○磯村修君 私もいろいろな方とこの
値上げのことにつきましてはお話したんですけれ
ども、そうしたいろいろな声の中には、新しい経営計画というものをつくっていく
一つの準備
段階というものもあるはずだと、そうした場合には審議会という特定の
人たちが集まって
論議をするほかにも一般庶民の声を率直に聞き入れる、聞く、そして考えていくというふうな機会を
NHKはつくるべきではないか、そうしたことによって協会に対する一般の
理解というものも一段と深まっていく、そういうふうな声も聞いたわけでございます。かたい話で言えば公聴会ということもございます。しかし、そういう型にはまったものではなくても、何か一般の
人たちの声を吸い上げる、そういう機会をこの準備
段階の中で持っておく必要があるんではないか、こういう意見も聞いたわけですけれ
ども、これからそういうことをもこの経営の中に生かしていってほしい、このように思うわけでございます。
それから、先ほど来
NHKの公共
放送という中身を一般の
視聴者に
理解してもらうためにはいろいろなメディアを通じてPRしていくというふうなお話も出ておりますけれ
ども、この
資料を見ますと、
NHKの
性格というものを正確に
理解している方は思ったより少ないわけですね。例えば国営の機関であるという方が二五%もいる。半官半民の団体であるというふうに受けとめている方も三一%いる。こういうふうなことから見ましても、なかなか
NHKの
性格というものが、機関の
性格というものが一般の方にはまだまだ
理解されていない面がこの数字からうかがえるわけでございます。あるいはまた
受信料というもの、この財源の調査の結果を見ましても、ほとんど
受信料で
NHKの財源は賄われているんだというふうなことを答えている方は四五%という数字が出ているんですけれ
ども、これは五十八年の数字六二%と比べて減少している結果になっているわけですね。しかも何らかの形で国の
予算で
負担されているという方も四七%もあるわけです。
そうしますと、この数字から見ても
NHKに対する
理解というものがまだまだ行き届いていない。こういう面からも非常にこの料金
値上げに対する一般の
人たちの
理解というものも深まらないと思うのです。
そこで、ちょっと伺いたいんですけれ
ども、
NHKというのはせっかくの
放送機関でございますので大胆な企画を持ってもいいんではないか、私はこう思います。例えばあの
消費税の問題でもって大きな討論
番組というものを制作しましたね。ああいうふうなことをしろとは言いませんけれ
ども、いわば
NHKというものはこういう事業体であるということを知らしめると同時に、
NHKがやっている事業というものはこういうものをやっているんだ、そしてそれにはこういう財源が必要になっているんです、皆さんに御
負担をかけているんです、こういうことを周知徹底あるいは本当にこの
意味の
NHKに対する信頼感というものを得ていくためにも
NHKのメディアを使ってどうして討論
番組をつくらないんでしょうか。
例えば、この
資料を見ましても、先ほどから協会の
方々はPRにテレマップとかあるいはいろんなPRの枠の
番組を使ってやりますとか言っておりますけれ
ども、これはただ一方的に
NHKの考えを伝えるだけなんですね。受け手はただそれを聞いているだけなんです、見ているだけなんです。それでは僕は
理解は深まらないと思う。やはり
放送を通じて消費者の声、一般の
視聴者の声というものを率直にテレビの中でもって討論できるような
番組をつくりなさいと言うんです。
〔
委員長退席、理事松前達郎君着席〕
こういう大胆な企画を持ってこそ初めて
NHKに対する一般の
人たちの信頼というものも高まるし
理解というものも深まっていくと私は思うんです。そういうものをなぜつくらないんでしょうかお伺いしたいと思います。