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伊藤(茂)
委員 まあ、申し上げましたように、これからいろんな
議論をしなければならないわけであります。また、
国民の皆様への政治としての大きな責任であろうと思います。
私どもは、土井
委員長が本
会議で申しましたように、やはり
国民の御納得を一番得られる道、それは、これだけの公約問題とかあるいは強行とかさまざまの経過があったわけでありますから、一遍白紙に戻して、そしてあるべきものを、そう時間をかけないで、そう長い月日をかけないでとにかく真剣にやるということではないだろうか。まあこれらの詰めは本予算にも関係をして十分な
議論がなされるであろうと思いますから、
考え方だけ提起をして、お
考えを伺いました。
次に、冒頭話題にいたしましたが、
日米首脳会談と今後、
構造協議やあるいは防衛負担の問題やさまざまの問題があるわけでありますが、
構造協議に関連をいたしまして何点かお伺いをしたいと思います。
前提に申し上げておきますが、私も私どもの党も、
日米関係は非常に重要に認識をいたしております。特に、やはり
日米経済関係というのは、これは
世界にとっても非常に大きな
意味づけを持つのが今日の実態でありますから、重要性をきちんと認識をしながら対応していくことを
考えております。
総理も時間があったらいつか読んでいただきたいと思いますが、いわゆる土井提言とかいう中にも、さまざまの一歩進んだそういう
考え方を提起してございますのであれでありますけれども……。
そういう上に立ちまして、私は心配しているのは、さまざまの懸案がございます。また、秋の中間
選挙その他などの構図がございまして、それもあり、両国の歴史の経過もあり、非常に下手をしますとエモーショナルな対立が高まるという危険性を年じゅうはらんでいるわけであります。九二年ですか、パールハーバー五十周年になるそうでありまして、そんなときとエモーショナルな対立がぶつかったら大変なことになっちゃうだろうと私は思うわけでありまして、やはりエモーショナルな対立をないようにしながら、リーズナブルな合意をどう目指していくのか、
努力をしなければならないと思います。これは私どもも、
野党の
立場でも、
政府とは当然見解の違いもあるわけでありますが、
日米関係を重要視をするという
立場からの
努力をしていきたいというふうにも思っているわけであります。本来でしたら、
日米の経済合わせて
世界GNPの三分の一以上を占めるという大きなウエートを持つわけであります。今私から申すのはなんですが、やはり
世界経済は東西南北お互いに抜きがたい相互依存、相互関係が非常に強い、そういう
構造になっているわけでありまして、言うならば非常に高い相互依存
構造の国際経済の中で、できれば、
日米がどういうふうに
協力をして
世界に貢献できるのか、そういう
議論まで実はいかなければならないというのが本来の姿だろうと思いますが、さまざまの経過がございましてなかなかそうなっておりません。今問題となっている、例えば
構造協議に関係をする
日米双方のさまざまのテーマ、あるいはまたスーパー三〇一に関係をした状況、ウルグアイ・ラウンドに関係をする農産物の問題などなど、私どももさまざま今勉強を積み重ねておりますが、言うならば
政府・与党が御
努力をなさる、相互に刺激し合っていい結論を出す
意味におきまして、例えば
社会党としての処方せんを出していくとか、そういう新しい
努力をぜひやってまいりたいという
気持ちでおります。
そういう
気持ちを持ちながら、幾つか意見を交えてお伺いをしたいのですが、重要性の程度でランクづけはいたしませんが、順不同で申しまして、例えば土地問題、住宅問題があるわけであります。昨年成立をいたしました土地基本法、
総理も御承知だと思いますが、一昨年になりましょうか、私どもが四
野党政審会長を
中心に勉強いたしまして、共同で
提案をさせていただきました。その
提案を、
国会に法案を出しましたら、当時竹下さんでしたかね、
野党の
皆さん非常に勉強していいもの出したので
政府も出そうということで、国土庁を
中心に勉強なさって成案が出てきた。さまざま
立場の違いもございますから違いの調整
議論がございましたが、そういう経過を経て成立をしたという経過があったわけであります。私どもも今後土地問題につきましても、できたら近い時期に、我が党だけではなくて
野党共同で、今やるべき重点
政策は何だろうか、緊急
政策は何だろうかという御
提案もさせていただきたいというふうに実は思っているところであります。そういう
気持ちでおりますと、本
会議における
総理の御答弁、土地
税制という問題につきましても、四月早々から小
委員会がスタートする、今大蔵省が
選挙期間中も含めて事前の勉強をなさった、そして十一月をめどに報告を出すようにしたい、これは
政府、行政としての一つの筋であり柱でございましょう、それ以上にしかし何かやはり政治としての
提案や政治としての決断が求められているというのが現実の今日の
日本の姿ではないだろうか。大都市の市民の
皆さんからすれば、切実な思いで政治に対してそれを求めているというふうなことであろうと思います。
私はそういう
意味で申しまして、完全に整理といいますか、共同でも整理をされておりませんが、幾つかの問題については緊急に取り組むべきではないだろうか。言うならば、
日本自身が
日本の将来
社会のためにやるべきことがおくれおくれて今日に来て、そのツケがたまってしまってアメリカの方からぎしぎし言われている、こういう
構造だろうというふうに思うわけであります。もっと刺激が足りなかった
野党の責任もあるかもしれませんが、というふうな
気持ちがいたします。
