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説明員(大澤幸夫君) 御
説明いたします。
ただいま
先生からお話ございましたように、明日香村は先ほ
ども出ておりましたように我が国の律令国家形成期の歴史を解明する上で大変重要な数多くの遺跡が分布いたしておるところでございます。こうした遺跡の保存ということで、かねて国とそれから地元の奈良県と明日香村、この三者が協力して当たっているところでございます。特にお尋ねのございました埋蔵文化財に関する発掘
調査でございますけれ
ども、これには、埋蔵文化財の所在する
地域におきましてお話がございました住宅の
建設その他の
開発事業が生じますと、それに伴って行われますところのいわゆる緊急発掘
調査と言われるものと、それから遺跡を
計画的に発掘
調査する、学術的に発掘
調査をする、そういう
計画的な発掘
調査、大きく分けて二種類あるわけでございます。これらにつきましても、地元の明日香村はもとよりでございますけれ
ども、あの
地域に、御案内かと思いますけれ
ども、国立の奈良文化財研究所というところがございます。それからまた県立の橿原考古学研究所という、こういう分野の
専門的な研究所がございますけれ
ども、この三者がそれぞれ役割分担をしながら、協力しながら現在取り組んでいるところでございます。
現状といたしましては、このうち、先ほど申し上げました
開発事業に伴って行われる緊急的な発掘
調査を優先的に実施するという考えで臨んでお
るわけでございますけれ
ども、
計画的な
調査につきましても、先ほど触れました国立の文化財研究所あるいはまた県立の考古学研究所におきまして、寺跡なりあるいは古墳にかかわる遺跡といったものの発掘
調査をこれまで精力的に実施してきているところでございます。既にかなり終了を見ているところの部分もございますけれ
ども、例えば飛鳥浄御原宮跡という宮跡がございますし、あるいはまた御案内の飛鳥板蓋宮跡、そういった宮跡等の発掘
調査に関しましても目下精力的に実施はいたしてございますけれ
ども、宮跡等につきましては、御案内のとおり遺跡の面積が何分にも広大だということもございましてなお引き続き
調査を必要とする部分があると聞き及んでおるところでございます。
なお、二点目にお話のございました発掘
調査のスピードアップの件でございます。住宅
建設等の工事が予定されている
地域におきまして埋蔵文化財が所在いたしますと、その取り扱いにつきまして御協議を申し上げ発掘
調査を実施するという事例が出てくるわけでございますけれ
ども、その際にある程度の期間についてはどうしても御協力を賜らざるを得ないというのが実情でございます。しかし、
先生御
指摘ございましたように、その期間が余りにも長くわたるということで多大の御迷惑が及ぶということは決して好ましくないというふうに十分
認識をいたしてございます。
そういうことで、文化庁としましても従来からこの埋蔵文化財の事前の協議なり発掘
調査のスピードアップということで指導に努めているところでございますけれ
ども、とりわけ御議論のございます明日香地方に関して申し上げますと、個人が住宅を
建設するようないわば比較的小規模なケースにつきましても、先ほど来触れております地元の明日香村はもとよりでございますけれ
ども、国立の研究所あるいは県立の研究所が相連携し協力を図って、三者が一体となってできるだけ速やかに
調査が終わるような体制をとるように工夫をいたしておるところでございます。したがって、今日では大分
改善はされておるというふうに聞いてございますけれ
ども、なお一層御
趣旨を踏まえて迅速化に努めてまいりたいと考えているところでございます。