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1990-03-30 第118回国会 参議院 災害対策特別委員会 第2号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二年三月三十日(金曜日) 午後一時一分開会 ─────────────
委員
の
異動
三月六日
辞任
補欠選任
井上
哲夫
君
池田
治君 三月七日
辞任
補欠選任
池田
治君
井上
哲夫
君 三月三十日
辞任
補欠選任
大河原太一郎
君 清水嘉与子君
西田
吉宏
君
尾辻
秀久
君 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
佐藤
三吾君 理 事
青木
幹雄
君 竹山 裕君 常松
克安
君 委 員
尾辻
秀久
君 清水嘉与子君 陣内 孝雄君 鈴木 貞敏君 野沢 太三君
守住
有信君 小川 仁一君 大渕 絹子君
野別
隆俊君 渡辺 四郎君 片上 公人君 林 紀子君
井上
哲夫
君
橋本孝一郎
君
秋山
肇君
衆議院議員
災害対策特別委
員長代理
高鳥
修君
国務大臣
国 務 大 臣 (
国土庁長官
)
佐藤
守良
君
政府委員
国土政務次官
伊藤
公介
君
国土庁防災局長
市川 一朗君
事務局側
常任委員会専門
員 荒木 正治君 ───────────── 本日の会議に付した案件 ○
災害対策樹立
に関する
調査
(
派遣委員
の
報告
)) ○
地震防災対策強化地域
における
地震対策緊急整備事業
に係る国の
財政
上の
特別措置
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
(
衆議院提出
) ─────────────
佐藤三吾
1
○
委員長
(
佐藤
三吾君) ただいまから
災害対策特別委員会
を開会いたします。 まず、
委員
の
異動
について御
報告
いたします。 本日、
大河原太一郎
君及び
西田吉宏
君が
委員
を
辞任
され、その
補欠
として清水嘉与子君及び
尾辻秀久
君が選任されました。 ─────────────
佐藤三吾
2
○
委員長
(
佐藤
三吾君) この際、
佐藤国土庁長官
及び
伊藤国土政務次官
から
発言
を求められておりますので、順次これを許します。
佐藤国土庁長官
。
佐藤守良
3
○
国務大臣
(
佐藤守良
君) 本年二月に
国土庁長官
を拝命いたしました
佐藤守良
でございます。
災害
を受けやすい
我が国
におきまして、
災害
から
国土
を保全し、国民の
生命財産
を守ることは国政の基本でございます。また、本年一月から国連の「
国際防災
の十年」が始まり、
世界各国
においても防災問題に対する積極的な取り組みがなされているところでございますので、
我が国
における各種の
災害対策
のより一層の充実に向けて積極的に取り組んでまいる所存でございます。
委員長
を初め
委員各位
の御指導、御
協力
を心からお願い申し上げまして、私のあいさつといたします。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
佐藤三吾
4
○
委員長
(
佐藤
三吾君)
伊藤政務次官
。
伊藤公介
5
○
政府委員
(
伊藤公介
君)
国土政務次官
を命ぜられました
伊藤公介
でございます。
佐藤長官
を補佐して、
災害対策
に全力を尽くしてまいりたいと思っております。
委員長
初め
委員各位
の格段の御
協力
と、お力添えをお願い申し上げます。ありがとうございました。 ─────────────
佐藤三吾
6
○
委員長
(
佐藤
三吾君)
災害対策樹立
に関する
調査
を
議題
とし、先般、本
委員会
が行いました
委員派遣
につきまして、
派遣委員
の
報告
を聴取いたしたいと思います。
青木幹雄
君。
青木幹雄
7
○
青木幹雄
君 去る一月十七日、十八日の両日、
佐藤委員長
、
山口理事
、
守住委員
、
野別委員
、
林委員
、
秋山委員
と私、
青木
は、
阿蘇中岳噴火被害状況等
の実情を
調査
するため、
熊本
、
大分
、
宮崎
の三県に行ってまいりましたので、以下御
報告
申し上げます。 なお、
熊本
県下の
調査
について、
紀平議員
、
沢田議員
が現地参加されました。
阿蘇
山は、東西十七キロ、南北二十五キロの大カルデラ内に十数の
火山
を有する
複式火山
でありまして、これまでにも大規模な
爆発
を繰り返してきましたが、昨年七月、四年
半ぶり
に
中岳
が噴火し、十、十一月の下旬には多量の
火山灰
や噴石を放出して
農作物
を初め、道路、
施設等
に大きな
被害
をもたらしました。
阿蘇測候所
の発表では、昨年五月から十二月までに噴出した
火山灰
の量は約五百七十万トンで、ドラム缶二千三百七十五万本に相当する量だということであります。特に、
熊本
県の
高森
町では五十四年の大
爆発
