○鍛冶
委員 そこで、これは
大臣もこの数字等については既にもうお聞き及びだし、勉強もなさって御理解をいただいておるところだと思いますが、こういう数字を具体的に聞いた上で、さらに
大臣の御
決意のほ
どもお聞きいたしたいと思うわけでございますが、余りにも少な過ぎる。
大臣いらっしゃったフランスに比べても、今たしか千九百億ぐらいというようなお話がございました。大方五倍近く、四倍半ぐらいの
予算でもって積極的にやっておるということでございまして、
我が国が経済
関係だけで世界各国とのつながりが強い中で、やはり今
芸術文化の面というのは非常に
考えなければならぬということが実は言われておるわけです。
これは
昭和六十三年の六月に
文化庁から出されましたいわゆる
文化白書と言われるものだと思いますが、この中の「
芸術振興の方向」というところの項にはこういうふうに書かれてあります。
芸術活動がいかに展開され、享受され、支えられているかは、その国の心の深さと豊かさを端的に表す指標でもある。
経済大国と目されるに至った
我が国が、
国民生活の精神的
充実を図る上で、また、
国際社会の一員として他国の友好と信頼を得て人類
文化に貢献する上で、
芸術の
振興は重要な
課題となっている。
明治以降、伝統的な
芸術を維持
発展させつつも、圧倒的な欧米
文化の影響の下で、西洋の
芸術の導入と吸収に没頭してきた観がある
我が国芸術界も、先人の
努力により、多くの分野で国際的に評価される水準に達しつつある。
我が国は、今や、人類共通の貴重な
芸術の成果を国際的水準において十分に自らのものとしていくとともに、伝統の基盤の上に立って
創造的
活動を展開し、
国民の心に深く根ざしつつ国際的にも評価される優れた
芸術を自ら生み出して行くことが強く期待される
段階にあると思われる。
そのためには、何よりも、
我が国の優れた
芸術家が、先進諸国と同等の条件で、才能を充分に伸ばし、かつ、発揮するとともに、
国民がその成果を享受できるように、先進諸国に劣らぬ諸条件の
整備拡充を目指していかなければならない。
こういうふうにあります。
今の次長の御答弁にもはっきりわかりますように、まず大切な、財政的な
予算規模からもう数段の違いがある。そしてさらには、「先進諸国に劣らぬ諸条件の
整備拡充を目指していかなければならない。」こう書かれてあるのは、そういういろいろな諸設備も含めてこれはもう格段に見劣りがしておるということにもなると思います。そういう
意味で、これはこの
文化関係予算というものの増額というものは私は強力に図っていかなければならない、こういうふうに思います。
この点について、再度具体的な
大臣の御
決意と、さらにはこれも議論の中で先ほどから行われておりましたけれ
ども、今回の
基金の問題でございますけれ
ども、
民間百億を加えて
政府の支出と合わせて六百億、こういう
基金から出発をするわけですけれ
ども、当初にはこれが
政府が一千億、それから
民間は二千億、合わせて三千億で出発しようというふうな計画であったというようなことが新聞報道等見ますと書かれてあるわけですけれ
ども、それがこういうふうに少なくなってきた。
この
理由は、先ほどからの御答弁もありましたから重ねてはお伺いいたしませんけれ
ども、これに対してしっかり取り組んでいくというお話はございましたけれ
ども、具体的に例えば
平成二
年度の時点での
予算編成の折にはこの補正
予算も通っておるわけではございませんでしたから、
基金というものが国会で認められたということにならないので、恐らくは
予算に組みにくかったものかというふうに私は思いますが、これはこの
法律がもう通りまして実際に実施になったという暁には、私は
平成三
年度からは年にひとつ五百億ずつぐらいは毎年この
基金に上積みをして、そしてやはりこれも
中西委員も議論の中で言われておりましたけれ
ども、実際には百何十億、百五、六十億という使える金があった方が大いに
日本の
芸術文化の向上には役立つ。まず当面の目安はそのぐらいは必要だ、そのためには
基金が三千億ぐらい要る、こういうことになるようでありますけれ
ども、それを目指して
平成三
年度から五百億ずつぐらいは積み立てをして三千億を目指す、こういう
決意で私はぜひ取り組んでいただきたい。
大臣も、これはでき上がるまで
大臣でおられるわけではないかもしれませんけれ
ども、次の
予算のときには
関係を恐らく持たれるであろうと思いますし、ここはひとつ
大臣の腹の据え方と腕の見せどころである、ひとつそういう
意味でせっかく
基金が発足するときの
大臣になられたわけですから、
平成三
年度には五百億はぜひする、こういう
決意で取り組んでいただきたい、こう思うのでございますが、いかがでございましょう。