○
翫正敏君
自衛隊がわざわざヘリコプターで運ばなければならない、そして
自衛隊の方にその輸送を頼まなければならない、
自衛隊はそれを受けて
訓練としてしたとこういうことですが、そういう何といいますか、いろいろまあ問題があるんだと思うんですね。だからそういうふうになると思うんです。
つまり私は、この象徴天皇の即位の礼の日に関しまして
憲法第一条というものとの
関係、国民主権というものから
考えてみまして、この高さ六メートルのそれも八角形というのは学説の一部では、本当はどうかそれはわかりませんが、それは八紘一宇をあらわすんだというような学説も
日本の国内で発表されているということは事実だと思いますね。そういうようなものに象徴天皇が登られて、そしてお
言葉というようなものを述べられる。そしてそのときの服装も何か衣冠束帯というようなものであるそうでございますけれ
ども、そのようなことは何か諸外国から誤解を招くおそれはありはしないかということを私は心配するんですけれ
ども。官房長官にお聞きしたいんですが、官房長官もう退席の時間だそうですので、二月一日付の外国の、香港の方の
新聞の記事をちょっとだけ引用させてもらって、それについての官房長官のお
考えを、
政府としてのお
考えをお聞きしたい、こう思うんです。
こういうふうに書いてあります。ちょっとそれだけ読んで、
お答えできればお願いします。「左右の過激派が即位式を脅かしている」という香港のファー・イースタン・エコノミック・レビュー、一九九〇年ことしの二月一日の記事なんですが、
本島等長崎市長が右翼団体員に襲われた事件は、
日本で政治的過激主義が新たなより行動的な
段階に入ろうとしていると警告している。本島市長が四十歳の狙撃者に胸を撃たれた事件の表向きの
理由は、先の天皇はあの時代に生きていた我々と同じように第二次
大戦中の
日本の行動に
責任があるという、一年ほど前の市長の
言葉にあった。しかし真相はより深いところにあるようだ。
狙撃事件が起こったのは、中核派という著名な左翼が先の天皇の弟の邸内にロケット弾を撃ちこんだ二日後であり、
政府が今年十一月に行われる新天皇の即位行事日程を発表する前日であった。即位式は左右両過激派の目標になっているとみられている。というのは、天皇が
政府主催の神道儀式の首長として神秘的重要性を付与されていた戦前の体制と実質的にはどれほど違ったのか、彼らは疑問を投げかけるからである。
儀式の中でより公共性をもつのは十一月十二日の新天皇の即位式である。しかし政治的な議論は十一月二十二、二十三日夜になされる大嘗祭に集中している。大嘗祭は神道では天皇が神になる儀式とされており、戦後の
憲法が政治と宗教の分離を述べているため問題となっている。天皇裕仁は戦後自らの神格を否定したが、世論調査では二~三%のごく少数がなおも天皇は「神のようななにか」とみなしていた。
明仁天皇の大嘗祭は「公的性格をもった皇室行事」であり国家儀式ではないと
主張することで、
政府は
憲法上や宗教上の問題を緩和しようと努めている。しかし論点をごまかそうとする試みは左右の過激派を怒らせる結果になるだろう。破壊活動に対応するためぽ、即位式と大嘗祭の二つの儀式の前の数週間は
政府が三万二千名以上の警察官を皇居周辺に配置するとみられている。儀式自体の予算は、大嘗祭で特別の建物を作るかわりにテントを使用することにして三十億円以下に減額したのであるが、安全保障をふくむ総額は数千億円になるだろう。
未解決の問題は、大嘗祭に使用するための米を作る東西二つの水田の安全をどうやって確保するかである。伝統的には水田は米が収穫されるまでの数カ月間軍隊が保護することになっている。しかし
政府は
自衛隊をこの目的のために使うことは問題外と判断しているようだ。結局、特別警察を使うか、あるいは米が収穫できるまで水田の選択をしないでおくことになるかでる。
政府の緊急の課題は、過激な左翼や右翼が大嘗祭を混乱させることを防ぐことにある。しかし
一般の人々が儀式をどうみるかということにも疑念がある。「自由」の感情は、影響力のある少数派、たとえばキリスト教者や左派の学者をふくむ人々で即位式には伝統的な神道が介入することを一切拒むグループと、天皇制に関する開かれた議論がタブーであることに憤慨している多数派とが、共有している。多数派の人々は、明仁天皇が自由主義者や
憲法擁護派の
立場を承認したので、ある程度勇気づけられたようだ。しかし、言論の自由の抑圧を直接目的にした長崎での狙撃のような事件にあうと、問題の核心は
制度にあって誰が代表しているかにはないということを
指摘されているように思える。十一月の儀式の前に問題がこじれるかもしれない。たとえ大嘗祭が支障なく完了したとしても、この問題が消えるようにはみえない。
こんな
報道が二月一日号ですけれ
ども香港の
新聞の中に載っているというわけなんですけれ
ども、今ほど言いましたようなことを踏まえ、そして先ほど申しました高御座を
自衛隊のヘリコプターで運ばなければならないというようなそういう事態を
考えてみますと、やはり国民主権という
立場、象徴天皇ということでのこの即位の儀式のあり方というものについて、もう一度
我が国政府としてそのあり方、高御座を使ったり衣冠束帯したりああいう高いところから三権の長に上から下へとこうお
言葉を言うというようなそういう形では、諸外国特に
日本の侵略と戦争の相手国になった
アジアの人たちに対する誤解を招くのではないかと。韓国の
大統領がお見えになったときのお
言葉問題でもあれほどいろいろあったわけでございますから、そういうことで官房長官の現在の御所見をお伺いしたいと思います。