○藤田(ス)
委員 それでは、次の問題に移ります。
私
ども日本共産党は、米の
輸入自由化を何としても阻止したいということで、あるいはもう
大臣御承知かもしれませんが、六月の十五日から全国の米
生産の実態
調査を開始いたしました。まだ
調査は始まったばかりでありますが、わずか宮城県、長野県の二県の
調査でも、日本の
農業の危機と
農業関係者、自治体
関係者の米
輸入自由化阻止の強い意思を私は体全体で受けとめて帰ってまいりました。青々とした
水田を見ておりますと、本当に何事もないようなのどかな農村ではありますが、しかし、この農村の内側では本当に胸が痛むような
状況であります。
一口に言って共通していることは、
農業に展望が持てない、そういう絶望感と、それから米の減反の限界感であります。先ほどからも出ていましたが、
農業後継者は、日本の代表的な米どころの宮城県で、七十一市町村あって新規学卒就農者はわずか三十三人、全国第一位の農家戸数を持っている長野県で二十四人、
農業従事者は高齢化しています。
私はいろいろな話を聞いてきましたので、これは幾ら時間をかけても
大臣に聞いていただきたくて、本当に歯がゆい思いがいたしますが、こういうことを言っていらっしゃるわけです。我々はもう年々いじめられてきた、それは財界やマスコミなどの
農業攻撃もあるし、政府のやり方もある、農家の気持ちの上で
農業離れが広がっており、
農協への出席も減ってきている、
農協の営農指導会などの出席
状況は年々減ってきているのだ、こういうふうなことを言われました。地域全体を守る気持ちが薄れてきた、
農業離れは
農業の危機的あらわれだ、そこら辺が一番恐ろしい、こういう訴えが次々に出されたわけであります。
それから長野県でも宮城の
農協青年部の後継青年たちも、最近の部分開放容認論というのですか影響
調査発言というのですか、公明党のそういう発言だとかあるいは竹下元総理のそれを支援するような発言というようなことを聞いて、もうそれだけで営農意欲がなくなっていく思いである、そういうふうに言われたわけであります。私は正直、答えようがありませんでした。そして、一%の
輸入で半分の米農家がつぶれるんだ、紙の上で数字を計算してどういう影響が出てくるかというような問題じゃないんだ、こういうふうにも言われたわけであります。もう既に減反で米の捨てづくりというのがふえてきまして、特に山間部の
水田は原野のようになり荒廃に拍車がかかり、地すべりや水害の心配があり、集落の半分が移転したとか部落じゅうが移転したというのを長野県で聞かされています。
また、構造
改善を行って二十年たって水路の自然崩壊が目立ってきているが、水路の改修ができないのだ、水番がいないというようなことも言われました。水を守れと言われたって、五キロも十キロもの水路の
維持、そんなことは無理じゃないかというようなことも言われたわけであります。きのうまで畑で田んぼで働いていた人が、ある日突然来なくなった、どうしたんだろうと思ったら、もうこらえ切れなくなってばったり倒れてしまった、そういう疲弊した姿というのを生々しくいっぱい聞かされました。
私はそれを全部ここで言えないのがとてももどかしいのですが、このままでも、現状でも減反の中で災害が起こりかねない、
農業危機が災害にまでつながっている、私はそういう実態を見てきたわけであります。したがって、米の部分
輸入だけでも農村が崩壊する可能性は極めて高い、私はこういうふうに言わなければなりません。私はここで時間もありませんので、
大臣がこのような農村
状況について一体どういうふうに御認識をしていらっしゃるのかということをお
伺いしたいわけであります。
〔大原
委員長代理退席、中川
委員長代理着席〕
そして、それだけの農村状態にありながら、重要な転作作物である麦の
生産者価格を引き下げるということがどうしてできるのか。これではますます農民に
農業への展望を奪うだけではないかというふうに
考えますが、この二点、
大臣の御答弁を求めたいわけであります。