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上野雄文君 我々に手のうちを明かすようなことを言わないなんというのは
承知しない方がおかしい話なんで、ただ、今度の問題をめぐって、私が持っている「財蓄・投資パターン」という政府の方で出したやつ、これも頭から下までずっと読んでみたんですが、従前やってきたような
仕事の問題については書いてあるんですよね。ところが、自然
環境保全であるとかこういう問題についての項目というか、それはちょっと見当たらないんですね。
平成二年度の
予算をめぐっては、国連で環境問題がクローズアップされてから一斉に環境問題と結びつけて
平成二年度の
予算要求が各省庁からあった、こういうふうに言われているんですけれ
ども、どうもこの中には、大切だ大切だと言われている割には新たなものとして出てこないんで、こういう中身ものっかるようなアピールの仕方というのはあってもいいはずだと私は思うんです。
強いて言うなら「国民生活の質の
向上に
重点を置いた分野に」、この中へ潜り込めるかなとか思ってみたりしているんですが、
一つ心配なのは、そういうような点などがありまして、最近のマスコミの動きを見ましても、私はまだ議員になって短い経験しか持っておりませんが、こんなにまで山の問題、緑の問題、環境の問題がじゃんじゃん
報道されているという時期はないように思うんです。そういう時期に、この際、ともすれば押されっ放し、あんたら
借金ばかりしてということを年がら年じゅう言われ通しという
林野の
立場にすれば、この期を逃さず押し込んでいくという態勢があってしかるべきだと、私はそう思っているんですよ。
これもきのうとおとついですが、ふっと朝日の夕刊を見ましたら、「人物誌」の中に、
林業家のやつですが載っていましたよね。六十歳の女性の方ですが、「ひと一代の力には限りがある」というようなことで、山の問題がずっと載っていました。それから、きのう日経の夕刊を見ましたら、原生林だの、こういう丹沢の山だとかそれから東京近郊の大菩薩連嶺の紹介だの、それから屋久島の紹介だのというのが、こういう——別に
林野庁が広告代を払って頼んでいるわけじゃないでしょう、もう自主的にどんどんどんどん。先々週の日曜版にも大きく
報道してくれているという。こういう周囲の状況が非常にいい、言うならば、
林野にとってはまことにいい環境が生まれてきているそういう時期なだけに、この期を逃さずに、これまた繰り返して申し上げるようですが、冒頭申し上げたように、こういう分野でひとつ皆さん一緒にやりませんかという声をかけることができるような問題提起をしてもらいたいというふうに私は思っているんです。
後でまとめて、
大臣からその辺の所感は聞かせていただきたいと、こう思いますので、まず時間の関係もありますからこちら側でどんどんお尋ねをしていきたいと思うんです。
それから、地方自治体との関係について触れてみたいと思っているんですが、
国有林は
特別会計で独立採算を中心にしてやられていますが、都道府県なんかでは、私も県
会議員のときに、県の
林野の県有林の
特別会計、
大臣も経験おありだと思いますよ、その場合に単年度主義で、出た赤字は全部
一般会計で埋めていくというやり方を今全部やっていますから、県有林の会計で累積赤字という
議論は全くないんです。あるとすれば、最近四十五ほど都道府県を中心にしてでき上がった
造林公社の
借金をして
仕事をするという、その問題だけぐらいだろうと、こう思うんですね。このやり方というものについて、今申し上げたような
条件、状況下における
林野のあり方というものについて、長い長い歴史は、それは
それなりに私
どもは
承知はしておりますけれ
ども、NHKの
報道がされて、半分は土地を売って半分は国の補助で全部
借金は返せと。これがいい悪いという話は別にしてみても、
一つの積極的な
提言だろうというふうに思うんです。
だから、今
林野全体にのしかかっている
借金の問題なんかについて反転攻勢というものが出てこないと、どうも我々もさばさばしないという気分でいっぱいなんでありますけれ
ども、これなんかはどうですか、
長官、
基本的に今すぐにという話にはならないにしても、やっぱりこれから攻めていく手だてとして考えるべき問題だと思いますが、所感を述べていただきたい。