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1990-05-30 第118回国会 衆議院 逓信委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二年五月三十日(水曜日)     午前十時六分開議  出席委員    委員長 上草 義輝君    理事 井上 喜一君 理事 大野 功統君    理事 鈴木 恒夫君 理事 園田 博之君    理事 前田 武志君 理事 上田 利正君    理事 武部  文君       赤城 徳彦君    金子徳之介君       小林 興起君    佐田玄一郎君       中山 正暉君    長勢 甚遠君       吹田  愰君    真鍋 光広君       村田 吉隆君    森  英介君       森  喜朗君    秋葉 忠利君       上田  哲君    川島  實君       田中 昭一君    松前  仰君       山下洲夫君    吉岡 賢治君       遠藤 和良君    河上 覃雄君       菅野 悦子君    中井  洽君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 深谷 隆司君  出席政府委員         郵政大臣官房長 白井  太君         郵政省郵務局長 小野沢知之君         郵政省通信政策         局長      中村 泰三君         郵政省電気通信         局長      森本 哲夫君         郵政省放送行政         局長      大瀧 泰郎君  委員外出席者         厚生省社会局更         生課長     福山 嘉照君         農林水産大臣官         房企画室情報化         対策室長    五十嵐清一君         通商産業省機械         情報産業局情報         処理システム開         発課長     瀬戸屋英雄君         建設省都市局都         市政策課長   福田 秀文君         逓信委員会調査         室長      辛島 一治君     ───────────── 委員の異動 五月二十五日  辞任         補欠選任   中井  洽君     塚本 三郎君 同日  辞任         補欠選任   塚本 三郎君     中井  洽君 同月二十九日  辞任         補欠選任   中井  洽君     塚本 三郎君 同日  辞任         補欠選任   塚本 三郎君     中井  洽君 同月三十日  辞任         補欠選任   伊藤 忠治君     松前  仰君   山下洲夫君     川島  實君   坂井 弘一君     河上 覃雄君 同日  辞任         補欠選任   川島  實君     山下洲夫君   松前  仰君     伊藤 忠治君   河上 覃雄君     坂井 弘一君     ───────────── 本日の会議に付した案件  特定通信放送開発事業実施円滑化法案内閣提出第三一号)  簡易郵便局法の一部を改正する法律案内閣提出第三八号)  放送法及び電波法の一部を改正する法律案内閣提出第三九号)      ────◇─────
  2. 上草義輝

    上草委員長 これより会議を開きます。  特定通信放送開発事業実施円滑化法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐田玄一郎君。
  3. 佐田玄一郎

    佐田委員 私は自由民主党の佐田玄一郎でございます。  本日は、特定通信放送開発事業実施円滑化法案について御質問をさせていただきます。  今日は非常に社会経済が発達し、健全なる情報流通重要性ということが叫ばれているわけでございますけれども、本法案がそれに非常に関係しておる。そういう意味におきまして、本法案骨子をまず明らかにさせていただきたい。そういう意味におきましては、本法案はどのような社会的背景のもとにその政策目的を達成しようとしているのか、まず冒頭、本法案を提出いたしました背景並びに本法案が達成しようとしている政策目的について郵政大臣にお伺いいたします。
  4. 深谷隆司

    深谷国務大臣 佐田委員の御質問にお答えいたします。  近年の社会経済情報化進展に伴って、産業活動あるいは国民生活など各般の分野で非常に高度で多様な情報流通に対する要請がふえつつあることは、委員御承知のとおりであります。また、東京への過度の集中を排して地方発展を図っていくためには、地域社会経済活動を活性化していくことが必要でございます。  このような社会的要請にこたえるためには、地域社会の健全な発展等に十分に配慮しながら、近年の技術革新成果を生かして、高度で、しかも多様な情報流通手段開発普及していくことが非常に大事だと思います。それを促進していくことも郵政行政の非常に重要な役割だと認識しております。  本法案は、このような現状を考えながら、電気通信による情報の円滑な流通促進して我が国情報化均衡ある発展に寄与しようとするものでございます。
  5. 佐田玄一郎

    佐田委員 ただいまの答弁、本当に積極的で、心から御敬服申し上げる次第でございます。  情報の円滑な流通促進に関して、本法案では、流通促進という政策目的に合致する事業特定通信また放送開発事業というふうに特定しておりますけれども、具体的に、この特定通信放送開発事業に該当するようなものは例えばどういうものがあるか御指摘いただきたい、かように思うわけでございます。
  6. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お答えいたします。  この法案目的といたしております電気通信による円滑な情報流通促進を図っていくという観点から、通信放送事業分野のうちの三つの分野を対象にいたしております。  一つは、新しい情報流通やその改善につながるという通信放送新規事業でございまして、これはいわば新たなサービスを提供する事業、あるいは新技術を用いましてサービス提供方法を改善する事業という分野でございます。例えて申しますと、放送分野ですと、今までの放送というのは一過性といいますか、記録性保存性というものはないわけでありますが、放送記録性があるファクシミリ放送といったようなものがこれに該当しようかというふうに思います。  それから二番目の分野といたしましては、地域における情報流通促進する地域通信放送開発事業でございまして、情報化がおくれております地域ニューメディア導入する事業というふうにお考えいただければいいんじゃないかと思います。考えられる事業といたしましては、都市型CATVを初めて地方導入しようといったような場合が該当するかというふうに思います。  それから三番目の分野といたしましては、研究開発成果である高度な電気通信技術情報流通に結びつける通信放送共同開発事業という分野でございまして、これは高度な電気通信技術企業化を図ろうという事業分野でございます。九〇年代の半ばにはサービスイン期待をされておりますハイビジョン伝送も可能になる広帯域ISDNといったようなものがこの分野として考えられようかと思います。  こうした通信放送事業分野特定いたしまして、これらの事業立ち上がり支援していこうというのが本法の目的であり、適用の事業分野の範囲でございます。
  7. 佐田玄一郎

    佐田委員 ただいまの御答弁、本当にいろいろと施策を講じておられると御敬服申し上げる次第でございます。  次の質問でございますけれども、近年における社会経済情報化進展は著しいと思うのですけれども、これはあくまでも情報化進展というのはユーザー側、私どももよくPOSシステムであるとか、またキャプテンであるとか、いろいろ聞いておるのでございますけれども、これは参考にということなんでございますが、産業界国民生活において情報化はどのように進んでおるか、事前にこれをお伺いしたい、かように思うわけでございます。
  8. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生指摘のとおり、今日の社会におきましてはあらゆる社会経済分野情報化進展をしているわけでございまして、情報の持つ役割重要性というものは非常に増大をしてまいっております。今後とも情報化は一層進展していくであろうというふうに考えられるわけでありますが、例えば産業経済分野で申しますと、情報通信機能を活用することによりまして企業活動を効率化する、合理化するといったような機能もございますし、また実際の製品が本当に消費者ニーズに合致したものをつくろうということになりますと、市場のニーズを的確に把握するために情報通信機能を活用するといったようなことに使われております。  あるいは、経営の意思を決定するためにもあらゆる必要な情報を集めまして迅速な経営判断といいますか、そういったものが行われるためにもこの情報通信の機器を装備するといったようなことが企業では盛んに行われているわけでございます。  また、国民生活分野におきましても、テレビでありますとかCATV普及によりまして大変生活が潤いのあるものになっておりますし、また便利にもなっております。今後、余暇がますます増大をするといったような時代を迎えますと、家庭におきます情報通信の活用というものも一層高度化要請される時代になってくるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  9. 佐田玄一郎

    佐田委員 今の御答弁で、確かにこれから非常に余暇がふえる、そういう中においていろんな意味で先ほどのキャプテンであるとかCATVは非常に使用頻度がふえてくる、かように思うわけでございますけれども、この法案骨子を明らかにするために、さらに現在通信放送事業はどのような状況にあるのか、非常に社会経済の発達の中で情報産業というものが進展しておりますから、それの要するに通信放送事業現状ということとこれからの問題点、この二点についてお伺いしたいと思います。
  10. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 情報化進展背景にいたしまして、情報流通に係る通信放送分野重要性増大をしてまいっておるわけでありますが、この分野への、例えば家計におきます支出の面を見てみますと、昭和四十五年から昭和六十二年の間に家計が負担します通信費は四倍に増加をいたしております。また、企業情報化投資というものも年々増加をしておりまして、設備投資に占める割合を見てみますと、昭和四十年には二%にも満たなかった状況でございますけれども昭和六十年は実に一〇%近くなっております。今日、大変好景気が続いているということが言われているわけでありますが、この景気を支えるのが個人消費とそれから設備投資ということが言われているわけでありますけれども、この設備投資情報関連設備投資が圧倒的な牽引車になっているということも言われておるわけであります。また、特に昭和六十年の通信自由化以降、電気通信を中心にしまして、五年の間で九百社を超えるような新しい事業者が生まれてきております。  しかし、こういった通信放送事業の活況の状況でありますけれども現状を見てみますと全国的には必ずしも均衡のとれたものとなっているわけではございませんで、通信放送事業東京等大都市への集中が非常に地域間の情報格差を生じさせているという状況にございます。例えば、地域密着型の情報メディアとして期待されております都市型のCATV普及状況を見てみますと、東京都では既に十局が開局しているのに、まだ一局もない府県が二十六もあるといったような状況でございます。通信放送分野事業といいますのは初期投資に非常に莫大な経費がかかるといったようなこともございまして、なかなか立ち上がりに苦労するという実態にございます。VAN事業でありますとかあるいはCATVなどの多数の中小規模企業がこの分野に参入するというふうに見込まれておるわけでありますけれども、どうしても企業立ち上がりにはいろいろな支援をすることが大切ではないかというふうに考えておる次第でございます。
  11. 佐田玄一郎

    佐田委員 先ほどの答弁にもございましたように、非常に地域間格差というか、民間並びに第三セクターのそういう放送事業のものが少ない。はっきり申しまして、私ごとで恐縮でございますけれども群馬県には一つもないというのが現状なわけでございます。それを問題にする前に、地域間格差というお話が今出ましたので、郵政省の方では情報格差によって地方がどのように困っているのかということについて資料等があれば御説明をいただきたい、かように思うわけでございます。いかがなものでしょうか。
  12. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 郵政省におきましては、昨年地域情報化情報機能地方分散を進めるためにどういった施策を講じたらいいかということにつきまして、いろいろアンケート調査実施をいたしました。  そのアンケート調査を見ますと、地域において通信放送サービスが劣っていることによってどのような弊害が生じているかという質問に対しまして、これは地方公共団体あるいは地方の有識者に対して御回答いただいたわけでありますが、その結果を見ますと、産業活動の面については、顧客情報の収集、利用が十分にできない、あるいは消費者の動向の把握がどうしてもおくれがちだといったような指摘がなされております。また、住民生活の面では、生活関連情報のニュースでの通信等利用が困難であるとか、あるいは教育等通信放送利用できないとか、過疎地域との連絡が不十分といったような指摘がなされているところであります。情報化格差によりまして将来生ずると考えられる問題を聞きますと、若年層が定着せず、地域高齢化を招くといった御回答や地場産業が衰退する、地域独自の文化が維持できなくなるといったような問題点指摘をされているところでございます。
  13. 佐田玄一郎

    佐田委員 私は、本法案につきましては、この地域間格差ということが非常に問題になっているような気がするわけでございます。そういう意味におきましても、都市地方情報格差というのは社会的な不均衡インバランスにもつながるのではないかと危惧しておるわけでございます。しかしながら、郵政省の方といたしましても、多分、事前にその格差をなくすべく国の方としても施策を講じてきたのではないかと私なりに想像するわけでございますけれども郵政省といたしましてはどのような施策を講じてきたのか、今回の法案はこれまでの施策との関係でどのような位置づけになっておるか、この二点をお聞きしたいと思います。
  14. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 電気通信高度化することによりまして地域情報化を進めていくということは、地域におきます振興にも大きな役割を果たすわけでございまして、郵政省としましても、従来から地域間の情報格差を少しでも解消するためにさまざまな施策実施してまいりました。例えばテレトピア計画でありますけれども、これはいわばモデル都市拠点にしまして、そこでニューメディアの実体験をしてもらう。そしてそれを拠点に全国的なニューメディアの展開を図っていこうというようなことで昭和六十年から実施をしているわけでありますが、そういったテレトピア計画でありますとか、あるいはハイビジョン普及をさすということでハイビジョンシティー構想というものにも取り組んでおります。また、そのほか地域における通信放送事業拠点となりますテレコムプラザでありますとかテレポートでありますとか、いわゆる民活法施設整備事業といいますか、そういう情報通信関連施設整備というようなことにも取り組んでおるわけであります。またさらに、昨年度末というかこの三月にも当委員会でも御審議をいただきました衛星放送利用した難視聴地域における受信対策といったようなことにも取り組んでいるところでございます。  この法案による施策といたしましては、地域における情報の円滑な流通促進するという観点から、通信放送分野の新たな事業の開拓、あるいはニューメディア導入がおくれている地域への事業導入といいますか、ニューメディア導入支援していく、あるいはまた特定の新技術開発共同企業化をしていこうといったような事業に対しまして、債務保証でありますとか利子補給でありますとか、従来にない金融的な支援というものを用意をしまして、地域情報化を一層推進できるように手当てをしていきたいというふうに考えておるところでございます。
  15. 佐田玄一郎

    佐田委員 先ほどの御答弁でわかりましたように、非常にテレトピアハイビジョン、いろいろと施策を講じられてきたところでございます。地域間の情報格差の拡大は、今後日本の地域社会発展に重大な阻害要因にもなりかねない問題であると私も思うわけでございます。そしてまた、社会全体のソフト化、そして情報化が進む中で、今地域大都市との情報格差を縮めていかなければ情報化の波に乗りおくれ、産業構造の変化に適応できず、地域社会の永続的な発展期待できないという危機感が強まっております。このような産業の全国的な発展国民生活の全国的な均衡のとれた向上を図るために、全国的な要するに情報均一化を図ることが不可欠であり、本法案の非常な要点ではないかと私は思うわけでございます。そういう意味におきまして、今回の特定通信放送開発事業、これは情報の要するに均一化という面についてどういうふうに役割を果たしておるのか、お伺いしたいと思います。
  16. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この法案目的といたしますところは、情報化進展に関する地域的な均衡を図りながら情報化に係る諸活動バランスよく発展させていこうということが目的でございます。先生指摘のとおり、この情報化均衡ある発展を図ることは、この法案が果たすべき中心的な課題でございます。  具体的には、特定通信開発事業のうち地域通信放送開発事業という事業分野が、地方における情報の円滑な流通促進することによりまして情報流通に関する地域間の格差の解消に貢献するものではないかというふうに考えておるところでございます。また、通信放送新規事業でありますとかあるいは通信放送共同開発事業にありましても、情報流通手段を多様化させまして、より効率的な情報流通の実現を図るということに効果があるのじゃないかというふうに考えております。
  17. 佐田玄一郎

    佐田委員 次の質問に移らしていただきます。  情報化産業分野でも国民生活でも今後ますます進展していくようですが、我が国現状を見ると、情報化発展には弱点があると思われるわけでございます。例えば情報化にうまく適応できない高齢者身体障害者のような社会的な弱者の問題、そしてまた銀行のオンラインシステムの事故の問題があるわけでございます。郵政省情報の円滑な流通促進政策目的として情報化政策を進めていくに当たっては、このような情報化弱点にも十分配慮することが必要なわけでありますが、郵政大臣におかれましては、今後の情報化を進める場合の課題についてどのように御認識されておるか、お伺いしたいと思います。
  18. 深谷隆司

    深谷国務大臣 社会全体の情報化進展に伴いまして、さっき御指摘なさった大都市地方、あるいは大企業中小企業、あるいは若者と高齢者、その間のさまざまな格差が拡大してまいりまして、社会全体の情報化が不均衡なものになってしまうおそれがございます。この点に十分に配慮を加えながら政策を進めていくということが非常に大事なことであるというふうに思っています。  ただいま御指摘の、例えば弱点というのを具体的に申し上げれば、世田谷で火災事故が起こったときに電話サービスの停止などが起こった、あるいはコンピューターの例のウイルスによる侵害、あるいはプライバシーの侵害ども大きな問題点一つであろうと思いますし、広告をファクシミリで一方的に送付するというファクシミリ公害などというのも起こっておりまして、考えてみると、情報が充実し拡大されてくるに従って、今佐田委員指摘のような逆の、つまり陰の部分というのが起こってくるような状態が非常に顕著に見られます。  ここいらを抑えながら、障害を取り除きながら、情報の円滑な流通をどうやって進めていくかということが非常に大事でございまして、そういう意味では情報化マイナス面の防止のためにも積極的に対応していかなければならないと思っております。どうぞ、そういう意味では、佐田委員のような若いお立場からさまざまのお気づきの点をこれから郵政省にもお示しいただいて、大いにひとつお互いにそれらのマイナス面を避けていくようにさせていただきたいと思っております。
  19. 佐田玄一郎

    佐田委員 大臣、どうもありがとうございます。  やはりこの社会的弱者、そしてまた流通機構の中における難点と申しますか、これはあくまでもその使用する側で、ユーザーの方で非常に使いづらいという部分もあると私は感じておるわけでございます。  最後になりますけれども、これは質問ではございません。先ほどの話に返りまして、私ごとで大変恐縮でございます。  私は群馬県の出身でございますけれども群馬県は山間部並びに過疎地が非常に多くて、東京とかまた大都市の方々にはなかなか理解の範疇ではないかもしれませんけれども、こういう山間部過疎地においてはとにかく迅速かつ的確な情報を非常に必要としておるわけでございます。そしてまた、災害時、こういうときには十分、そして一時間というのが死命を決するような場合もこれはあるわけでございます。そういう中におきまして、大変恥ずかしい話でございますけれども群馬県には、先ほども申し上げましたように、民間並びに第三セクターの例えばCATV、こういうものはないわけです、ゼロです。私、郵政省資料を見せていただきましたら、ほかの通信関係もほとんどないわけです。非常に寂しい話でございますけれども、そういうのが現実なわけでございます。  そういう弱者、要するに情報弱者と申し上げますか山間部または過疎地人たちに光を当てるということが、大変大上段で恐縮でございますけれども、私は政治ではないかと思うわけでございます。しかしながら、普通でしたら、先ほど郵政省の方から御答弁がございましたように、東京ですら十局ぐらいしかないのです。それはどうしてか。私は考えますに、私も企業出身ですから、これはやはり企業に魅力がないと私は思うわけでございます。簡単に言えばもうからない。であるからこそ、私は国の施策としてこういう通信網整備をよくし、そして要するに情報弱者皆さん方に光を当てていただきたい、強く郵政大臣並びに関係各位皆さん方にお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
  20. 上草義輝

    上草委員長 次に、真鍋光広君。
  21. 真鍋光広

    真鍋委員 私は、四国玄関と言われます高松の出身でございます。四国玄関といいます以上は、やはりいろいろな意味情報中枢管理都市ということがいわば都市としての生存価値になるわけでございますが、その意味合いにおきまして、いわゆる電気通信行政というものに対して大いなる期待を持っておるものでございます。そういう意味合いにおきまして、技術革新成果企業化する、助けてやろうじゃないか、この円滑化法というのはまことに有用な法案であり、また時宜を得たものだ、このように考えておるわけでございます。そういった観点から、若干これにかかわる御質問なり御意見なりを申し述べさせていただきたい、このように思います。  私どもにとりまして、政府の進めております多極分散型の国土形成、非常に意味のある、夢のある話でございます。どうしてもこれを総合的に進めていただきたいと考えておるわけでございまして、その意味におきましては、私どものところにも道路網も、そうは申しましても少しずつ高速道路もできつつございます。いずれにしましても、一つの予定の中に入っておるわけでございます。また鉄道も、新幹線こそまだ乗り入れができておりませんが、瀬戸大橋もできたということでございますし、非常に便利になってまいった。飛行場も、大変おくれましたが、ようやく東京と一時間でつながるようになったということでございます。時に大阪から東京に向かうわけでございますが、ジャンボだとかえって時間がかかりまして、乗りおりに時間がかかり結局東京―大阪も一時間ちょっとかかりますから、四国の高松から東京に来るのも同じぐらいの時間で来るということで、非常に便利にはなりました。しかし、東京との便は片道一日六便でございます。たかだか一日七百人なり八百人が移動するだけでございます。往復して千五百人まででございます。  そんな意味合いにおきまして、私どもとしては、何としてもこの電気通信分野において空間を超えて、東京あるいは大阪と地方都市というものが本当に遜色のない情報を同時に持ち得るんだ、しかも低廉な料金で持ち得るんだ、このような都市づくり政策をぜひ進めていただきたい、こう思うわけでございます。その意味におきまして、テレトピアという、まことに命名がよろしかったと思うのですが、夢を与えてくれる政策を打ち出されて、六十年に第一次指定があったわけでございますけれども、それからもう既に五年がたとうといたしておるわけです。どのような進捗状況、どのような評価になっておるのか、ひとつ簡単にお聞かせいただきたい、このように思うわけでございます。
  22. 深谷隆司

