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政府委員(松山光治君) まず、沖縄のサトウキビは沖縄農業にとりまして大変重要な基幹作物であるという認識を持っております。それの健全な発展のための現地の努力を我々としてはできるだけ支援していきたい、これが私
どもの基本的な考え方でございます。
それで、お尋ねのございましたまず収穫用機械の問題でございますが、御
案内のように、サトウキビ作は耕起とか防除の一部を除きましてほとんどが手作業に依存しておりまして、かなりの労力を要しておりますし、中でも収穫労働が相当のウエートを占めておるわけでございます。私
ども、やはり立地条件に見合った機械化ということで、例えば大規模なサトウキビ畑につきましては中型のグリーン・チョッピング・ハーベスターを導入する、あるいは小さな畑では刈り取り機と脱葉、搬出を組み合わせましたような機械化作業体系を進めるということで、集団用の営農機械への助成を含めましたいろいろな推進策を講じておるわけでありますが、いかんせん進展
状況が必ずしもはかばしくないというのが
現状でございます。やはり比較的中小規模の畑に見合います機械の開発がおくれておるというところに御
指摘のような問題があるわけでございます。
そこで、六十三年度からそういった中小規模のサトウキビの畑に適しました高性能の小型乗用収穫機械の実用化をという、こういう問題に取り組んでおるところでございまして、鋭意その開発を進めていきたい、このように考えておるわけでございます。
それから、病害虫防除の問題でございますが、まずは病害虫の発生予察事業によりまして主要な病害虫の発生
状況をあらかじめ察し、
関係者に情報を提供するということを通じましての的確な防除を指導しているところでございます。特に防除の難しいカンシャクシコメツキ等の土壌害虫の問題があるわけでございますが、これにつきましては
昭和六十二年度から新しい事業を実施いたしまして、フェロモントラップによります発生予察法でありますとか、薬剤によります総合的な防除技術の確立、定着を推進しておるところでございます。その他、野鼠等の問題もございますので、ヘリコプターによります広域的かつ的確な防除の実施を図っておるところでございます。今後ともこういった対策を実施することを通じまして適切な防除の推進を図っていきたいというふうに考えております。
それから、
平成六年産からの品質取引の問題と関連いたしまして、優良品種の扱いのお話がございました。できるだけこの品質取引を円滑に実施していただきますためには、特に糖度の高い、かつ多収な早熟系の優良品種を普及していくことが非常に重要であるというふうに考えております。
それで、品種改良の問題自体は後で別途、技術会議の方からお答えがあろうと思いますけれ
ども、私
どもとしては、現に開発のされております幾つかの品種がございますので、例えばNiF4でございますとか、F177といったような新しい品種が既に開発されてございますので、これを主体に早期に普及を図っていきたいというふうに考えております。
こういう観点から、
平成二年度の予算におきましても
関係施策の充実をお願いしておるところでございます。一つは、国の農場におきます原原種の供給体制の整備と、あわせまして県段階におきます原種圃の面積の拡大も予定をしておるところでございます。さらに、近い将来に指定が見込まれますいい品種があるわけでございますので、これはまだ奨励品種には指定されておらないわけでございますが、指定された暁に十分
対応できるようにあらかじめ国の農場で予備の増殖を行う等の
対応をしておるということも申し上げておきたいと思います。
以上でございます。