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藤原委員 時間があれば
一つ一つについてお尋ねをしたい。農林省もいろいろな
努力をしていることは私も認めますけれ
ども、個々の問題につきましては
意見の分かれるところといいますか、実態的にはその割に実効性が上がっていない面もある。毎回この
価格問題につきましていろいろ議論になりますときには、こういう問題については附帯決議としましても出ておりますし、さらにまた建議の中にもこういうことについてはどちらかというと
努力しなければならぬということが入っているはずであります。特に農機具とか
農業施設とか、こういうものにつきましてコストダウンするような条件を当然農林省が考えてあげなければならぬだろうと思います。
補助金ほど高いものはない、こういうことはよく言われるわけでありますが、山の中に建てる牛舎、豚舎、こういうものが建築基準法にのっとらなければならぬなどという、こんなことはないわけでありますし、また建築基準法にのっとって非常口や避難のシグナルがなければならぬなどということはない、やはり実態に即した形でなければ、こういうことについては私も数年来訴え続けました。同僚
議員からもいろいろありまして、附帯施設とかいろいろなことについては農林省も随分検討してきておることは存じておりますが、建物そのものについてももう少し幅のある条件に緩和しなければならぬ。私
どもがこう申しますと、国から補助金をもらったものが風で倒れるようなそんな弱いものではいかぬ。そんなものを建てたら自分が困るのですから、そんないいかげんな弱いものを建てるわけはございませんし、それは当局で、建物についての検討をいたしております建設省などと十分に
お話し合いをしていただきまして、実態に即した、もっとコストダウンできるような条件を十分に考えてあげませんと、数字ではじき出したら今度は
生産費が下がっているぞ、こういうことだけで
価格を
決定されると行き詰まってしまう、そしてまた限界が当然出てくるわけであります。今日の酪農につきましては、一頭当たりの乳量とか頭数とかがEC並みになって、条件は大分そろってまいりました。しかし今一番問題になっているのは、農機具とか施設とか、農機具等につきましても中古等についての交換とかいろいろな工夫をしてやっていることは私もよく存じておりますけれ
ども、もっと他省庁といろいろ連携をとりながらそういう環境、条件を整えるような御
努力をしていただきたいことを私は御提起を申し上げたい。それから補助金等につきましても、アメリカに言われるとへいへいと言ってすぐ言うことを聞くのだけれ
ども、
国内のことはなかなかできないなどということではいかぬだろうと思います。もっと実態に即した形で
農家のやりやすいような、そしてまたコストダウンにつながるような、
生産性の上がるような形に持っていっていただきたいものだと思うのであります。
それから何といっても負債問題でありますが、
農家の
方々といろいろと
お話をしますと、何といっても急激に近代化をしてきたところに無理があります。形の上ではさっき申し上げたように一頭当たりの乳量がふえたとか頭数ではEC並みになったとかいろいろなことを言われますけれ
ども、そこにいくには負債を背負っているわけであります。この負債がコストダウンする上においては一番大きなネックになることは当然のことでありまして、そういう中で経営の
合理化のために大変に
努力していることはよく御存じのことだろうと思います。こういうことからしまして、今日負債の問題につきましては、皆さんのいろいろな
お話を聞きますと、統計数字の上では、最近はABCDのランクの上からいいますとCDが非常に減ってABが多くなったのだという言い方をしますけれ
ども、CDの
方々は離農なさって、いらっしゃらなくなったから数の上に上がってこなくなったのであって、実際そういう
方々が救われたわけでは、また健全経営になったということでは決してないだろうと思うわけであります。いろいろな条件の中でのことでありますから一概には言えないのかもしれませんが、そういうことで数字だけ見ますと非常によくなった数字が出ておるのですけれ
ども、実態的にはそういうことじゃございませんで、負債対策等につきましても十分な
状況判断をしていたしませんと、せっかく今
基盤を築きつつある、三年連続値下がりいたしまして、
生産費が上がって、さてここでというやや
基盤を築く条件が整ったところでまた足を引っ張るようなことになってしまったのでは今までの
努力が何であったのかということになる。こういうことからいたしまして、負債対策も今日までいろいろやってまいりましたし、またリリーフ
資金や何かでいろいろ面倒を見ようといういろいろな条件についても我々もよく存じておりますが、それはそれとしまして、五十年からの経験が必要だと言われているものを十五年、二十年の中に急激に規模拡大をそういうことでやってきたということでありますから、十分な勘案をして進めていただかなければならぬと思うのであります。
さらにまた、最近の
輸入食品の検査とか監視体制を強化せよということも言われております。
消費者の
方々は、
輸入食品に対する検査は公的なものが最近は非常に少なくなったのじゃないか、行政検査の割合がだんだん少なくなっている、こういう統計等を見ましていろいろ危惧の声も上がっているわけであります。これは一方からいうと、アメリカは早く検査をして簡素化しろと言う。アメリカからいうと
日本の方はそれに逆らうことになるかもしれませんが、人間の体をつくる大事な検査ということでありますから、この検査や監視体制の強化も少しも手を緩めてはならないと思います。
また酪農の
方々は、先ほど申し上げたように労働強化という、生き物を飼っているということで一日も休むことのできない
状況の中にありまして、ヘルパー制度の一日も早い拡充と強化が訴えられておりますが、都会では週休二日という
状況の中にありながら休むことのできない環境にある。こういうことからしまして、地方ごとにそれぞれ工夫をしてやっていることはよく存じておりますが、制度として拡充強化を進める、こういうことも
農村の後継者育成の上におきましては非常に大事なことだろうと思います。ことしは本当にこういう方向性の見出せるような
施策を進めていただきたい。
あれやこれや申し上げましたが、まとめて
大臣にこれらのことについての御
意見を賜って、終わりたいと思います。