例えばですが、一つは、午前中の与党の御
質問にもございましたが、土地金融、不動産融資の問題、これは
日本銀行の責任も大きいわけでありますが、何遍かやはり大きな
社会問題となり、そのたびに通達が出されたり指導要綱が出されたりしながら、最近の状況を見ますと、首都圏以外の、例えば大阪圏その他で、また周辺の中都市というのですか、値上がりが広がっている、そういうところへのやはり融資が非常に大きな規模になっているという現状が言われているわけであります。何か後追いのような指導、対応ではなくて、思い切ってそれらに対して、私は金融機関なり財界にしてもそういう責任感と
社会的認識をきちんと持つべきだと思います。そういう見識を持った財界人が、政治もそうですが、求められているというのが今日の姿であろう。私は、金融
政策上、やろうと思えば幾つかの手段はあると思います。これが例えば一つの柱であろうと思いますが、これをどうしていくのか。
それから、二つ目で申しますと、余りにも巨大な含み資産、これも私が申し上げるまでもなく、上場会社で、土地、株を含めて五百兆と概算をされている。土地で約三百五十兆、株で百五十兆とか言われているわけでありますが、まあ年間GNPの額を超えるバブルが存在をしている。まあ株価その他にもこういう
構造が、何かのときには大きな影響を与えざるを得ないという面もあるかもしれません。どちらにしても、やはり健全な企業活動と経済とは言いにくい状態だと思います、それで多くの庶民が泣くわけでありますから。
例えば韓国の場合には、御案内のように五〇%ですね、売買のときにその差益は
社会に還元してもらうという法律をつくりました。大蔵省も勉強に行ったようですが、私どもも一遍行ってまいりたいというふうに実は
考えております。それから
ヨーロッパの場合には、そういう方法というのは開発利益
社会還元
税制とかあるいは増価税とかいう中でさまざま行われている。前にもよく報道されておりましたが、イタリアの場合なんか地方税で三〇から七〇までの幅で自治体が選択できるということでしたが、何かそういう不労所得でもうかった部分を
社会に還元していただいて、そして快適な勤労者、市民のための住宅をつくる。入っている人はみんなそれを知って、いい政治のもとでこれができると思っている。そういう方法か手段というものは私はとられるべきであろうと思いますし、
世界の常識としてやられて当然のことであろうと思います。
ただ、それを再評価でやるのか、あるいは増価税方式でやるのか、あるいは企業会計として含み資産が表に出ないという形は、時価評価の問題ですね、これは
日本の企業会計制度、むしろ国際的には少数の制度ですから、そういうものをどうしていくのかとか、イタリアのように十年に一遍は再評価をするとか、いろいろな方法があるでありましょう。それは
日本の土壌のもとで最も可能な方法として私はあると思います。そういうことは十一月を待つのではなくて、そういう方向づけやテーマやあるいはみんなの
議論というのは政治の責任で始めるというのが今日のニーズではないだろうかという思いがいたします。
もう一つ申しますと、
政府の方では百万戸住宅建設という計画を出されております。これも揚げ足取りで言うわけではありませんが、新聞を読みますと、百万という
数字が先に出て、お役所でつじつま合わせの中身をつくるのに苦労しましたなんという打ち明け話なんというのが何か新聞に載っておりました。まあそれは別にいたしまして、私は今の状況というのは、例えば東京や大都市でマンションを買おうと思ったらもう五千万円で買えません。五千数百万、六千万近いという状態でしょう。一戸建てのうちといったら、もちろんですが一億以上ですね。所得からいって、それを求めようと思ってもファンドもないしローンが組めない。今までの同じ手法で、住宅金融をやりますから、枠をふやしますからお買いなさいという方法はもう通用しないようなクレージーな状態になっているということなんですから。
例えば、特に公共所有地で未利用地の問題、これも
政府の方でも大分着目をされて
努力を始められておられるようであります。そういうところに、一挙に大規模でなくとも精いっぱい可能な範囲でひとつ
政府の方でもさまざまな援助措置を講じて、このクレージーなマーケットに追随するのではなくて、クレージーなマーケットの事情を変えていくような、そういうパブリックな、公共の
努力をやる。西
ドイツの
社会住宅なんという発想もそこからきているんだと思いますが、そういうふうなことは一体やれないだろうか。
その前提として、例えば首都圏、大都市圏などにおけるところの土地の利用状況か未利用状況などについての情報公開というのも大きなことではないだろうかというふうに思うわけであります。
ヨーロッパでの土地制度、それから自治体、公共に取得できる、その内容なんかも、
日本にも法律はありますが、
ヨーロッパは非常に充実をしている。私は、土地国債とかいろいろ
考えても、何か
考えてやったらいいのではないかと思いますが、三つ、四つ申し上げましたが、そんな柱も
考えられるということではないかと思います。
いかがでしょうか、そんなことも幾つかだけ出させていただきましたが、そういうことも含めて、十一月に
政府税調の小
委員会の答申が出るのを待っているという姿勢ではだめだと思います。せっかく今、
国会をやっているわけですから、こういう中で私どもも
提案したいと思います。
皆さん方からも大きな骨太の柱を提起をして、こういう問題をやりたい、やろうではないかということで、また
国民の各界あるいは専門家の人の御
協力を得るというようなことが、今
構造協議の一つの柱であるこれについても必要ではないだろうかと思うわけでありますが、土地といいますと関係大臣にわたるわけでありますが、御見解を。