○東(順)
委員 今、
現実に立脚した
議論をということで、なぜこういうことを私が述べたかと申しますと、さまざまに日本国内に、お米という、ことに対して完全自給かあるいは自由化かあるいは一部自由化かというような
意見というものがいろいろに分かれて
現実にあるわけでございます。それで大臣、このところいろいろな新聞で、もうとにかく何の変化もない、明らかに変化はない、これで戸板に載ってもあるいはもうぼろぼろになってもという大変強気の姿勢で発言をなさっておるわけでありますけれ
ども、
現実の日本という世の中を見たときにそれこそ
議論百出、さまざまにあるわけです。したがって、今私は大切なことは、こういうふうに世論がいろいろ分かれていていろいろな
議論が百出している中で、ああいうヤイターさんみたいな、いきなりアメリカからどんと石が飛んできたりして、そうしたらそれに対してまたばっと答えるというその
段階だけではいつまでも本当に
国民の成熟した世論というものはでき上がらないなというふうに私は思うわけです。したがって、先ほ
ども大臣がおっしゃっていましたけれ
ども、テレビに出られて一生懸命自分の信ずる道をしっかりと主張される、あるいは朝もおっしゃっていましたあぜ道行脚をしたい、どんどん対話をして、
現実の農業従事者の人たちと語り合って
意見をしっかり聞いていきたい、これも大変に大事な
努力だと私も思います。そして、日本というのはこのお米の問題についてはこうしていくんだ、こうしていくことが日本にとって一番ベストだし、またそれが世界の調和にもなる、だからこうなんだという堂々たる論陣をいろんな機会を通して私は張らなきゃいけない、そして、PRという言葉を使うと何となくちょっと低俗な感じがするのですけれ
ども、そういう主張をいろんな形でやって、そしてそれに対する
国民の反応というものをしっかりと吸い上げていかなきゃいけないというときに来ているんじゃなかろうか。これは本当に
国民的な関心事です。そしてまた、日本は二千年の米文化という大変な歴史を持っているわけです。したがって、そういうふうにしっかりと主張をして論陣を張って、キャンペーンをいろんな考えられる形でどんどんやって、そしてそういう中から、
消費者、生産者、農業
関係の仕事をされている方あるいは学者、さまざまな階層、各界の人たちから波状的に世論
調査というものをやってみるべきではなかろうか、そして、それがまた本当に極めて客観的な結果が出るように非常に中身の濃いものをやってみるべきではなかろうかというふうに実は私は思うわけでございます。
昨年秋、東京、神奈川、千葉、埼玉の主婦を対象に、お米の自由化問題に対して「コメの消費
動向調査」ということで、主婦連がアンケート
調査をやっておりましたですね。これで、自由化は反対であるという声が四二・二%、また、自由化賛成であるという声は三七・七%。反対が四二・二%ある、しかも昨年発表の
調査より三・七%ふえている、ああ、よかったな、こういう実感です。だけれ
ども同時に、まだまだ三七・七%の人が反対をしているという
現実がその向こう側にあるわけです。自由化反対の理由として、主食は自給すべきである、あるいは外国の米は安全性に不安がある、また、
現状のまま自由化すれば農家がだめになってしまう。非常にしっかり考えて
現実をとらえた声ですね。私は、こういうようなアンケートをやることによって
国民の意識がこのお米ということに対してもっと高まり、もっと深まりという大きな力になるというふうに思います。
また、先日は
全国農協中央会が、
全国の農協組合員が農村から都市へのメッセージ運動ということで大都市圏の友人知人にどんどん手紙を書こうという訴えをされておられましたけれ
ども、これもまたすばらしい。自分たち農家の立場を本当にわかり、お米という問題の難しさをよく
理解してもらいたいということで、どんどん手紙を書こうじゃないか、こういう積極的な動きを日本の中に起こして、そしてだんだん世論というものを成熟させていくということが私は政治の
一つの大きな
役割であり、使命ではなかろうかなと思うわけです。
四月の購買
状況調査によりますと、主食で米の支出が三五%ふえているというようなこともあるわけでございますので、何となくヒステリックにただ反対だ賛成だみたいなそういう極論的な
議論じゃなくて、これからは広範にそういうふうに
国民の中にしっかりと物を考えていく、そういう
努力を政治の責任としてしっかりと続けて、そして世論
調査もしっかり吸い上げて、そしてそういう
国民の大半の声というものをバックにして、これから大事な七月が終わる、そして後半戦に出ていくべきではなかろうか、そのように思います。そうして闘うことの方がはるかに強い力になる。大臣が一生懸命にやられているということは本当によくわかります。それだけに、やはり日本の主張、立場というものをもっと正確に、もっと迫力を持って世界に問うべきではなかろうか、そして、なるほどという結論を導くべきではなかろうか、私はこのように思うわけでございます。
ちょっと話が長くなりましたけれ
ども、どうか、そういうことにつきましてどのようにお考えになるか、お答え願いたいと思います。