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宮下創平君 それでは、
参議院の御
意見に対して、時間の関係等もございますので、簡潔に申し上げたいと思いますが、それは、
参議院側の否決の
理由に五点挙げられております。それから、今それぞれの各委員からお話のあった点もこれらに関係いたしますから、各委員からの御
意見は御
意見として承っておくことにいたしまして、基本的に
参議院の五つの
理由につきまして、簡潔に私の方の見解を申し上げたいと思います。
第一は、
消費税を
歳入歳出に組み込んで
予算が編成されているという点、これはもういろいろ
議論がなされておりますとおり、私
どもとしては正しい
税制改革の選択であったと思いますし、あくまでも存続、
定着という前提に立って
見直し法案を提出いたしておりますので、
税制特別
委員会も設置されたことでもありますので、十分な御論議を経て
見直し法案の
成立に向かっていただきたいというふうに考えております。
それから第二の、
税収見積もりの点でありますけれ
ども、確かに結果的に見積もり時点における
政府見通し等と
変化があったことも事実でありますが、こういうことは大変
努力が要ることですが、最大限に
努力はいたしてきておるということ、それから、今まで、特にここ二、三年の
税収の好調をもたらしてきたいわゆる三高二安と言われる要因がございましたが、こうした点も今後は
変化するであろうと思われる点だけ
指摘しておきます。
それから、否決
理由の第三として、
国民負担率の問題に言及されておられます。
確かに
国民負担率は
高齢化のピーク時五〇%を下回ることを
目標とするという
臨時行政改革推進審議会の
答申の
目標は容易ならざるものでございますけれ
ども、これからも国、地方の
歳出の
合理化、あるいはまた
社会保障についても、受益と
負担の公平化等による
制度の
見直しですね、そしてまた本格的
高齢化社会到来時における
国民負担率の上昇を極力抑制するというようなことで、これからも最大限の
努力を払うべきものと思っております。四一・四%という問題は当時試算をしたものでありまして、必ずしも
政府として見通しまたは
目標をオフィシャルに示したものではございません。
それから、否決の第四、
国際軍事情勢と
防衛費の問題、
防衛費突出、
国民生活軽視という御
指摘でありますけれ
ども、今度の
予算は、
歳出面で徹底した
合理化を図って、
特例公債依存体質からの
脱却を図っておるというのは、
佐藤委員からも申し上げたとおりでございまして、限られた
財源の重点的、効率的な配分に相努めております。そして
国民生活充実等、
時代の要請に的確に対応したものとなっておりまして、このことは
社会保障関係費、
公共事業関係費、文教、
科学振興費、
農林水産関係費、
中小企業対策費等をごらんいただきましても、
社会経済
情勢の
変化に適切に対応した
予算措置であると考えております。
防衛関係費につきましては、厳しい
財政事情である中を勘案しながら、国のこれらの、今申し上げたような諸施策との調和を図りながら、効率的かつバランスのとれた
防衛力を進めるための必要最小限度の経費が計上されておりまして、
国際情勢の
変化等、五人の方から御
意見がございましたが、やはり基盤的
防衛力整備ということに沿って行っているものでございます。
それから、否決
理由の第五として、
国会審議、
議決の対象として
予算書が、あるいは租
税収入見積もりの中身が紛らわしくてわかりにくいという御
指摘でありましたけれ
ども、
予算書というのは、申し上げるまでもなく
国会や
国民にわかりやすく表現する必要があることと同時に、執行面からも能率的にできるように区分する必要がありますし、また監督の面からも
責任の所在が明確になる必要があるという、これらのいろいろな要請を調和させたもので現在の
予算書になっておりますが、これは
予算書だけではなくて、参考資料等の工夫によって
予算がよく
理解されるような最大限の
努力を払ってきておるところでありまして、いわゆる「租税及び印紙収入
予算の
説明」というものや「見積りの大要」というものを出しておりますが、あるいは
予算審議の過程でいろいろ資料を出してわかりやすいものに極力
努力しているところであります。
以上簡潔に申し上げましたけれ
ども、
衆議院としては、可決した本
予算を
最善のものと考えておりますので、
参議院側におきましても、本
予算につきまして速やかに賛同されますようにお願いを申し上げまして、私の
意見といたします。
以上です。