    深谷国務大臣 真鍋委員がいろいろな角度から勉強しておられることに敬意を表します。  テレトピア構想は、御案内のように、CATV、ビデオテックス、データ通信等ニューメディアモデル都市集中的に導入することによって地域情報化促進していこう、地域社会の活性化を図っていこうということで今日まで努力をしているわけでございます。昭和六十年三月以降これまでに七十三地域テレトピアに指定いたしまして、三百システムが計画されております。現在六十六地域において百六十三システムが稼働しているという状態になっております。
  23. 真鍋光広

    真鍋委員 私の郷里での評価によりましたら、テレトピア、一応名のりを上げておかなければいかぬのじゃないかということで名のりは上げておりますけれども、必ずしも、夢がどこまであるかは別としまして、夢を十分満足させるまでにはいっていないという状況でございます。それにはいろいろな事情があろうと思うわけでございます。そういったものが根づくだけの基盤がないということかもわかりません、あるいは育ちつつある過程であるということかもわかりません。  ただ、私思いますのは、このテレトピアという物の考え方というのは、いわばその都市を大いに発展させるというために、情報通信の力を特に与えるということではなくて、むしろその地域を前提として、地域の中での情報を円滑化させることによって生活がやりやすくなる、快適な生活ができる、便利になる、こういった観点からとらえられておるというふうに思うわけでございますが、地方都市問題点というのは、何と申しても大都市情報に比類する、それに決して劣らない、地理的に離れてはおるけれども、同じような条件のもとで、企業が来てもその企業に遜色がないような情報を与えられる、そのような積極的な政策というものを求めておるわけでございまして、そういった意味合いにおきましては、私は、テレトピアとかそういったものをもう一つ超えた、その地域、特に地方中核都市を大いに育てるような、情報面で武装するような政策をぜひとっていただきたいと思うわけでございます。  そういう目で本省の行政要覧を拝見いたしておりましたら、情報通信基盤開発構想というのがございまして、それによりますと「本構想は、地域ブロック(広域情報圏)の中枢都市、中核都市において、最先端のニーズに対応しうる高度な情報通信サービスの提供を可能とする先進的な情報通信基盤を、これまでの都市基盤と一体的に整備した拠点開発し、」「この拠点間をネットワーク化することにより、」「広域情報圏の自立的発展を促し、地域振興、地域の活性化が図られることになるものです。」という言い方をいたしておりまして、この文章を見る限りは、地域情報武装を与える、大都市との関係におきましても、自立、発展し得るような基盤をつくっていこう、こういう意欲が見えるような気がいたすわけでございますが、その点はいかがなものでございましょうか。御質問いたします。
  24. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生指摘のとおり、現在の我が国の国土政策の大きなねらいは、多極分散型の国土形成をいかに図っていくかということであろうと思います。  そういう中で、四全総の中にもこの情報通信に触れての記述があるわけでありますが、情報通信については高度な情報通信体系の全国展開等長距離通信コストの低減あるいは「都市基盤整備にあわせた高度な情報通信基盤の整備、業務地域の核となるインテリジェント・ビルの建設の促進等、高度情報化進展に対応した都市づくりを進める」等の指摘が四全総の中にも記述されているところでございます。  私どもも、地域情報化を図っていくという場合に、何といいましても地方情報の発信機能あるいは受信機能を向上させることが本当の地方における都市の自立的な向上につながっていくものであろうというふうに考えておりまして、地方の中枢都市あるいは中核都市を中心にしました場所におきまして、いろいろと都市の再開発等大規模な基盤整備が行われているわけでありますが、そういう際には同時に道路をつける、あるいは下水をつけるといったような公共事業と同じように、高度な情報通信基盤を先行的に整備をしておくということが非常に大切ではないかということで、テレコムタウン構想という名のもとにいろいろと研究をしているところでございます。民間のたくさんの団体もそういった情報通信基盤構想を自主的に推進してまいろうというようなことで、三百社近い企業とかあるいは学者、メーカーとが一緒になりまして、研究をしたり私どもに提言をいただいたりしているところでございます。
  25. 真鍋光広

    真鍋委員 私どものところも瀬戸大橋とともに連絡船が廃止になりました。港が一部不要になるものですから、埋め立ててひとつ港頭をしっかり新規に大整備しようじゃないか、こういう話があるわけでございまして、ただいまお答えのテレコムタウン、そういうものにふさわしいのかなと思ったりもしてお聞きしたわけでございます。  私いろいろ申し上げておりますのは、何と申しましても通信料金を安くしなければどうにもならぬじゃないかということでございまして、これを安くしていくためには、何としても競争条件というものを整えていかなければいかぬと思うわけでございます。その意味では、電電公社を民営化したその民営化、それからそれに続きます新規企業の誘導、非常に成果が上がり、行政の実を上げておる、このように考えるわけでございます。  ただ、さきのNTT見直し作業の収拾過程でも、電気通信事業の一層の活性化を図るために必要な規制緩和を実施するということを本省でもお話ししておられますけれども、私は規制緩和というのはどうしても必要だと思うわけですが、現在頭の中に置いておられます電気通信事業分野での規制緩和はどういうものがあるのか、あるいはその他新規企業の参入に対してどのような誘導施策を考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
  26. 森本哲夫

    ○森本政府委員 真鍋先生のお話のとおり、この民営化のねらいというのは、日本が世界で一番高いと言われておりました遠距離通話料金の引き下げということに大変照準が当たって今日の改革が行われたことは御指摘のとおりであります。幸い、これまでの間、いろいろな競争も実り、NTTの効率化も進みまして大分料金が下がってまいりました。ただ、例えば先生の先ほどのお話の高松あたりにしましても、市内料金に比べますと大体三十倍やっと切れたという、ところが世界各国を見ますと、イギリスあたりではせいぜい一番遠い所へかけても市内の四倍くらい、アメリカあたりでも十倍ちょっとくらいだ。そういう意味でぜひ遠距離料金をさらにまた下げる、もちろん市内料金も含めてでございますが、大事なことだと思っております。そういう意味では、やはり競争条件を十分実らせるということが当面大事なことだ。  ただ、御案内のとおり、新しい事業者は単独にビジネス展開できないのでありまして、すべてNTTのいわゆる市内網、一軒一軒の電話をつないでいるネットワークにいわばつないでもらって初めて成り立つ、おんぶをしながら競争するという、日本でもほかの産業構造に見られない特異な市場構造になっておりますので、今回、御案内のとおりのNTTのあり方の見直しということで、こうしたいわば公正競争条件の整備を図ろうということで、当面NTTとのネットワークの接続の仕方をもっと容易にするということでいろいろな措置を講じてまいりたい。  例えば、接続点も主としてNTTの都合で決まっておるということを、もっとオープンに接続してもらう、あるいは接続しても、単純につないでも、ID化ということができないと、これは新電電で発信した人だ、あるいはNTTのサービス利用したという料金がわからなくなっちゃうという問題がございますので、そのID化の促進、これにはネットワークのディジタル化ということも大きく問題でございますので、こうしたいろいろな競争条件の整備を図る。同時にNTTの方にも収支を明らかにして、何でも俗っぽく大福帳みたいな格好にしないで、競争条件が明示できるような長距離事業部あるいは地域事業部の導入というようなことも今回やっておるわけでございます。いずれにしても、そういう形で前進をさせる、基盤づくりをする。  それから、規制の問題でございますが、料金は本当に市場経済にゆだねられればこういう料金規制は必要ないのでありますが、こういう競争条件でございます限りはできるだけ不要なものにはしたいと思いますが、国民、利用者の利益の促進という視点からはこれまた必要なゆえんもございますが、端的に申して国民の利益に必要のあることならばひとつ大いに緩和を図っていきたい、そのことが利用者の利益の促進になる、こんなつもりで過去取り組んでおるところでございます。
  27. 真鍋光広

    真鍋委員 新規企業がどんどん参入できるように必要な規制緩和をぜひ進めていただきたいと思うわけでございます。  これと若干関連いたすわけでございますが、将来の問題としまして私、理屈の上でございますが若干心配をいたしておるのは、実は電気通信に関する事業でございます。  電電公社の時代政府固定資本形成の中に入っておったわけですが、民営化されましたからそれは入らない、いわゆる民間の投資ということになるわけでございますが、今後いろいろ大深度の開発ということでおよそ電気通信その他もろもろの通信関係のものを大深度に敷設していくというようなことを考えた場合に、民営化されたNTTというものの設備投資を自由意思にゆだねてよろしいものかどうか、よくわかりにくいかと思いますけれども、若干そんな心配をいたしておるわけでございます。  現在、NTTの説明だと年間一兆七千億円の設備投資をやる、今後五年間で九兆円の設備投資をやるということでございますし、これをやるということが明確になって事業を進めておりますからそこまではいくでしょう。しかし、それから先の話として、一般株主の意思によって支配される株式会社、その設備投資に日本の通信行政の将来のほとんどがゆだねられるということで果たしてよろしいのかどうか。そういう意味合いで、郵政省の予算の公共事業関連があるのかなと、ちらっと見ましたら、およそあるのかないのか、微々たるものでございました。  私は、やはり民営化が進み、新規参入がどんどん進んでいる以上は、それらを全体としてあわせましていわば大蔵省の財政投融資計画みたいなものであったにしましても、通信事業分野における一つ事業投資規模の見積もりといいますか、あってほしい事業水準あるいは地域配分、こういったものが将来的になければならないんじゃないかということを若干考えております。よく練れていないので、ここでお話ししていいかどうかわかりませんが、そんな感じを持っております。  そこで、この円滑化法案でございますが、非常に時宜を得たものだと考えております。しかし、これは実際に実施していくとなるとなかなか難しい問題があろうかと思うわけでございます。  一つは、通商産業管所管の事業分野とどういうところで区分けがあるのか。恐らく工業分野におきましてはほとんど、九割ぐらいまでが通商産業省所管の分野になるわけでございまして、そこでもそれほど大きな実績は恐らくないのだろうと思うわけでございますが、この基金というものをどのように育てていこうとしておられるのか、そのあたりを伺いたいと思うわけでございます。  それとのかかわりで、既に六十年十月の基盤技術研究円滑化法のもとで発足しております基盤技術研究促進センター、これの事業内容といいますか、少なくとも出資であり投資でありあるいは融資である、こういったものの利子補給の中身は、手法は同じでございますか。それとのかかわりはどうなっておるのか。及び通商産業省所管の産業基盤整備基金、これは昨年の十月ですか十二月ですか、発足いたしておるわけですが、これとの連携、さらにまた、わかればその実績みたいなものを御説明いただけると幸いでございます。
  28. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生指摘のとおり、情報通信基盤整備というものをすべて民間の独自の施策にゆだねてしまうことが本当にいいのかどうかという問題があろうと思います。民間経営意思といいますか、そういうものに完全にゆだねてしまうということになりますと、どうしても市場の情勢でありますとか経営として成り立つ分野にのみ集中的に新規投資が行われるといったようなことがありまして、均衡ある情報通信基盤整備という面から見ますと、いろいろ問題があろうというふうに私どもも考えておりまして、そういう立場からは当然国としても配慮をしていかなくてはならぬ分野があるという考えのもとに、本法もその一部でございますが、すべてをカバーするというものではございませんけれども、そういう分野支援をするという立場で考えているわけでございます。  それで、先ほどお尋ねの基盤センターあるいは産業基盤整備基金との相違といったような点で申し上げますと、本法によりまして支援をしていこうという内容は、衛星通信機構を通じまして特定通信放送開発事業者への債務保証でありますとか利子補給でありますとか、そういった金融関連業務と、それから企業化に役立つような情報提供業務というものを衛星機構にやっていただくというのが一つ支援策であります。それに対しまして基盤技術研究促進センターの役割というのは、民間において行われる情報通信関連の基盤技術試験研究の促進を図っていこうという立場で、試験研究費の出資でありますとか、あるいは貸し付けを行う、その他試験研究のあっせんを行ったり、受託によって試験研究を行うという役割を持っているものでございます。  他方、産業基盤整備基金の方でございますが、これは民活法施設の整備のために債務保証を行うという仕事がございますけれども、そのほか産業構造転換法等に基づきまして、不況地域の三セクへの出資、債務保証等の業務を行っているというふうに私ども承知をいたしております。  各法人、それぞれに業務を行う目的なりあるいは支援手段というものは違っておるわけでありますけれども、先ほど申しましたように、本法による衛星通信機構の支援手段としましては、債保、利子補給、それから一部出資と情報提供業務という状況になっております。
  29. 真鍋光広

    真鍋委員 本法における業務の中で出資というものがございますが、出資に関してはどういう企業にどのように進めていこうとしておられるのか、お伺いいたします。
  30. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 衛星通信機構が行います出資業務につきましては、産投からの出資を五億円いただく予定になっておりまして、非常に立ち上がりに苦労をするであろう通信放送新規事業分野に対しまして、民間資金の呼び水の意味もありまして出資を行おうというふうに考えておるところでございます。
  31. 真鍋光広

    真鍋委員 私の質問の趣旨は、いわば新しい事業化でございますからいわゆるベンチャーの部類に入ると思うわけで、そういった意味合いで衛星機構からまた出資するわけですね。出資というのは、あるいはベンチャーキャピタルを育てて、そこからいろいろな形で企業化する事業に出資あるいはいろいろな形での援助というものを、立ち上がりの援助をしていく、こういう手法をとるのか、あるいは直接的に一つ一つの細かいものに出資という事業といいますか、そういったものを進めていくおつもりなのか、その点をお聞きしたいと思ったわけでございます。いかがでございますか。
  32. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 私どもが考えております出資はベンチャーキャピタルを育成するということではございませんで、通信放送分野の新規事業を個別に判断をいたしましてその立ち上がり支援しようということでございます。
  33. 真鍋光広

    真鍋委員 わかりました。  いずれにしましても、本法の対象になってまいりますのは大企業であるとは思えません。中小零細企業であろうと思うわけでございます。あるいは、企業までに至らぬ個人であると思うわけであります。その企業化を助けていこう、立ち上がりを助けていこう、こういうことでございます。それだけに、ひとつPRに関しましては末端まで及ぶようなきめ細かいPRをぜひやっていただきたいと思うわけでございます。どのようなPRの仕方といいますか、普及宣伝を考えておられるのか、簡単にお伺いしたいと思います。
  34. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この法律に基づきます制度の活用につきましては私どもも大いに期待をしているわけでございますが、その制度の周知といいますか、理解徹底を図るという意味におきましては、郵政省地方機関を活用するとか、あるいは通信放送分野事業者団体等々にも十分趣旨を徹底しまして周知を図りたいと思っております。特に地方電気通信監理局におきましては、新しく事業を起こそうという人たちに、この法律に基づく支援措置につきましていろいろ周知徹底を図ると同時に、その起業を企図する人たちに十分相談業務をできるように、いわゆるコンサルティングができるように取り計らっていきたいというふうに考えております。
  35. 真鍋光広

    真鍋委員 金融機関などにもいろいろな意味情報といいますか、相談が事業者から上がってくるわけですから、ひとつそこらあたりも必要に応じてPRしていく、その手段一つとして考えていかれたらいかがかと思うわけでございます。  最後に、私、荒っぽい話でございますが、郵政省という省名を変更することをひとつ検討していただいたらどうかと思っておるわけでございます。といいますのは、私はとにかくこの通信事業というものに対して大変大きな期待をかけておるわけでございます。  沿革的に見てみましたら、かつての逓信省、逓の字をちょっと国語辞典で引いてみますと、「物を宿つぎして伝え送る」、宿を伝わって送る、一つずつ送っていく、こういうことでございまして、昔の通信手段をよくあらわしておるような言葉であると思います。戦後郵政省となったわけでございますけれども郵政省と同時にまた電気通信省ということになり、電電公社の公社化、二十七年でしたかになったことに伴いまして電気通信省というのは消えたわけでございます。  しかし、そうはいいましても郵政省、公社という形で、電気通信省の流れは郵政省ともう一つ流れておったと思うわけであります。もちろん、監督行政は郵政省にあったにしても、二十三万対二十七万というようなことで両立してあったわけでございますが、六十年の民営化ということを通じていわば官としての電気通信省というのは最終的に消えた、あるいは郵政省という名称のもとに入ってしまった、こういうことだろうと思います。  そういう意味で、郵政省の郵というのを同じように国語辞典で見てみますと、「文書などの伝達を取り次ぐ宿駅、また官営で文書、物品等を運送する制度」、こういうことを書いておるわけでございまして、電気通信に関する意味合いも積極的に取り組むということで、あるいはそのあたりも込めた、願いのこもった、国民の夢を乗せた省名に長い時間かけて検討していただいたらありがたいのじゃないか、こんな思いを込めて、取りとめのない質問でございましたけれども、私の質問を終えます。
  36. 深谷隆司

    深谷国務大臣 せっかく真鍋委員から御発言があったので、ちょっと申し上げさせていただきたいと思います。  御案内のように、逓信省という名前に変えようではないかということで、郵政省の設置法の一部改正法案昭和三十二年に出されております。それで、第二十八国会で解散のために廃案になりまして、その後三十回の国会で審議未了、三十一回の国会で、三十三年十二月からですけれども、衆議院を通過いたしまして、参議院に送られて内閣委員会に付議されたところから、まさに今国語の話が出ましたけれども、国語審議会方面からの反対がありまして、結局は委員会において省名改称を取りやめるような修正がなされたという経緯がございます。  郵政省の名称については、昭和二十四年逓信省から変わってきて今日まで四十年以上、国民の間に親しまれてまいりました。ですから、現時点で直ちに名称を変えようというふうな動きが格別あるわけではございませんが、真鍋委員の御指摘も役所の内容から申しますと大変貴重な御意見でございますので、本日のところは承っておきたい、そう考えております。
  37. 真鍋光広

    真鍋委員 どうもありがとうございました。これで終わります。
  38. 上草義輝

    上草委員長 次に、上田利正君。
  39. 上田利正

    上田(利)委員 大臣にまず最初にお尋ねをしたいと思います。  先ほどからの同僚議員の御質問の中にも出てまいっておりますけれども、約二年前になりましょうか、昭和六十三年の夏から秋、暮れにかけまして郵政省が大蔵省と予算折衝を行いました。そのときに、年号が変わりまして平成になりましたけれども、平成元年度予算要求の非常に重要な施策ということで電気通信開発センター構想というのを打ち出されまして、郵政省としては相当力を入れて予算要求の中へ盛り込みました。  当時の新聞を見ますと、六十三年の九月であるとかあるいは十月の新聞などに、いよいよ郵政省地方分散型の言うならば基盤づくりということで、大都市集中している情報地方に広く分散をしていかなければならない、これは四全総との関連も含めまして「電気通信開発センタ設立へ」というような形で、非常に大きな見出しで出されました。特に企業の側からは、首都圏から移転をしていく、そういう中では企業としては非常に喜ばしいことだ、期待もできる、新聞事例から見ますとそういうような評価といいますか、声も上がっておったわけであります。  これは、マイクロ波によりまして言うならば都市集中している情報通信地方に分散させていこうという、いわば第一種電気通信事業を第三セクター方式のような形の中でつくっていこうという構想のもとに、当時仮称でしたけれども電気通信開発センター構想ということで、平成元年度予算要求の重要施策として郵政省が大蔵と折衝に入る、しかしそれが結果的には認められなかったというわけでございまして、なぜこれが認められなかったのか、この点について大臣からの所見を賜りたいと存じます。
  40. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お答えをいたします。  平成元年度の予算要求に当たりまして、私ども電気通信開発センター構想を推進いたしたわけでありますけれども、この構想は、先生も先ほどおっしゃいましたように、過度に集中しております東京情報機能を少しでも地方に分散をしたい、そのことが東京の過密問題の解決の一助になるんじゃないかということで、実際、本社機能情報関連分野といいますか、計算センターでありますとかあるいは研究開発部門でありますとか、そういった部門を地方に移転させるところがあれば移転したいといったような企業の要望もございまして、私ども、首都圏から百キロないし百五十キロの範囲でマイクロを使いまして本社にいるのと同じような情報交換ができるシステムをつくることがいいんじゃないか、そのことが情報機能の分散にもつながるということで予算要求をいたしたわけであります。  しかし、なぜその予算が認められなかったかという点について申し上げますと、一つは今日の行革の時代であります。私どもは、電気通信開発センターという新しい認可法人を設けて、そこでそういった業務を担ってもらいたいというふうに思ったわけでありますが、そういった認可法人を認める時代ではないじゃないかという問題と、それから、そういったマイクロ波による高度な情報通信基盤というものも既存の事業者においても提供でき得る可能性があるんじゃないか、民間事業者と競合をするおそれもあるんじゃないかといったような問題もございまして、予算要求としては実現をしなかったわけであります。  しかし、東京情報機能地方に分散しよう、また同時に、あわせてその移転先の地域情報化促進しよう、その地域の活性化にも役立つといったその趣旨につきましては大蔵省も十分理解をしていただきまして、そのために、情報機能地方分散地方情報化に関する調査研究をしようということでそのときは調査費がついたわけでございます。
  41. 上田利正

