○稲村稔夫君 私は、社会党・護憲共同の稲村稔夫と申します。お二人の先生からそれぞれ貴重な御
意見をお聞かせいただきまして大変ありがとうございました。私
どもの方は、私と堂本
委員とでそれぞれ分担をして伺うようになりますので、よろしくお願いをいたします。
最初に、私は
鈴木先生にお伺いしたいのでありますが、先生のお話の中で、特に
資源とのかかわりで
環境問題というのを十分考えなきゃならない、こういうお話がございました。確かにそれはそのとおりなわけでありますが、しかし同時に、
環境ということの中に
放射能汚染の問題も含まれてくるのではないかというふうに私は思うんですけれ
ども、その辺をどのようにお考えになっておりますでしょうか。ちょっとまとめてずっと伺っていきたいと思います。
次に、
プルトニウムの
利用ということにかかわりまして、特に
資源の
リサイクルということでも重要な
意味があるというようにお話がございました。しかし、ここで私は、
濃縮ウランのたしか九五%と先生がおっしゃったんだったでしょうか、というものが未
利用のままに捨てられるということになりますが、これを今度はまたさらに再
利用ということでは今枝術的には非常に難しいんではないだろうかというふうにも思うんですけれ
ども。というのは、確かに一回の使用済み
燃料、そこから
プルトニウム、
ウランを回収されるといたしましても、これがさらに高速増殖炉で使われる、あるいは
ウランとして使われる部分というのも全体の中ではわずかなんだと思います。特にMOXとして使われる場合のことな
どもいろいろとあるようでありますけれ
ども、いずれにしましても、そこでもう一度使用済みを再
利用するということについては、これはまだまだ
技術的に問題があるのではないだろうかというふうにも思うのでありますが、これが大体全体で何%使うことが可能というふうにお考えになっているか、その辺のところもお伺いしたいと思うわけであります。
次に、再
処理については、これもいろいろと問題があるわけでありますが、ただいまも岡部
委員の御質問に
お答えになっているわけでありますけれ
ども、
技術的に確立したというお話でございますけれ
ども、同時に、
フランスの、きょう私も
科学技術庁からやっと手に入れたということで、
フランス語の報告書をいただいたので、
フランス語ですから私読めませんのでこれからまた読んでもらわなきゃならぬのですけれ
ども、
フランスの再
処理施設の特にUP3の場合には、ジルコニウムの溶解槽の製作等についてはまだいろいろと問題があるというようなことが報ぜられているわけであります。いずれにいたしましても、再
処理施設UP3の建設というものもおくれているようでありますけれ
ども、トラブルもあったようでありますしというようなことを見てまいりますと、再
処理技術については、まだやはりこれから解決していかなきゃならない課題というのがいろいろとあるのではないだろうか、そんなふうにも思うわけであります。
東海村のお話もございましたけれ
ども、この間私の確かめた
範囲でまいりますと、
計画の約半分強くらいにしか去年の実績でも稼働していないようであります。ということになりますと、これは経済的に見ても、その程度の稼働ということでいけばいろいろと問題があるのではないだろうかというふうに思うわけであります。
それから、幾つもあって大変恐縮でありますけれ
ども、時間の
関係もありますので
最初に私が疑問に思いました点をお聞きをいたしますので、よろしくお願いいたします。
プルトニウムの毒性についても触れられましたけれ
ども、これは先生も御
専門ではないとおっしゃっておられますから、私も
専門ではありませんしということでありますけれ
ども、ただ問題は、動物実験で繰り返していって大丈夫であろうというものであっても、動物と
人間との違いというのもまたいろいろとあってというようなことで、例えば窒素化合物の
影響などを調べている中では、動物実験では例えば牛と豚では全然
影響の出方が違うとか、臓器によっては違いがあるとかというふうにして、動物の種類によって随分違いも出てくるということもございますから、そのまますぐ
人間にというふうになかなかいかないものがあるでしょう。言ってみれば、私
どもを取り巻いている科学というのにはそういう未知な部分、未確定な部分というのが非常に多いということにもなるわけであります。そういう中で、私は
プルトニウムについての取り扱いは特に慎重にということになっているんではないだろうかというふうにも思うわけであります。その辺ももう一度御見解をいただきたいと思うんです。
最後に、
フランスとの今回の
協定に基づいて、これからさらに
我が国も再
処理の
技術をいただくということになります。同時にまた、
フランスに
使用済み核燃料の再
処理を委託しているわけであります。しかし、イギリスのセラフィールドの再
処理工場でそれこそ
放射能被曝ということがやは
り随分問題になってきております。それが先ほど
大下先生の方で触れられた論議の中でも中心的な課題になっていたんじゃないだろうかというふうに私は受け取っておりますが、加害者に我々がなってはならないということにもなると思うわけでありまして、そういう面からいきますと、再
処理工場から排出される各種の基準値の問題も、これもまた随分問題があるんではないだろうかという気がいたします。このことも先ほど広島、長崎の話もちょっとありましたが、その広島、長崎の経験というものが今見直されてきている。そして、低レベルでも長時間取り込むということの問題点というのがかなり問題になり始めてきているようであります。つい一昨日でしたかの報道では、国際放射線防護
委員会からIAEAなどに、
年間の被曝量についてはかなり今までよりも厳しい基準に変えるというような勧告がされるという報道な
どもあるわけであります。
こういうふうにして考えてまいりますと、やはり我々は加害者になってはならないという
立場も十分に考えなきゃならないんじゃないだろうか、こんなふうにも思うわけでありますが、その辺のところをお伺いしたいと思います。
大下先生には、原燃サービスの再
処理工場の予定地では
活断層があるということはわかってきているわけでありますけれ
ども、その
活断層があるために改めて
試掘坑を掘って
追加調査をしているというような話も聞いているわけでありますが、この辺は
現地に近いところでお住まいになっておられますので、いろんなまた
情報もあるんじゃないだろうかというふうにも思いますので、お聞かせいただければありがたいと思います。
以上でございます。