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川端分科員 私は、需要といいますか
ニーズに応じてそういう数字をお出しいただいたことは非常に結構だと思います。そういう
意味で、問題はこの
計画自体をこれからいかに着実に
目標どおりに具体化し、実現していくかということが問われていると思いますし、
厚生省としては御努力をされていかれることだと思いますが、現実に考えてみますと、ブレークダウンしていくと、必要性で数字が出てきたということでは、本当にしなければならない命題である。しかし現実から見ると、すごい
目標だなということになってくるわけです。
今いみじくも
局長おっしゃいましたように、
福祉というのは、特に高齢者
福祉というのは
地域に密着してやっていくべきである、私もそのとおりだと思います。そういう
意味で例をとりますと、滋賀県というのは
全国のすべての統計を大体百分の一と見るといいとよく言われるわけです。人口も一億二千万人に対して百二十万人。例えば今選挙制度云々と言われますけれ
ども、衆議院定数五百人で平均的に五人、そういうふうに統計上は大体百分の一と言われます。
そういう
意味では、例えばホームヘルパー、まさに家に行くわけですから、人口に比例した分として人数は必要だろうということを言いますと、現行の三万一千四百五人を十万人に増員しよう、
全国の一%が滋賀県だと考えますと、十万人の百分め一で千人ぐらい十年後に必要だな、これを頑張ろうということなのですが、現実に六十三年度末で百三十八名、
平成元年度末で百四十八名、一年間に十人頑張ってふやした。元年度末百四十八人を十年間で千人にしなければならないという要請だ。そうしますと、毎年同じ人数をふやしていくとすると、八十五人ずつふやさなければいけない。去年一年で十人ふやした、来年から十年間は八・五倍ずつを毎年伸ばすというふうな数字として出てくる。スタートの
水準自体が、百分の一で言う三百十数名ということに対し現行百三十何名しかいない部分のおくれはあるわけですけれ
ども、結果的にはそういう状況になる。
あるいはショートステイということで言いましても、これも
地域的にかなり近くでないと、延々と行ってショートステイということは
意味がないわけです。そういう部分でこれも考えますと、五万床に
計画しようというと、例えば一%というと五百床である。六十三年度で六十八床が
平成元年度で七十九床、年間十一床ふやしたわけですけれ
ども、この後
目標を達成しようと思うと年間に四十三床ぐらいふやさなければいけない。去年十一床ふやしたのを、その四倍以上を十年間続けなければいけないという状況に置かれている。
あるいはデイ
サービスももちろん近くでなければいけないわけですけれ
ども、そういうことでいうと、例えばこれも昨年四カ所ふやしたのですけれ
ども、来年以降九カ所ずつ十年間ふやさなければ到達しない。そういう部分で、これは相当な努力をしないといけない状況にあると思います。
ところが現実に、
一つは人の問題、まさに
福祉に携わるヘルパーあるいはそういう
施設におられる職員の方という部分を間違いなくふやさなければいけないという状況です。そういうときに、昨今の環境の中ではもともとが非常に人手不足である。
一般の企業も、大手でさえもなかなか人がとれない。しかも、給与の
水準あるいはその周辺の労働条件、例えば交代勤務であるとか週休二日でないとか夜勤があるとか、現場の作業とかというのは非常にとりにくいというのが現状であります。
そういう中で、例えばホームヘルパーにしましても、かなり不自由な方に
介護をしながら、食事をしていただくのに手助けをする。おふろに入れてあげるのもかなり労力がかかる。あるいはトイレの
お世話をしなければいけない。こういう部分ではかなり労働としてはきついので、ボランティアなんかにかなり助けていただいているわけです。そういう部分でいうときに、果たしてこれだけの人数を確保するというのは、本当に必要であるということでやらなければいけないけれ
ども客観的には厳しい。
せめてその中で、そういうことをやらなければいけないときにどういう手だてをとって
目標を達成したらいいのかなということで言うと、
一つは、マンパワーの部分で言えば、
基準額というのですか、お金の話で恐縮ですが、ホームヘルパーの場合国庫の
基準額が今、
介護中心で年間二百四十三万五千九百四十五円、家事援助
中心で百六十二万三千九百六十三円、仕事として見た場合に決して高いとは言えない額だと思います。みんな
自分たちが年老いていくんだから、そういうボランティア、かなりみんながお互いに互助でやっていこうという部分を啓蒙し、みずからも参加していくということは必要ですけれ
ども、それにしてもというふうに思いますし、現状としてやはり相当人を集めなければいけないという部分に関してはどのような対処をしようと思っておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
〔金子(一)
主査代理退席、
主査着席〕