務めさせていただいております福岡県の
添田町長の
山本でございます。
まず最初に、
産炭地域の振興など
石炭に
関係いたしますもろもろの施策につきまして、平素から
先生方には格別な御
支援とそして御尽力を賜っておりますことに対しまして、心から御礼を申し上げさせていただきます。なお今後とも一層御
支援賜りますことを
お願い申し上げたいと思います。
私も、二十年間
産炭地域の振興のため、と言ってはちょっと語弊がございますけれ
ども、現場の第一線で活躍をしたと思っておりますが、そういう
立場から御
意見を申し上げさせていただきたいと思いますので、御
理解をいただきたいと思います。
まず最初に、これは私
ども、直接
関係がある市町村と
関係のない市町村がございますけれ
ども、第九次
石炭政策については、もうぜひともひとつこれはつくってほしい。とにかく
石炭政策というのは決めてほしいということを最初に
お願いを申し上げたいと思います。具体的な詳しいことにつきましては、
政策部会長さんからのお話がございましたので、あるいはまた、それぞれ
石炭協会、
労働組合の代表の方から御
意見もございましたので省略をさせていただきますけれ
ども、とにかく第九次
石炭政策は絶対に必要である、こういうことで
お願いを申し上げたいと思います。
さて、次に
産炭地域振興のための法律の
関係でございますが、今、
笹生委員長先生からいろいろと
審議の内容、
経過等についてお話がございました。それと関連する部分あるいは重複する部分も出てくるかもしれませんけれ
ども、一応現場の人間として
意見を申し上げたいと思います。
まず最初に、この法律はまだまだ必要であるということでございます。したがいまして、最低限十カ年の
改善延長を
お願い申し上げたい、こう思っているところでございますので、ぜひ御
理解を
お願い申し上げたいと思います。
この延長をしてくださいという
お願いをする主な理由なんですけれ
ども、先ほ
ども委員長先生からお話があったと思いますが、インフラがまだまだ不足ですから、それを解決しない限り
産炭地域の市町村として一般市町村並みに浮揚することは不可能である、こういうことでございます。私は筑豊の出身でございますが、特に筑豊
地域には第八次
石炭政策の影響市町村と同じように重点
地域としてこれからも施策を実施していかなければならないのはなぜかということなんですが、さっき申し上げたように、何といっても
基盤整備がおくれているからなんです。もともと産炭法には振興計画あるいは実施計画等をつくって、そして
地域の浮揚振興を図っていくということになってはおりますけれ
ども、その計画だけは十分つくってきたと思いますが、その計画が計画で終わってしまったということは否めない事実だと私は思います。したがって、
基盤整備ができないために、
地域の振興浮揚がそのために障害になって足引っ張りといいますか、そういう格好になって、
地域の沈滞感から全然脱却できなかった、こういうことだろうと思いますので、最小限、これから十カ年かけてでも果たして
予定しているような、あるいは私
どもが思っているような浮揚振興が図れるかどうかについては甚だ危惧するところがございますけれ
ども、しかし、これからの施策の実施の仕方によっては早い時期に振興浮揚が可能になっていくのじゃないだろうか、こういうふうに私は思っているところでございます。したがいまして、法律の延長をぜひともひとつ
お願いを申し上げたい、こういうことでございます。
さて、先ほ
どもお話があったのですけれ
ども、
産炭地域の振興施策は三十年間近く続いてまいりました。これも事実でございまして、その結果成果が上がっていると認められるところ、言うならばそういうふうに認定をされる
地域もしくは市町村についてはもうこれでいいのではないか、そういう
意見が大勢を占めるのはやむを得ないことだと思いますけれ
ども、この指定の解除、見直しを今度行ってはどうかという
意見があるのでございますが、先ほど
委員長先生からのお話のとおりでございますが、この指定解除をすることには私
ども市町村としては原則的に余りと、こういうところでございます。でき得るならば、解除をするあるいは見直しをするならば、解除する、見直しをするだけの
支援措置の充実強化を図って解除をしてほしい、こういうふうに思っておるところでございますので、その点十分ひとつ御
理解をいただければと思います。
さて二番目なんですが、何といいましても、
地域の浮揚振興を図る事業が進まなければ
地域の振興浮揚はできるわけではございません。と同時に、もちろん、その市町村の
自助努力が最大限発揮されなければならないことは私
どもも十分
承知をしておるところでございますが、先ほ
どもお話がございましたが、振興計画は国かつくって実施計画は道県が市町村の
