○
政府委員(
角谷正彦君) 証券
取引審議会の
状況について御
説明申し上げたいと思います。
証券
取引審議会というのは、
委員御
指摘のいわゆる業際問題のみを扱っているというわけではございません。かなり幅広くいろんな点から資本
市場に関する諸問題を扱っているわけでございまして、今大臣が
お答え申しました基本問題
研究会の第一部会におきましては、金融の証券化に対応した法制の整備といった問題について議論しております。第二部会におきましては我が国資本
市場のあり方全般につきまして議論をしているといった
状況で、それぞれこれらをまとめまして近く基本問題
研究会にその
報告が
提出される、こういう予定でございます。
まだ
報告が
提出されておりませんので、余り具体的なことを申し上げるのはいかがかと思いますので、その点はお許しいただきたいと思いますけれ
ども、我が国資本
市場全体のあり方につきましては、効率性、国際性、健全性または安定性、こういった三つの基準に従いまして、運用面あるいは
制度面それぞれにつきまして検討を行っております。
そこで、改善の方向といたしましては、第一には十分な競争が行われるように既存の諸
制度、諸慣行で実情に合わなくなったものを見直していくべきではないかという方向づけ、第二点には、現在の
証券取引法が制定後四十数年を経ているといったことから、最近の金融の証券化等いろんな環境の変化に対応いたしましてこういった
制度の十分な見直しを図るべきではないか、こういった議論が行われているわけでございます。なお、第二部会におきましては、
先生御
指摘の業際問題についてのいわゆる証券業の担い手といった問題もあわせて議論されているという
状況でございます。
そこで、御
指摘の
銀行、証券のいわゆる業際問題でございますけれ
ども、
銀行と証券による証券業務あるいは
銀行業務への相互進出といった問題につきましては、金融の自由化とか証券化、こういったものが進展してきているという
状況のもとで、新しい両方にまたがる新商品の開発でございますとか、あるいは競争を促進するという点でございますとか、あるいは国際的な調和といった面からは、意義があると考えられるわけでございます。他方におきまして、
銀行が証券に参入する場合におきましては、
利益相反の発生とか、あるいは競争条件の不均衡とか、
銀行の経営の健全性の阻害といった弊害も予想されるわけでございまして、こういった問題への対応といった点も含めまして、引き続き
関係者間でなお十分な検討を必要とするという
状況にあるわけでございます。
今
委員が御
指摘のように、子
会社方式といったことにつきましても、こういった弊害を防止する
一つの方策として、例えばアメリカで行われていますように
銀行に証券子
会社の設立を認める、その間に厳正なファイアーウオールといったものを設けまして弊害を防止する方策が考えられるではないかということが
一つの方策として
審議会の中でかなりの議論が行われたことは事実でございますし、そういったことについても
報告書で恐らく触れられるだろうというふうに思います。しかしながら、どういう措置をとれば弊害が十分に防止できるか、あるいはどういう措置をとれば相互参入に伴いますところの
市場の混乱といったものを防止できるか、こういった問題につきましてはさらに引き続き検討する課題がかなりあるわけでございまして、これで物事がすべて決まっているというわけではございません。
特に御
指摘になりましたところの
株式のブローカー業務等に関する問題でございますけれ
ども、
一般的に申しまして、こういった相互参入が行われる場合におきましては、
市場の安定性、
市場の混乱といったことを防止する、そういった
観点からいいますと、その参入の分野なりテンポといったものは漸進的あるいは
段階的に行われる必要があるんではないかといったことが大きな議論になっておりました。その中で、なかんずく
株式のブローカー業務につきましては、中小証券の経営、営業の主力であるといった問題でございますとか、あるいは
銀行がこういったことを従来やってこなかったという歴史的
経緯、こういったことを踏まえて特に慎重に対応すべきであるといった意見が出されたことは事実でございます。
ただ、こういった問題につきましては、今後、近日、基本問題
研究会において十分な議論が行われる予定でございますので、その
報告が正式に
提出されるまでの間はこの程度の
答弁で御勘弁いただきたいというふうに考えているわけでございます。