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高井和伸君 午前中の本
委員会におきます
質問の中にもまた政府の答弁の中にも、この
土地対策についていろいろ進められていることはわかりました。しかしながら、その対策はすべて遅い。もっと早くやっていただきたい。つい最近の新聞などを見ますと、買えるのは六十キロ圏、通勤二時間でも応募殺到、住宅が遠のく、このような報道もなされております。
そこで、今お話しのような政府の対応につきまして、この
土地税制、しかも私どもが唱えたい大
土地保有税に
関係する報道、それから施策などを追っかけていきますと、まず昨年の暮れに
土地基本法ができました。先ほどおっしゃったとおりでございまして、基本理念が四本ございます。公共の福祉優先、二つ目は適正な利用及び計画に従った利用、三つ目は投機的取引の抑制、四つ目は価値の増加に伴う利益に応じた適切な負担というような基本理念が唱えられております。非常に喜ばしい次第でございます。
さらに次に、先ほど申されたように、これと同時に政府は、
土地対策
関係閣僚会議を開かれまして、そこで今後の
土地対策の重点実施方針というのを定めておられます。そしてまた同時並行的に
日米構造協議の
中間報告の中にも、
土地税制について総合的な見直しをするという中に、大都市地域の市街化区域内農地に関する
税制、低・未利用地に係る特別
土地保有税などというようなことを行うというようなことが
中間報告になっております。
さらに政府税調におきまして、この四月六日に
土地税制小
委員会が設置され、五月二十九日にはその小
委員長の取りまとめが
中間報告的に出されました。この中を拾い読みしますと、
土地税制の見直しの視点として二つの視点を挙げておられます。
一つは資産に対する適正な課税、二つ目は
土地政策の一環としての
税制というようなことが言われております。こうした
土地税制についての
議論、その焦点がだんだん私は定まってきている方向にあろうかというふうに考えております。
その
一つにしまして、
経済団体の
一つであります経団連から出された文書がございます。五月十六日付でございますが、「
土地税制に関する基本的な考え方」という文書が発表されておりまして、その中でこのような文章がございます。現時点では、
一つ、投機の抑制、二つ、地価高騰を抑えることが
税制面でのテーマであるということを前提にしまして、「個人・法人を通じて低・未利用地に対しては保有課税(固定資産税)を強化し、有効利用を促す」、このような文書が出ております。
まだほかにいろいろ書いてございますけれども、このほかに日経連会長の談話といいますか、報道による発言がございます。五月三日付の朝日新聞を見ますと、「地価を下げるには、大都市の農地を提供してもらうのが一番早い。農協の人にお
願いすると、こんどは工業用地を提供させたらどうかといわれる。確かにそうなので、
土地保有税をかけて出すようにすれば良いと主張している。
経済同友会の石原代表幹事も賛成してくれた。しかし、中小企業の経営者を持つ日商が、商売を続けていくためにも、こうした税がかかることに反対しているというのもわかる。しかし、必ず
土地は上がるという神話を崩すためにも保有税の強化は必要だ」云々というふうになっております。
さらにその横っちょに同じ記事の隣に日商会頭の談話が載っておりまして、そこでは「
土地保有税のある程度の課税強化は、やむをえないと思う。大法人の遊休
土地の課税は仕方かない。しかし、その場合でも住民税や法人事業税の減税をセットにし、年金
生活者や低所得層については当然、配慮すべきだ」というようなふうに報道されております。
また、先ほど自由民主党の
片山委員は、地方税の既にあります特別保有税の大改正を提言されておられました。そして、先ほどの奥田自治大臣のお話の中にも、固定資産税は
土地政策に使ってはいけない、むしろ法人
土地の特別保有を対象とすべきであるとの趣旨の答弁もございました。このように、
土地保有税への大合唱が今始まっているというふうに理解しております。
この
土地保有税という名前は、
社会党も、せんだっての新聞の報道によりますと、
土地政策緊急提言として大
土地保有税というのを提言されております。大枠では考えは一致しておりますが、私が提言する大
土地保有税の詳細は次のとおりでございます。
一つ、全国の
土地所有者のうち、所有地の面積が二千平米以上でしかも公示
価格に基づくその
価格が五億円を超える大
土地資産の所有者に対して、毎年税率〇・七%程度を国税として課税する。この二千平米というのはこれは二反歩、古く言えば二反歩、これは特別
土地保有税の中にもやはり二千平米というのが免税の面積として出ております。そしてこの五億円の大
土地という
言葉に示されるように、これは都市近郊の
土地の高いところを対象にしているという面でございまして、国税を課するという面では経団連がおっしゃる地方税である固定資産税とは違うと、こういう意味になります。そして所有地の面積は二千平米以上だが、
価格五億円以下のものには課税をしない。安い
土地には課税しない。そして五億円以上のものに対してはその所有地の
価格から五億円を控除した残りの分に課税するという案でございます。
そして今度は所有地の有効利用が行われている場合、遊んでいないという場合には、例えば市街化区域内においては一団の
土地にある建物の床面積がその場所の容積率の一定割合を超えているなどの場合には、この税を免税または大幅に軽減する。要するに遊んでいるところには高く、有効に使われているところには免税していこうという案でございます。そして法人の子会社、連結決算などの対象の法人の所有地はこの税の適用については親会社の所有地とみなす。そして資産の課税に応じてそれぞれに課税する。最後にもう
一つございまして、特定市街化区域内地域の農地の場合、この税法施行の時点で地価を凍結して、売却を永久に公共機関に限定する場合に限ってこの税の課税を行わない。そして現行の固定資産税または特別保有税はこの税から控除するという案でございます。
こうした案は連合が昨年から唱えているものでございまして、賃金だけのベースアップの
労働組合ではいけない。
政策制度要求とともに、
労働者そして働く者の地位を向上させようという趣旨から唱えているものでございます。
そこで国土庁にお尋ねしたいんですが、先ほど申しました
土地基本法施行後の新たな施策として、新聞報道によりますと、保有税(国税)の創設を政府
税制調査会に提起するなど、遊休地を吐き出させる手だてを探っているというようなことが報道されておりますが、私が提言いたしました大
土地保有税と関連したところで国土庁のお考えを聞かせていただきたいと思います。