    上田(利)委員 今、中村局長から御答弁いただきました。なぜ認められなかったかという理由の一つに、既存の電気通信事業者でもできるではないかということが一つと、それからもう一つは、認可法人ということになるのだから、そんなに認可法人をたくさんつくる必要はないじゃないか。これは行革の方針によりまして、今郵政省におきましても認可法人というのは、あの機構法に関連する認可法人が一つございますし、それから郵便貯金の振興会ですか、これが一つございます。あとは通産とセットで認可法人が一つある。二つ半という形なんでございましょうか、それをさらに電気通信開発センターというような形の中で新しい認可法人をつくることは行革の精神に反するのじゃないか、屋上屋を重ねていくのじゃないかという中で、まず基本的に大蔵としてはだめなんだということ。  そしてもう一つは、さっき言ったように、既存の第一種業者であるところのNTTであるとかあるいはNCCという形が昭和六十年から、電電公社時代の一社独占体制の中からこれが民営化されて、そして競争分野という形の中で情報通信産業部門が発展をしてきておる。同じような第一種業者に、いわゆる監督官庁である郵政省が、あるいはもう一つは郵政三事業を現業ということでやっている郵政省が、言うならばいろいろな許認可権の規制官庁としてその権能を持っている郵政省が、新たに第一種業者の中に参入するような形の電気通信開発センター構想というのはだめなんだ。  一方ではいろいろなことで指導していこう、行政指導しようという郵政省が、一方ではみずから第三セクターみたいなものをつくって第一種電気通信事業みたいな形のことを行うことが、既存の第一種業者初め電気通信事業者を圧迫していくじゃないか、そちらへ任せればいいのじゃないか、こういう趣旨でこの構想は消えていかざるを得なかった。そのかわりといってはいけませんが、局長も今申しましたけれども、一千万円という形で額はそんなに多くなかったと思うのでございますけれども、そういう中で研究調査費というものが盛り込まれた、こういう経緯だろう。  そこでお尋ねをするのでございますけれども、その幻になってしまいました電気通信開発センター構想、これは構想としてはいいのです。いいのですけれども、ただ、既存のいわゆる電気通信事業者からすると大変な問題になるわけでございます。それだったらNTTもまた官庁にしてしまえばいいじゃないかということにこれはなってしまいますから、そういう点では私としてはこの構想が実らなかったということは当然だろう、こう思っておるわけでございますけれども、そういう電気通信開発センター構想がつぶれた中で、今回、特定通信放送開発事業実施円滑化法という法案が今この私どもの本委員会に提出をされてきておる。  この円滑化法案と開発センター構想とどう違うのか。違う点があります。マイクロ波でやらないということもありますけれども、基本的に調査研究費がつけられて名前を変えて”昔の名前で出ています”という歌がありますが、そうでなくて今度は昔の名前を変えて円滑化法というような形の中で出てきたのじゃないか、こう思うのでございますけれども、どこがこの開発センター構想と今回の円滑化法が違うのか、この点を明確にしていただきたいと思います。
  42. 深谷隆司

    深谷国務大臣 上田先生既に御存じの、私よりお詳しいかと思うのですが、平成元年度の概算要求の際の電気通信開発センター構想というのは、東京集中している情報機能地方に分散させる、それも大体関東近県ですね、割と狭い範囲でございますが、そして東京の過密問題の解消とあわせて地方の活性化を図ろうということで出したわけでございまして、それもマイクロ回線を整備して進めようということでございました。  しかし、おおむねただいま言われたような理由をもちましてこれがだめになりましたが、今度の法案というのは、まず電気通信開発センター構想のようなマイクロ回線網の整備等を国がみずから進めるものではない。民間の創意工夫を生かすことによって多様な、そして高度な情報流通手段開発普及促進のために私どもの方が努力をする。つまり開発普及を進めようということでございまして、その施策実施を通じて情報機能地方分散地方情報化促進に貢献し得るものだ、そう考えているわけで、根本的に違いますのは、国がみずからやろうとするのではなくて、そういう民間の力を推し進めるために役立つようにしていこうという点であろうと思います。
  43. 上田利正

    上田(利)委員 そこで、円滑化法開発センター構想は、マイクロ波によってやるのじゃないのだというその大きな点が違っておる、ここはわかりました。  それで、我々が、昭和五十八年になりますか、例のテレトピア構想を出しまして、既にテレトピア構想は五年にわたって実施をされてきております。そういう中で、先ほど同僚委員からも御質問がございましたけれども、着実にといくかどうかは別にいたしましても、このテレトピア計画、今実施されてきておりまして、これも全国の都市を指定をしながら、着実に郵政省として指導しながらやってきております。ただ、手を挙げない、なかなか実践ができないというものが地方都市にもありますけれどもテレトピア構想計画と今度の円滑化法との関連はどうなっていましょうか。この辺をちょっと明確にしてもらいたいと思うのです。
  44. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お答えいたします。  先生御承知のとおり、テレトピア構想といいますのは、ニューメディアモデル都市集中的に導入をいたしまして、そこの地域の抱えている問題の解決に役立ててもらおう、そしてそれを成功事例としてそのニューメディアを全国的に展開していくことになれば非常にテレトピア構想の成功であるというふうに思って私ども進めているわけであります。  その支援措置といたしましては、財政投融資、無利子融資、それから基盤技術研究促進センターからの出資、税制といったような既存の支援措置を組み合わせているものでございます。それに対しまして、この今回の法案情報の円滑な流通促進目的とした特定通信放送開発事業実施の円滑化を図ろうというためにこの事業に対しまして支援をしようという支援措置は、債務保証あるいは出資、利子補給といった金融的な支援措置でございます。まず、そういった支援措置が違うという点がございます。  しかし、テレトピア構想に基づくプロジェクトでありましても、この法律が予定します基準に合致するものでありますれば、その事業体が本法による支援措置を希望するということでありますれば、この法律によって支援措置が受けられる可能性はございます。
  45. 上田利正

    上田(利)委員 今テレトピア構想と円滑化法関係を聞きましたけれども、合致しているところもあるのですよね、財投の関係であるとかそれぞれの諸問題について。出資であるとか債務保証というようなものはテレトピアにはありませんけれども、合致しているところもある。  そういう中で、もう一つ、この円滑化法を出すに当たりまして、郵政省としてこの法案を作成をするに至る過程でテレコムタウン事業というものをこの中に導入しようといたしましたよね、郵政省は。私どもが知る限りにおいても、そういうテレコムタウン事業もこの中に盛り込んで法案をつくっていきたい、こういうことで構想を練られたようでございます。このテレコムタウン構想というのは、郵政省状況から見ますると、今日経済あるいは情報産業、それから文化等の諸機能は、先ほどからお話がありましたように東京一極集中進展をしてしまっている。どんどん集中している。特に情報を受けたり出したりという受発信の機能東京一極集中というものは非常に著しい。  郵政省の調査資料によりますと、情報の供給量の八七%は東京に存在しているということ、それから二つ目のデータベースの数におきましても九三%がもう東京集中してしまっている。そして三つ目は情報サービス業、この情報サービス業の六五%も東京集中しているのだ。したがって、これを地方レベルに分散をしていかなければならないというふうな形の中で地域開発促進をしなければならぬ。そういう構想のもとにテレコムタウン構想というのができ上がって、これを今度の法案の作成の過程の中にも織り込もうとしたようでございますけれども、今申しましたようにテレトピア構想があり、言うならばテレコムタウンの事業計画というものもあり、さらに開発センター構想というようなものもあり、今度のような円滑化法案もあり、もうさまざまなものが出てきておるわけでございます。  つまるところはもう全部地域へ、視点としてはそこを目標にしているわけでございますけれども、さまざまな形の中であれもこれも出してきてというのが今までの過程ではなかったかと思うのです。このテレコムタウン事業を入れようとした考え方、その理由ですね、これは結果的には予算折衝の中でだめになったようでございますけれども、これはどういうことであったのでしょうか。     〔委員長退席、井上(喜)委員長代理着席〕
  46. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 テレコムタウン構想は、先生先ほどおっしゃったように、全国各地の開発拠点におきまして町づくりと一体的に高度な情報通信基盤を先行的に整備をしようという構想でございます。  これから二十一世紀に向けまして、情報通信の高度利用が図られるわけでありますけれども、せっかく大規模な地域開発が、いろいろ港湾の埋立地でありますとかさまざまな地方都市で計画されているわけでありますから、そういうときに、道路だ、あるいは下水道だといったものはちゃんと公共事業としてやるけれども、まず家とか工場が入った後に、ゆっくり情報通信基盤をまた掘り起こしてつくるなんというのは大変むだなことでもありますし、それは町づくりをするときに一緒に、一体的に整備をすべきじゃないかということで私ども予算要求もしたわけでございます。  この構想を進めるに当たりましては、そういう基盤整備は公共事業に準ずる事業として予算措置をしてもらいたいということが主眼であったわけでありますが、そういった財源等の問題もございましてこれは認められるところとはならなかったわけであります。  しかし、この構想自体は、私ども、大変今後とも必要な、推進すべき構想であるというふうに考えておりまして、できるだけこの実現に向けまして今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  47. 上田利正

    上田(利)委員 さまざまな考え方を出しながら郵政省としては大蔵折衝を続けてまいりましたけれども、結局、これにつきましては予算措置がされないという中で、いわゆる今回の特定通信放送開発事業実施円滑化法という形の中での法案がっくり出された、こういう過程だ、こう思うのであります。  そういう中で、先ほどもちょっと同僚議員の方からも御質問の中で触れられておったと思うのでございますけれども、さまざまな模索をしながら、さまざまなものを考えながら今度の法案が出てきたということでございますけれども、なぜそれほど執念を燃やして郵政省が今回の法案を出してきたのか。後で、法案の中身については機構法との関連で御質問したい、こう思っておりますけれども、なぜそのように執念を燃やしてやってきたのか。  私どもが考えますと、郵政省としては自分の、言うならば行政の領域をいかにして広げるかというような形の中で大蔵に対して予算折衝をしたんじゃないかとかというふうなことも耳にするわけでございまして、今の状態の中で既存の電気通信事業者が、言うならば、自由な競争の中で、より低廉で良質な、しかも国民に対するサービスを提供していこうということで各社が努力している中で、監督官庁である郵政省がなぜそこまで執念を燃やしてこのような法律案をつくらなければならなかったのか、こういう点を疑問視する向きもあるのであります。  郵政省がそこまで足を踏み込まなくてもいいんじゃないか、やるのだったら、支援体制は今の既存の電気通信事業者に何ぼでも支援体制を図っていけばいいんじゃないか、何で郵政省がこの旗を振っていかなければならないんだというふうな疑問符が出されておることも私どもは耳にいたしております。  そういう中で、今郵政省テレトピア構想も聞きましたけれども、通産省におきましてはニューメディアコミュニティー構想というのが既に出されておりますし、建設省を中心にいたしましてはインテリジェントシティー構想などというものも出されておりまして、先ほどもちょっと同僚議員から出ましたけれども、やはり通産の関係であるとかあるいは建設の関係であるとか我々電気通信事業、郵政という関係の中で、それぞれの構想を出しながら、予算折衝の中で大蔵に対するいろいろな予算の折衝が行われてきておる。  こういうふうなものは地域に、いわゆる都市に行きまするならばすべて同じものでありますから、こういうものを一本にしていくということをしなければ、すべて税金でやることでございますから、これは、テレトピア郵政省でやりますよ、ニューメディアコミュニティーは通産省でやりますよ、あるいはインテリジェントシティー構想は建設省でやりますよ、そういうことでなくて、これを一緒にしていくということができないかという、いわゆるとうとい税金を効率的に使っていくということ。日本の官庁の悪いところは、どうしても縦割り行政だ、何でも自分のところ、自分のところと。下へ行けばみんな一緒なんでありますけれどもね。いわゆる地方へ行けばそれは一緒であります。こういうことについて、大臣、どのようにお考えになっておりますか。
  48. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生指摘のとおり、各省におきましていろいろと情報化施策に取り組んでいるところはあるわけでございますが、情報通信を活用しているという面では、私ども郵政省が主管庁として必要な調整等を行っているわけであります。このシステムの目的といったようなものにつきましては、例えば農水省でありますと、農業産業の工場でありますとか農産物の円滑な流通加工を図るといったようなことで支援が行われているわけでありまして、ねらいとするところがそれぞれ違っているという面もあるわけでございます。例えば同一地域におきまして、農林省のグリーントピアの指定を受け、また郵政省テレトピアの指定を受けといったようなこともあるわけでありますけれども、それは先ほど申し上げましたように、目的といいますか、それが違うというようなことでございます。     〔井上(喜)委員長代理退席、委員長着席〕  例えて申しますと、松江市はテレトピア指定を受けておりまして、テレトピア関係で申し上げますと、情報観光都市でありますとか健康福祉都市でありますとかあるいは研究学園都市型のシステムをつくりたいということでテレトピアの指定を受けているわけであります。ところが、松江市も含む農村地域におきましては、農産物の流通加工の高度化を図るという立場からグリーントピアの指定を受けているというふうに伺っておるわけでありますが、グリーントピアは、松江市のみならず松江市周辺の農村部を全部含んでおりまして、七町一村を対象エリアにしておりまして、テレトピア地域とは一部重なるところがありますけれども、やはりグリーントピアの目指す目的に従ってこの指定が行われているということでございますので、いかにもダブっているように見えますけれども、そういった形で指定がなされているという点を御理解をいただきたいと思います。
  49. 上田利正

    上田(利)委員 ダブっている指定はいろいろなものがあるようでございまして、私の考えとしては、そういうものを総合的にした何らかの機関を政府がつくって、そして、グリーントピアの問題もありますし、農水の関係から建設の関係から通産から、それから、情報の最も中心になっております郵政省、我々、それらを含めて、総合的なものとして機能するようなそういうものをやらなければ、やはり縦割り行政であるから、今苦しい答弁を松江市の問題で、テレトピアの指定を受けながら、あるいはさらに、その近郊の農村まで含めて、松江市周辺の、言うならば農村部分も含めてグリーントピア構想を入れてますというけれども、ダブるところは松江市はダブるわけでございますから、また松江が入らなければ農水でやっておりますグリーントピアの指定にはならないということになっていくわけですから、そういう形の中では今後の高度の情報社会をつくっていく、あるいは情報化施策としては一緒にやるような、各省の連携をとりながら何らかの機関をつくってやるべきだと思いますけれども、私の提言としてそれだけは申し上げておきたいと思うのです。  それで、ダブル指定であるとかトリプルであるとかさまざまなものが言われておりまして、川崎市なんかトリプルになっておるということで、まだ私も細かい調査はしておりませんからわかりませんけれども、あれも指定をされる、これも指定をされる、またさらに指定をされるということで、トリプル指定などもあるようでございまして、この実態はどうですか。資料郵政省として把握をされていますか、どうでしょう。
  50. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 私どももどういった地域が指定になっているかという点につきましては承知をいたしております。
  51. 上田利正

    上田(利)委員 それでは後でその資料は提出していただけますか。――はい。  それでは法案に対する具体的な問題点を二、三質問をしたいと思います。  先ほどもちょっと触れておりましたけれども政府民間企業支援する場合、必ず関連企業からの強い要望とかあるいは業界からの要望であるとか、あるいは要請、そういうものに基づきまして産業育成強化の立場から債務保証の問題、あるいは出資制度、利子補給、そして税制上の優遇措置といたしまして負担金の損金算入等、有効な施策を講ずるということが一般的な通例になっております。  先ほども申しましたけれども、今回の場合、この法案、今まで電電一社の独占体制、こういう中から脱却をいたしまして、現在は競争原理が導入され、着実に技術革新、あるいは情報ニーズ増大背景とする社会経済情報化進展に伴う産業経済活動、あるいは国民生活などに寄与しつつあるわけでありまして、我が国電気通信事業分野、第一種事業者、NTT初めNCC、そういうものの中に今度のこの円滑化法案というものが一応参入していくような形で監督官庁が関与するということ、郵政省が関与していくということになるのではないかと思うのですけれども、今電気通信事業者が競争の原理のもとに一生懸命努力をしておる、そして自由な競争による効率的な企業経営やみずからの努力というものを一生懸命やっているわけであります。あるいは事業の拡大も、NCCなどを含めても事業の拡大を意欲的にやっておりますけれども、そういうものに水を差すことにならないかどうかということなんでございます。  今度のこの円滑化法実施されますと、既存の第一種、第二種もそうでございましょうけれども、特に第一種事業者にとりましては、せっかく民間活力ということの中で努力している、それに水を差していくことになると思うけれども、今回の法制定に当たって、言うならばそれらの関連業界あるいは関連企業、そういうものからさまざまな意見を聴取をして、あるいはそれらの要望を受けて今度の法案提出ということになったかどうか、この点をお聞きをしたいのです。
  52. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 本法案に対しまして事業者団体などを通じまして民間事業者から寄せられました要望の代表的なものを御紹介いたしますと、地方での事業に対しては、利子補給制度の創設等強力な支援を行ってもらいたいといったような要望でありますとか、あるいは無担保、無保証の融資の道が開かれないかとか、あるいは債務保証機関の創設といったような御要望もございます。また、対象事業は既存事業者事業と競合しないものであることといったような御要望もありまして、また、こういう放送通信開発事業の構想につきましても、二種事業者の協会でありますとかあるいは一種の事業者の代表の方々とも十分御意見を承りまして、御賛同を得て進めているものでございます。
  53. 上田利正

    上田(利)委員 電気通信事業者、第一種事業者からはどうでしょうか、お聞きになりましたか。
  54. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 御意向を伺っております。
  55. 上田利正

    上田(利)委員 その中の、第一種業者の特徴的な意見はどんなものがございましたか。
  56. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 一種の方々の御意見から多いものを言いますと、今、無利子融資の対象は第三セクターという条件がかかっているわけでありますが、無利子融資に当たりまして第三セクターの要件を緩和してもらえないかといったような御要望が出ております。
  57. 上田利正

    上田(利)委員 意見の内容、細かい点が触れられておりませんからわかりませんけれども、私の言わんとするところは、やはりこの種の法律をつくって、円滑化法案をつくってやろうとする場合は、既存の業者を圧迫するようなことは決してやっていただいては困る。私の理解している範疇で申しますと、今高度に発展をしております電気通信事業、そういう中で今回郵政省が出しましたこの円滑化法というのは、一種業者であれ二種業者であれ、既存する電気通信事業者を圧迫するようなことはしない、したがって既存のものをこの中に織り込んでやろうということではなくて、これから新規に今までどこにもないようなものについてのみに限り円滑化法としてはやろうとする、その趣旨です。したがって、第一種、第二種業者を圧迫する、そんな考え方はないというふうに理解をしておりますが、そういう理解でいいかどうか、ひとつ確認をしたいと思うのです。
  58. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生おっしゃるとおりでございまして、決して既存の事業者を圧迫するようなものではございません。新たにそういった新しいサービスなり今まで導入されたことのない地域ニューメディア導入するといったようなことでございますから、既存事業者を圧迫するといったような性格のものではございません。
  59. 上田利正

    上田(利)委員 そこで次に、通信放送衛星機構法、いわゆる機構法との関連で質問をしたいのでございますけれども、今回のこの円滑化法案は、昭和五十四年、法第四十六号で、ちょうど十年以上前になりましょうか、そのときつくりました略称機構法、これにさらに付加をして今度の円滑化法というのが出ています。御案内のように、通信放送衛星機構法というのは、言うならば宇宙開発をいかにしていくのか、そして通信衛星であるとか放送衛星、それを実用化をしていく、同時にハイビジョン放送どもこの中でやっていこうではないかといういわば宇宙開発ということでこの機構法が成立をしているのです。この機構法にくっつけて今度の円滑化法が出ている。  なぜこんなことをやったかというと、私の想像でございますけれども、今までの一連の質問の中で、新たに独立した法律案にすれば認可法人ということになるからこれはだめだ、絶対できない。どうしたらいいかな、どうしたらいいかな、いろいろと考え抜いた。それならばその機構法という法律があるからそこの横へくっつけて、付加して、そしてこの円滑化法にすればいいじゃないかということを思いついたのじゃないか。そうすれば新しい認可法人をつくるわけじゃない、現存する通信放送衛星機構という認可法人、その中に組み入れるんだから、こういうことだろうと思うのでございます。  しかし、これは一方は宇宙開発を中心にしてある今の機構法、今度はこの地域情報化をどのように進めていくか、特に過疎の地域にも広げていくか、こういうことでございますから、放送衛星であるとか通信衛星を使ってのいろいろな形のニューメディア、いろいろな施策は出てまいりますけれども、これは使わなければなりませんけれども、活用しますけれども地方への情報化を進めていこうという形の中では、これは機構法、いわゆる通信放送衛星機構とはなじまないものだと思うのです。一方は宇宙開発ということで出てきた認可法人ですから。こう言ってはおかしいのですけれども、木に竹を継ぐとかいろいろなことが言われてきております。そういうことわざもございますけれども、今は木にも竹が継げるようなものも進んでいるようですけれども、現存する竹に、何かプラスチックのものをくっつけるようなものじゃないかと思うくらい、なぜそういう形にしたのか、まずこれを明確にしていただきたいと思います。
  60. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 通信放送衛星機構が通信衛星、放送衛星の運用管理、運用管制といったものを中心に行っていることはそのとおりでございます。しかし一方、地方情報化でありますとか高度な電気通信による情報の円滑な流通促進を図るべきだという行政需要、そういったものもあるわけでございまして、その行政需要をどのように満たしていくかという立場から考えますと、やはり電気通信分野に関する人材でありますとか知識が豊富なところを活用いたしまして、そういった業務をやってもらうのがいいのじゃないかと考えたところでございます。  先生指摘のとおり、現在の行財政の厳しい情勢のもとで、新しく認可法人を単独でつくるということは到底できるものじゃございませんで、そういうことを考えますと、通信放送衛星機構の特例業務として位置づけることが適当じゃないかと考えまして、こういった立法例というものはあるわけでございますので、私どももそういった先例等に従いまして、通信放送衛星機構を活用させていただいた次第でございます。
  61. 上田利正