のときでも平方メートル当たり二千五百グラムであったものが今回は五千五百グラム、
同町色見地区
では実に七千グラムという大量の
降灰量
を記録いたしております。 幸い、本年一月に入って
火山活動
はやや
小康状態
となり、
降灰量
も少なくなっているということでありますが、
阿蘇測候所
の観測では、
地下活動
はむしろ
活動化
の兆しを見せているということで、同
測候所長
は、
噴火活動
は今後半年から一年程度は続くと予測をいたしておりました。 次に、
降灰被害状況
について申し上げます。
中岳
の
噴火活動
に伴う
降灰被害
は、
熊本
県のみならず、
大分
、
宮崎
両県にも及び、
農作物
、
特用林産物
を
中心
に大きな
被害
が出ております。昨年十二月時点での
被害額
は、
熊本
県が
高森
町、
阿蘇
町、一の宮町、波野村、白水村等において
露地野菜類
約八億九千万円を
中心
に
農作物
十億三千四百万円、
シイタケ等
の
特用林産物
が五千二百万円の
総額
約十一億円、
大分
県では竹田市で
露地野菜
約一億二千万円を主体に
総額
一億三千五百万円、
宮崎
県でも
農作物
約四千七百万円を
中心
に
総額
約六千三百万円と
報告
がなされております。 各
県農政担当者
の
説明
では、
生育期
や
収穫期
を 迎えていたレタス、キャベツ、
白菜等
の葉菜類に
酸性度
の強い
火山灰
が付着したため、
外葉
が変色する
葉焼け
や
品質低下
などの
被害
が発生し、
市場卸売価格
が暴落し、十一月にはついに出荷を停止せざるを得ない事態となり、
すき込み等
の
廃棄処分
が行われたということであります。また、
ハウス物
のトマトや
イチゴ
も
火山灰
が
ハウス
の上に積もったため、
日照不足
から
生育
がおくれるなどの
被害
も出ているということであります。 それでも今回の
被害
は、十月以降の
降灰
によるものであったため、比較的軽く済んだということでありますが、今後
噴火活動
が長引けば、
ハウス栽培
の
イチゴ
や
ビニールハウス等
の
施設
にも
被害
が拡大するのではないかと
関係者
は一様に心配をいたしておりました。 これらの
被害
に対し各自治体では、当面の
緊急対策
として、
貸付利率
三%の
低利資金
の
融資
、
利子補給
による
貸付利率
の引き下げを
実施
するとともに、
農業共済金
の
早期支払い
、
既往資金
の
償還条件
の緩和を
関係機関
及び
融資機関
にそれぞれ依頼する等の
救済措置
を講じたということであります。その結果、
共済金
は昨年のうちに支払われ、
融資資金
についても十分な
資金枠
が確保されたとのことでありました。また、
降灰
により汚れた
ビニールハウス
を洗浄するための
洗浄機
の貸し出しや
降灰
の
成分分析等
にも努めているということであります。 なお国に対して、
活動火山対策特別措置法
に基づく
防災営農施設等
の
整備
、
火山砂防対策事業
の
推進
、住民の
健康対策
の
実施
、
降灰被害
に係る
特別交付税
の
増額配分
、
火山活動
に係る情報の
提供等
を強く要望しておりました。 しかし、
長期化
、
断続化
が予測される
火山活動
を考えますと、今後は
降灰
に強い
農業
へ積極的に転換していくことが特に重要であります。各
県農政担当者
も一致して、
夏季冷涼
な
気象条件
を生かした
夏秋野菜
の産地としての評価をさらに拡大して
農家経営
の安定を図っていくために、
露地野菜中心
の
農業
から
根菜類
、
施設野菜
の比率を高めるなど
作付体系
の見直しを行うとともに、
ビニールハウス
の導入についても積極的に
推進
していく方向で
地域
の
農業振興
を図っていきたいと強調いたしておりました。国としても、
地元関係市町村
の
意見
を十分に聞きながら、積極的な支援、
助成措置等
を講じていく必要がございますが、特に、次の諸点について早急に検討するよう
関係省庁
に要請いたします。 第一は、
防災営農施設
の
整備
についてであります。
火山
の
噴火降灰等
による
農林漁業
の
被害
を除去するための
事業
を行う場合、
都道府県知事
は
防災営農施設整備計画等
を作成し、
農林水産大臣
の
承認
を受けることになっております。しかし、
整備計画
を作成できる
地域
は、
当該地域
内の
農作物
総収入の一割以上の
被害
があった場合となっているため、なかなかこの
基準
に達しません。
被害
の実態を踏まえた
承認基準
の運用が望まれます。 第二は、
土壌改良
の
推進
についてであります。
火山灰
によって
酸性
化した農地については、
石灰質資材等
の
土壌改良剤
を施用して
土壌
の
矯正
を行う必要がありますが、
酸性
の
矯正
のみで
農作物
の
生育阻害
を防止できるのかどうか、
土壌成分
の
分析調査
を十分に
実施
して、適切に対応することが望まれます。 第三は、
農業共済制度
についてであります。
共済制度
は
被災農家
の
