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山花委員 国会の決議という形式を考えれば、おっしゃったことについては当然の
総理の答弁だと思います。私どもとしても、こうした
テーマにつきましては、各党の皆様に協議をお願いするということの努力も当然率先してやっていかなければならないと思っておりますが、
総理・総裁としての
立場で、私どもはこうした問題についての問題提起を正面から受けとめていただきたい。今後もいろいろ議論する機会があると思いますけれども、そのことを要請して次の
テーマに移りたいと思います。
実は、第八次
選挙制度審議会の答申が出されました。私
たちはこれまでの
経過の中で、自民党の
政治改革の一環として位置づけられたという
経過を今回の答申の背景にあるものとして問題にしなければならないと思っておりますが、きょうは中身について伺わなければいけないと思っておりますので、まず、この問題についての
国会決議とのかかわりについて
総理の御
見解を伺いたいと思っております。
私
たちは、この選挙制度の改革を含む自民党
政治改革論、ここには幾つかのすりかえがあるというように考えています。小選挙区制問題というのは
鳩山内閣以来の自民党の願望だったと私
たちは承知しておりまずけれども、今回は
政治改革の目玉とされました。
竹下元
総理の構想に発して今日に至っている自民党
政治改革が、リクルート隠しであったということについてはもう繰り返し申しません。これは例えば、
政治改革については四つの柱でやっていく。党内的には選挙制度調査会とその上に立てる
政治改革委員会、それで
政治改革推進
委員会、党外の機関としては有識者
会議と
選挙制度審議会という位置づけで始まった当初の段階では、有識者
会議における議論を拝見いたしましても、これをやったって結局自民党のリクルート隠しと言われるんじゃなかろうかという議論が
委員の皆さんの中に随分ありました。記録に残っておるはずであります。
選挙制度審議会ではその議論が全くなくなったというところに問題があると思っているわけでありますけれども、二つのすりかえというのは、一つは、
国会決議にありました議員定数の問題を金のかからない選挙制度という議論にかえてしまったという問題。最高裁の違憲判決が続く中で、国民の関心は定数の是正の問題にありました。一票の格差の是正です。選挙権の平等の問題です。ところが、リクルートの金にどっぷりつかった
政治の現状に対する国民の批判にこたえるというふりをして、選挙制度の問題に事が移され、そして今回の小選挙区比例並立ということになったわけであります。
第二番目の問題は、改めて
指摘しなければなりません。
国会決議の棚上げの問題であります。
国会決議棚上げの問題につきましては、
総理が、結局は今日の
政治を変えるためには抜本的なという、こういう御
説明につきましてはいろいろな機会に私
たちは伺っております。今回の答申も、実は選挙制度と
政治資金についての抜本的な改革ということで宇野
総理の諮問がありましたから、
選挙制度審議会はまさに抜本的なということで、最終的な改革ということでの答申を行いました。そこでの問題は、まずやるべきことについては全く手をつけない、全部棚上げにしているということがあります。新たな
政治改革を議論するならば、我々は既にある
政治改革のための合意の履行、制度の有効な活用ということが大切であると思っています。まずこうした観点から、将来のいわば目標だけを掲げて現状に手をつけないという姿勢についての
政治責任を
指摘しなければならないと思っています。
ということで考えるならば、まずここでは、
総理に基本的な問題として伺っておきたいのですが、
国会決議を履行していただきたい、すべきであるということのもう一つの前の問題として、ロッキード事件の反省として、これも私
たちはすりかえだった、今そのことがはっきりしたと思いますけれども、
政治倫理綱領と
政治倫理審査会が設置されました。これがあるからロッキード事件再発を防ぐことができるのだ、こういう仕組みだったはずであります。有識者
会議のあの提言の冒頭にも、まず
政治家一人一人の倫理観というものがあれば
リクルート事件は起こらなかったではないかということについての一行があったことを想起すべきだと思っています。
政治倫理綱領について、いわばリクルートで
責任を問われたほとんどの皆さんがみずから疑惑を解明するという態度には出なかったではないか、深谷郵政大臣が今日そうではないかということを私
たちは
指摘します。
政治倫理審査会、我々は審査会が設置されて以来、
佐藤代議士、田中元
総理を審査会に審査の申し立てをいたしました。長い間一遍も開かれませんでした。一年たったって二年たったって三年たったって開かれない。ついに
委員の交代ということで終わりました。申し立てたけれども、自民党三百、審査会を開こうともしなかった。何のための審査会設置ですか。
政治倫理審査会をつくるならば、
政治の倫理の問題についてけじめをつけることができるという建前だったけれども、ついに一回も自民党多数のもとに開くことすらなかった。一度も議論されないで終わりました。こうした
経過の中で、また今度はリクルートの反省としてこれなんですといったって私はごまかしだと思います。こうした
政治倫理綱領をだれも守っていないではないか、
政治倫理審査会は一度も開かれたことがなかったではないか、このことに対しての
総理の
見解を伺いたいと思います。