    上田(利)委員 通信放送衛星機構の特例業務でということで今期法案を策定をして国会へ提出している、こういう答弁でございますけれども、そして、認可法人の問題があるからこれは単独法ということではできない――開発センター構想もそういうことでつぶれたわけですから、それで通信放送衛星機構、認可法人の特例業務ということで付加して今提出をしてきているということですけれども、それならば一歩、二歩譲ってみまして、なぜこの通信放送衛星機構法の改正ということでやらないのか。これは本来改正でなければならないでしょう。明らかに改正しなければ、こんなものにただくっつけて法案ですよということにはならないはずですから。なぜ通信放送衛星機構法を改正をしないのか、この点はっきりしてください。
  62. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 衛星機構法は御承知のように組織法でございます。通信放送衛星機構の役割とかその任務を書いたものでございますが、この法律で支援をしていこうとしております特定通信放送事業のもろもろの支援措置、そのスキームといいますか、仕組みというものは、例えばどのような事業をこの支援対象にするのか、あるいは郵政大臣による実施指針の策定でありますとか、そういう実施計画の認定でありますとか、そういったことは通信放送衛星機構の組織法になじむものではございませんで、この法律によりまして一体的に規定すべきものであろうと考えて本法を提案させていただいた次第でございます。
  63. 上田利正

    上田(利)委員 中村局長が今答弁の中で言っていますね、いわゆる機構法は組織法だ。こっちは支援措置ですから具体的なものなんですよ。具体的に実践をしていく方なんですよ。だから、いみじくも局長が今答弁の中で申しましたけれども、機構法がそういう形になじむものでないのでということを言われましたけれども、やはり木へ竹を継ぐんじゃございませんけれども、なじまないんですよ。なじまないものをなじませようとして、今度の法律案で機構法へくっつけてきた。それならば機構法の改正ということでやらなければ明確につじつまが合わぬじゃないか。機構法を改正して、言うならば組織法である機構法にさまざまな支援措置を行っていくところのこの円滑化法というものを、今度は法律ではございませんけれども特定通信という形でそれを特定するんだから、したがってそれを機構法の条文、かくかくしかじか、あるいはその機構法をつくった、法案を作成したときと状態はもっと違ってきましたという中で改正案を出さなければならぬでしょう。このままうやむやというわけにはまいりませんよ。その改正案はなぜ出せないのか、改正案を出すべきだ、こう思うのですが、どうですか。
  64. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先ほども申し上げましたけれども通信放送衛星機構法といいますのは、通信放送衛星機構の設立とか管理、業務等を規定しております組織法でありまして、本法では、通信放送衛星機構に特例業務として追加する業務ばかりじゃございませんで、どういった特定通信放送事業にどのような認定をし、どのような支援措置をするかということを規定する必要があるわけでありますから、先生の御指摘のように、立法技術としては組織法でできないのかという御意見はあろうと思いますが、私どもはやはり単独の法律でそういったもろもろの措置を規定さしてもらって、その中で通信放送衛星機構の追加業務も一体的に規定をした方がいいというふうに判断をいたした次第でございます。
  65. 上田利正

    上田(利)委員 いや局長、いいという判断をしたのは郵政省が判断したからやったんでしょうけれどもね。  だから、もう一度整理をしますと、電気通信開発センター構想がつぶれました。テレコムタウン事業計画もだめになりました。そういう中で何とかしてそれに準ずるようなものをつくり上げていきたいというその一念でいろいろ考えついたのが、この機構法へ付加した形で、この特定通信放送開発事業実施円滑化法という法律を成立さして、それは実施の面ではこの認可法人であるところの通信放送衛星機構の中に組み入れてしまえばいい。だから、非常に巧妙な形の中で今度の法案を提案してきたと思うのです。これは、中身は一つの認可法人のようなことをやるんですから。そうでしょう。支援措置というものは、全部中身は、言うならば法人的な形をやるわけでしょう。融資制度から始まって出資も国のお金を出したりしてやるんですから、中身は全く新しい認可法人、こう位置づけられるんですよ。ところが、認可法人はつくることはできないからといって今あるところにくっつけたという。  それならば、十歩譲っても、私が言っているのは、なぜ法改正ということで出さないかということなんです。法律案をつくって、これが通れば一緒にこの事業をやるのは通信放送衛星機構というその中でやるわけでしょう。機構法は別にある、円滑化法は出る、事業をやるのは一緒のところだ、こうなるんだけれども、本来ならば機構法を改正して、そしてその中で言うならば支援措置として具体的なものをやります、こういうふうにならなければいけないものを、別の形の法案として、実施するときには認可法人は一つの中でやるという巧妙さをもって今度の法案が出てきているんだと思うのです。ちょっと承服できないですね。正確に改正案を出してやらない限り問題があると思うのですが、もう一度どうですか。
  66. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 一つの立法論としてそういう方法が絶対ないのかということにつきましては、それはそうは言い切れないかもわかりません。しかし、なぜ私どもが今回この単独法を設けまして、その中で電気通信による情報の円滑な流通促進を図る目的のためにどういった事業にどういった手続でその目的を達成するかということを一体的に規定をさせてもらったかといいますと、組織法に書き込むには余り適当ではないのじゃないか、例えて言いますと、対象事業の定義でありますとか、あるいは郵政大臣の指針の策定でありますとか、あるいは郵政大臣による計画の認定でありますとか、またワラント債を出す商法の特例等を書き込むには組織法というのは余り適当でないだろうという判断のもとに単独法にさせていただいた次第でございます。
  67. 上田利正

    上田(利)委員 このままでやっておりますと時間がなくなるのですが、私としてはちょっと承服できないのです、そういう答弁であれば。認可法人がどうしてもできない状態の中でやむを得ずこういう形しかとれなかったというのならいいのですけれども、今の機構法へ入れることはなじまないのだと。それはもともと別のものだからですよ。別の認可法人にせにゃならぬと私が再三言っているのはそこなんですよ。けれども、郵政としてはやりたいということの中から考え出したものがここへ便乗してしまおうということで結論をつけて出してきた、こう思うものですから、素直に、これは本来ならばわしが言っているような形なんだから法改正をしなければならぬけれども、法改正は具体的に検討してみたができないとかこうだとかああだとか、もともとが違うものですからやむを得ずこの円滑化法という法律にして改正からは切り離しましたよとかなんとか、そういうはっきりした答弁ならいいのですけれども、だから承服できませんが、いずれにしましても、私としては問題はあるということだけは明確にしておきたいと思うのであります。  そこで、もう時間が余りありませんから次の問題に移ります。  今度の法案実施する場合においては既存の電気通信事業者を圧迫するようなことはしない、新規事業、そういうものの中でという先ほどの答弁もあり、確認をさせてもらいましたけれども郵政省が一方では郵政三事業の現業官庁としてこれらの事業を進められております。一方では電気通信局あるいは通信政策局あるいは放送行政局を通じながら規制官庁、監督官庁という立場で電波、放送関係あるいは電気通信事業全般にわたる問題点についての監督を行っているわけなんです。  三事業の方はいいわけでございますけれども、電波、放送情報通信の監督官庁としてやる中で今後こういうふうな事例が出ては問題だなと思う点を一つだけ挙げますと、監督官庁ですから、言うならば民間業者、業界含めて適切な支援をしながらさらに行政指導をしていくというのが任務だと思うのです。その中に郵政省として独自の事業を入れるようなことはあってはならないと思うのですけれども、過去の事例で申しますとレタックスの問題であります。私も、非常に安くて字数を制限されておりませんからこれを非常に利用させていただいております。言うならば電報と電子郵便、この関係ですね。私は否定はしません、私も電子郵便を利用させていただいておりますから。ただ、基本的には大きな問題があると思っております。今後郵政省が規制官庁、監督官庁としていく場合に、こういうふうなことが今度の円滑化法案を通じて出てくるとするならば大変だな、こう思うがゆえに提起するわけでございます。  今電報は、料金につきましては郵政省の認可をとらなければ決められない、一方的に決めるということは絶対できないのであります。安くしようとかあるいは少し上げようとか、そういうことが一切できない認可料金制度になっております。料金単位も決められておりまして字数だ、字数が重なれば料金がかさむ形の料金になってきておる。そして、これは配達をしなければならないということになっております。付加サービスとしましては押し花電報であるとかあるいはメロディー電報とか、あるいはさらに花束電報だとか、いろいろなものがあります。付加サービスということでこれも認可されております。ですから、電報の例をとりますと、料金を決めるには郵政省の認可をとらなければならない、料金単位というのは字数でやらなければならない、そしてこれは配達をしていかなければならない。  ところが、私も利用させていただいております電子郵便、通称レタックスでございますけれども、これは自分のところですから認可がない。ここに大臣がおりますけれども、自分のところの事業だから、認可するのも自分でやるのだからどんどんできる。認可をしなくていい。それから、字数じゃいけないから枚数でやる、一枚五百円、こういう形で枚数で料金単位が決まっている。配達はする。そして付加サービスもそれぞれありますよ、こういう形なんですね。  もう一つあるのは、電報と電子郵便、これは非常に競合しているという形になりましょうけれども、もっと類似なのはファクシミリですね。まあ電子郵便もファクシミリでやっているのですから中身はみんな同じでございますけれども、このファクシミリについても料金は認可を得なければだめ、そしてこれは枚数で幾らという料金単位になっております。ファクシミリは配達をしてはいけません、配達すると電子郵便と同じようになるからということかどうか知りませんけれども。そして、付加サービスというものは今のところは一切やってはいけません。こういう形になって、この三つを並べた場合、しかも電報はもう相当な赤字ということを聞いております、NTTはこれをやる事業体になっておりますからやっておるわけですけれども。  こういうふうな、言うならば郵政省とNTTとかあるいは第一種電気通信事業者というようなものが競合していくようなものが今度の円滑化法案で出たら大変だと思いましたから質問しまして、いや新規事案で支援体制をやるだけですよ、こういうことになりましたから、ここは確認しましたからそれはいいのでございますけれども、これにつきましても、一方では同じもの、手元へ来るには電報で来るよりも、大体これはもう社交上のものになっていますね。「チチキトク」だとか「カネオクレ」なんというものは大体電報はないのです。今電報で出るのは慶弔関係の電報が中心であり、もう一つはサラ金業者が証拠のために、いわゆる返済を請求するための電報があるくらいで、あとはみんな社交的なものになってきているわけです。電子郵便もそうであります。危篤だからといって電子郵便なんというものは一つもないのであります。  それを電報と電子郵便で見た場合に、一方では認可する、一方は認可しなくてもいい。ここいうことだったら、本当は電報は電子郵便が出たときにもう解消していればいいのですよ、いろいろな論議の中でこれも残すことになったようでございますけれども。あるいは、電報でそういうことができるように、ファクシミリでできるようにすれば、あの片仮名じゃなくていいわけですから。それがそのまま残って今やっているわけですから、これが監督官庁かという指摘を受けるわけです。これは監督官庁じゃないじゃないか。いわゆる郵政事業の方で国民の利便を考えてやっていくという面では、三事業の中ではこれは非常にいいのです。  ところが一方では、規制官庁として見た場合については、電報が侵されていく。電報は赤字だ赤字だ、どんどん赤字だ、電報が出るたびに赤字になっていくという形ですから、これがもしファクシミリというような形の中でこれを配達できるという法改正ができ、あるいは認可制度でなければこれは赤字にはならなかったと思うのでございます。そういうこともあるだけに、今度の円滑化法というのはそこら辺、今申し上げました一例の電報と電子郵便とファクシミリのようなそういうものになったら大変なことになっていくぞという意味合いで申しましたけれども、ついでにこの所感について、どう思いますか、大臣でもいいのですが、これはどうですか、今の競合している問題点についての所感をちょっとお尋ねしたいのです。
  68. 白井太

    ○白井政府委員 直接のお答えになるかどうかわかりませんが、電子郵便サービスを始めたりしているときの議論を、ただいまの先生のお話をお伺いしながら思い出しておったわけでございますけれども、もともとファクシミリを使いましたいわゆる電子郵便というのは、外国の場合も郵便サービス一つとしてやっておりまして、そういうものを電気通信関係の制度改正を行う際も頭に入れたのだと思います。したがいまして、現在の法律では電報の方が、いわば電気通信の方のサービスとみなすという、感じとしては電気通信サービスの中の特例的な感じでの規定がなされておるわけであります。したがいまして、電報と電子郵便、あるいは現在NTTが提供しておりますファクシミリ郵政省の電子郵便というのは大変似たところがあるわけでありますが、少なくとも現在のNTTのファクシミリサービスとそれから郵政省の電子郵便の場合とでは、配達という、人間が持ち運んでいくというサービスがくっつくかくっつかないかというところが両者の大きな違いとなっておるわけでございます。  このそれぞれのサービスにつきましては、確かに先生の御指摘のように、NTTが提供するサービスについては、一般的にはサービスの提供条件なんかについて郵政大臣の認可を必要とするが、郵政省サービスについてはそのようなことがないではないかというような御指摘でございますが、あえて抽象的に申し上げますと、郵政省サービスについては、基本的な枠組みというのは、郵便、貯金、保険それぞれについて基本的なものについては法律で定めるということになっておりますし、また業務の執行につきましては、国会における議決を必要とする予算によって事業運営全体が制約されるといいますか、定められていくというような仕組みができ上がっておるわけでございまして、その面ではNTTのようないわゆる民間の会社というところが提供するサービスとは事業運営の点で異なっているということもあるわけであります。たまたま郵政省の場合は、郵政事業については郵政省自身が経営の主体になるけれども電気通信については経営の主体は郵政省ではなくてNTT等の電気通信事業者経営の主体になっているということから、結果としてそういう形になっておるということであろうかと思います。
  69. 上田利正

    上田(利)委員 せっかく官房長から御答弁いただきましたけれども、それはもう十分私も知っていることなんです。経営の主体が電報についてはNTTがやっているのだから。電子郵便は郵便という中の一つサービスということでこれは出てきた、そんなことは百も承知なんですよ。私が聞いたのは、一方では三事業郵政省が官庁としてやっているわけだ、一方では民間がいるわけだ。民間がいるものについてはその監督を郵政省がやっているのだから、郵政省でない監督官庁がいるのならいいのですけれども、そうじゃないのですから。一方では自分のところでどんどん事業をやってしまって、一方では指導監督する中でその競合するものを、そういうことは本来はあってはならないでしょう。監督官庁の方で三事業の中でやるから民間の方はやめるとか、行くところへ行けば同じものなんですから、字数で行っているものと文書で行くものとの違いはありますけれども、だからそこを指摘したのですよ。今やめろとかなんとかということを言っているのじゃないです。  過去の事例からいって苦しい、いろいろな論議がありましたけれども、やはりこれからは行政指導官庁としての立場もしっかりしてもらわないと、監督官庁としての立場をやれば自分のところが侵されるじゃないか、自分のところを大切にすれば今度はそこの監督官庁のもとに働いている企業はやはり問題が出てくる、こういうことですから、そこをしっかりしてもらわなければならないということで、今回出たこの円滑化法がこういうふうな二の舞いにならないようにきちっとやらなければいけないというこの基本だけを明確にしておいていただきたいと存じます。  あと時間がございませんから、P・NETの問題をちょっとお尋ねしたいと思いましたけれども、これは他の同僚議員に譲りまして、この法案が出ておりますけれども、二つ一緒に聞きますが、三類型にこの法案はなって構成されておりますけれども、この一類、二類、三瀬、それぞれごと支援体制措置が異なっておりますけれども、その理由は何かということ。支援体制が一本じゃないということ。三つになる。  二つ目の質問ですが、そのうちの二類型、真ん中のものでございますけれども地域通信放送開発事業という部分、これについて郵政大臣の認定をこれだけは除外しているのです。認定問題は後で同僚議員がやりますけれども、認定を除外しているのですけれども、この二つを簡潔に御答弁願いたい。
  70. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 認定にかからしめております通信放送新規事業それから通信放送共同開発事業、これにつきましては、事業リスクが非常に高いというようなことで機構からの出資でありますとか、新規事業については機構からの出資、債務保証それから新株引受権付社債の発行限度額の拡大という公的な支援措置が用意されているわけでありまして、それから共同開発事業につきましては新株引受権付社債の発行限度額の拡大と債務保証ということでございまして、これを郵政大臣実施計画の認定にかからしめているものでございます。それは、そういった公的な支援を受けるという立場から認定の対象にいたしております。  それから地域通信放送開発事業の方は、これは既に日本開発銀行等の政策金融機関におきまして融資を決定しておるものに対します利子の軽減を図ろうということでございますので、事業計画も専門の金融機関がはっきり保証しているといいますか、審査済みのものであるということで特段郵政大臣の認定からは外しております。
  71. 上田利正

    上田(利)委員 終わります。
  72. 上草義輝

    上草委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十五分休憩      ────◇─────     午後一時二十三分開議
  73. 上草義輝

