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赤桐操君 これは
建設省の今年度の
住宅建設計画
戸数でありますが、これを見まするというと公営
住宅が五万二千戸、前年度並み、それから改良
住宅が五千戸、公庫
住宅が五十五万戸ですよ。公団
住宅が二万五千ですよ。特定
賃貸住宅が二万三千三百十と、こうなっておるんです。合計で六十五万五千三百十という
数字が出ておりますが、これはいずれも前年並み。しかも今度は六十五万五千戸のうちの五十五万戸、これが言うなれば持ち家、公庫
住宅ですね。この十数年間にわたって、多年にわたって国全体が挙げて持ち家志向、次々とひとつ新しい
住宅を求めなさい、こういうことでやってきたその経過、結果がこういう結果になっているんです。公庫の
住宅が五十五万戸で、それは民間の自力建設ですよ。政府
施策といったって、これはまやかしだ、はっきり申し上げて。これは民間の自力建設、国民の懐を当てにした建設です。
それで、本当の国の政策は、公団
住宅あるいはまた公営
住宅、こういうものになってくると思うんですね。その公団
住宅が二万五千戸しかないんですよ。これは私はおかしいと思うんだな。少なくともこの六十五万戸の中の半分ぐらいは公団
住宅が受け持っておる、公営
住宅が受け持っておる、あとの半分は民間の自力建設、補助
事業として行っている、政府
施策もちろん結構、それが持ち家でよろしい、そういう方向に行っているというなら話はわかるけれ
ども、六十五万五千戸の計画の中で一〇%しかないんですよ、公営
関係の
住宅は。その中で公団
住宅はわずか二万五千ですよ。私はこういうことでは話にならないと思うんです。しかも公団
住宅だって空き家ができれば殺到するじゃありませんか。それほど国民の皆さん困っている。
まず私は、三
大都市圏で行うべきものは公団
住宅によって、すなわち県境も何も全部越えて行うことのできる公団
住宅によって行うこういう建設
事業を、この際思い切って
促進すべきだと思うんです。そのためには、今申し上げたような金利の大幅ダウン、関連公共施設に対するこれはもう思い切った補助、こういうことを行って家賃を現在の価格より半分くらい落とす、これは可能だと思うんです。そういうような形にこれを持っていくことが今日の
住宅建設の使命である、
住宅事情打開の使命である、このように思うんです。これが社会的に勤労者に対して、国民に対して
住宅を保障するということではないんですか。
さらにまた、今
土地価格の問題で大分いろいろ難渋をきわめておりますけれ
ども、このような状態で国あるいはまた地方自治体の行う公営
住宅が次々と建てられていって、これによって需要と
供給のバランスがとれて、しかも公団
住宅等の例で言うなれば三ないし五%くらいの余裕を持つ、空き家がある、こういうことになるならば、住みかえも自由になるであろうし、あるいはそれぞれの三
大都市圏はもとよりでありますが、
全国からのいろいろ勤労者の移動があってもこの
住宅で住まいの問題だけは解決することができる、こういうことになると思うんです。
そういうようにするならば、争って
土地を買うという必要はない、争って家を建てようとする者はない。五十代も半ばになった、定年が近づいてきた、この辺で老後のことを考えようということになったときに初めて私は持ち家の問題を具体的に考えたって遅くはないと思うんです。それまでの間は、子供の教育もあるだろうし、あるいはまたいろいろの家庭内全体の生活の豊かさを味わうための各種教養的な問題もあるだろうし、そうしたものを十分にやっていくことができるだろうと思うんですね。今のように二時間も三時間も遠いところへ家を求めて、そこに高い
土地を買って
住宅を建てる、そのローンで追われている、そして自分だけでは働き切れないので女房を働かせる、家庭がお留守になる、こういう
状況の中でこの
住宅問題を解決しよう、
土地問題を解決しようとしても私は無理だと思うんですね。
この
大都市法の施行をもし本気になっておやりになるとするならば、私が今提起したような形のものを具体的にお考えになっていただけないかと思うんですが、大臣、いかがですか。