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渡部(一)
委員 では、その件について十分御検討をよろしくお願いしたいと存じます。
次に、今度は国連に関する問題で、ことしの大テーマである環境の問題についてお尋ねしたいと思うわけであります。
この環境
外交について、昨年度甚だ不本意なうわさを
日本環境
外交は受けたわけであります。それは、フロンガスの交渉において、炭酸ガス及び炭酸ガス類似の地球の温暖化現象に
関係のあると思われるものの排出基準を整えるための国際
会議におきまして、
日本とアメリカは終始一貫いろいろな形でこれを妨害したというふうに思われているわけであります。それは大気中の炭酸ガスあるいはメタンガス等の増加と地球温暖化の
関係とかあるいは海面上昇の
関係は、科学的に考えれば考えるほどまだ立証されてない分野も多くあるわけでありまして、
日本側の
議論というものが精密をきわめたことは評価すべきでありまして、必ずしも
日本側が悪かったというわけにはいかないのであります。また、一人当たりの炭酸ガスの排出量というものがフランスと並びまして先進国中では最も少ないという事情もあるわけでありますから、
日本は環境を破壊したのではなく、むしろ守った側の一国として胸を張る部分もある、そういう理屈も成り得るわけであります。
ところが、この環境
会議、特に炭酸ガスの方でございますが、この規制に終始一貫反対したアメリカと、それからこれを国内の
政治の事情があって強力にともかく半減というような形で国際的な見せかけを大きく表示しようとしたオランダとの板挟みになった。そして
日本はアメリカと組んで調停案をつくろうとした。ところが、イギリスは
日本と同じような立場であったのですが、途中からオランダ側に味方をして、
世界の環境を保護しないのは
日本が悪いというふうにキャンペーンを切りかえた。もっとひどかったのは、折衷案で決着がついたにもかかわらず、最後の記者会見の際に、大臣初め一行が先に引き揚げてしまった。そこでどういう会見が行われたかというと、アメリカまで一緒になりまして、環境破壊のテロリストであるとか、あるいはエコビラン、
経済の悪魔。ビランは悪魔というフランス語なんだそうでございますが、
経済だけ夢中になっている怪獣とでもいうべきような
意味なのでございましょう、こういうのが新聞紙上を躍ったわけであります。
そして、その結論としてどういうふうになったかというと、
日本というのは物を輸出しているだけじゃない、環境問題についてもめちゃくちゃじゃないかというように切り込まれた。もっともこれには伏線があるわけでございまして、アルシュ・サミットも失敗した。アルシュ・サミットのときには先進諸国が全部環境問題でかかってきまして、アルシュ・サミットの決議文を見ますと、その三分の二が環境問題なのに、
日本側は環境大臣を連れていき損なった。それはいろいろ御事情もあったのでしょう。だけど環境庁の職員を
課長をようやく一人連れていったというようなことにまでなってしまった。もちろん有能な外務省、通産省等の職員もおられるから、一人連れていこうが二人連れていこうが、ゼロだろうと、そう大した差はないし、電報も打てばいいし、ファックスもあるからいいとは言えるけれども、このアルシュ・サミットの取り組みのときに環境を的確にしゃべるのがいなかったという事情は事情なんですね。見損なった、アルシュ・サミットの正体を見破れなかった。
そこでどうなったかというと、
日本側は環境問題でもうめちゃくちゃな
日本というふうな、こちらから見ると甚だ不本意な評定がある。私は野党として少し厳格に見れば、これは政府の環境問題に対する多年の力の入れなかった決着がここへ出てきてしまったなという
感じがしてならない。そしてまた対応が余り鮮明でない、うまくないという
感じがするわけであります。
そこで、ここからどう質問をしていいかよくわからないのですけれども、こういうことを二度とないようにしていただきたい、あっさり言うと。困るよ、こんなことは、本当に。冗談じゃないのだ。
そこへもってきて、今度、四月十七日だと思われますが、ブッシュ大統領が十八カ国を集めて環境問題で協議するとおっしゃっておられるようであります。この問題のときにこの炭酸ガス問題についてアメリカ側は大々的に発言をして、そして悪名を着たアメリカ
外交を一挙に転換して、炭酸ガスを規制しようと力強くホワイトハウスで叫ぶ可能性があるというのが私の段階にまで聞こえてきておる。それで、それに対して
日本政府はどうされるのか。また炭酸ガスの問題は帰ってから役人と相談してとか
課長と係長に相談してなどというばかなことを言ったら最後、もう今度は助からない。だから貿易摩擦の問題ともくっつけられてしまう。ここのところをひとつ考えていただきたいのでありますが、適切な御答弁をどなたからかいただきたい。