    上草委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。秋葉忠利君。
  74. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 簡略に申し上げて円滑化法の審議をしているわけですが、この法案についての説明それから背景資料その他、郵政省の方々とたくさん議論を重ねたわけですが、その中でやはり世界に冠たる日本の行政官であるという印象を非常に深くいたしました。皆さんが真摯に日本のこれからの通信あるいは放送に関して取り組んでおられる、その様子を見て安堵をするとともに、この法案の作成のプロセスで、現在の国会の中の力関係ですと与党である自民党の影響力が大きいのは当然なことですけれども、残念ながら野党側の意見が、例えば郵政省の法律を制定する、あるいはそれ以前の段階からどのぐらい取り入れられているのか、そういったところで非常に寂しい思いをいたしました。  しかしながら、それは現実でもありますし、さらにもう一つつけ加えることができるならば、実はそのプロセスにおいても与党と野党との力関係で、それではすべてが変更しておかしいプロセスになってしまっているかというとそんなことはない。ほとんどの場合には、非常に公正で誠実な態度で法案あるいはこれからの政策づくりに取り組んでおられるということを実際に体験いたしまして、郵政大臣以下郵政省の方々の御努力に私は改めて敬意をまず表したいと思います。  その上で、さらにつけ加えさせていただければ、例えば国会内の力の配分というのは、衆議院においては与党が圧倒的に強いということになっていますけれども、得票数においては与党と野党との間にそれほどの差はない。そういったことも勘案して、今後の政策立案それから新しい国会運営の仕方のルールづくりということが大事になってくるのではないかというふうに思います。そのための一つ機能を本委員会もこれからますます積極的に果たしていく必要があると思うのですが、そういう優秀な行政官の考えられた法律においても、事によると万全なものではない可能性も時にはあるかもしれない。そういった点をチェックするのがいわば民主主義における三権分立なわけですが、そういったチェックとバランス機能と同時に、その法律の背後にある背景、あるいは具体的にどういった可能性が考えられ、捨てられ、最終的にはこういう形で法律ができ、それがどういう意味を持つかということを、できるだけ多くの人にガラス張りのプロセスを知らせるということがやはり政治としては大切ではないかと思います。実はきょうは、私は主にその観点から幾つかの質問をしていきたいと思います。  幾つかの分野に分かれるのですけれども、まず社会の中に、主に情報技術になるわけですが、技術導入する際の基本姿勢、あるいは導入現状、未来展望はどうなっているのか、そういったこと。それから、導入をする際にどういった手段を使うのが適当であるのか。あるいは、どうしても市場原理によって動いているわけですから、その市場のありさまはどうなのか。あるいは、具体的に郵政省なり政府が奨励策をとった場合にそれが成功したか失敗したか、その評価はどのように行うのか。万一その制度に欠陥があった場合、どのような仕方でそれを見つけて、どのようなやり方でそれを救済していくのか。主にそういった面について質問という形で残念ながら質疑応答、両方からやり合えれば一番いいんだと思うのですが、現在の慣習では、委員の側が質問をして大臣初め郵政省側がそれに答える。こちらに対して反論ができない、あるいは逆に質問をするという形がとれないので非常に残念なんですが、質問という形で今申し上げたような点について伺いたいと思います。  まず最初の点ですけれども、一般的な、特に郵政大臣のお考えから聞かせていただきたいのですが、今回の法案でも非常に大きな網でとらえた場合に、今日の社会技術、それもかなり狭い範囲の技術導入していこう、そういう趣旨だというふうに考えることができるわけですが、社会技術を取り入れていくそのプロセス、いろいろなやり方が考えられるわけですが、その理想的な姿、あるいは理想的な姿であってもその中にどういうような問題点があるのか、そういったまず一般的な哲学というと大げさですけれども、その辺のことを伺わせていただきたいと思います。
  75. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 大変根源的な御質問でございまして、いわば哲学的な観点からの答弁というのはなかなかしづらいわけでございますが、まあ新しい技術社会にどういったプロセスで根づいていくのだろうかという観点でお答えしてみたいと思うわけでありますけれども、まず一つの非常に汎用的な技術といいますか、その進歩というのは、必ずしも目的といいますか、応用の分野を決めて開発されるというものもありますけれども、非常に純粋基礎部門の技術がまず生まれてくる。いわば要素技術といいますか、情報通信分野で非常に大きなインパクトのありましたトランジスタでありますとか光ファイバーといったような非常に大きな影響力のある要素技術というものが生まれてくるのだろうと思います。  そして次に、その要素技術を応用して、例えば広帯域ISDNのように、具体的なユーザーニーズにこたえた利用技術というようなものが開発をされて、それが社会に浸透をしていく形になる。いわば、技術が生まれ、それに基づいて新しいサービスが生まれ、そのサービスが市場に受け入れられていくという一つのプロセスがあるんじゃないかと思うわけでありますけれども、しかし、技術社会に浸透するプロセスとしては、そういう要素技術サービスを生み市場に定着するという流ればかりではなくして、市場の分野からまた新しい技術要請するといいますか、平たく言えば、必要は発明の母といいますか、このニーズがあることによって技術が生まれる、そういったような循環があるんじゃなかろうか。まことに私見でございますが、そういった感想を抱いております。
  76. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 まず技術があって、技術が先導して社会を動かしていくといいますか、社会の中に浸透していくというお考えだと思いますが、その中で、やはりさまざまな人為的な介入が行われるわけですが、特にその中で大きいのは、企業による技術開発し、それから利益を得ようとする努力だと思います。それからもう一つは、さまざまなレベルにおける政府による行政的な指導あるいは立法による介入ということだと思いますけれども、その二つの介入の仕方について、今おっしゃったような大枠の中で一体どういう介入の仕方が理想的であるか、そういった理想像をお聞かせいただきたいと思います。
  77. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 技術開発していく場合の、いわば国の役割あるいは民間企業役割というものはあろうと思います。やはり民間企業ですと、いわばその技術開発が大変うまく営業につながるとかあるいはサービスにつながるとかという、先が見えないものをやみくもに研究開発するというのは非常に期待しがたいといいますか、そういった面があろうかと思います。  しかし、技術とすれば、本当の先端的な独創的な技術ということになりますと、やはりそういった民間がなかなかリスキー過ぎて取り組めないといったような分野はやはり国の責任だといいますか、国の支援が必要な分野ではなかろうかという気がいたしますし、私どももこの研究開発支援に当たっては、国の役割はそういうところにあるんだというふうに理解をしております。
  78. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 ありがとうございました。  特に、今回の円滑化法が問題にしているのは通信放送ということですけれども、今おっしゃったような動きで、仮に国であれ企業が動いていく、その中で、例えば特定技術をかなり今回の場合には支援をする。その支援をする幾つかの技術のサンプルが挙がっているわけですけれども、そもそもそういったサンプルが挙がってくるに際して、当然、これから通信放送関連技術がどういうふうに移りかわっていくのか、未来図はどんなものなのか、社会全体が通信放送の面でどういうようなありさまに例えば二十一世紀にはなっているのか、あるいはなっているべきであるか、そういったことを漠然とながら頭のどこかに置いてお考えになっていらっしゃると思うのですが、できれば郵政大臣に、そういった通信放送関連技術、それと社会の絡みにおいてどのような未来像を想定されているのか、伺えたらと思います。
  79. 深谷隆司

    深谷国務大臣 秋葉委員にお答えする前に、冒頭、私を除いてでございますが、郵政省の諸君が真摯に努力していることについて評価いただきましてまことにうれしく存じまして、一層お互いに研さん錬磨していくことをまずお誓いいたしたいと思います。  電気通信技術開発によって、いつでもどこでもだれでもが通信が可能というようなISDN等の導入普及を図ってまいりました。二十一世紀の初頭には、恐らく人工知能技術などを導入いたしまして自動翻訳電話なども実現していくのではないかと期待しております。  放送分野においても、我が国技術力を背景にいたしまして、衛星放送で特にハイビジョン放送などが新しいサービスとして相当定着していくのではないか。その普及が大いに期待されるところでございます。さらに、二十一世紀には、高度な画像処理技術開発等によって、立体テレビ等が実現されていくものと期待いたします。そういう意味では、まさに、冒頭申し上げましたように、いつでもどこでもだれとでも同じような通信のさまざまな利益が享受できるような、そういう社会全体をつくり上げていくという方向になっていくであろうと思うのであります。  民間技術開発、そしてその開発が具体的に国家や社会や世界に貢献できるような道筋をつくるために、私たち郵政省は、高い視野で、政策的な面で一層お手伝いしていくことが肝要ではないか、そう思っております。
  80. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 ありがとうございます。いつでもどこでもだれとでも通信できる、コミュニケーションができるというのは、キャッチフレーズとしても大変すばらしいものだと思います。  それに関して、大体二十一世紀、どのような技術社会の中に恐らくあらわれているであろう、そういったお考えを伺ったわけですが、それと同時に、今まで伺ってきたのは、技術開発あるいは技術のいわゆる進歩と言われる方向を伺ってきたわけですが、それとももろん関連のあることですが、私たち社会の中で生きている人間あるいは社会全体として必要としている技術というものも、それとは別の次元で存在しています。  今日の社会において、あるいは今日の私たちが一体どのような技術を必要としているか、特にその中でも、情報、それから通信放送、そういった分野でどのような技術を必要としているのか。また、二十一世紀には一体どういうような新たな必要性、あるいは、現在需要として存在しているものでも、その需要の形態が変わるとかあるいは力点が変わるとか移るとか、そういった可能性があると思いますが、今日の社会が必要としている技術、そしてあすの社会が必要とするであろう技術、そういった需要予測、それから、できたらその根拠も示していただけると大変ありがたいと思います。
  81. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 今日の技術あるいはあすの社会が要求する技術の方向という点につきまして、大変難しい御質問でありまして、正直言って私も戸惑っているわけであります。情報処理技術、あるいは通信技術にしましても、これからの社会を考えますと、よりインテリジェント化といいますか、人間のニーズに親和性のあるサービス開発できるというようなものが非常に大きいのじゃないかという気が私はいたします。端的に言いましたら、人工知能技術といいますか、そういった技術情報通信分野でも非常に大きな働きをするものだと思いますし、またそのことによって情報通信というものが非常に使いやすい、我我にとって使いやすいものが生まれてくる、便利になってくるのじゃないかという感想を持っております。
  82. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 その中で特に、今のお答えは未来についてですけれども、例えば今日いわゆる情報化と言われる社会の中で一体どのような潜在的な需要があるのか、その辺についての、例えば市場分析であるとか需要予測であるとか、予測といっても非常に短期間、例えば一年の範囲内における需要予測とか、そういったデータはお持ちでしょうか。
  83. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 はっきり申し上げまして、現在の社会でどういった情報あるいは技術が要望されているのか、あるいはそういうものに対しまして需要予測をしているのかという点につきましては、私ども残念ながら具体的なものを持っておりません。
  84. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 済みません、これはどのような情報と言っても同じことなのですが、そういうお答えでも結構だったのですが、実はそれを伺っておりますのは、今回の法案についての説明の中、これは通信政策局でおつくりになった資料ですけれども、この一番最後の方に具体的な事業例の説明というのが出ております。この幾つかの具体例がどういう意味を持つのかということを伺いたいと思ったわけですが、さらにこの事業例をもとにして、一体円滑化法がどのような役割を果たすのか、かなり具体的なレベルで理解をしたいというのが私の趣旨なのです。そのためにとりあえず、社会の側の持っている需要というものがどのような技術開発していくのかということと非常に大きな関連があるという視点からただいまのことをお聞きしたわけです。  それに関連して、ではその点についてはデータがないものを無理に出せと言っても仕方がありませんので、実はやはり社会の側の需要というのが非常に大切ではないのか。もちろんそれは今回の法案を考えられるどこかのプロセスで、どこかの時点でお考えになっているはずなのですけれども、その需要をはっきりと把握していただくことも必要ではないかという問題提起をさせていただいて、次の点に移りたいと思います。  実は、需要ということを申し上げた背後には、現在の情報社会に存在するひずみ、それから問題点、あるいは弱点とか欠点とか、いろいろな言葉が使われますが、それはいわゆるエレクトロニクスネットワーク、それとその背後に当然あるべきヒューマンネットワークと言ったらいいのでしょうか、人間がつくっているさまざまなネットワーク、あるいは全く別の次元で物流ネットワークということも考えられますけれども、そういったさまざまなネットワークの間の連係プレーがうまくできていない、あるいはそういったネットワークの間にギャップがある、あるいは完全にばらばらにネットワークが発達してしまっているためにどうしても調整がとれない、そういった理由があるのではないか、そういう問題提起もなされています。  例えば日本経済新聞の中でも、特に今情報社会、そういったことに関してこの種の問題提起が何度もされております。例えば、エレクトロニクスネットワークと、簡単にヒューマンネットワークというふうに申し上げますけれども、そういったネットワークの間の調整を図るということが現在の情報化社会の中で一番大切なのではないか、そういう考え方もあるわけですが、いかがお考えでしょうか。
  85. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生指摘のとおり、物流のネットワークでありますとかヒューマンネットワークでありますとか情報通信の具体的なネットワークでありますとかという間にいろいろなギャップが生じているのではないか、それがまたひずみをもたらしているのではないかというお考え方につきましては、私もそういった面が非常にあるのではないかという感じがいたします。  したがいまして、例えば金融、物流等の社会経済活動のさまざまな分野におきます情報通信システムというようなものも、両者のギャップを埋めることがこれからの高度情報社会において非常に大切なことであろうというふうに考えております。
  86. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 その観点から、この資料にあります幾つかの具体的な技術といいますか事業の例について御説明いただきたいと思うのです。  実は私は、この事業例が出てきた理由というのは、郵政省の担当官の方がただ単に机上で想定しただけでこういった例が出てきたのではなくて、具体的にこういう事業をやりたいんだ。例えば私の選挙区であります広島市内でファクシミリ放送をどうしてもやりたいんだけれども資金的にちょっと問題があるとか、さまざまなそういった具体的な需要が幾つかあった上でこうした例が出てきたというふうに理解していたのですけれども、まずその理解が正しいのかどうかということが第一点。  それから、個々の例につきまして、こういった事業例が郵政省のお考えとしては望ましいものだという観点から当然出していらっしゃると思うのですけれども、これ以外の可能性が出てきた場合にほかのものを積極的に認める態度で、一応具体性がないと話が進まないからという程度でこういった例を出してこられているのか、あるいはもっと積極的に、こういうものはどうしても郵政省としては奨励したい、ほかのものが出てきた場合にはそれはそれなりに評価するつもりではあるけれども、当面こういったところがやはりこれからの日本の社会にとって重要であるというお考えからこういった具体例が出てきているのか、その辺のニュアンスをお聞きしたいと思います。
  87. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 本法が支援措置を考えております通信放送分野の三分類の中でどういった具体的なサービスが考えられるのかということで、例えば類型ごとに考えられる事業例ということで挙げさせていただいているわけでございますが、これは言ってみれば、基本的には民間事業者民間事業者の創意工夫によってその事業立ち上がりということに対しましていろいろな支援をしていこう、金融的な支援あるいは情報提供的な支援をしていこうという中でそういうことを考えているわけでありまして、必ずしもこの事業分野ごと事業例として説明資料に挙げさせていただいたそのものを特定して支援をしていこうという意味ではございません。したがって、それはいわば頭の中で考えたのかということになるわけですが、そうではございませんで、こういった事業が需要もあり、あるいは支援措置の対象になり得る技術ないしは事業分野だなということで例示的に挙げさせていただいたわけでありまして、今後技術発展に伴いましていろいろな事業が出てくる可能性がありますし、そういうものも支援の基準に照らしまして対象にしてまいりたいというふうに考えております。
  88. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 ここに挙げられた事業あるいは技術の応用例といいますか、それ以外に例えばこういったものが可能性としてあるんじゃないか、これは需要のあるなしにかかわらず、これまでのいろいろな経験から、具体的なイメージを描くために、もう幾つかの例を挙げていただけると大変ありがたいと思うのですが。
  89. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 適当な事例になるかどうかわかりませんが、例えば通信放送新規事業分野で申しますと、今AM放送がありますけれども、このステレオ化といいますか、アメリカあたりではそういったサービスがなされているやにも聞きますが、そういった新規事業分野ではAMステレオといったようなもの、あるいは地域通信放送開発事業分野におきましては文字放送といったようなものも地方で需要はあるけれども、まだまだ立ち上がっていないというようなことも考えられるのじゃないかというふうに思います。  また、この共同開発の対象になります高度な電気通信技術の面からいいますと、自動翻訳電話といったようなことも対象になってくるのではないかというふうに考えております。
  90. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 今、それほど大規模ではないにしろ、アメリカでもう実用化された技術について言及されましたので、アメリカの例から幾つか伺いたいと思います。  例えば新しい技術、特に通信放送分野での新しい技術を用いて非常に高い評価を受けている事例がアメリカには幾つかあるのですが、その一つ障害者用にさまざまな技術を使うということです。それについて当然日本でもそういった必要性はあると思うのですけれども、現在例えば障害者用にどのような技術開発され実用に供されているのか、この点についての現状把握をしたいと思うのです。  厚生省の方にお願いしてあると思いますが、その現状について、それからさらに、どういった技術が、これから導入されることで障害者の生活のために、あるいは創造性を発揮するために役に立つのか、その辺について御教示いただければと思います。
  91. 福山嘉照

    ○福山説明員 お答えいたします。  厚生省といたしましては、現在身体障害者の自立と社会参加の促進ということでこれらを強力に推進しているところでございますけれども、特に情報伝達に留意しなければいけないと考えられておりますのは、視聴覚に障害を持つ方々がございます。それで、これらの方々には、例えば私どもテレビとかラジオとかCATVなどの放送通信利用する際、聴覚障害者の方にはテレビの字幕入り放送、また手話入り放送を充実してほしいとか、またファクシミリをもっと使いやすくしてほしい、また電話によるリレーサービス等を考えてほしいというような要望がございます。また、視覚に障害のある方々には、テレビの副音声でドラマなどの説明を入れて家族とともに楽しめるようにしてほしいといったニーズがあるということを承知しております。  また、これは付言させていただきますけれども、こういった視聴覚に障害をお持ちの方々は、私どもの実態調査によれば、視覚障害の方々が約三十一万人、聴覚、言語に障害をお持ちの方が約三十五万人いらっしゃるということでございます。
  92. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 ありがとうございました。  それ以外にも、私の、例えば実際に見た範囲での需要を一つ二つ申し上げますと、聴覚障害といってもさまざまな程度があるわけですが、例えば補聴器を必要とされている方の数が、多分百万には満たないけれどもそれに近い数だというふうに私は理解しておりますが、その補聴器の技術というものが、具体的に技術はあるけれどもそれがなかなか補聴器という形では応用されていないという現状があると思いますし、さらに、手足、要するに四肢障害を持つ重度の人の場合、しかも聴覚に障害がある、声にも障害があるということで自分からのアウトプットが非常に難しいような場合に、例えば、これはアメリカではインプットデバイスと言っているのですが、非常に大型の入力装置を使って、声ではない、文字でもないけれども、具体的にそういう機器を使ってほかの人とコミュニケーションを図ることができるといった機器の使い方もあります。  そういったさまざまな使い方があるわけですが、実はこの円滑化法案を見ておりまして、確かに事業としてこういったものが非常に難しい状況にあるということ、それから社会的なニーズがあるということ、それに対して技術によって十分こたえることができるということ、そういう点から、この円滑化法をこういった分野に積極的に導入していく、あるいは奨励してこういったものの事業を提供しようとしている人たちにPRしていく、そういったことが可能ではないかという感じがいたしました。  例えば円滑化法の中で、その運用に当たって、特にこういった障害者のための技術利用、そのための事業の奨励、促進といったことに力点を置かれて運用をされる、そういったお考えをお持ちかどうか伺ってみたいと思います。
  93. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 一つ秋葉委員にお断りをしておかなくちゃなりませんが、先ほどAMステレオが一部サービスに資しているということを申し上げましたけれども、まだアメリカにおきましても実験中といいますか研究段階にあるということでございまして、訂正させていただきます。  それから、先生言われましたように、障害者に対するそういった事業も対象になり得るという意味におきましては、私そのとおりだというふうに思っておりますし、もちろんそういった民間事業者の発意によるということではございますけれども、そういう面にも十分支援ができるということにつきましては、私どもも十分周知をしてまいりたいというふうに考えております。
  94. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 それから、ここに具体的に挙げられている事業例についてまた一、二伺いたいのですが、ローカルキャプテンが例として挙げられております。このキャプテンについてこれまでの利用状況、実績はどういうふうになっているのか、これからの発展条件はどういうふうになるのかその予測、両方伺いたいと思います。
  95. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 我が国のビデオテックスでありますキャプテン利用状況でございますが、これは昭和五十九年の十一月から商用サービス東京及び大阪において始めたわけでありまして、現在で五年余り経過しているわけでありますが、現在サービス地域といたしましてはもうほとんど全国カバーをしている状況であります。  普及状況といいますか、現在の端末数は全国で約十万台でございまして、利用状況としましては、年間約一千万回程度の情報アクセスが日本全国に分散して約百ぐらいの情報センターに届いているというデータがございます。  最近の利用状況を見ますと、従来はニュース、ローカルニュースを流すとか、あるいは天気予報を流すとか非常に一般的なサービスというようなものでございますが、最近のローカルキャプテンサービス態様を見てみますと、その地域に合った、ホームショッピングに利用しますとか、あるいは市町村の公共施設の予約にローカルキャプテンを使うとか、従来ですと、例えばテニスコートを利用しようとすると何日も前に並んで抽選をして、当たればまた許可証をもらいに行く、使用料を払いに行くといったようなことがすべてキャプテンでどんな端末からも申し込みができ、利用できる、しかも料金の決済もできるといったような、その地域地域に応じたローカルキャプテンの工夫とソフトの開発というものができておりまして、だんだんこれから根づいてくるのではないかという期待を持っております。
  96. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 それから、ここで例えばファクシミリ放送ということが述べられているわけですが、それに関連して、どちらかというと同じ原理の簡単な応用例である音声多重放送利用状況について、それから将来はどういうふうになるのか、その辺についてどういうふうに把握されているのか、伺いたいと思います。
  97. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 このテレビジョン音声多重放送は、昭和五十七年の十二月から実用化されておりまして、現在ではNHKのほか民放八十四社が実施をしております。一日の平均的な放送時間でございますが、NHKは三時間、民放の平均で二時間四十七分というような形で今実施をしておるわけでございます。  中身はと申しますと、ステレオ放送、二カ国語放送、それから視力障害者向けの解説放送など、いわゆる番組を補完するというようなサービスをしているわけでございます。また、超短波音声多重放送といいますのは、いわゆるFM放送に多重したものでございますが、これも昭和六十三年七月に実用化が行われまして、現在一社が実施をしているところでございます。
  98. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 具体的な数字はそういうことだと思うのですが、先日郵政省からいただいた資料の中で非常に感銘を受けたのは、この字幕つき放送を使っているのだけれども、実は聴覚障害のある自分の伴侶がテレビドラマを見ることができてその貢献度が非常に大きいという新聞投書がありました。非常に感動的でしたけれども、私が耳にした範囲内でも、やはりそういった障害者用にこの技術を使うことで非常に技術が生きているという気がいたしました。  私は具体的に世論調査をしたわけではございませんので、私の印象が正しいのかどうかいささか自信がありませんが、郵政省の方で万一そういったことについての利用状況について、例えば障害者用の利用が非常に評価されている、あるいは例えばNHKその他民放が受け取る手紙その他に反映されるような数字においても、障害者のためのこういった技術の使い方というものが高い評価を得ているという具体例がありましたらお教えいただきたいと思います。厚生省で万一そういったデータがあったらそれもお教えいただきたいと思います。
  99. 福山嘉照

