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政府委員(
岡松壯三郎君)
通産省の
産業立地政策は、従来から国土の均衡ある
発展ということを目指し、
産業の適正配置を考えておるわけでございますが、
先生御
指摘の
工業再配置の
促進といいますものは、昭和四十年代から起こってまいりました過疎過密というものが同時に発生している、これを解決していくために
全国的に
工業分散を進めていく必要があるということで、新全総といわれます新
全国総合開発
計画、これは四十四年に策定されたものでございますが、この辺からこの
考え方が出てきたわけでございます。これを受けまして、
通産省といたしまして
工業再
配置促進法を制定して過疎過密の同時解消を図るべく政策を展開してきたわけでございます。
具体的な
成果といたしましては、
工業出荷額で見ますと
工業の
地方分散というものは必ずしも十分に進展しているとは言いがたい
状況ではございますけれ
ども、工場の
立地動向をとらえてみますと、
地方におきます工場の新設というものが
全国の七、八割はもう
地方で行われるようになってきているということでございまして、工場の
地方分散の方向というものはこういうものを契機に定着しつつあるというふうに理解しておるわけでございます。
この後、時間の流れといたしましては、オイルショックが起こるわけでございますが、つまりここから低成長時代に入ってくるということで従来の重厚長大型と言われる
産業構造から知識集約型への転換が起こってくる。また、国民の意識も変化が生じまして、
全国総合開発
計画で言いますと三全総と言われるようなものにおきましては定住圏
構想という
考え方が打ち出されてくるわけでございます。これを受けまして、
通産省といたしましては先端技術
産業を中心とした新しい町づくりという
考え方からテクノポリス
構想というものを打ち出したわけでございます。
具体的には、この結果二十六の
地域を指定したわけでございますが、六十一年までに
承認いたしました二十
地域について見ますと、それ以前の状態に比べまして
立地件数は一・六倍にふえている、あるいは敷地面積では二倍以上にふえているというところから見まして、この動向が
地方への定着というものを
促進するのに大いに効果があったというふうに思っておるわけでございます。
また、当該
地域におきまして
研究開発機関の
整備が進められる一方、
地域の産官学の共同研究
事業あるいは
地域企業による新製品、新技術の開発も活発化しておりまして新しい技術の芽も生まれつつあるということでございまして、テクノポリス建設というものもおおむね着実に進展しているというふうに思っておるわけでございます。
これを
先ほど申し上げました昨年度の補正予算における助成、さらに本年度以降進めてまいります当該
地域だけでなしに周辺
地域への技術の波及政策というもので進めてまいるわけでございますが、これらを合わせまして
東京の
一極集中を一方で是正するとともに、
地域の
振興を図っていくという政策をこの
頭脳立地法ともあわせて進めてまいりたいというのが大きな流れかと存じます。