○峯山昭範君 私は、公明党・
国民会議を代表して、ただいま
議題となっております
租税特別措置法の一部を
改正する
法律案並びに当面する
税制の重要
課題について、
総理並びに
関係大臣に質問いたします。
まず最初に、
消費税についてお伺いします。
昨年の
税制国会において我が党を含む野党四会派が提案した
消費税廃止関連九法が本院で可決された歴史的事実、そしてその
審議途中でようやく明らかにされた
自民党の
消費税見直し案なるものは、逆に
税制を複雑かつあいまいなものとし、中小零細
企業の納税事務
負担を増大させるものであり、逆進性を解消するにはほど遠いものであるだけでなく、税の国庫不納付分の解決には全く手がつけられていないなど、
消費税の基本的、構造的な欠陥を取り除くには
消費税を
廃止する以外に道はないことが
審議を重ねるに従って明らかにされたことはいまだ記憶に新しいところであります。
消費税は今日の最大の
政治課題であります。これは昨年の
参議院選挙に引き続き、さきの
衆議院選挙と相次ぎ二度の国政
選挙の最大の争点となるということからも明らかであります。この
消費税については
政府から
見直し案が提出されており、また近く野党も
消費税廃止法案を提出する
予定であります。
衆参両院の
選挙の争点になった重要
議題について、
国会は徹底
審議を行わなければなりません。
衆議院では
自民党が多数を占め、
参議院では逆転している現在の
政治状況では、
見直し案も
廃止案も成立する可能性はないのであります。
総理はこのような
状況をどのように
考えているのか、初めにお伺いしたい。
今日の
政治の混乱をもたらした
原因は、大多数の
国民が
反対する
消費税を強引に
導入したことによるものであります。いわばボタンのかけ違いによるものであることは明らかであります。混乱を収拾するには、もはや
消費税は
廃止し、再改革を行う以外にないと
考えるものであります。
総理は
消費税問題の解決にどう取り組んでいくのか、お伺いしたいのであります。
また、
政府の
見直し案では、増減税差し引き平
年度で八千五百二十億円の減収となることが明らかにされております。他方、
消費税の
税収は
既存の間接税
廃止等を差し引いたネットの一般会計分は二兆円足らずであり、これから
見直しによる減収分を差し引くとわずか一兆円程度ということになります。この
税収をもって迫りくる
高齢化社会に対応できるのでしょうか。わずか一兆円の
税収のために、年金
生活者や母子家庭を初め一般家庭が何ゆえに
負担の逆進性に苦しみ、日常
生活の不便にあえぎ、税への不信感を高めなければならないのでしょうか。このような
消費税をもって
高齢化社会に対応しようとする限り、今後税率を現在の三%から二倍にも三倍にも引き上げざるを得ないのは明らかであります。
二十一世紀を展望した
税制改革を進めるためには、まず
消費税を
廃止し、
高齢化社会での
社会保障政策のビジョンを明確にした上で、
国民の合意を得て
税制の再改革を進める以外にないと思うのでありますが、
総理、
大蔵大臣、そして厚生
大臣の所信をお尋ねしたいのであります。
さて、
租税特別措置は、言うまでもなく、税のあり方を定めたそれぞれの法律について
税負担の公平という最も重要な側面を犠牲にしつつ、そのときどきの
経済社会情勢に即応した政策を時宜適切に織り込むべき
特例法であります。それだけに、制度のあり方については常時その
政策効果を見きわめ、行き過ぎたものはないか、
政策目的を終えてなお存在しているものはないかの
見直しが必要であります。このため、毎
年度その
改正案が提案されているのでありますが、私は
改正案提出のあり方に大きな疑問を持っております。
それは、関税定率法等
改正案などと同機に、いわゆる日切れ
法案扱いとされ、何が何でも
年度末までに成立させなければならないとの立場に追い込んで、
国会での
審議権を大きく制約していることであります。もちろん、
国民生活関連あるいは
中小企業関連の
特別措置のうち、なお
特例が引き続いて必要であるものについて、これが期限切れとなるため政策上の継続性を持たせる意味からも日切れ扱いとして処理しなければならないものがあることは十分に理解できます。しかし、このような種類のものでなく、