    ○福山説明員 お答えいたします。  厚生省としましては、データとして今の先生の御質問の件については把握しておりません。ただ、私ども聞いております中では、大変感謝しているという声は多々聞いております。
  100. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 障害者に対する情報通信関係サービスという意味で申し上げますと、聴覚言語障害者を対象にしました手書き文字が送れますシルバーホンひつだんあるいは難聴者を対象にしましたシルバーホンめいりょうというものが既にサービスインされております。大変好評のようであります。また、先ほどもお話がありましたけれども、テレビ放送で聴覚障害者へ字幕で説明をいたします文字多重放送あるいは視覚障害者への状況説明を行う音声多重放送というようなものが大変好評を博しているということは伺っておりますが、データとしてその状況を把握するまでには至っておりません。
  101. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 データがないのが残念なんですが、となると、私たちの持っている印象をもとにこれからのことを考えなくてはならなくなりますが、少なくとも今まで伺った方すべて、こういう新技術を使っていく上で障害者用に技術を使っていくことに非常に大きな意味がある、しかも、それが社会的にとても高い評価を得ているというところでは意見が一致していると思います。  それでこの円滑化法、先ほどのお答えでは、これを運用するに当たって当然そういった申請が出ればその範囲内に入るのだから認めるというお答えでしたけれども、それを一歩進めて、非常に高い評価を得ている応用例もあるし、社会的な意義が非常にあるという点に力点を置いて、より積極的にこういった面における技術の応用を考えていく、そういったもう一歩踏み込んだ積極的な運用をお願いすることはできないものでしょうか。
  102. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この法案の審議の過程におきまして、委員会におきましても強い要望がありますことを踏まえまして、制度の周知なんかに当たらせていただきたいと考えております。
  103. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 ありがとうございました。  今までの質問は、実は通信放送、この両方が出てきておりますけれども、その通信放送との境界といいますか、それにほとんど影響のない、両方とも一緒くたにして十分考えられるところだったのですが、実はこの法案通信放送という言葉があらわれてまいります。先ほど、二十一世紀は一体どういうような未来図になるか、それは伺ったわけですけれども通信放送、だんだんこの二者の違いがはっきりしなくなってきている。それは新しい技術、新しい事業そして新しい受け方といったところからその違いがはっきりしてこなくなっているわけですけれども郵政省としてはこの通信放送とをどういうふうに定義づけていらっしゃるのか、その定義をまずお聞きしたいと思います。
  104. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 通信放送のそれぞれの定義ということでございますが、放送というものは公衆、すなわち不特定多数の者によって直接受信されることを目的としたものであります。これに対して通信はどうかといいますと、送信者と受信者との間に、例えば本社、支社のような強い関係がある場合には受信者にいわゆる特定性ということが認められるということから、一般にはその送信は通信とされているわけであります。新しい技術開発も進み、先生おっしゃるようにニーズの多様化にこたえる新しいサービスが創造されてくると私も思っております。  このように、境界領域的なサービスというものが通信に属するのか、放送に属するのかということを真剣に考えなければならないと思うわけでございますが、現在は送信者と受信者の間の関係の強さと申しますか、そういう尺度で総合的に判断をしていきたいと思っているわけであります。当面、私どもは従来どおり通信放送の二つの区分で対応してまいりたいと思っておりますけれども、今後ともそのサービス発展動向というものを十分に踏まえまして、必要な規律のあり方についても検討を進めてまいりたいと思っております。
  105. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 一応の定義はわかりました。  定義としては一応完結性があるわけですが、技術というものが非常に大きく変わっています。その技術の変化に従って、それが現実を処理する上でうまく役立つ定義であるかどうかというところでいささか疑問を感じるのですが、例えば電話というのは今の定義だと恐らく通信分野に入る。いや、すべてをともかく放送通信に入れると、例えばこちらが番号をかけて、その番号を持った人が電話に答えるわけですから、そういう非常に特定された関係があるという意味通信だというふうに思います。  それは昔の電話では、つまり必ず中に電線があって、光ファイバーでもいいのですけれども、昔のあれで、電線があって、その外に情報が絶対に出ないという保証があった上で特定の相手と話をする、それでプライバシーが守られるということになっていたわけですけれども、例えば現在の自動車電話あるいは携帯電話を考えますと、これは電波を使ってコミュニケーションが行われているということになるわけです。  それで、この自動車電話あるいは携帯電話の盗聴が非常に広範囲で行われているということは周知の事実であります。したがって、例えば携帯電話を使う場合には、これは既に二人の人間だけがその会話の内容を知っている、そういうプライバシーの高いものではなくて、あたかもテレビで話しているのと同じような情報公開を行っているんだという覚悟で、私は電話をかけております。  そういった現状を考えますと、今おっしゃった通信放送の定義で現状が把握できるのかといった問題が生じてくると思うのですけれども、現在の技術に関連して、そのあたりいかがでしょうか。これからその技術の流れに沿った方向で通信放送の区分を考え直す必要があるように思うのですけれども、いかがでしょうか。
  106. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 私は通信放送の定義というものを率直に申し上げたわけでございますが、先生指摘のようなどちらかわからないじゃないかという点もあることは事実でございます。しかしながら、その場合にだれを相手にするのかという送信者の意図と申しますか、そこが非常に大事なことではないかと思うわけでありまして、不特定多数の人を相手にしたいというところが重要なポイントではないか。送信者側の意図、これがポイントではないかと思っているわけでございます。  それから、電波の関係で電波漏れがある、盗聴があるというようなことはあってはならないことということで、技術的に一生懸命開発を進めているわけでありますが、今後ともそういう点は技術開発とともに改善されていくのではないかと私は考えております。
  107. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 発信者側の意図ということですが、実はその意図というのは具体的にどういう技術を選択して、その技術によって自分の声を、あるいは自分の考えていることを相手に伝えるか、その技術の選択にも発信者の意図というのは反映されるものだと思います。自分の裸は絶対に見せたくないと思う人が何も着物を着ずに銀座の真ん中を歩いていたら、その人の意図は自分の裸を人に見せたいと思っていると、ちょっと変な例ですけれども、そう思われるのが自然だと思います。  それと同様に、だれでも簡単に受信できる電波を使って自分の意図を送っておいて、実は私の意図は自分の会社の重役だけに伝えたかったんだという、自分の意図の限定というのは非常に矛盾するやり方ではないか、そういうふうに思います。例えばそういう意図を持っているのであれば、現在の技術で簡単にできるスクランブリングを行う、あるいは暗号化するといった方法があるわけですし、その他の簡単に用いられる方法もあります。そういった技術を考えに入れた上でないと、今おっしゃった特定関係、紐帯関係という難しい言葉が郵政省の文書には出てまいりますけれども、そういった関係を定義づけることはちょっと無理があるのではないか、そういう気がしますが、いかがでしょう。
  108. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 放送という分野の中にも有料放送というものがございます。これはスクランブルをかけて、そして受信したい人がそのスクランブルを解くという装置を持てば放送の受信ができるというものもございます。したがいまして、有料放送のように受信者と契約関係があってもだれとでも契約し得るようなものであれば、これは放送であるということで分類をしているものでございまして、スクランブルがあるからこれは通信だというようなことでは私どもは考えていないわけであります。非常に相互に関連する問題ではございますけれども、私ども放送という面での有料放送という分野をきちっと定義づけをいたしまして、現在放送法の中でも規定をしているものがあるわけでございます。
  109. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 今のお答えでもまだいわゆる発信者とそれから受信者の関係というところに非常に力点を置かれているわけですけれども、ここで一つ、これは半分お願いなのですが、郵政省にぜひ一般の市民、圧倒的に電波を受け取る機会の方が多い市民の立場からその放送通信ということを考えていただぎたい。つまり、発信をする側、あるいは全体としてその発信者と受信者と両方同等の立場において、それを一つのシステムとして考える立場というのも確かにあると思いますが、私たち普通の、例えば放送であれ通信であれ、それを受信者として使う側から考えますと、実は今おっしゃっているようなこと、紐帯関係あるかないかというのはだんだん意味を失ってきているのが現状です。  仮に、例えばごく限られた人だけを対象にして放送をしているような、例えば予備校の授業なんというのがあるわけですけれども、しかし仮にそれが暗号化されていないとすれば、パラボラアンテナがあってチューナーがあればそれをだれでも見ることができるわけです。それから、企業の非常に重要な秘密をそのトップの幹部だけで話をするために企業間の通信を使っているというふうに考えていても、その技術の選択が不適切であれば、私たちはそれを簡単にパラボラアンテナとチューナーによって傍受することができます。それは企業の秘密を外に出すという観点から見ると非常に大きな問題ですけれども、恐らくそれを見る私たちにとっては、NHKの大河ドラマを見るのと同じような娯楽性の高いものになるだろうというふうに考えられます。  ですから、受信者の側から考えると、今おっしゃっている紐帯関係があるかないかということはほとんど意味がなくて、受信者、私たちが一体どのくらい手軽にそれを受信することができるのかといった点が最大のファクターだというふうに思います。  そこで、そういった観点から、放送とそれから通信との境界というものを受信者の側に立った、私たちの大多数である市民の側に立った定義づけ、そして行政ということをぜひお考えいただきたいというふうに思います。お答えいただければありがたいですが、もし要望だけであれでしたら、次の問題に移りますが、一応いかがでしょうか、御検討いただけるものでしょうか。
  110. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 私も、先ほど申し上げましたように、いろいろな発展段階というものがあるわけでございますので、新しいサービスというものが創造される、そういう段階におきまして、それぞれ通信であるか放送であるかというような区分けをきちっとして、必要な規律をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
  111. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 この点については済みません、時間がございませんので、また別の機会にぜひもっと詳しい議論ができたら大変ありがたいと思います。  次の問題に移りたいと思います。  先ほど上田委員から提起された問題ですけれども、この円滑化法案の中、これを支援を行うのは通信放送衛星機構を通してということですが、長いので機構というふうに略して呼びたいと思いますけれども、この機構を通しての支援、これについてもう少し別の視点から問題を提起したいと思います。  最初は大体同じところなのですが、この特定通信放送開発事業に対する支援通信放送衛星機構を通して行えるという法的根拠、これをもう一度お示しいただきたいと思います。
  112. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 機構におきましてこの特定通信放送開発事業に対する支援業務を行う法的な根拠でございますけれども、この円滑化法の第六条第一項におきまして、通信放送衛星機構は、通信放送衛星機構法第二十八条第一項に規定する業務のほか、この法律の目的を達成するため、債務保証等の業務を行う旨の規定をしているところでございます。  過去の立法例で見ましても、既存の法人に異なる業務を付加する場合、必ずしもその既存の法人の組織法の目的規定を変更しなければできないといったようなことはないようでありまして、今回もこの単独法によって機構に追加の業務を行えるように法的な措置をとったところでございます。
  113. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 目的の変更をする必要がない、そういう慣例があるということですが、目的の変更をしないでも、例えば郵政省皆さん方の頭の中あるいは郵政大臣の頭の中では、この第一条の機構の目的に照らして、このような業務を行うことに関していささかの知的とがめといいますか、クエスチョンマークと言ってもいいのですけれども、そういったものが生じないでこれで全く問題はないのだというふうにお考えなのでしょうか。  それとも、問題はあるのだけれども、いささかの疑問符はついているけれども、手続が煩雑だとかその他の理由によってこういう慣例もあることだしこれでいいではないか、一応の説明がつくからいいではないかという、どちらかというと便宜上こういう方法をとっておられるのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
  114. 白井太

    ○白井政府委員 全く技術的な側面だけちょっと私の方からお答えさせていただきます。  こういう例が時々ありまして、ある意味では私どもとしては技術的な問題だというような理解でおるわけですが、当逓信委員会関係なんかで例を申し上げますと、例えば郵便貯金資金の運用についての法律なんかで、金融自由化対策資金の運用及び簡易保険郵便年金福祉事業団の業務の特例等に関する法律なんというのをこちらの方で御審議いただいたことがございますけれども、全く法律の形としては同じようなものになっておりまして、この法律で簡易保険郵便年金福祉事業団で金融自由化対策資金の運用をしておるわけですが、簡易保険事業団等の目的規定については改正はしていないというようなことで、いわば私どもの方としては技術的な問題だという理解でやってきております。
  115. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 時間が余りありませんので読みたくはないのですが、機構法の第一章の総則、第一条の目的、これをよくお読みいただきたいと思います。実はそれだけではなくて、この「通信放送衛星機構」、これも郵政省から持ってきていただきましたが、ここの機構の概要の「機構の役割」というところにも非常にはっきりと限定された機構の役割、さらに目的が書かれています。一応読みますけれども、このパンフレットに書かれているものは、「通信放送衛星機構は、通信衛星及び放送衛星を他に委託して打ち上げるとともに打ち上げられた通信衛星及び放送衛星の位置、姿勢等を制御し、これらの衛星に搭載された無線設備を利用者に効率的に利用していただくことによって、宇宙における無線通信普及発達と電波の有効な利用を図ることを役割としています。」と書かれています。  先般、この委員会で審議をいたしました難視聴対策、それでもこの機構が使われているわけですけれども、その場合には一応放送衛星を使ってその普及を図るというところで、非常に弱い形ではありましたけれども、というのは、この前段に書かれている通信衛星あるいは放送衛星をその位置、姿勢等を制御しというところにはまるっきり関係はないわけでありますし、無線設備を利用して云々というところにも関係がない、そういった弱いつながりではありますけれども、ともかくつながりがあった。  しかし、今回のこの機構の使い方というのはこの目的から大きく逸脱しています。全く関係のないような事業に対しても恐らく支援が行われる。それは慣例としてやってきたんだからいいというふうに私は今のお考えを伺いましたけれども、実はそういった慣例としてやってきたことが、例えば日米構造協議でも非常に大きな問題にされている。これは通産省の管轄になりますが、大店法においては、法律に照らすとそれほど問題のない運用の仕方に関して疑義が提出されている。要するに、それが日米間の非常に大きな問題になるほど、これまでの法律のあり方、そしてその運用の仕方というものが国際的に問題にされている。  そういう環境にあって、今回の場合には、非常に明白に、だれが読んでもはっきりと意味のわかる、目的に反する事業を行うという姿勢、しかもそれは今までの法律のあり方、運用の仕方に照らして問題がないからいいんだというお答えでしたけれども、そういった時代は実は過ぎてきているんじゃないか。この際改めて郵政省が、例えば世界的な日本の政治の立場を高めるため、あるいは今後もしかしたら起こるかもしれない日米構造協議あるいは通信放送摩擦といったものを事前に予防するためにも、この際、例えば機構法の目的を改正するという手続を踏んだ上でこの円滑化法案を通すようにしてはどうでしょうか。私はそれが正しい手続だと思いますし、大多数の市民にとって納得のいくやり方だと思います。今のように、目的は全然関係ないけれども、ただ単に具体的な事業のところで勝手にその目的とは反した事業をつけてしまっても構わないんだ、実はそういったやり方そのものが反省を求められている時期ではないのでしょうか。
  116. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 秋葉委員の御指摘は、私もそれなりに大変理解ができる面もあるわけでございまして、きょうの天気のように晴れ晴れとして誤りはないのでございますという気持ちはないわけでございます。立法技術としては、機構法も変え、また機構法ではまらないものを別の単独法で立法するという道もあるわけでございますから、青天白日で、そのような気持ちかと言われると、それは先生のような御主張もあるだろう。  ただ、一切今の機構法の目的に反するようなことを追加業務としているわけではございませんで、あえて理屈を言うつもりはございませんけれども、立法例としては、こういった単独法で、直接目的に読み込めないかもわからないけれども、そういった業務を追加した例もありますので、そういう方法をとらしていただいたということでございます。そのようなことでひとつ御理解をいただきたいというふうに思っております。
  117. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 そういう目的を変えないで業務を追加した例もあるということで、そういう事実があるだろうということは理解いたしました。  ただ、それが具体的に三権分立を行っている国の政治のあり方として望ましいものかどうか、非常に大きな疑問を感じます。これはただ単に郵政省の問題だけではないと思いますし、この法案だけの問題でもないと思いますので、また場を改めて問題提起をしたいと思いますけれども、先ほど申し上げたように、そういったいわば法律で定められない、私は目的と反したと仮に言ったとしたら訂正いたします。目的の中には含まれていない事業を追加するといった意味で申し上げたので、そういったことまで、つまり法律の条文の拡張解釈、あるいはその法律の範囲に含まれていないことをどんどん権限の中に取り入れていくといった膨脹体制、実はこれは行政改革審議会からも非常に厳しい批判が出て、これを縮小していくべきであるという報告が出たところだと思いますので、そういった観点からも改めて問題提起をしていきたいというふうに思います。  その点は一応不問に付すことにして、仮に目的その他法律的な問題点がクリアされた上で伺いますけれども、これまでの機構で行ってきた事業、例えば君津のセンターなどにおいて行ってきた仕事は非常に技術的な内容の濃いものだというふうに思います。今度このような新しい事業支援をする、かなり金融機関の色彩が濃い仕事をするわけですが、その際に新たなスタッフが必要になるのか、人員はどのくらいの人が必要になるのか、その根拠、つまりこういった仕事でこれくらいの時間どうしても必要になるのだといった数量的な根拠をお示しいただきたいと思います。
  118. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お答えをいたします。  現在、通信放送衛星機構では、主たる業務であります衛星管制等の業務を行っているわけでございますが、それは定員百七名で行っているところでございます。この法律によりまして新たに支援を行う業務を追加するに当たりましては、債務保証、出資、利子補給等の金融的な業務とそれから情報提供の業務があるわけでございますが、そのために機構におきましては一部一課を設けましてこれに五名を充てる考えと承知をいたしております。実質的には四名の増員で、一名は既存の定員から振りかえることを予定しているところと伺っております。  数量的な根拠ということでございますが、そういった定員算出の根拠につきましては私どもつまびらかにしないところでありますが、大体機構の業務を見ますと、課の定員というと四、五名というところでございまして、今度の新たな追加業務を行うにも一部一課でやっていけるのじゃないか。万一業務上これで難しいということであれば、お互いに共助共援をするとかそういった体制で取り組んでいただけるものというふうに考えております。
  119. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 わかりました。数量的な根拠、恐らくどこかにあるんだと思いますが、実は現在、これも行革審の答申によって非常に新しい人員が必要でもなかなかその補充ができないというようなケースもあるわけですけれども、そういう時代に、しかも政府の職員でない場合、例えば一般のビジネスの場合にはかなり厳しいコストの計算を行った上で人員の配置を決めるというような慣行があると私は信じております。日本にはないのかもしれませんが、恐らくかなりの企業でそういうことをやっているはずです。そういったコストの計算なしに新しい事業を本当に郵政省だから始めてしまっていいのか、あるいは政府だから始めてしまっていいのかというところが実は非常に大きな疑問です。  現在、万一資料がお手元にないようでしたら後刻でも構いませんので、そういった数量的な資料、何か人員がこのくらい必要だ、その根拠はどうなっているのだという基準あるいは手続をぜひお教えいただきたいと思います。それに従って、これもまた行革審の答申とも関係があることですけれども、そういった問題についても問題提起をしていきたいというふうに思います。どうですか。
  120. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 通信放送衛星機構におきまして、新たに追加される業務を遂行するに当たって最低限どのくらい要るかという検討をなさっているところでございまして、私どももまた機構からいろいろお話も聞いて先生に御報告いたしたいと思います。
  121. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 時間がありませんのであと一、二点について伺いたいと思います。  この円滑化法の中には、郵政大臣による実施指針の作成と公表、それから認定という部分があるわけですけれども、この実施指針は具体的にはどういった内容のものをどういう手続でつくるのか。さらに、現在その詳しい内容がわからないのであれば、詳しい実施指針が公表された時点において、例えばそれに不満を持つ人間は一体どういう方法で異議を唱えていけばいいのか、その異議が最終的には公表された実施指針に反映される可能性があるのかどうか。郵政大臣、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか伺わせていただければと思います。
  122. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 郵政大臣のつくります実施指針でございますが、これは、電気通信による情報の円滑な流通促進を図るために、特定通信放送開発事業実施に関しまして、三類型のそれぞれにつきまして支援の趣旨でありますとか目的を敷衍いたしますとともに、事業の内容、実施方法、配慮事項等を定めるものといたしております。  実施指針は次のような趣旨、内容を予定しているところでございまして、若干長くなりますが御説明させていただきますと、まず、「全国及び地域における電気通信による情報の円滑な流通促進に関する事項」につきましては、電気通信による情報流通現状と今後の見通し等を明らかにいたしたいというふうに考えております。  それから、「特定通信放送開発事業の内容に関する事項」につきましては、三類型のそれぞれにつきまして、本法案第二条の各事業の定義に即しましてその事業内容をより具体化をしていきたいというふうに考えております。  それから、「特定通信放送開発事業実施方法に関する事項」につきましては、市場の的確な把握でありますとか実施体制の整備、適切な資金計画に基づく資金調達等について明らかにいたしたいと考えております。  それから、「特定通信放送開発事業実施に際し配慮すべき重要事項」では、資金、人材等の経営資源に関する留意事項を定めたいと考えております。  また、「当該事業が行われるべき地域に関する事項」では、地域通信放送開発事業の対象とされる地域について明確にすることを考えております。  この実施指針の策定の方法でありますが、これは郵政大臣関係行政機関の長に協議いたしますとともに、政令で定める審議会の意見を聞くことにいたしております。  私どもは、これらの措置をとることによって適切な実施指針を策定し得るというふうに考えておりますが、先生が御指摘のように、万一、実施指針が不適当だ、あるいは何か事情の変更に伴って不適切になったといったような場合には、速やかに是正の手続をとってまいりたいというふうに考えております。
  123. 秋葉忠利

