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寺前分科員 私も都道府県に、具体的に農薬使用の実態
調査についてどういうことになっているのか全国に電話を入れました。それで、対策
状況についても調べてみました。
ここで一々挙げるわけにいきませんけれ
ども、例えば北海道、ゴルフ場数百十九あるけれ
ども、適用外使用は三十五カ所で行われている。かなりやっているわけですね。
調査の結果出てくるのです。新潟県においては二十九カ所であるけれ
ども、適用外使用が十九カ所で行われている。かなりなものです。京都府を見ると、無登録の農薬が六剤使われている。大阪府では無登録の農薬が四剤使われている。鳥取県では無登録の農薬が九剤使われている。ちょっと電話を入れただけで、実態
調査をどうやったと言って聞きますと、次々に結構なっているわけですね。
そうすると、農水省は田畑中心に、作物中心に農薬の
指導をやってきたから、したがってそんなゴルフ場は私の方のことではございません、知りませんというわけにはいかぬ。農薬取締法はやはりいずれのところで使われようと、これはちゃんと見てもらわなければいかぬ。そうすると、ゴルフ場での実態というのは、かなり無造作に農薬が大量に使われている。見ると、平均すると作物の二、三倍は単位面積当たりたくさん農薬が使われている。多いところでは四倍ぐらいは農薬が使われているということになるわけですよ。そうすると、作物は口の中に入るという問題があるけれ
ども、これはこれで、このごろのゴルフ場というのは主として山の上になってきていますから、水源との
関係問題というのは見逃せない問題になってきておるのです。
こう
考えてみたときに、やはりゴルフ場に対する農薬の規制問題についてもっと具体的に
指導に入る必要があるのと違うだろうか、これはどうか。さっき言われたのは、恐らく部分でそれだけの
指導をやったという
お話だろうと僕は思うが、全国的に見たらそんな程度の
指導では足らぬだろうと思う。もっと全面的に取り組む必要があるのではないだろうかということを率直に申し上げたいと思うのです。
そこで、ゴルフ場周辺における水質を調べてみ
るということもまた大事な仕事だと思うのですね。そうすると、全国ずっと水質の
状況を見てみると、アメリカ等で発がん性の農薬として禁止している農薬、水質の中からそれが出てくるという問題がこれもまたかなりあるのです。
私がちょっと調べただけで千葉県、東京都、長野県、これはダイアジノンというのですか、それから、西独で禁止されているキャプタン、それが滋賀県、大阪府で出てきます。それから、和歌山県で出てきます。それから、ダイアジノンが大阪府、さらに山口県、徳島県、愛媛県、結構そこらの県で水質
調査をしたら、アメリカで禁止されているものが出てくるわけですよ。あるいは西ドイツで禁止しているものが出てくるのです。そのほかにも発がん性の農薬というのが、アシュラムとかオキサジアゾンというのですか、DDVP、アトラジン、プロピザミドというのですか、もう読めぬです、私らこういうのは知らぬから。ダコニールとかシマジン、オキサジアゾン、全国的に何十カ所かでこういうものが水質
調査の結果から随分出ているのですよ。
だから、どんなものをお使いですかと言ったら、平気でさっき言うような無登録のものが出てくるし、水質
調査をやったら、外国で禁止しているようなものとかあるいは発がん性の農薬というのが、全国的にちょっと調べただけで出てくるのです。こういうことになっておる。
これだけ問題になっておりながら、手おくれになっているのと違うだろうか。日本の農薬取り締まりのあり方において再検討してもらわなかったら、人命にもあるいは日本の国民全体の将来にわたる問題としてゆゆしき状態になっているのと違うだろうか、そういう
認識にお立ちですか。どうなっているのか。本当にこういう実態について農水省として調べておられて報告を求めておられるとするならば、国民の前に一回公表してほしいと思いますね。どんな実態になっているか、こういう実態について握っておられるのですか。まずそのことをお聞きしたいと思います。