税負担公平の見地から
廃止すべきもの、あるいは大幅に整理縮小すべきものが数多く存在していることを我が党はかねてから
主張してまいりました。
ところが、このようなものまでも
国民生活や
中小企業経営に直接
関係あるものとひっくるめて日切れ扱いとなり、十分な
審議を行い得ないまま成立の運びとなるのが例年のパターンではありませんか。そして今回もまた同様であり、さらに
補正予算の
審議日程が
自民党のいわゆる一括方式の提案によっておくれ、その結果、重要
法案として位置づけられるべき本案の
審議時間が大幅に割愛される
状況に立ち至っております。まことに遺憾であります。このため、国家
公務員給与の
分割支給というかつて例を見ない
事態を引き起こすとともに、日切れ
法案の
審議時間を圧縮させたのであります。
公平の
原則を犠牲にして定められている
租税特別措置法改正に当たって、このような
状況が許されるものかどうか、
総理並びに
大蔵大臣に納得のいく
説明を求めたいのであります。
そこで、私は、
租税特別措置法改正に当たって、かかる時間的制約を回避するため、
国会提出の時期を大幅に早めることを提案したいと思いますが、
大蔵大臣の責任ある答弁を求めます。
次いで、
法案の
内容にもかかわる
土地・住宅政策についてお伺いします。
国土庁は
平成二年の
地価公示価格を公表しました。それによると、大阪圏の住宅地にあっては対前
年度比五六%という上昇率を示したのを初め、
地価高騰の波が全国へ波及している実態が如実にあらわれています。今回の公示価格公表を受けて、
地価監視区域の指定が後手に回らないようにするとともに、規制区域の指定、
土地関連融資規制など指定と指導を強化したいと
総理は述べたと伝えられておりますが、国土計画法の
改正の用意も含め、
総理の所信をお伺いしたい。
今回の公示価格公表の結果から、来年評価がえを迎える固定資産税の
負担増が
国民生活に及ぼす影響が重大となることは明らかであります。固定資産税については、
生活権を保障するために一定
規模以下の居住用宅地等に対する減免
措置をさらに充実すべきだと思いますが、
総理のお
考えをお伺いしたい。
また、サラリーマンの住宅問題について
政府は思い切った
対策を講じるべきであります。
政府・
自民党は現在の
所得控除で対応しているとか住宅政策が先であると言いますが、現実は、現在の諸控除、住宅供給ともに不十分であります。家賃控除制度の創設、
住宅取得促進税制の大幅な拡充を図るべきであり、
住宅税制を内需拡大策という面から
考えるのではなくて、住宅ローン軽減という
生活者の立場からとらえ直すべきであると
考えますが、その所信をお伺いしたい。また、こうした
措置を講じないとすれば、それにかわり得る具体的な施策を示していただきたい。
最後に、
日米構造協議への
政府の姿勢と
製品輸入促進税制についてお伺いします。
日米構造協議は、もはや待ったなしで迫られる
我が国の基本政策にかかわる問題であり、世界
経済に与える影響も無視できません。これまで三回にわたる協議を通じて米国の要請は、日米間の貿易収支の不均衡縮小にあるのか、米国の
主張してやまない日本の不公正取引慣行や市場の閉鎖性の
改善にあると見ているのかの認識と、四月にまとめられるという中間
報告にどのように対応しようとされるのか、お伺いしたい。
また、今回の
製品輸入促進税制の創設によって貿易収支に及ぼす影響をどのように見ているのか。さらに、最近内需拡大による輸入の増加、輸出余力の低下等による大幅な出超額の減少が続いております。また、産業界からは促進
税制を創設しても、
対象品目、数量に制限があることや、海外に買いたい製品がないなどの声があります。
政府は、このような
現状から、輸入促進
税制の効果について具体的にどのように
考えておられるのか、お伺いしたい。
以上、本法
案並びに関連する当面の重要
課題について質問いたしました。
関係大臣の明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(
拍手)
〔
国務大臣海部俊樹君
登壇、
拍手〕