○
猪木寛至君 幾つか質問を用意したんですが、いつも最後になると質問が重複するものですから……。
私、今回、三月十日よりブラジル大統領の
就任に招待をされまして、二週間の予定で行ってまいりました。その中でブラジルとメキシコとまたニカラグア、キューバということで訪問してまいりまして、先ほどほかの
先生からも話があったように、
在外職員の苦労というものを直接話を伺ってまいりました。
その中で、私月身今回は環境問題、特にアマゾン問題ということで一日飛行機を飛ばして視察をしてまいりました。
それからまた、リオに参りましたら、動物保護ということで
世界的に今話題になっておりますレオンドラードというライオンザルが今二百五十匹しか生存をしておらず、その保護地域一帯が火事に見舞われまして九年間燃え続けている。それはどういうことかというと、非常に有機質の泥炭が長年堆積したもので、その中の五メートルも六メートルも奥に火が入ってしまいまして、消防署としても手に負えない、消せないということで九年間燃え続けている。今JICAに援助をお願いしているんですという現地の消防署の話も聞いたんですが、しかしながらこの現場を見まして、そのような状況で、まずおぼれている子が、危険地域ですから、立ち入り禁止という名札の中で
法律を論じているような感じがいたしました。私も現場を見まして、ならば私がやりましょうということで即座に約束をしまして、消す一つの方法、その応援をすることを約束してきたんですが、その後
政府の
関係者にもお願いしながら、植林や何かも今お願いしております。
それと、メキシコに参りまして、これも一つは経済援助、無償援助ということで、スポーツ交流ですが、オリンピックでも高地トレーニングの
効果というものが大変今評価されているわけですけれ
ども、
日本もぜひスポーツ交流でそういう高地のトレーニングを使ってほしい、同時に、そういう我々の足らない器具を援助してほしい、ドーピングの測定器並びに高地ではかるいろんな器械を
日本からも援助してほしいということでした。たまたま
大使館の方もその話が同時進行しまして、五千万という援助を来年の予算に組み込みますということで大変話がいい方向へ進みました。
それから、今大変話題になっておりますニカラグアに参りまして、チャモロ次期大統領と一時間ほど会見する機会を得まして、政権移譲が平和的に行われるということでインタビューもさせてもらいました。コントラの解体ということが最大の条件であるから、我々は何とか平和的な解決を望んでいるというようなことと、それから今
日本に何を望むかということを言いましたところ、ニカラグアとしても
日本に何かをお願いするという
立場ではない、していただくことを待つのみである。
世界的な援助が欲しいんだということの中で一つお願いができるのであれば、野球の道具を送ってほしいということがありました。
これはやっぱり今コントラの解体あるいは撤兵問題、国民が今一番夢を持ってほしいということで、大変野球の盛んなところで野球の道具を送ってもらって、それで大統領の
就任式にそれを発表したいということで、これも結構ですと私は返事を申し上げたんですが、そこにちょうど大使も随行していまして、大使としても、相手のそういう要望にこたえたいところでしょうが、さっきからいろんな話が出ておるとおり、なかなか
日本の
手続上の問題があります。翌日またオルテガ大統領と一時間ほど会いまして、これはやっぱりコントラ、それから環境問題、そういうことでとにかく我々は反対の野党ではないということで、今の政権を応援していきますということで明確に申しておりました。
そんなことでもう一つ、・私自身が見てきたことにマナグア湖という大きな湖があるんですが、これはもう五十年間にわたって下水道がなくて、そこへ汚水が全部垂れ流しになって流れ込んで、もう本当ににおいと信じられないような汚れという、そういう現場を見まして、大変
世界的な環境汚染というのが今大変叫ばれているのですが、その現場を知らずして新聞なりそういう情報だけで今論じていることが多いんじゃないか。そういうことで、私の今回の旅は大変有意義であったし、
大使館の人たちも非常に私はお骨折りをいただきました。
そしてまた、キューバに飛びましてカストロ大統領と約四時間、大使公邸で食事をさしてもらいまして、その中でぜひ
日本からの
協力も欲しい、平和を望んでいる。それから、即位の礼ははどうぞ
日本に来てくださいよ、ということを申し上げたら、ぜひお伺いしたいということでいろんな細かいことも聞いてくれました。おれの自分の飛行機で行けばいいのか、あるいはどういうルートで行けばいいとか、ふだん聞けない話を聞かしてもらったわけなんです。
もう一回ブラジルに戻しますと、ブラジルのアマゾンは今どういう状況で森林破壊が行われているか。これは問題になっていることと現場で見てみると大変違う情報が入ってきまして、一つはあそこに今ゴールドラッシュがいろんなところで起きていまして、アマゾンというのは本当に地球上のあらゆる資源を眠らせている、あるいは鉄鉱石にしても三百年掘り続けても掘り尽くせないというような大きな資源が眠っている。そういう意味で、
政府としてもコントロールができない。あるいは密輸業者がアマゾンの中に入っている。そして、金を掘っている人たちの現場を見ますと、金を採取するときに水銀を混ぜてそれを金にくっつけるわけなんですが、その水銀を川に垂れ流しております。その中で、もう本当に魚の奇形が産ま
れまして、そういうようなものを食べたインディオが、
日本で言うイタイイタイ病でしょうかね、そういうことに侵されているという現場も見てまいりました。
そんなことで、本当にこれから
日本の国際的に果たさなきゃいけない役割というのは大変大きなものになっているわけだし、先ほど
在外公館での
職員の待遇とか、私も本当に行く先々でそういう話を聞きました。さっき
中村先生の方から御
指摘が随分ありました。そういう人たちが本当に夢を持って我々は
日本のために、そしてそういう職務に希望が持てて、責任感というか、そういうものを感じるような今の行政になってないということを痛感しました。先ほどからお伺いしていますと、大変これもやっています、あれもやっていますということをお聞きしておりましたが、実際の現場ではそういうことに満足していない、まだまだやっていただかなければいけないことがたくさんあるんじゃないか。
そこで、まずもって、私も重複しますが、本当に今回の
為替相場の変動による在外の
外務公務員の
給与の
引き上げ、これはもう大変ありがたい、大賛成でした。そういうことから、ひとつこれから思い切った状況をやっぱりつくってもらいたい。今言った百三十二円、百三十六円、そして現在百五十八円という
調整は一年に一回の
調整なんでしょうか。それとももっともっと年に三カ月置きにやるのか、これをちょっと質問したいと思います。