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薮仲委員 時間がございませんので、本当はもう一つホームステイの話を運輸
大臣にお願いをしたかったわけでございますが、これは希望だけ申し上げておきます。
これからまた夏休みになりますと、かわいい子供が海外へ行くわけです。ところがこのホームステイ、最近マスコミも取り上げましたが、私は三年前からこの問題を
国会で取り上げたのです。向こうへ行って、ホストファミリーとのミスマッチがあるわけです、あるいは語学力の不足。いわゆる観光業に携わる方が、少なくとも留学という問題とホームステイという認識の間違いから非常なトラブルも起きております。きょうはやめておきますが、このホームステイについて、かわいい子供が国際人として育つ大事な外国の文化に接する機会なんです。そこで大きな傷を負いますと立ち上がれなくなるのです。これは外務省も文部省も非常に心を痛めます。もちろん運輸
大臣も一番心をかけていらっしゃることでございますので、どうか観光業者を通じてこの対策には心をお砕きいただきたいことだけお願いしておきます。ありがとうございました。
私は最後に、
厚生大臣お見えいただきましたので、私がきょう
質問したいのは、歯科の問題についてお
伺いをさせていただきたいと思うわけでございますが、これは
大蔵大臣がちょうど私が当選したとき
厚生大臣で、そのとき私は、薬事法の改正を
大蔵大臣に、
厚生大臣でしたから
質問いたしました。あのときは無我夢中で
大臣に食いついたわけでございますが、当時の薬事法にはいわゆる安全性ということがうたわれておりませんでした。いわゆる適正を図るということでございまして、あのときキノホルムというスモンにかかわる問題で、その当時の
厚生大臣、非常に御苦労があったことを私承知しております。そこで、薬事法の中に安全性ということを入れましょうということで踏み切られて、薬事法の第一条に安全性が入った。これは私は非常にすばらしいことだと思うのです。
きょう申し上げたい点はこの薬事法にかかわることでございますけれ
ども、
厚生大臣、どうぞこっちへ来てください。
私がきょう申し上げたいのは、
厚生大臣の手元にこれはもう行っていると思うんですが、一つは、高齢化社会をこれから迎えるに当たって何が一番重要かといいますと、歯科の
範囲においては総義歯なんです。総義歯というのは入れ歯ですね。この総義歯というものが非常に重要な問題になってきます。しかも、今齲蝕あるいは歯周疾患の方が多くなって、四十代から総義歯になる方もいらっしゃるんです。人生八十年、四十年間はフルデンチャーの中で、総義歯の中で生活をしなきゃならない。物を食べるということは人生の非常に重要な楽しみの一つです。ところが、現在の歯科の臨床の
先生方は総義歯について非常に心を痛めるんです。保険でこれをやりますか、それともいわゆる自由診療でおやりになりますかということを聞きますけれ
ども、保険でやると歯科の
先生は非常に良心的な治療をしたくてもできない。何とか保険の不採算を改善しなければならないというのが歯科臨床の
先生、また学会の
先生の痛いばかりの願いなんです。
そこで、きょう私がお渡ししたこの資料は、「診療ならびに技工行為に関するアンケート
調査」、日本補綴歯科学会医療問題検討
委員会。今のこの本の初めには、津留学会長さんと、この検討
委員会でおやりになったのは平沼
先生、愛知学院大学の教授です、前の補綴学会の会長さんですが、この補綴学会の会長さんが、臨床の
先生方が総義歯は非常に治療をやりたくないのだということを言われないように、その講座、いわゆる大学の講座と臨床経験の十年末満の
先生、十年以上の
先生を中心に、いわゆるタイムスタディー、この治療には何分間の時間がかかって保険でどの程度見るべきなんだろうか、あるいは今なかなか
厚生省が見てくださらない中間材料等の問題もあるんですが、このいわゆる総義歯をつくるときの一つ一つのステップですね、印象採得、咬合採得、いろいろな一つ一つを、この中でいわゆる医師の診療行為あるいは技工士のおやりになるところを全部検討なさって、きょうはやりませんけれ
ども、こういう表にして、どれだけの保険の評価が妥当なんだろうかという形で、最後の方の四十一ページに「基本的技術料の一例」としてここに挙げてございます。
また、一番最後には現行の保険点数、これは四月一日に
改定になっていますからこの点数じゃなくて、正確には上下顎で五千六百六十二点、五万六千六百二十円というのが現在の点数でございます。ところが、初めのところにもございますように、津留
先生がこうおっしゃっているんです。
「コンプリートデンチャーでは約二倍近い数値を示し、」ここだけ読みますけれ
ども、コンプリートデンチャーというのはいわゆるフルデンチャーですから総義歯です。総義歯が現在の保険点数の二倍ですよということをここで言われていて、これを大事にしてください、学者や臨床医がまとめた保険の点数に対する心の底からの念願なんだと言って、この初めの文章を書かれているんです。
そして、最後の四十一ページには平均的な値段として出ておりますけれ
ども、これは九万四千七百五十点。これは今の保険点数の約倍ですね。ですから、これでいきますと——点数は、これは失礼しました、九千四百七十五点でございますが、
金額に直すと九万四千七百五十円になるわけです。ほぼ倍になるわけですが、これについて、この研究をなさった平沼
先生が、
厚生大臣に聞いてほしいといって手紙を出されたといって、私のところにくださいました。
このところで申し上げますと、
厚生大臣に送付した
報告書は、昭和六十三年十月、日本補綴歯科学会が総会時に開催した
委員会
報告で
公表したものであります。「この
報告書は当時の学会長津留教授が”はじめに”で記してあるように歯科医療の中で補綴診療行為の適正な評価を得るための正確な
判断基準としてタイムスタディーを主体に
調査した素資料である。本
調査の中より、とくに高齢者の健康保持、積極的な社会
対応に対して極めて重要な診療行為である総義歯補綴を取り上げてみるとその診療基本的行為に対しての社会的認識と
理解が低いことが示されている。すなわち、この
調査での評価を現行の保険医療診療報酬と対比してもまったく適切さをかくものである。日本補綴歯科学会はこの
調査資料をさらに検討し国民の医療、社会保障がより適正によりよく実施され国民の福祉に貢献するため努力したいと
考えて」いますと言われて、この平沼
先生はさきの補綴学会の会長
先生でございますけれ
ども、やはりこれからの高齢化社会の、お年寄りが安心して歯科の臨床の
先生のところに行って入れ歯を入れてくださるような時代をつくってほしい、こう願っているこの資料を、私は今どうのこうのということを申しません、これをどうか今後の歯科診療の点数改正のときに大事にして検討をいただきたいという
気持ちがございますが、
大臣いかがでしょう。