○庄司中君 その双務性に関係をしますけれ
ども、
日米構造協議全体を見ていますと、去年の夏あたりから始まったわけでありますけれ
ども、例えばこんな構図が見えてくるといいますか、恐らく
国民の
皆さんはそんなふうに感じ取っていらっしゃる。といいますのは、実は大臣御存じのように、八八年に例の包括通商法、スーパー三〇一条で有名でございますけれ
ども、制裁条項を含む
法律ができまして、これを背景にしまして翌年から実は構造協議が始まった。これがやっぱり運動をしているというふうな感じを持つ。そういう感じを持つことは恐らく避けることはできないだろうというふうに思います。
この二国間協議ということがかなりやっぱり問題だろうというふうに思います。例えば、大臣この前のOECDに行かれまして
アメリカ、ECの方々と話し合われたときに、さっき言いましたようなスーパー三〇一条というのは、大体ECはこれはガット違反だと言っているわけですね、実際。ところが、
アメリカの側からいきますと、いわばガットがうまく
機能していないじゃないか、だから二国間協議が要るんだと。片方はガット違反でけしからぬと言っている、片方はガットが
機能してないから二国間協議でいくんだということは、ある意味では際限のない一種の堂々めぐりになってしまうということが言えるだろうと思うんです。それから、この前大臣が行ってEC閣僚会議をやられたときに、
日米構造協議で
アメリカとやったんだから今度は日欧構造協議をやろうじゃないかというふうな話があったということを
新聞は報じておりますけれ
ども、二国間協議というのは実際にはそういう連関を持つだろうというふうに思いますね。ですから、さっきは約束のレベルが違うということを言いましたけれ
ども、約束のレベルが違うということは、二国間ですとこれはやっぱり交渉力の問題、つまり背景の問題が出てくる。もっと広い合意を得るためにはどうしても多国間の協議が実際には要るんじゃないだろうかというふうに思います。
その点で、大臣が先月の初めにカリフォルニアで四極通商会議をやられまして、そのときに、その結論については私も注目をしたのでありますけれ
ども、今のガットは紛争の処理
手続に不備があるということは、もう何回も言われておりますね。それを
是正するために例の
世界貿易
機構に
発展をしてもっと
強化していく、貿易関係の
調整について
強化をしていくということで四極では合意をしたわけであります。つまり、多国間協議が不備だから二国間協議をやりますと方々にハレーションを起こして非常にいびつな関係になっていく、力関係でみんな決まっていくという関係になりますから、せっかく大臣が四極通商会議で合意をされました多国間の
枠組みをやっぱり強くしていく、多国間で議論し合って解決をしていくという方向に私は持っていかないといけないのじゃないかというふうに思います。その点でかなりこれからやっぱり大きい問題だろうと思います。
例えば最近の国際情勢によりますと、
アメリカの大統領も言っておりますけれ
ども、
アメリカ自身が西を向いてきましたね。ヨーロッパの一員だと言い出したわけです。そして、
アメリカとヨーロッパが組む、そしてヨーロッパが東ヨーロッパへの広がりを持っていく。そこで
一つのつながりができてきますとどういうことになるだろうか、
日本はどういう
立場に置かれることになるのか。これは懸念であります。予想でありますからどうなるかわかりませんけれ
ども、恐らくそれだけやっぱり国際情勢は動いてきている。太平洋の世紀だと言われたものが西へ向かっている。今やヨーロッパ・ルネッサンスだと言われている。そっちの方へつながりができていくということになりますと、いわば国際関係、特に貿易にしても何にしても、今までの
アメリカとの関係だけうまくやればすべてが回っていくという状態は恐らく変わりつつある。
私たちは、
我が国がこれからどういう選択をしていくのか、そしてその選択をするためには何が必要なんだろうか、今そういういわば大きい戦略を
考える時期に来ているような気がするわけです。そういう点につきまして、これは戦略的な問題ですから、大臣の方からきちんとした答弁を求めます。