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渡部(一)
委員 本当に法律家というのは難しいことを言われるものだと思います。
さて、ここに私が持っているのは、国立国会図書館外交防衛
調査室の報告であります。PKOに対して、
過去の
経験から一応定着したPKOの構成要素は以下の通り。
i、国際の平和と安全を脅かすおそれのある局地的な紛争や
事態に対し、
ii、
安保理(または例外的に総会)の
決議(勧告)に基づいて、
iii、関係当事者、特に受入当事国の
同意を得て、
iv、加盟国の軍隊等により構成される
国連監視団ないし平和維持軍を現地に
派遣し、
v、紛争当事者間に介在させることによって、停戦の監視や治安の維持等に当たり、
vi、もって戦闘の再発や拡大を防止し、
事態の鎮静化を図ること。
と、こういう六項目の
規定をここに記されております。僕の見たところでは、大体これは当たっているのではないかと思います。今これ差し上げますから。
このような活動の中には、監視団、事務総長の指揮、要請に基づきまして、紛争当事者が中立的と
考える加盟国の提供する軍事監視員グループを受け入れる、もめている両者が受け入れる、そういう監視団がある。停戦の維持を監視し、停戦に違反する行為があったら事務総長に報告し、ただし武器は携帯しない、こういう監視団。それから平和維持軍、PKFですね、これは加盟国の提供する軽武装の
部隊で構成される。ただしこの
部隊は、防御的武器の所持を認められるけれ
ども、
武力行使は自衛以外には認められない。そして、典型的
任務は、戦闘の再発を防止し、法と秩序を維持し、
事態の正常化を図る。そのために、
安保理の付託事項に従って、紛争地域等における停戦の監視、交戦
部隊の引き離し、外国軍隊撤退の実施確保、停戦
条件の違反防止等を行う。必要に応じて交渉、説得、監視、事実
調査を行う権限も付与され、巡回パトロールを実施して対立する当事者の間に介在する。
さて、こういう代物は、今の
日本国憲法から見てつくれますか、つくれませんか、合憲か、合憲でないか。
ちょっと、しばらく
考えておられる間にほかの質問をします。これは今私は、総理、極めて重大なことを言っているわけであります。それは、
我が国がこの
平和協力法、もう一段飛びでここへ飛びつこうとしたのでさんざん大きな問題が起こったわけでありますが、それ以前に
我が国としてなすべきことがいろいろあるのではないかという私は
観点がございまして、この
平和協力法以外にまず
考えられるべきことは、PKOのある部分については全く合憲的に
参加することができるのではないか、むしろ
我が国はその義務を怠ってきたというよりも、余り口を出さないでおいた方が何かともめごとが少なくていいというような後退的な
立場があり過ぎたのではないかと私は思っておるわけでありますから、PKOのことについて伺ったわけであります。このPKOの御返事はもうちょっと後にしまして、御相談中の御様子ですから。
自治
大臣に特にきょう来ていただきましたのは、自治
大臣と私は
国連議員連盟創設の当時からのパートナーであります。全力を挙げて
国連活動を国会の中で推進されたお一人であります。私
どもがしょっちゅう言っていたことにこういうことがあるわけです。
戦争が始まったときに
日本が手を出すというのは、大変困難なことは今度もうよくわかっています。それで、どこが後方でどこが前線かなんという論争は神学的論争に近いと私は思っておるのでありまして、後方などというものが地球上にあるのかというような、ぐるっと回れば皆前線という言葉があるくらいであって、もう本当に
議論にならぬ
議論が随分繰り返されたと私は思っておるわけであります。ところが、やれることがある。それは自治省が持っておられる国際緊急救助隊でございますが、それが物すごく喜ばれておる。ただ人数がひどく少ない。そしていろいろな、地方自治体の職員とかボランティアまで含んでおって、消防署の非常にベテランの人たちも含んでいて、地震とか火事とか災害とか、そういったときに出動していく。そして日の丸を掲げてやってきたこれらに対して、
日本の
貢献はもう物すごく大きく評価されておる。ところがやってみてわかったことは、戦争に伴って、あるいは戦争類似行為の紛争のために大発生する難民、飢餓、そして流民等の人々に対して手の打ちようがない。ですから、むしろ
国連事務総長のところで指揮をする、そういう国際災害の、相当幅を広げた国際災害に対する救助隊をつくりたいということを
日本が提案したらどうだろうかという
お話が出ていたわけでございます。
そこでこの間、
大臣のお勧めもありまして、デクエヤル
国連事務総長にお目にかかったとき、
国連議連の
意見として、
国連事務総長の指揮下に置く国際災害救助隊のようなものを、つまり予算は
我が国で払っておくけれ
ども国連事務総長の要請でいつでも出ていく、そういう
世界的な災害救助隊を、大きなレベルのものを、数千、できたら数万というレベルで
世界じゅうが拠出し合ってバックアップするというようなやり方をしたらいいのではなかろうか、こういう
意見が出ておったわけでございまして、これを事務総長に申し上げた。事務総長はそれに対して、法律的な
立場というものを精査するとはおっしゃいましたけれ
ども、そうした
部隊を、グループを
自分の指揮権のもとに置くことができればこれにまさる喜びはありませんというのがお答えでございました。
さて、こうした問題について、もし
貢献をされるとすれば、私は、今度のヨルダンの難民の処理の問題なんかはそちらでも相当部分できるのではないか。むしろそれの方がはるかに、日の丸を掲げ、そして
日本人が大量に出てくるわけでありますから、どんなに喜ばれたかわからない。しかも戦闘するわけじゃないのですから、私は将来のアラブ方面におけるところの
日本国民の信用の上にも大きなプラスになったのではないかと思うわけでございますが、いかがなものか。
まず、これは発案者であります
大臣に敬意を表してちょっと先にお答えをいただきたいと思っております。お願いします。