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星野委員 これは時間をかければ切りがございませんので、一応その程度で承っておきます。
私も実は
松岡委員と同じように、
土地問題は、主として近時急激な
東京一極集中の進展により
土地の
需要と
供給の
バランスが崩れ、そこに投機的な取引が絡んで発生したものと考えるわけであります。したがいまして、
土地問題は、
東京一極集中を是正をして、
国土の均衡ある
発展を図ることにより
土地需要の
分散を図らなければ抜本的な解決は不可能である、こんなふうに考える次第であります。そういう
意味におきまして、
長官の
所信表明の中に、
土地対策の第二の柱として「
都市・
産業機能等の
地方分散の
推進」が示されておりますことは、まことに当を得たものと考えている次第でございます。
しかしながら、そのためのいわゆる
受け皿としての
地方の
生活基盤、
都市基盤あるいは産業
基盤、さらに
情報・通信
基盤などの
社会資本整備の充実が必要であることはもう言をまたないところでありまして、これにつきましては、先ほど
松岡委員が御
質問をされ、御答弁があったところでありますが、これにつきまして、現在日米構造協議等で公共投資の拡大が求められているというようなことで、
整備充実の環境も整いつつあるわけでございますから、一層積極的な
推進方の御努力をお願いを申し上げる次第でございます。
私は、その中で、
地方のいわゆる
生活環境、
生活基盤の
整備といたしまして、雪の問題をひとつ取り上げて、お聞きをいただきたいと思うのであります。
御案内のように、
我が国の豪雪地帯は二十四道府県にわたりまして、
国土総
面積の五一・六%を占めておるにもかかわりませず、そこに居住する
人口は総
人口の一七・六%であります。非豪雪地帯の
面積が
国土総
面積の四八・四%で、そこに居住する
人口が総
人口の八二・四%であることに比較をいたしまして、五分の一に近い極めて
人口密度が希薄な
状況であります。とりわけ積雪の特に多い特別豪雪地帯におきましては、その
面積が
国土総
面積の約二割を占めながら、そこに居住する
人口は総
人口の三・二%と極端に少ないわけであります。
このように豪雪地帯すなわち雪国の
人口密度が希薄でありまして、雪国の持つせっかくの
土地とか水、緑、エネルギー、観光
資源などが十分に活用されていない最大の理由は、近時の積極的な
取り組みにもかかわらずいまだ雪害の除去が十分でなく、それが人間定住の大きな障害になっているからにほかならないと思うのであります。
御案内のように雪害
対策は、これを大別いたしますと、道路の除雪、雪崩災害の防止、屋根雪処理の三点となるわけであります。前二点は積極的な
取り組みでかなり進捗を見ているところでありますが、問題は屋根雪処理でございます。
家屋等の屋根上の積雪が一メートル以上になりますと、家屋等が倒壊するおそれがあるため、屋根上の積雪を除去しなければなりません。これは通常雪おろしと称しまして、住民が屋根等に上がって屋根上の積雪を除去するわけでありますが、この作業は危険を伴う作業でございまして、毎年、屋根から転落するなどにより多数の死傷者が出ております。いわゆる五十九年、六十年、六十一年、三年続きました豪雪によりまして、これは新潟県の事例でございますが、新潟県だけで百二十三人、これは主として屋根雪おろしの
関係で亡くなっております。また重軽傷者も多数出ておりまして、死者、重軽傷者合わせますと千百十四人の人身事故が起きている、こういう
状況であります。
それから、近時のいわゆる高齢化の進展によりまして、自分で自分のうちの雪おろしのできない世帯が急激に
増加しつつございます。あるいはまた、産業構造、就業構造の変化によりまして働き手はいわゆる勤め人になっておりますから、勝手に会社や工場を休むわけにいかない、そういう
状況で、つまり昔のように人力で雪おろしをすることのできない社会
状況に急速に変わりつつある、こういう
状況であります。したがって、こういう雪おろしを人力でやることから脱却を図らなければ、このようないわゆる豪雪地帯に
社会資本の
整備をいたしましてもなかなか定住は進まない、過疎がむしろ進んでいく、こういうことになると思うのであります。
昨今、
地方自治体等で雪おろしの要らない克雪
住宅の開発普及に力を入れつつあります。また、さきの
四全総におきましても、「特定
地域の活性化」の記載の中に、雪おろしの要らない克雪
住宅の開発普及を進めなきゃならない、こう明確に記述もされているところでございます。
この問題はもう三年、五年と放置できない、少なくともこの雪おろしの
関係は、ここ五、六年の間に解決をしないともう取り返しのつかないことになるのではないか、実はそういう焦燥感に駆られている次第でございます。そういうことで、私はこの雪おろしからの脱却につきまして、つまり克雪
住宅の開発普及につきましては、
地方自治体だけに任せないで、国の方でもっと積極的に研究開発あるいはさらに財政援助を含めて取り組んでいく必要がある、このように痛感をする次第でございますが、この点につきましては
国土庁長官から御理解ある御答弁をお願い申し上げたいと思います。