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細谷昭雄君 一つの方向としてはわかりますけれ
ども、四全総の中で、具体的に何々事業という形ではまだ入っておらないというふうに
理解してもいいですね。
そこで、私は、
大臣にもぜひひとつしっかりと受けとめてお考え願いたい、もちろん
国土庁にもお願いしたいと思うんですが、今回出されております
市民農園法というのは、実際問題としては当面の
都市住民のニーズにどうこたえるか。そして、どんどん緑が失われておるという中で幾らかでも歯どめをかけたい、実を言えばこういうふうな極めて範囲が限定された現状維持の歯どめ
法案みたいなふうにしか、私は受け取っておらないわけであります。しかし考えてみますと、
大臣もお話しのとおり、一方では過密な
都市、もう一生かかっても自分の家を持てないという状況、そうして一方では、本当に過疎で若い者がおらない、美しい自然はあるけれ
ども人がおらない、こういうふうな大変な状態をつくっておるわけでありまするので、問題は、これは大きい立場でどう
都市と農村の格差を埋めていくか、それは大きな政治
課題の一つでもございます。
そこで、今は小さな卵みたいな
市民法案でございますけれ
ども、私は、このクラインガルテンというヨーロッパで長い伝統を持っている
制度のよさというのを取り入れまして、仮称ですが、いろいろ
皆さん方でつけようがあると思うんです。私は、何といいますか、
都市住民の夢の集落みたいな、ちょうど大正中期に武者小路実篤さんが唱えられました新しき村、ああいう理想郷みたいな、これを何とか政治的な、行政的な誘導でそういったものができないのか。
例えば、
都市の
住民はみんな故郷を持っているわけです。大体故郷を持っております。もう二代三代東京という人は非常に少ないというふうに聞いております。故郷を持っておる
皆さん方でありますので、そういうOB、年金生活に入られましたら、その方々がどんどん民族移動みたいに郷里に帰っていく、それの受け皿としてやっぱり良好な社会環境、文化的な環境を
整備しながら自然の晴耕雨読をやることのできるような、そういう快適な環境というのを地方にきちっとつくっていく、このことの呼び水にこの
法案ができないのかという問題なんです。
私は、そういう意味で
都市住民の定住モデル集落事業みたいなもの、これは
国土庁が先行で計画するのは当たり前かと思うんです。それを主管する官庁としては
農林水産省、そしてそれをサポートするのは
建設省という形で、ぜひとも
都市住民の定住モデル集落、今盛んに
国土庁で進められておりますあのリゾート構想、これはやっぱり一過性のもの、
都市住民が滞在する、定住じゃなくて滞在する、ゴルフ場やスキー場やその他観光に行って多くて三日、四日泊まっていくという
程度のリゾートではなかろうかと私は思うんです。これじゃ、実際に地域の振興とか永続的な、地方のためにはならないというように思っているんです。
しかも、もう同じようなリゾートが全国でできます。あれじゃ、この前予算
委員会で
国土庁長官も言っておりましたが、一体全体こういうのはもう共倒れするのじゃないかという
委員の
質問に対して、具体的にこれはそこへ行った人方が決める問題だ、サービスが悪ければどんどんつぶれていく、優勝劣敗の法則によって結局残る者しか残らないだろうという言い方をしておったわけです。私もそう思うんです。ですから、そういう一過性のリゾートに頼るんじゃなくて、本格的に
都市と地方の交流と言えるもの、世代交代みたいな形で人口の移動がきちっと行われるその受け皿をつくるということ、このことが非常に大事だというふうに思っているんです。
〔理事北修二君退席、
委員長着席〕
そういう意味では、今はこの
市民農園法案というのは現状維持の
法案にすぎないんだけれ
ども、私はこれを大きく温めて、
農水省の守備範囲であります地方の活性化、農村の活性化、こういうことにつなげていけるのじゃないかなという大きな期待と私自身は夢を持っているわけです。これについて
大臣のお考え、そして
国土庁のお考えをお聞きしたいというふうに思います。