○鈴木貞敏君 私は二十分の持ち時間でございまして、大変短い時間でございますので、
ウルグアイ・ラウンドを中心に、同僚議員からそれぞれポイントになるような項目の御
質疑がございましたけれ
ども、絞って申し上げたいと思います。
ウルグアイ・ラウンドもいよいよ大詰めに来ているわけでございますが、率直に言って全
国民今かたずをのんでその行方を見守っているというふうな
状況であろうと思いますが、私
自身も
山本大臣の農は国のもとであるというそういう誠実な本当に信念的なお言葉を受けながら、その
大臣のもとに最強のスタッフで今国際
交渉に当たられている農水省の皆さんの御
努力に対して深甚なる敬意を表し、また全幅のそれに信頼を寄せている者の一人でございますけれ
ども、しかし、また一面におきまして、日々の新聞にいろいろあれやこれや出る、そういった記事を見ながら私個人も実は一喜一憂といいますか、そういう気持ちをやはりぬぐい去れない、こんな心境でございます。
しかし私は、
ウルグアイ・ラウンドにつきましては、農業というのは商品交換と同じ次元で果たして
論議するのが妥当なのかどうかということを素人なりにかねて疑問を持っているわけでございます。
ウルグアイ・ラウンドを国際自由貿易という原則に立って何とか成功させなくちゃいかぬ、これは何人も異論のないことでございますが、しかし、その中で論ずべきことはいわゆる
ウルグアイ・ラウンドでの中心的な一つの
基本理念はやはりマルチラテラリズム、こういった一つの理念があるわけでございまして、そういう
意味では一方的に制裁を科するようなスーパー三〇一条なんという、これはもうまことに
ウルグアイ・ラウンドの精神から見ればおかしいじゃないかと私は思います。
また、今
ウルグアイ・ラウンドの土俵の中でカバーされておらない例えばサービス部門であるとか知的所有権の問題であるとかあるいは海外投資の、インベストメントの問題であるとか、規律的な商道徳といいましょうか、そういう問題を含めたいろいろな問題を真剣にやっていただきたいということでございまして、やはり農業は今まで
我が国が主張しているように商品交換とは別の次元で、いろいろ歴史とか文化とか言われますけれ
ども、やはり人間の生活といいましょうか、そういうものに密着したものがあるということを痛切に感ずる者の一人でございます。そういう
意味でやはり食糧安全保障あるいは基礎的食糧というものについては絶対守っていくという今までの主張を国際場裏において堂々と自信を持ってひとつ主張していっていただきたいということを切に思っているわけでございます。
最近のイラクのクウェートへの侵攻というふうな問題を見ましても、やはりエネルギー政策というものがああいう格好で七割も中東に依存した、そして歴史的に石炭をスクラップして石油にどんどん依存してきたのが果たしてエネルギー政策としてどうであったのだろうかということを私個人もちょっといろいろ考えさせられますし、そういう
意味でやはり食糧の危機管理というものの重要さ、そういったものを改めて感ずるわけでございますが、そういう
意味で、まあ農業の
交渉が土壇場に来たこの
段階において改めて現状についてどういうふうに認識し、そしてどのような見通しをお持ちであるかということについて端的にお
伺いしておきたいと思います。