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岩屋分科員 今、四国、本州を結ぶ架橋が完成をして、この後もまた同様のものがつくられるという予定になっておるわけであります。瀬戸内海では、関西新空港も早晩これはでき上がってくるだろうと思いますし、そうなってまいりますと、さっき申し上げたことと関連をしてくるわけでございますが、九州の中でも高速
交通網については東西間のアンバランスというものがある。これは
建設省の管轄ではないでしょうが、西九州の方ではこれに加えて新
幹線の
整備計画もある。これはこれでまたきちんとお進めをいただかなくてはいかぬ、九州全体の問題として進めていかなければいかぬという問題だと思いますけれども、九州の中でそれだけ、今のままでいくと東西間のアンバランスがさらに拡大をするということを私どもは懸念をしているわけであります。
それに加えて、四国と本州の間では橋が二本も三本もかかり、新しい空港もでき、かなり連絡がよくなってくるという。ように考えてまいりますと、ちょうど九州の東部
地域、大分、宮崎、先ほど申し上げた、残念ながら裏九州と呼称されておりますこの
地域がそういう高速
交通網のエアポケット地帯になっていくということを、私ども、そして
地域の皆さん方も大変心配をいたしております。
俗に第二
国土軸構想という構想があるわけでございますが、すなわち関西から四国の方へ渡っていって四国を横断して九州へ渡っていく、中国地方を横断する
国土軸が今あるわけでありますけれども、これに加えて関西、四国に渡り九州大分県に接続をするという第二
国土軸がこれから先大きくクローズアップされていかなければならない。ちょうど第一
国土軸と第二
国土軸がそういう形ででき上がりますと、瀬戸内海の架橋がちょうどそれを絵にかきますとはしごのような形になるわけでございまして、こういう状態をつくっていくことを目途に、これからの
国土計画もぜひお進めをいただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
そうなってまいりますと、四国と九州をいかに接続するかということになってくるわけでありまして、これが今
局長から御答弁をいただいた豊予海峡トンネル構想と言われる構想でございます。これは本来ですとトンネルを掘るよりは橋の方がいいわけでありまして、でき得れば橋という形で構想がつくれないものかということで私どもも再三にわたって御質問をしたり勉強したりしたわけでありますが、聞くところによりますと、鉄建公団が一応トンネルを掘る可能性があるかどうかという調査を一度していただいたということでありまして、我が国の青函トンネルを完成させた技術をもってすればトンネルは可能であろうという結論をいただいておるというふうに伺っております。
いずれにしても、橋にせよトンネルにせよ、今申し上げた第二
国土軸というものを完成させていくためにはどうしても四国と九州をそこで結んでいかなくてはいけないわけでありまして、この豊予海峡トンネル構想をぜひ実現へ向けて御検討、御努力を賜りたい、こう思うわけでございます。
こういう話をいたしますと、採算面の問題というのは必ず出てくるわけでございますが、これは鶏が先か卵が先かという論争と似たようなことでございまして、確かに現時点で九州と四国をつないでいくということは、採算面から考えれば、莫大な経費を使って果たしてそれほど利用されるであろうかという問題もあるわけでありますが、しかしここはやはり国家プロジェクトとしてこういう問題はお
取り組みをいただくべきではないか、こういうふうに思うわけでございます。今進んでおりますドーバートンネルというものは何か民間の資金もたくさん使っておられるようでありまして、また完成後は民間が管理運営をしてかかった経費をずっと償還していく、こういう
方法もあるそうでありますが、残念ながらこの豊予海峡トンネルの
地域ではそういうこともちょっと不可能であろうと思うわけです。ということは、何としても国家プロジェクトとしてお取り上げをいただかなければ、これは完成を見ることができない、実現の可能性はないということでございますから、そういった
意味でもこの問題にはぜひ
大臣も十分御理解を賜りましてお力添えを賜りたい、こう思うわけでございます。
そういうわけで、豊予海峡トンネルを九州と四国を結ぶ連絡
交通体系の中にぜひひとつ明確に位置づけていただきたいと思うわけでございますけれども、
大臣の御所見を賜れれば幸いに存じます。