○小西博行君 それと、私もまだ十年ぐらいでございますけれ
ども、つくづく思うのは、
大臣が一人でもって全部やられるというのはなかなか大変だと思うので、
局長さんあるいは課長さんというようなそれぞれ優秀な方も大勢いらっしゃるわけですから、思い切った施策というのもその辺から十分議論して、主張すべきはされたらどうかなと思います。我々のところへ来てもらって、いろんな法案について説明してもらったり、あるいは私
どもの質問に答えていろんな資料をもらって説明を受けたり、こういうことがたくさんあるわけでありますが、それではあしたからどうしたらいいの、
日本の
教育行政というのはこれからどうしたらいいのかというような問いに対しては、なかなか答えられない。というのは、恐らく
国会のこういう場で、だれそれ課長がこう言ったぞと、こういうことを大変恐れておられるのではないか。
そういう
意味で、前向きの発言といいましょうか、これは
大臣の了解を得ていないからなかなか発言できないと。それは議員の方にもそういう非があるだろうと思うんです。そういう
意味で、もう少し積極的に一番詳しい担当者の方々からどんどん前向きの
意見を出していただけるような形になれば、我々も非常にありがたい。先ほどの
データが出にくいというのも、その
一つの問題点ではないかな、そういうように思います。
それからもう
一つ、私はきょう環境という問題について少し質問させてもらおうと思っているんですが、時代とともにやはり
教育の中身というものも相当変わってくるのではないだろうか。大昔だったら、環境なんというのはほとんど言葉もなかったくらいでありますから、できる限り工場の排水は海へ捨てろというのが、私
どもが実際に入社した当時の大体社長のお
考え方だったという経験があります、製鉄会社出身でございますが。そのうちに、だんだんそれではいけないというようなことで、今は公害の対策というものはいろんな角度でやらなければいけない、こういうふうになっていると思うんです。
そういう
意味で、地球の環境というものが最近物すごく大きな問題になっております。前の総理もそうでございましたが、東京会議なんかで世界じゅうの学者が集まって、地球の環境をどうすべきかと。なかなか金がない国もある。したがって、基金
制度を設けて、そしてそういう研究であるとか、あるいは具体的に国々を支援するというような形で、大きな基金
制度を何とかしよう、経済大国
日本だからもっと出しなさい、そういうような議論も昨年あたりも相当されております。
したがって、きょう私が、例えば地球環境というものを全面的にとらえるとしたら、これは大変大きな問題でありますし、環境庁中心と申しましても、環境庁そのものの
予算というものは、
大臣も御存じのように大変小さいものです。もう
人件費が半分です。ですから、環境庁が中心になって世界の公害といいますか、環境保全に
努力しろと言ってもできるはずがない。
そういうようなことで、総理がいろんな国を歩いたときに、思い切ってこれだけ金を出そう、例えば開発援助で三千億だという言葉がどんどん先行はしております。しかし現実に、開発援助というのはでは環境をよくするかといいますと、マレーシアのいろんな問題がございます。材木をカットして、そして雨が降りますと、その泥が全部流れる、そして川床を上げて洪水になる。こういう現象になってくるものですから、果たして開発援助の金が本当に地球の保全といいますか、そういう
意味でプラスになっているのか。私はかえってそれがマイナスになっているのじゃないかと思う。
あるいはブラジルなんかの熱帯林の伐採とかいろんな問題がございまして、地球的な規模でいきますと、これも酸素が少なくなるから困るということを世界の先進国は皆言うんですけれ
ども、現実問題としてはなかなかその国はその国の
事情がありまして、材木しか売るものはない、外貨を獲得しようと思えば材木を売ると、こういうような問題も一方ではあるんではないか。そういうようないろんな複雑な条件がありながらも、地球環境というものをこれからよくしていこうと、そういうような決議がなされて、特に先進諸国というのは、もっと積極的に金も出し知恵も出し、そして世界をリードしなきゃいけない、こういうのが今の実態だろうというふうに思います。
そこで私は、きょうはこの環境
教育の必要性という面を一、二点、提案のような形になるかもわかりませんが、お話をちょっとさせていただきたいというふうに思います。
非常にわかりやすいんですけれ
ども、例えば象牙とか割りばし、こういうのは最近は自然保護の
立場あるいは環境保全の
立場、こういうものと大変つながりがある。したがいまして、そういうものを
教育の場で子供さんの時代から認識をさす必要があるんじゃないかなと私は思っております。
それからもう
一つ、大きな問題になりますと、オゾン層の破壊であるとかあるいは酸性雨、炭酸ガスによる温暖化、これは北欧まで行ってもそういう影響が出ておるということになりますから、そういうものを、従来はただ、汚物を捨てたらいかぬとか、あるいは森林伐採をしちゃいかぬというような
意味で、道徳心を植えつけることによって解決ができるんじゃないかというようなことでの
学校教育というものを考えておったんですけれ
ども、それではもうなかなか難しくなってきたのではないか、そういうふうに私は思いますので、何か
学校教育の中でそういう問題に対して認識をもっと深めなきゃいかぬというふうに私は思っておるんですけれ
ども、
文部大臣はどのようにお考えなんでしょうか。