○沓脱タケ子君 それは建設
大臣と大蔵
大臣と相談をしまして、とにかく補助率も今下がっておるわけや。きのうもちょっと聞いたけれ
ども、下がったままでこんなものやるといったってできやせぬのやから、その補助率を上げるためには大蔵
大臣に、こんないい
法律をつくるのやからぜひ実効を上げるためにちゃんともとへ戻してくれと言うて要求をしてもらいたい。そして特別重点
地域に指定したところは本当に重点的にこれは予算を充当するというふうなことを約束してもらわぬとさっぱりぐあいが悪い。せっかくいい
法律ができたんやけれ
どもなという結果になりかねないので、これは特に
長官にお願いを申し上げておきます。私は余り時間がないんでゆっくり言うてられへんのですね。
それで、何で下水をやいやい言うてるかということを一言言います。
これは大阪府の
環境白書に「大阪府下の
河川の
水質(BOD)の概況」というのが出ている。汚れている十ミリグラム・パー・リッター以上のものというのは大阪の南部を除いて全部内陸部なんですよ。これはおもしろい現象だなと思って私も見たんですが、これひとつあげますから、
長官ごらんください。(沓脱タケ子君資料を手渡す)
それで、これを見て、この内陸部の非常に汚れているところの下水道の普及率を見たら物すごく悪い。恩智川というのが大阪では一番汚れている
一つです。それを見たら一番上流は柏原市です。柏原市は最近二十年ほどの間に人口が倍になった。もう山まで、山の際どころやない、山の上まで削っていっぱい家が建っています。最近ではもう川の流域は悪臭でどないもならぬというところへ来ている。そこで下水道の普及率を見てみたら、
排水人口対比一一・九%です。そこで何とかせよと青うて市
当局に対しても物すごい住民の要求が出ているそうです。それで、その下流は八尾市だとか東大阪市だとかいうところを通っているんですが、これみんなそうなんですが、今の下水道建設のテンポでは二十年かかるやろうというのがその
地域住民のいわくです。
こんなことでは
生活排水の問題というてみても、これは協力を得られないですよ、なかなか、気持ちよく。何を言うんやということになります。これは実例なんですから余り御
意見を聞こうと思ってない。そういうことだから下水道建設をやっぱり急がなきゃだめだ、特に大
都市周辺についてはそのことを申し上げたい。
もう
一つの特徴というのは、この地図で見たら大阪府の南部
地域が、これは
海岸線なのに春木川、津田川、近木川などなど、全部汚染度が高い。これは
長官御承知のように、大阪湾というのは瀬戸内法で
規制されている
地域です。大体埋め立てなんてなものは余りやっちゃいかぬということになっているところへあの関西新空港の空港島をつくり、大阪府が前島を埋め立てやっているわけでしょう。そのために大阪湾の
水質汚濁を増幅させてはならぬということで、同時にこの汚い川から出ていくのを、下水道を七〇%まで建設するということでとにかく埋め立てをするということが強行された、早く言うたら。
そんならどないなっているんや言うたら、その
地域の下水道、私、何と情けないなと思いましたわ。空港のもとの泉佐野市は〇・八%ですよ、下水道建設。それから、その北側の貝塚市で〇・八%ですよ。岸和田でやっと二七・七%。泉佐野市から南側の
幾つかの市や町は全部ゼロです。だからどんなことが起こっているかというと、これは
生活排水どころじゃない。大体
し尿が処理場ができてない。下水道をつくってくれるというから、それは小さい町では待ってるわけです。ところがうまいこといかぬものだから、ある時期はこの大阪の南部から大阪市の下水処理場にまで投棄をさせてもらっていた。大阪市もいつまでもそんなことしてもらえぬものやから、このごろは海洋投棄までやっている。
そういうことが起こっているんで、私は、
生活排水の問題を論ずると同時に、
環境庁が所管しておられる瀬戸内法、とりわけ汚染が厳しい大阪湾の
対策をするということを進めるためには、これは瀬戸内法の
立場に立っても、
生活排水対策の上に立っても、下水道
対策を早急に進めなかったら話にならぬというところへ来ていると思うんです。
御見解をちょっと聞いておきますわ、
長官よう知ってはるんやから。