    ○秋葉委員 今の問題についても実はまだ質問を続けたいのですが、時間がまいりましたので、また後日こういった問題についても継続してお尋ねしたいと思います。  質問を終わります。ありがとうございました。
  124. 上草義輝

    上草委員長 次に、吉岡賢治君。
  125. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ただいま秋葉委員の方から、通信あるいは放送について総括的なそしてまた多岐にわたる質問があったかと思います。私は具体的に今回の円滑化法についてお聞きしてみたいと思いますから、よろしくお願いいたします。  まず、郵政大臣の所信表明において、「平成二年度には、郵便局間を衛星通信で結び、各地の特産品や観光などのふるさと情報のほか、経済・金融情報生活関連情報などを提供できるようにする予定であり、このネットワークを使って、地方のイベント情報などを全国に放映できるとしたら、」ということで明らかにされました。私は、「このネットワーク」というのは一体何だろうかと考えてみますと、P・NETではないか、こう思います。私はこのことについては、郵政三事業、とりわけ保険、あるいは貯金、そして郵便、こういうことを発展させ、さらに国民へのサービスの向上に資するということで推進すべきであるというふうには考えております。  そこでお聞きしたいのでございますが、大臣が言われた地域コミュニティーセンター構想をこのP・NETにのせるというような考えがあるのかどうか、そしてまた、本円滑化法案、その適用事業者とP・NETとの関係づけについてはあるのかどうか、冒頭にお聞きをしておきたいと思います。
  126. 白井太

    ○白井政府委員 まずP・NETについて申し上げますと、実はP・NETというのは、郵便と貯金と保険のそれぞれが一緒に使う回線のシステムを私どもP・NETと呼んでおります。なぜそういうふうにするようにしたかと申しますと、郵便、貯金、保険のそれぞれがオンラインのシステムを導入いたしますときに、時期的にもあるいは導入先についてもかなりばらばらに導入したという経緯がありまして、それぞれに専用線を別々に借りておったものですから、専用線を借りる場合の借料が非常に高価だったので、同じ郵便局に線を引っ張るんだから郵便、貯金、保険、一緒に使うような共用のシステムをつくったらどうだということで導入し始めたものでありまして、一般の民間企業などでもやっております自社のシステムと申しますか、専用線を借りて自分のところで使うシステムとしてつくっているものでありまして、これは電気通信事業とは全く関係がないというか、電気通信事業者の専用線のサービスを受けてシステムをつくっているというものでございます。  それから、大臣の所信表明で触れさせていただきましたシステムの場合は、ちょっとP・NETとは違いまして、実はP・NETのバックアップ機能というのも若干考えているわけですけれども、それとは別に、直接郵便局と郵便局をさらに衛星を通じて結ぶというようなことをすることによって、地域の方々、利用者の方々に郵便局に赴いて先ほど先生も言われたようなイベントなんかに参加をしていただくということを考えてやっているものでございますけれども、これも実は言ってみれば電気通信事業者から回線を借りる、あるいは衛星の場合はトランスポンダーの一部を借りてやるということで、あくまでも電気通信事業との関係では利用者という立場で考えておるものでございます。
  127. 深谷隆司

    深谷国務大臣 今せっかくのお尋ねでございましたのでちょっと私申し添えますが、この法案情報の円滑な流通促進を図ることを目的として、特定通信放送開発事業実施の円滑化に必要な措置等を講ずるものでございます。私が所信表明で申し上げた郵便局のネットワークの高度化というのは郵政事業の効率的な運営を図るという趣旨でございまして、この法案と直接関係があるものではありません。
  128. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 整理していただいたのですが、そこでお聞きしたいと思います。  郵政省は衛星のトランスポンダーを十億で一つ買っておられる、こういうように聞き及んでおります。それから、先ほどから秋葉議員の方からの質問で、この円滑化法案をいわゆる衛星機構を通しての支援措置、こういうことになさっておられます。矛盾については先ほど言われましたから指摘を申し上げません。こういうことを結びつけてみますと、言うなれば将来この円滑化法案に基づく形の中で衛星を結ぶというようなことをもお考えになっていて、その部分はひとつ今日のところは伏せておこうというお考えになっているのではないだろうかということを思うわけですが、すっきりしていただけるならすっきりしていただきたいと思います。
  129. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先ほど官房長からお答えしましたように、いわば郵政省で使っておりますのは自社内のネットワークでございますから、この円滑化法の対象になる事業では毛頭ございませんで、委員指摘のようなそういう意図があってというようなことは毛頭ございません。
  130. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 仮の話をして恐縮でございますが、例えば広範囲にわたる自治体が第三セクターを形成して、それでトランスポンダーを買いたいとかそういうことになったとしたら、この地域発展のためにということで円滑化法の適用を受けることができますか。
  131. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 幾つかの市町村が共同で第三セクターをつくり、その第三セクターが何か新しい事業を始めるという、その事業そのものに新規性があるといいますか、本円滑化法の対象事業に該当するものであれば当然支援措置が受けられるという仕組みになっております。
  132. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 具体的に次に入ってみたいと思います。  地域通信放送事業では情報化がおくれている地域支援することになるというふうになっており、情報化のおくれ、こういう基準について、何だろうか私は非常に疑問に思います。CATVが例示されていますけれども、新たなインフラの構築を不必要とは言いません、現に第一種事業者が持っている回線をCATV事業者利用できるようにする方が経済的で、資源の有効活用という点では有効であるというように思うわけでありますが、どうでしょうか。  ここで言いたいのは、法令改正を含めて検討すべきではないかというように思っておるわけです。単に新しいCATV事業者というものが仮に生まれた場合に、新たに回線をつくるか他のCATV事業者から回線を借りるしか今のところできませんね。第一種事業者から借りることができないわけです。そういう状況がありますから、こういう地域通信というものを真剣にお考えになるなら、そういう部分も検討していただいたらどうかというふうに思うのですが、いかがでございましょう。
  133. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 現在の法律の建前から申し上げますと、電気通信の回線をCATVの伝送に使うということは予定いたしておりません。先生の御指摘の御要望といったようなものは私どももあることは十分承知しておりますが、今後の検討課題であろうというふうに考えております。
  134. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 円滑化法案で地域の充実をさせていくという、そういうことの中でCATVも事例に出ておりましたので申し上げたのですが、そういう現在ある法律の中にも矛盾がありますよ。そういう部分もやはり解決をしていくということも今後ぜひお考えいただきたいと思いますので、ひとつ再度一言御返事をいただきたいと思います。
  135. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 郵政省におきましても、現在通信放送の境界領域の問題につきまして、調査会を設けまして検討をいたしておるところでございます。いずれそういった問題につきましても見解が明らかになるものと思っております。
  136. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 CATVの新しい事業を始めようとする方々が当面どうだというと、新しく回線をつくらなければならぬ、じゃそれまでに一種事業の回線を借りようか、こういうことだってやはり起こり得ると思いますので、その点についてひとつぜひ御検討いただきますように要望しておきたいと思います。  次に移ります。  援助対象事業の範囲はどこまででしょうか。放送に関してファクシミリ放送ということが例示されております。これはある意味で、地域の中で放送事業を起こすということになりますと、民放を認可するということを示しているというように思うのですが、どうでしょうか。
  137. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この円滑化法が予定しております支援すべき対象事業に、新しいサービスの提供というものが入るわけでありますが、放送事業は免許事業でございますから、放送事業として事業を開始できるかどうかというのは放送法上の判断にまたなくてはならないわけでありまして、もちろんこの円滑化法が免許をするという性格のものではございません。     〔委員長退席、井上(喜)委員長代理着席〕
  138. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 もっともそうだろうと思いますけれども、それでは、この円滑化法案の中で新たに起こす放送事業というのは具体的にどうなんでしょうか。例示されておるのはファクシミリ放送、こういうことになるわけでございまして、そういうことになりますと勢い、私が先ほど申し上げたように、民放を開設しないとこういう放送というのはできないのじゃないかという発想に立つのですが、飛躍でしょうか。
  139. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お答えを申し上げます。  ファクシミリ放送につきましては現在まだ技術基準等について検討をしている段階でございまして、今の状況ですぐ放送ができるかというと、そこまで条件が整ってございません。
  140. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 NHKでもこれは近々やろうというふうに言っておられる内容ですね。それが例示に出ておりますとやはりこれは相当の放送設備を持った民放だ、こういうふうに思わざるを得ないという一面があることを御指摘申し上げておきたいと思います。  私はそういうことを考えて、放送資源には限りがある、こう思っております。将来的に既存の、例えばNHKやあるいは民放、こういう放送事業にもこの円滑化法案によっていろいろ放送事業が生まれていった場合に影響が出てくるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  141. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 新規の通信放送開発事業というものに対しましていろいろ支援措置を考えていることでございまして、既存の放送事業と完全に競合するようなものにつきましてはこの円滑化法の対象にはなっておりませんから、そういう意味で影響ということは余りないというふうに考えております。
  142. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 通信放送共同開発事業では広帯域ISDNが例示されております。これは私の考えでは第一種事業、こういうことになろうかと思いますが、郵政省の認可を受けた特定事業者だけが優遇されるということになりはしないかというように問題を感じておりますが、いかがでしょう。
  143. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 通信放送共同開発事業といいますのは新しい、例えば広帯域ISDN企業化を図る前の需要の喚起といったような仕事をするということでございますので、第一種通信事業というものではないわけでございます。現在の技術からいいますと広帯域ISDNというのは大体九〇年代の半ばごろに生まれてくるかな、そういった新しいネットワークの利用方法を、どういったニーズにどういった形で対応していけば企業化ができるのかといったことを共同で探るといいますか、そういったことに対しまして支援をするということでございまして、決して第一種事業になるものではございません。
  144. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 通信事業に対しましてNTTもしくはNCCなど既存の第一種事業やあるいは第二種事業、こういうものとの将来的な影響というものがどのように考えられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
  145. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 完全に新規の通信事業ということでありますれば競合は起きないと思います。また第一種事業者等が出資をいたしまして共同開発事業に取り組むということでありますれば、いずれにいたしましてもNTTあるいはNCCともに恩恵を受けることができるということが言えようかと思います。
  146. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 少しずつわかってきたのですが、端的にお聞きしたいと思います。放送事業でNHKが、通信事業でNTTもしくはNCCがこの法適用を受けたいという申請があったら具体的にどうなるでしょうか。
  147. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 具体的にどのような事業に取り組むかということを見ませんと、一概にそれは対象にならないとか対象になるといった判断はいたしかねます。ただ言えますことは、NTTとかNHKとかということになりますと非常に信用力もありますし、例えば債務保証が受けられるような事業をやるといった場合に、債務保証料まで払って円滑化の適用を申請することがあるだろうかといいますと、私はまずそういった大企業はないんじゃないかというふうに思っております。
  148. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 今大企業にはないだろうと言われますけれども、NHKだってNTTだって今大変でございますから、それぞれの地域の中で働いている人たちは、過疎地では赤字の中で働いているのです。そういう状況の中で、職場が失われていくという状況の中で地域の中の通信事業をということで、例えばその地域のNTTが真剣に考えて、出資会社で会社をつくろう、こういうケースだってあり得ると思いますから私はあえてお尋ねをしておるわけであります。
  149. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 NTTとかNHKが出資をした子会社において新規の通信放送事業を考えるということでありますれば当然この法律による支援が受けられる対象になり得るということが考えられると思います。
  150. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 それでは次の問題に移りたいと思います。  円滑化法の第三条で郵政大臣実施指針を定め公表することになっています。どんな実施指針についての構想を郵政省としてお持ちですかということでは、先ほど秋葉議員の方に回答されておりますから、それは承りましたということにしたいと思います。  その三条四項で「通信放送事業分野に係る国際環境との調和を確保するよう配慮」する云々、こういう言葉が見受けられるわけであります。過日の新聞で、OECDの構造調整レポートでも電気通信市場の競争促進を求められております。このことは規制緩和について検討を求められたと解しているわけでございます。今回実施指針を作成されるということになるわけでありますが、その緩和について織り込む考えはあるのか、OECDの考え方を織り込む考えがあるのか、お聞きをしておきたいと思います。
  151. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この法案の第三条四項におきまして「実施指針は、通信放送事業分野に係る国際環境との調和を確保するよう配慮されたものであるとともに、」ということで国際環境との調和の確保に対する配慮を要請しているところでありますが、例えば新規の通信放送事業を営む場合に、内外無差別にオープンにしますといったことも通信市場を開放している我が国としては非常に大切なことであろうと思いますし、そういった点について実施指針の中でも明らかにしたいというふうに考えております。
  152. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 同三条の六項で審議会の意見を聞くというふうにあります。それは新たな審議会をつくるのかどうか、その審議会とはどんな審議会でしょうか、お尋ねいたします。
  153. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この実施指針というものはこの法案を施行する際の中心的な役割を果たすものでありますから、関係行政機関の長に協議いたしますとともに、政令で定める審議会に諮りまして適切な実施指針を策定したいというふうに考えております。  そこで、この「政令で定める審議会」という審議会につきましては、電気通信審議会を考えております。
  154. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 電気通信審議会については、私は残念ながら疑問を持たざるを得ない、こういう状況にあります。中間答申、さらに最終答申で、情報通信事業のあり方についての認識及び現状分析について初歩的な疑問点を残す記述が多いからであります。国民、利用者の最大関心事であるあまねく公平なサービスやあるいは低廉で良質なサービスの実現にはほど遠い内容と言わざるを得ないと思っているところでございます。  したがって、電気通信審議会が「地域情報化情報機能地方分散に関する調査研究会」の最終報告をもとにしたこの円滑化法の本旨に沿った実施指針を定め及び変更する審議会としてふさわしくないという見解を持つのですが、いかがでしょう。
  155. 深谷隆司

    深谷国務大臣 お立場や判断の違いで意見――では、先にちょっと……。
  156. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 私ども、先ほども申し上げましたように、実施指針を適正に制定するということは大変重要なものであると思っております。したがいまして、関係行政機関とも十分すり合わせをしましてその公正を期すると同時に、各界の代表者の御意見を伺って誤りなきを期したいということで審議会にお諮りをするわけでございまして、やはり実施指針を内外に公表しまして、事業者も手続の透明性といいますか、そういった面で非常に安心をして御利用できるためには、ぜひそういった手続が必要であるというふうに私ども考えておるところでございます。
  157. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 大臣には後の方でも答えていただきますから……。  今お答えいただいたのですけれども、私はなぜ電通審に対して今申し上げたような厳しい姿勢を持っているかということであります。私は過日にも質問をさせていただいた中で幾つかの問題点を明らかにしてきたところであります。  例えば、NTTのあり方ということについての中間答申もしくは最終答申の中で、装備率と従業員数について、「有形固定資産の額が非常に大きいにもかかわらず、同様な東京電力に比べ、労働装備率は著しく低く、従業員数が相対的に多いことが示唆される」などという記述があるわけです。考えてみてください。NTTと東京電力。電力はまさしく装備比率のすぐれて高い企業であります。電気通信というのは、装備比率もありますけれども、装置産業ではありますけれども、労働集約型の産業だ、こういうように思わなければならないわけであります。その単純比較というのはやはり初歩的な疑問点であります。  また、要員削減について触れておられます。退職者数から新規採用者数を除いた自然減数と同じであり、自然減以上の要員削減余地はないのか。こうなりますと、前にも言いましたように、生首を切れということに等しい内容であります。こういうことが公然と触れられているわけであります。  また、それ以外にも、新規事業者のシェアの問題についても、小さいというふうに規定されております。しかしNTT全体の電話料、市内、市外も、その電話料とNCC三社を中心とした電話料の比較でいえば、それは二・七というふうに言われるかもしれません。しかし、サービスを同じくする区間における市外電話ということになりますと随分違った数字が出てまいります。市外電話で七・二、専用線では一六・七とかあるいは無線呼び出しでは二三%、ポケットベルでは二八・一%が新規事業者のエリアだと郵政省自身が言っていらっしゃるにもかかわらず、そういういびつな比較がしてある。  かてて加えて、こういう問題もやはりあると思います。今大都市のシェアというのがどうなっているかといいますと、NCCに移行していることが大きく出ております。具体的に申し上げてみますと、一九八八年六月、東京丸の内の営業所でNTTのダイヤル通話料収入が前年同月比一七・〇%のマイナスであります。大阪北浜での前年同月比、二七・五%のマイナスであります。こういう現実をやはり直視をしていくという視点が全然なくて、シェアは小さい、この一言で済まされているというような内容も含んでいるわけであります。  もっと申し上げれば、組織の巨大性について云云をされております。全国あまねく公平なサービスと市内通話網を持つという状況の中で、答申は、巨大組織においては、経営者、職員の士気の向上が図りにくい、あるいは現場の第一線まで行き届かないという経営管理規模の問題が存在する、こういうようなことも言われておりますし、NTTの企業規模が我が国最大クラスであり、特に従業員数は突出している。また第一線の職員が云々とか、加えてNTTの設備投資、資材調達、資金が巨大で、関係業界まで、電気通信以外の分野にも大きな影響を与え、公正有効競争上の問題を惹起する可能性があると指摘しています。  考えてみてください。では一体、大きい大きいと言われるけれども郵政省の皆さんだって三十万人ではないですか。郵政大臣のおっしゃることが末端まで届かないなどということを平然と言い切れるのでしょうか。中にはあるかもわかりません。そしてまた、どうでしょう。電話というのはエンド・ツー・エンド、こういうサービスを提供するということになるわけであります。勢い要員は大きくならざるを得ません。そしてまた、災害あるいは故障時には急に人が要るということにも配慮しなければならない、こういうことになるわけでありますから、当然のことではないだろうか。  そしてまた、購買力云々というふうに言われるとするならば、一体どうなんでしょうか。三井、太陽神戸が合併しました。大きくなりますな。これはいけないことなんでしょうか。三菱金属、三菱セメントが合併しますね。これは大きな購買力を持ちますね。こういう視点が、なぜ巨大だからいけないというふうに言えるのか。その辺についてもあいまいな分析がある。私があえてこういうことを申し上げたのは、電通審答申が非常にあいまいな現状分析に立っている、こういうように思うからであります。したがって、電通審について少し考えていただかないと、こういうふうに思っているところでございます。  そこで、大臣にお聞きをしたいと思います。  本法案に基づく実施指針の付議に関連して電気通信審議会の運営の適正化を図るべきだ、このように思っているところでございますが、見解をお聞きしたいと思います。
  158. 深谷隆司

    深谷国務大臣 さまざまな御意見を吉岡先生お持ちであることは承りました。本法案に基づく実施指針を電気通信審議会に付議する趣旨は、その策定に際して国民各層を代表する有識者の意見を反映させたいと考えるからでございます。  本法案は、情報流通促進を通じて地域社会発展国民生活の向上を図ろうとするものであることから、実施指針の策定に際してもそれらの意見が反映されることを期待をいたしております。電気通信審議会の適時適切な運営に配慮することはもちろんのことでございますが、特に本法案に関しては地方行政や地域住民の意向あるいは意見が適切に反映されるように十分配慮したいと考えております。
  159. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 大臣、一言つけ加えていただきたいと思います。先ほど私はいろいろ問題を提起しましたが、やはり公平に見詰めていただきたい、こういうことでございます。その点について、この審議会に付託するに当たってぜひお願いしたいと思います。一言お願いします。
  160. 深谷隆司

    深谷国務大臣 私は、本来この審議会は公正、適切に運営されてきたと信じております。しかし御意見でもございますので、当然そういう立場で御配慮いただき、御審議願いたいということはつけ加えることにやぶさかではありません。
  161. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。私は、その審議会に付託していただくに当たって以下のような意見を持っておりますので、つけ加えておきたいと思います。  その一つは、この円滑化法案の本旨というのは、私は何としても大切にしていただきたい部分がございます。それは地域通信放送事業を築いていくということでございます。私は兵庫五区でございます。過疎地から出てきております。そういう地域の中では、現実に情報通信あるいは放送に関する非常に厳しい条件に置かれているのは事実でございます。そういうところの対策を真剣に御検討いただくような方向をとっていただきたい、このことが一つであります。  また、先ほども触れておられますからあえて申し上げなくてもいいかもわかりませんが、既存の通信あるいは放送事業者との調和ある発展というものを期していただきたい、このように思っております。  また三点目には、公正競争が図られる、このことは今後非常に重要な意味を持ってくるであろう、こういうように思いますから、規制緩和の方向というものをとっていただきたい。  四点目には、大変厳しいことを申し上げるようでございますが、認定等の許認可権、このことをやはり郵政省が行使されるわけでありまして、それぞれそのことによって新たに企業事業が営まれていく、こういうことになろうかと思いますが、要するに郵政省の恣意のもとに事業者を置くなどという発想は持たないでいただきたい、こういうように思っているところでございます。  そういうようなことを視点に置いていただいて、先ほども申し上げましたように公正な審議会運営に努め、そして結論をも国民の信頼にこたえ得る、そういう実施指針あるいは許認可権の問題にしていただきますようにぜひお願いを申し上げたいと思いますが、最後に一言お願いします。
  162. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 大変貴重な御意見を拝聴いたしまして、私どももこの法案の執行に当たりましては、十分念頭に置いて公正な執行に努めてまいりたいと考えております。
  163. 吉岡賢治

