○有川
委員 私は糖価安定
確立の立場で、鹿児島県の種子島におけるサトウサビ作に関する問題についてお伺いいたしたいと思います。時間がありませんので、一点に絞りたいと思います。
昨年の十月にサトウキビ
価格決定の際に
品質取引への転換時期が決められ、準備期間を五年間置いて
平成六年度から
実施ということになりました。この際、
生産者の不安を除去するために諸協議を行って、
生産者も十分な対応ができる状況に持ち込んでから導入する、そういう
方向が確認されたところであります。国はこれを受けまして、昨年の十一月三十日にサトウキビ
品質取引
推進協議会を設置をされました。県もまた同様に二月二十三日に設置したところでありますが、
品質取引の問題で、特に種子島においては心配をされております。サトウキビは種子島の農家にとっては特に主幹作目でありまして、その取り扱いが農家に対して影響を与えるからでありますが、種子島は
我が国においてはサトウキビの最北限
地域というふうになっておりまして、天候、土壌、温暖の差において奄美大島や沖縄地区とはどうしても
品質に格差が出てくるところでございます。これらをカバーするために、現地ではマルチ栽培の導入や栽培管理の徹底など
生産性の
向上にも努力をしてきておるわけでありますが、しかし、現在でも二段階に分けたブリックス取引において格差が大きくなっておりまして、
品質取引になればなお一層
品質格差が広がるということが予想されます。それだけに農家の不安は大きいわけであります。
新光糖業株式会社の工場がありますけれども、操業能力が小さいために操業期間が十一月下旬から五月中旬までの半年以上の長期にわたっております。これまで十一月ないしは四月、五月のブリックスは非常に低下をしておるわけでありますが、したがって
品質取引に移行した場合に、収穫適期でないこの時期は
品質低下によって大幅な減収になることが予想されております。また四、五月期の操業となりますと、適期栽培管理ができずに
生産性や
品質ともに低下の原因となっております。幸いにして、これまで能力アップを会社に求めてきましたが、中種子工場が設備更新を昨年十月に行いまして、約十五日間の操業短縮が見込まれているところであります。
平成元年度は十一月二十七日開始、四月二十三日終了の見込みでございますが、それでもまだまだ極めて不十分だと言わざるを得ません。
そこで求められるのは、
地域に適したわせ、なかて、おくての高糖多収品種の改良と
育成及び早期転換が重要となってくると思いますが、現在種子島で栽培
普及されております、八八%のシェアを占めておりますNCO310は、
品質取引が行われている台湾では全く栽培されていないと聞いております。鹿児島県では徳之島と熊毛支場において系統選抜、
生産力の検定等の試験をしておりますけれども、KF81—11の系統が早熟高糖品種として非常に有望視されており、早期に種苗登録を行うよう要望されておるというふうに思いますけれども、品種に対する国の評価と原原種圃としての登録がなければ対応できないというわけでございますので、登録のめどについてお聞かせを願いたいと思います。
また、農作物の品種改良は季節的なものでございまして、数年を要すると思われますので、国としての試験
研究の
充実が強く望まれるところでございますが、
考え方等現状をお聞かせ願いたいと思います。
また、機械化の
促進でございますけれども、種子島の機械化率を見てみますと、刈り取り機で〇・七%、脱葉機で一七・一%程度でございまして、値段もかなり高値になっております。この
研究開発の状況については、先ほどちょっと御答弁があったわけですが、非常に値段が高いわけでありまして、
実用化にもっと小型のもので早期に取り組まないといけないんじゃないか。かねてからかなりこの問題は取り上げて現地でも言っておりますが、なかなか進まないというのが現状でございます。いま一つ、その辺の
考え方をお聞かせ願いたいと思います。