意見を聞きながらつくっていくということでございますが、さて実際に実施をしていく面のところには触れていないのです。ですから、だれが実際に実施していくのかということでございます。これらもひとつ十分御
検討いただければと思っておるところでございます。
もう
一つは、基幹的なもの、すなわちインフラ的なものについてはあるいはその
地域の市町村ではなくて国、県の実施によるものが多いと私
ども思っておりますが、その国、県が実施するものの採択順序を高めていただかないと、国、県の実施といっても現実にはそれが施行されないということも数多く過去には見られましたので、そこらあたりの採択の順序を高めていただくということもお
考えいただきたいと思います。
もう
一つは、この基幹的な
基盤整備事業ができても、市町村が補完をしなければならない事業も出てくると思います。あるいは基幹的な事業だけでなくて、現在私
どもに、次の事業、すなわち教育とか福祉、そういった事業が住民の方から非常に要求をされているのも事実でございます。これらの事業もやらない限り一般市町村並みに浮揚することは難しいのだ、こういうふうに私
どもはだんだん
考え方が変わってきておるのです。もちろん、それは二次的なものですから、ここで強調すべきものではないかもしれませんけれ
ども。基幹的な事業を国、県がやっていただいた残り、補完をすべきものあるいは市町村独自で
地域振興のためにやらなければならない事業があった場合に、やれるだけの財政力があるかということなんです。すなわち、十カ年のこの法律の延長をしてくださいというその背景には、
産炭地域の市町村の財政力というのが脆弱である、非常に弱いということでございますから、いかに立派な振興計画、実施計画ができても、一緒に実施をしていくだけの力を
産炭地域の重点
地域と思われる市町村は持っていない、こういうことがあると思います。
それで、私はかねがね思っておるのですけれ
ども、今の事業というのは、市町村が実施するもので全額が国、県の
負担によって行われるものはほぼありません。したがって、市町村自体の義務
負担がございますので、その義務
負担に耐え得ない財政力の市町村もあるということを忘れてはならないと思うのです。そういう場合に国もしくは県が市町村の
負担すべき義務
負担額についてできるならば
負担をしていただけるような制度はできないものだろうか。今度の小
委員会の中で
検討されましたように、自治体の財政力の強化援助ということについては随分と御
配慮を皆さん方がしながら
議論をされてきたと私は思いますけれ
ども、それだけでは従来のものから際立って市町村の財政力を強化していくという
議論にはなっておりません。
ですから、そういう限られた時間の中で
地域が振興していくためにはその市町村に財政力をつけることが必要であると私は思いますので、願わくは産炭債などの新たな措置を設けていただければと思っております。この場合は、産炭債といっても、後で全額をその市町村が返済をするということになりますと、これまた逆に足引っ張りとなってきますので、地方交付税である
程度の補てんをしてくださるような産炭債を設けるなどの措置によって市町村の財政力の強化を図るというふうにしていただければ、計画の実施についてもより計画的なものが一〇〇%遂行できるのではないだろうか、こういうふうに思っておりますので、格別な御
配慮をいただければと思っておるところでございます。
次でございますけれ
ども、もう
一つは、今は市町村を十九の圏域によって指定をしております。この指定でございますけれ
ども、圏域を指定し、かつその中の市町村をそれぞれの法律の条項に基づいて指定をされておるところでございますが、圏域は大変必要であることは私
どもも十分
理解をしておりますけれ
ども、この指定が、指定を圏域でしているからその圏域内の
経済的な効果が上がってくるというようなことは単純には出てこないのです。そういうふうに
考えられますけれ
ども単純には出てこないので、そこらあたりの、圏域の指定をしておるわけですから、市町村の半数以上に何かのインパクトが与えられたときに全圏域に影響が出てくる、すなわち波及効果が上がるような政策が必要である、こういうふうに思いますので、市町村の指定についても十分
配慮をする必要があるのではないだろうか、こういうふうに思っておるところでございます。
次でございますが、来
年度の
石炭勘定の概算要求につきましては、エネ庁の方で大変な御
努力と
先生方の御
理解で出されておりますけれ
ども、この概算要求が満額
確保できますよう、あるいは
先生方で御承認をいただきますよう
お願いを申し上げたいと思います。
私はいろいろ申し上げたい点もございますけれ
ども、産炭地の振興については今申し上げましたような
幾つかの主な点を
お願いを申し上げたいと思います。なおまた、予算につきましても格別な御
配慮をいただきますことを
お願いを申し上げまして私の
意見とさせていただきます。ありがとうございました。