救済
を合理的に行うために設けられている
制度
でありますが、
露地野菜
については、
現行制度
では
共済
の
対象作物
となっておりませんし、
園芸施設共済
においても、
雨よけ施設
は
対象外
となっております。今後これらの
作物
や
施設
については、
保険需要等
を十分に
調査
し、
共済対象
に加えていくことが望まれます。 以上が
調査
の
概要
でありますが、最後に
被災農家
の方々が一日も早く立ち直りますことを心からお祈りし、また、
調査
に御
協力
をいただいた
関係者
の
皆様方
にお礼を申し上げまして、簡単ではありますが、
報告
を終わります。
佐藤三吾
8
○
委員長
(
佐藤
三吾君) これをもって
派遣委員
の
報告
は終了いたしました。 ─────────────
佐藤三吾
9
○
委員長
(
佐藤
三吾君) 次に、
地震防災対策強化地域
における
地震対策緊急整備事業
に係る国の
財政
上の
特別措置
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
を
議題
といたします。 まず、
提出者衆議院災害対策特別委員長代理理事高島修
君から
趣旨説明
を聴取いたします。
高鳥修
君。
高鳥修
10
○
衆議院議員
(
高鳥修
君) ただいま
議題
となりました
地震防災対策強化地域
における
地震対策緊急整備事業
に係る国の
財政
上の
特別措置
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
につきまして、
提案
の
趣旨
及びその
概要
を御
説明
申し上げます。
地震防災対策強化地域
における
地震対策緊急整備事業
に係る国の
財政
上の
特別措置
に関する
法律
は、第九十一回
国会
の
昭和
五十五年に
災害対策特別委員会提出
による五年間の
時限立法
として制定されたものであります。その後、第百二回
国会
の
昭和
六十年三月、
本法
の
有効期限
を
昭和
六十五年三月三十一日すなわち
平成
二年三月三十一日までとする五年間の
期限延長
をしたものであります。 この間、予想される
東海地震
に備えまして、
地震防災対策強化地域
においての
地震対策緊急整備事業
が今日まで鋭意
実施
されてきたところでありますが、この
法律
は、
平成
二年三月三十一日をもってその効力を失うこととなっております。 しかしながら、
地震対策緊急整備事業
については、これまでに
実施
できなかった
事業
がまだかなり残されているところであります。
本案
は、このような
本法
の
実施状況
及び
事業
の
緊急性
にかんがみ、
地震防災対策強化地域
における
防災対策
の万全を期する上から、
本法
の
有効期限
をさらに五年間延長し、
当該事業
を引き続き
推進
しようとするものであります。
本案
の主な
内容
について御
説明
いたします。 第一は、
本法
の
有効期限
を五年間延長し、
平成
七年三月三十一日までとすることであります。 第二は、その他所要の
措置
として、
本法
第二条第一項の
承認
を受けた
地震対策緊急整備事業計画
は、
平成
二年四月一日から起算して五年以内に達成されるような
内容
のものでなければならないとするもので、その
趣旨
とするところは、
地震対策緊急整備事業
を可及的速やかに
推進
しようとするものであります。 以上が、この
法律案
の
提案
の
趣旨
及びその
概要
であります。 何とぞ、
委員各位
の御賛同をお願いいたします。
佐藤三吾
11
○
委員長
(
佐藤
三吾君) 以上で
趣旨説明
の聴取は終わりました。 これより
質疑
に入ります。
質疑
のある方は順次御
発言
を願います。
——別
に御
発言
もないようですから、
質疑
はないものと認めます。 これより討論に入ります。 御
意見
のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
——別
に御
発言
もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
地震防災対策強化地域
における
地震対策緊急整備事業
に係る国の
財政
上の
特別措置
に関する
法律
の一部を改正する
法律案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
佐藤三吾
12
○
委員長
(
佐藤
三吾君)
全会一致
と認めます。よって、
本案
は
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、
審査報告書
の作成につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐藤三吾
13
○
委員長
(
佐藤
三吾君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時十六分散会