○沓脱タケ子君 これは届け出のあった件数で、造成中の、可能性もあるということで含めますと、特別
地域が八十三なんですね。それで全体では百二十四。国立公園、国定公園の中で今も造成中、そんなものは私、やっぱりぐあいが悪いなと思うんですよ。
そこで、最近問題になっている一、二の例を挙げてみたいと思います。
もう時間がありませんから時間いっぱいを使って申し上げておきたいのですが、例えば北海道の旭川では鳥獣
保護区のところにメモリアルカントリークラブが
計画をされているんだそうです。ここは南北の鳥類の渡来地と繁殖地であって、六十一
種類の大規模な生息地なんだそうです。しかもその
地域は、厚い岩盤のために地下水はなくて、沢水が近隣住民の飲用水として使われている。九ヘクタールの森林が伐採されてここに
ゴルフ場をつくるということになると、これは鳥獣
保護の問題からいいましても、地元住民の立場からいいましても大変だということで反対運動が起こっているというふうな問題。
それからもう
一つの例をちょっと挙げておきますと、これは大阪の太子町なんですね。ここの
ゴルフ場の
建設予定地というのは金剛生駒国定公園にすぐに接したところで、その
地域には葉室一須賀古墳群というのがあるんです。非常に大きな古墳群です。これはまだ指定をされていないと思いますけれ
ども大きな古墳群で、その
地域は稲作や麦作が日本に伝わった時代に入ってきたスバコやオオバコなどという帰化植物な
どもあるような
地域なんですね。
この
地域というのは非常にややこしい
地域になっていますわ。ちょうど二上山のふもとになりますけれ
ども、大変水のうまいところで、大阪ではめったにうまい水は飲めないんですけれ
ども、太子町というのは行ったら必ず生水を飲ましていただくというほどおいしい水のあるところです。その
地域は隣が河南町で、そこは阪南ネオポリスなんというような住宅街がいっぱいつくられていたりしているんですが、ここに
ゴルフ場をつくろうというわけです。ところが問題の太子町は小さい町ですから、
ゴルフ場ができますと町の
面積の一〇%が
ゴルフ場になってしまうということなんです。
そういう点で大阪は極めて緑の少ない
地域なものですから、大阪の緑と自然を積極的に守るためにひとつ国定公園を広げるというふうな積極的な措置をとって、こういう無理なことをさせないようにひとつ
指導を強化してもらいたいなと思うんです。
私は、少なくとも国立公園、国定公園、あるいは鳥獣
保護区、あるいは歴史的な遺跡等の
保護地域では
ゴルフ場の新設については禁止するというぐらいの
規制の手続をぜひ打ち出すべきではないか、そういう点でひとつ長官の
環境庁としての御英断をぜひ求めていきたいと思うんです。
太子町の問題は具体問題ですが、これはこの間近畿行監局から大阪府が注意を受けて、それで国定公園の範囲を広げますという回答もしているようですから、
環境庁がちょっと御
指導になれば片もつくであろうと思いますし、その辺について余りうるさく言いませんから、最後に申し上げた国立公園、国定公園、鳥獣
保護区等に新たな
ゴルフ場をつくらせるというようなことは禁止だという
規制を御英断をもってぜひ打ち出してもらいたいと思いますが、いかがですか。