    ○吉岡委員 いろいろ言いたいことがございますけれども、時間が参りましたのでこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  164. 井上喜一

    ○井上(喜)委員長代理 遠藤和良君。
  165. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 私は、きょうは一時間十分という比較的ゆっくりした時間をいただいておりますので、この法案の審議をじっくりとさせていただきたいと思っております。  郵政省は、これまで地域社会における情報化の推進ということを大変重要な政策課題一つとして取り組んでこられたわけでございますが、この法案もその一環にあると私は理解をいたします。その上で、まず周辺の問題から確認をしていきたいのでございますが、もう五、六年前の話でございましょうか、いろいろなニューメディアを使いました地域おこし事業が各省庁で華々しくデビューをいたしました。数え上げますと主なものだけでも、郵政省テレトピア構想、それから通産省のニューメディアコミュニティー構想、農水省のグリーントピア構想、あるいは建設省のインテリジェントシティー構想、不思議なことに全部片仮名ばかりでございますけれども、こうした事業地域の活性化ということを大きな目的にいたしまして発足をしたわけでございますけれども、どうもその進捗状況は、巷間伝えられるところによりますとはかばかしくないという評判のようでございますけれども、きょうは各省庁お越しいただいておりますので、その辺の現状の報告をまず求めたいと思います。
  166. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お尋ねのテレトピア構想の現状について申し上げますと、テレトピア構想は、先生御承知のようにCATVでありますとかビデオテックスでありますとかデータ通信等ニューメディアモデル都市集中的に導入をいたしまして、その都市の抱える問題を解決するということに役立てていただきたい、そしてそういった成功事例をニューメディアの全国普及に効果あらしめたいということで、昭和六十年から取り組んでいるところでございます。  昭和六十年の三月以降これまでに、地域としましては七十三地域を指定いたしまして、その七十三地域におきます計画システムといいますか、それは三百システムが計画をされているところであります。現状は、六十六地域におきまして百六十三のシステムが稼働している現状でございます。
  167. 瀬戸屋英雄

    ○瀬戸屋説明員 ニューメディアコミュニティー構想の現状についてお答え申し上げます。  通産省の主催しておりますニューメディアコミュニティー構想は、高度情報化社会の円滑な実現に向けまして全国的にバランスのとれた情報化を進推するというために、地域のコミュニティーの産業社会、生活の各分野ニーズに即応しました情報システムといったものをモデル的に構築いたしまして、その運用を通じて技術的、経済的、社会的な諸条件を評価しながらこれらの成果を全国に普及していこうという構想でございます。  現在までにモデルとなります情報システムを構築する地域としまして、昭和五十九年度から六十一年度までの間に二十一地域を指定しております。その後六十一年度からは、これらのモデルとなります情報システムを応用、発展させた形で情報システムを構築する地域という地域を、応用発展地域ということで指定を始めておりまして、現在までに五十七地域を指定しております。モデル地域、応用発展地域合わせまして、現在七十八地域が指定されておるところでございます。  現在、情報システムを事業化するための法人を設立しておるわけでございますが、これにつきましては、現在、モデル地域で十七、応用発展地域で六つの計二十三が設立されております。そのうち、具体的な情報システムが稼働しておりますのは、モデル地域で十四、応用発展地域で五地域ということで、全部で十九でございます。  以上でございます。
  168. 五十嵐清一

    ○五十嵐説明員 農林水産省の行っておりますグリーントピア構想の現状について御説明を申し上げます。  経済社会全般にわたりまして情報化が急速に進む中にございまして、農業、農村の分野におきましても、ニューメディア等を活用いたしまして、技術経営情報あるいは市場情報等こうした各種の情報を適宜迅速に農家の方々に供給するということが、農業の生産性の向上あるいは農産物の流通の合理化、農村地域の活性化を促進する上で極めて重要になっているわけでございまして、農林省におきましても各種の対策によりまして農業、農村の情報化を進めてきているところでございますが、こうした情報化の推進策の一つといたしまして、昭和六十一年から六十三年にかけまして、全国で五十三の地域をグリーントピア構想地域として指定いたしまして、地域におきます総合的な情報システムの計画策定に対して支援を行ってきたところでございます。     〔井上(喜)委員長代理退席、委員長着席〕  構想策定後現在までの状況を見てみますと、各地におきまして関係者の方々に対する啓蒙普及活動や組織づくりが進められてきておりまして、その結果、五十三の地域のうち、県全体を対象といたしました十一の広域構想を除く残りの四十二の市町村計画につきましては、約四割の地域におきまして部分的ながら構想に沿っての各種システムの開発が進められております。また、このうち一部の地域、七地域ほどでございますけれども、ここにつきましては、パソコン通信あるいはケーブルテレビ等を利用いたしましての農家への情報提供や情報交換が開始されるなど、可能なものから順次構想の具体化が進められているところでございます。  以上でございます。
  169. 福田秀文

    ○福田説明員 建設省で進めておりますインテリジェントシティーの整備でございますが、これは、街路整備とか区画整理事業あるいは再開発事業等々の都市整備と一体として高度情報通信基盤、こういうものを整備して、高度情報化都市の形成をしていきたいというような構想でございます。  昭和六十一年度から三カ年間にわたりまして、五十三都市をインテリジェントシティーとして指定をいたしました。それで、指定を受けました都市につきましては整備のマスタープランでございます整備基本計画というものを策定することになっておりまして、五十三都市のうち、現在までに三十都市がこの整備基本計画を策定いたしまして、建設大臣の承認を受けているところでございます。これらの都市につきましては、建設省の所管する事業、例えば電柱類を収容するキャブシステムとかあるいはインテリジェントビルとか、そういう事業につきまして重点的に実施をしてきているところでございます。  今後、残りの二十三都市につきましても整備基本計画の策定を進めますとともに、所管する事業を重点的に実施をいたしまして、積極的にこのインテリジェントシティーの整備を進めてまいりたい、このように考えております。
  170. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 今御報告賜りましたけれども郵政省のは七十三地域指定をして六十六地域で行っている、三百システムのうち百六十三稼働しておる。稼働率からいくと約半分ちょっとということですね。それからニューメディアコミュニティー構想の場合は、全部で七十八地域、二十三法人が設立されて十九稼働しておる。稼働率からいくと大体四分の一ぐらいになるのでしょうか。グリーントピアも、かなり検討はしているのですけれども地域のみ。それから建設省の方も、計画はあるけれども稼働しているのはまだ少しである。こういうふうな大まかな報告であろう、こう私は思いますが、それぞれの省でなぜ現状でとどまっているのか、問題点はどういうところにあるのか、その辺はどのように分析をしておりますか。
  171. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 このテレトピア構想を推進するに当たりまして、現在の稼働状況を見てみますと、非常に評判のいいシステムもございますが、なかなか計画の推進に御苦労しているところもあるようでございます。総じて言いますと、地域情報化の核となるような人材が不足をしているとか、あるいは成功事例等のノーハウがなかなか蓄積をされてないとか、はたまた、地方におきましては、資金的な面で思うように立ち上がりができないとかといったような状況がこのシステムの稼働を難しくしているような状況でございます。
  172. 瀬戸屋英雄

    ○瀬戸屋説明員 お答えいたします。  ニューメディアコミュニティー構想の実際の事業化に当たりましては、各地域ごとにその地域ニーズを把握する調査を行っておりまして、その調査によりまして報告書をつくり、概念設計、それから基本設計、会社の設立というふうにその手順を踏んで実現しているわけでございます。  現在、法人を設立しておりますのは二十三でございますけれども、既に七十八地域のうち六十地域以上でその調査が完了しております。その中には、場合によりますれば、状況の変化によりまして、当初考えておりましたシステムでなくほかの方向を目指すというものもございますけれども、大部分地域におきましては現在事業化のための詰めを行っているところでございまして、先ほど申しましたように、特に応用発展地域につきましては、昭和六十一年度から指定を始めたということもございまして、まだまだ調査の結果、それから具体的な会社の設立等に来ていないという状況でございます。  なお、通産省といたしましては、具体的な支援策といたしまして、こういった地域における事業化につきましては、基盤技術研究促進センターの出資、また民活法の適用等によりまして、その指定地域におきます情報システムの構築運営に対して協力をしてきたところでございます。  以上でございます。
  173. 五十嵐清一

    ○五十嵐説明員 お答え申し上げます。  一般的に申し上げまして、農業、農村の情報化という問題に関しましては、どうしても人口密度が低いことからくる単価が高くなるというようなことでの採算性の問題、あるいは経済基盤が比較的弱いというようなことから資金調達の難しさ、また情報化に関します十分な知識と経験を持った人材が少ないというようなことで、都市部に比べましてそういう点情報化が進みにくいというような問題があるのではないかと認識しているところでございまして、グリーントピア構想の具体化に向けましてこうした問題の一歩一歩の解決が必要なのではないかと考えているところでございます。  しかしながら、高度情報化社会の到来ということの中で農業の生産性の向上、地域の活性化を図るためには、地域の方々もどうしても農村地域情報化を進めることが不可欠であるというふうに考えているところでございまして、農林水産省といたしましても、これまで以上に各種施策によりますハード面の整備、それから人材の育成、組織化の推進等、情報化対策を推進することによりまして、こうした中で、グリーントピア構想についても同様の観点からその早期実現に向けて努力していきたい、こう考えているところでございます。
  174. 福田秀文

    ○福田説明員 インテリジェントシティーの五十三都市のうち、三十都市整備基本計画策定済みでございますが、この整備策定済みは六十一年度に指定された都市についてはすべて策定済みでございまして、残っている二十三都市については、六十二年度に指定されたものの半分くらいと、それから六十三年度に指定されたものでございます。これら二十三都市については今自治体の方で調査を継続中でございまして、今年度末にすべて承認がとれるように努力中でございます。
  175. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 いろいろと分析をされているようでございますが、スタートした時点が違いますから、立ち上がり状況が違うというのは理解できるところであります。表現の仕方は違いますけれども、基本的な問題は、実は資金の問題ですね、それから人材の問題、それからノーハウの問題、こういうところに集約されるのではないかと思います。いろいろと、アンケートの結果でも、何で行き詰まっているのかというと、いわゆるIP、情報提供者、スポンサーがなかなかふえないとか、システムの拡張に費用がかかり過ぎるとか、あるいは端末のアダプターの価格が高いとか、管理者がふえないとか、利用が低調であるとか、実際行ったところもかなり悪戦苦闘しておる、こういう状態があるのではないかと思うわけでございます。  そこで、やはりある意味でこの地方情報化というのは、なかなか華々しくスタートはできたのでございますが、大きな壁がある。それはどういうところであるかというのは、やはり共通の認識のもとに郵政省がある意味でのリーダーシップをとって地方情報化が進むような施策を講じなければならないのではないか、そういうようなことを私は考えるわけでございます。  それで、大臣がいなくなってしまったのですが、ちょっとお伺いしたいのですが、来年度の予算の要求の焦点は何かというと、一つは公共投資の十カ年計画とそれに対する郵政省の取り組みというのが私は焦点になると思います。聞くところによりますと、郵政省としてはこの十カ年で四兆三千億円ぐらいのプロジェクトを予定しておりまして、公共的な基盤整備を行っていこう、こういうふうな話があるようでございますが、その展望の具体的な柱として、いわゆる通信ケーブルの地中化ですね、こういうことがやはり地域情報化推進の大きな柱になるのではないか、私はこのように思うわけでございます。こうした基盤整備を進めていくネットワークをまずつくる、こういうことが大変重要ではないかと思うのでございます。  いろいろなCATVの先駆的な試みをやっているところへ行きましても、実際にCATVのケーブルをどういうふうに張るかというと、建設省との話し合いがなかなかつかないとか、それから地中化に対しては建設省のかなり厳しい定めがあるとか、あるいは公共事業的なものでございますから予算が大変難しい、こういうものがありまして、このネックになっている問題は、一つはケーブルのネットワーク化を公共事業として進めていくべき性格があるのではないか、私はこのように考えます。  それから、もう少し具体的に、地域のいわゆるローカルキャプテンについてはデータベースの整備、こういうようなところは進んでいないものですからキャプテン普及が大変おくれている、そういうところが地域情報化が進んでいない隘路になっているのではないか、このような認識を持つわけでございますが、大臣に、ことしの予算折衝に当たって公共投資の十カ年計画に対して郵政省はどう取り組むのか、その柱の中に通信ケーブルの地中化というのがあるのかどうか、この辺を確認したいと思います。
  176. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お答えいたします。  現在の国土政策の中で、多極分散型の国土の形成というのは我が国政策課題の非常に大きな柱になっているところであります。四全総あるいは新経済運営五カ年計画等の中にもうたわれておりますように、情報通信基盤の整備というのはこれからの高度社会を考えた場合に非常に重要な位置づけをされているわけでありまして、先生指摘の地中化の問題等につきましても非常に今後考えていかなくちゃならない問題だという認識は持っております。  現在、いわゆる公共投資の十カ年計画につきましては政府部内におきましていろいろ調整中でございまして、具体的なことを申し上げる段階ではございませんけれども先生の御意見等も十分体しまして私ども今後努力してまいりたいというふうに考えております。
  177. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 郵政省の考えている十カ年で四兆三千億円のプロジェクトというのは、具体的に中身はあるのですか。
  178. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 それは新聞でのいわば見込み記事でございまして、私ども現実にはまだ部内でいろいろと調整をしているところでございます。
  179. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 各省横並びの展開でいえば今テレトピア構想は比較的進んでいるような印象があるわけでございますが、当初の見込みよりは大変進んでいない、これが率直な感想ではないかと思います。  それで大臣地域情報化ということは、いろいろな法律をつくるわけですけれども、やはり国が公共的な基盤の整備、この辺の予算をきちっとつけないことにはなかなか進まないのではないか、私はこのような基本的な考え方を持っておりますが、ことしの予算折衝等でそういう意気込みを示されますか、決意を聞きたいと思います。
  180. 深谷隆司

    深谷国務大臣 先ほど中村局長からも、社会基盤の整備として郵政省で考えているさまざまな問題について折衝中であるということを申し上げた。具体的な中身については申し上げることはできませんが、たまたま日米構造協議からあのような形が出てきたということは、逆に言えば追い風が吹いているという見方もあるかもしれません。ですから私どもは、せっかくの機会でございますから、行政当局と一体となりまして、練りに練って先方が納得できるような状況をつくり上げた上で、しっかり折衝してまいりたいと思っております。
  181. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 それから、いろいろなモデル事業地域のオリジナリティーの問題があるという分析をする方がいらっしゃいます。何でいろいろな計画が挫折あるいは進んでいないのか、その原因は三つに分けることができるというのですね。  第一点は、地域で何をしたいのかということが出発点でなくて、ニューメディアがある、何か使い道はないのかといった発想で計画立案に当たった地域が少なくない。これが第一点。それから第二点は、各省庁から地域に示されたガイドラインが提出書類の内容を細かく規定しており、各地域のオリジナリティーが十分発揮されていない。それから第三点は、計画立案に当たって東京在住の限られたシンクタンクがほとんどの地域を分担したので、結果的に同工異曲の計画になってしまった。こういうことがモデル事業が、具体的に計画はしたけれども、実際に稼働していないという一つの原因になっているのではないか、このように分析する方がいます。私も同感でございますが、時間がないので各省全部聞きたいのですが、テレトピア構想に関して、この指摘当たっていると思いますか。どうでしょう。
  182. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 御指摘のとおり、地域情報化の推進に当たりましては、その地域の具体的なニーズに的確にこたえるようなシステムを構築するということが何よりも重要なことであろうというように私どもも認識をしております。したがいまして、テレトピア構想の推進に当たりましては、単に行政のみならず、地域住民あるいは民間団体等、地域ニーズを十分くみ上げましてオリジナリティーのある計画を策定して取り組むように努力いたしたいと考えております。
  183. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 私の徳島県におきましても、テレトピア構想の指定を受けているわけでございまして、二つの事業が今後進んでいこうとしております。  一つは文化の森総合公園の中に二十一世紀館というのをつくりまして、その中で文化情報のデータやビデオテックスシステムだとかオーディオ・ビジュアル・システム等の計画が概成しておりまして、ことしの十一月三日からサービスを開始しよう、こうしているわけです。  それから一方、都市型CATVにつきましては、第一期工事が終わりまして明後日六月一日からサービスを開始しよう、こういうふうな状況になっているわけでございますが、現地でいろいろと関係者からお話を伺っておりますと、いろいろな問題点がある。それはいわゆるデータベースのアクセス手段であるビデオテックスとかパソコンがなかなか普及していない。だから計画はあってもなかなか実現化は難しいという問題点。それからCATVシステムの活用がなかなかうまくいかない。それからCATVにはケーブルを張るという仕事があるわけですね。そうすると国道の上に張るときには建設省の許可がどうのこうの、いろいろ関係省庁の許可が大変難しいところがあるわけですね。こういうことが総合的に整備されないとなかなか工事が難しい、こういうふうな状態があるわけでございますが、全国的にもそういう傾向があると思うのですけれども、特別にこういう計画が進むように関係省庁が理解をし合わなければいけない部分があるのではないか、このように思います。  特に、今後徳島のCATV、ケーブルテレビ徳島が今計画しておりますのは、第一期はこの明後日スタートするわけですが、一万二千五百四十一世帯を対象にする。第二期はさらに一万四千五百二十一世帯を対象にしまして、ことしの十月から放送を開始したい。第三期は、さらに一万五千九百九十七世帯をふやしまして、明年度の四月から行っていきたい、こういうふうなことで第一期、第二期、第三期全世帯で四万三千五十九世帯を対象にしたい、こういうふうな計画を持っておりますが、一つはやはり、かなりの人数がふえないとペイできない部分があるわけですね。  今後この業務が拡大していった場合に、郵政省は、地元から申請があればすぐに許可するのかどうか、この辺の展望がないと、自分たちもやったけれどもなかなか認可されないというのでは困る、こういうような心配を持っておりますが、この事業に対して今後の展望をどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。
  184. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 CATVは、双方向機能を備え、なおかつ多チャンネル化が進んでおりますし、ニューメディアとしても大変利用価値の高いシステムだというふうに考えております。したがいまして、先生指摘のとおり、ある意味では、加入者が確実に見込める限りにおきましては事業としても成り立つ可能性というのは非常に高いわけでございまして、通信衛星を利用しましたスペース・ケーブルネットといったようなサービスも始まっておりまして、そのソフトの面でも大変豊富になってまいりました。だから、今後、CATVの将来性からいいますと、私は非常に明るい面があるんじゃないかというふうに考えておりまして、郵政省としましても十分立ち上がり支援をしてまいりたいというふうに考えております。
  185. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 個別の問題に対してのお話がなかったわけでございますが、こういうふうに意欲的にやっているところがあるわけですね。意欲的にやっているわけですが、役所というのはなかなか許可をするのが難しいとか時間がかかるとかそういうところがありまして、利用計画そのものにそごを来すと大変ですから、私は将来の展望を聞いているわけです。この第二期、第三期に対して、それだけの計画が進めば直ちに認可をする、そして全体的計画をきちっと整えるように、そして業務が円滑に推進されて大きな赤字が出ない、できれば黒字になる、こういうふうな形で取り組みをさせるべきだ、私はこのように思うわけでございますが、この問題についてどういう計画を持っていますか。
  186. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 具体的に申し上げるにはちょっと所管が違いますので、私なかなかお答えしにくいのでございますが、先生指摘の具体的な計画につきましても十分関係の向きに伝えまして前向きの取り組みをしていただくようにしたいというふうに考えております。
  187. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 大臣の所管だと思いますので、大臣はどうですか。
  188. 深谷隆司

    深谷国務大臣 先生の御意見も十分体しながら対応していきたいと思っております。
  189. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 地元の意欲的な取り組みについてぜひ理解をいただきまして、推進を積極的に図っていただきたいと思います。  それから、地域情報化の大きなバックグラウンドといたしまして、情報に限らず人口だとかあるいは産業だとか文化機能、こういったものが東京に一極集中しておる、これを何とかしなければならない、こういうふうな認識があると思いますけれども情報分野におきまして東京一極集中というのは今どういう程度になっているのか、具体的に分析をし、発表していただきたいと思います。
  190. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 御指摘のとおり、この情報機能に限らず、あらゆる面で東京への一極集中が進んでいっているわけでございますが、これを例えば国内のデータベースの数なんかで見ますと、東京には九三・四%集中しているというような状況になっております。そのほか、東京地方情報格差に関しましては、ポケベルあるいはFM放送のように大都市部に進展した情報化が他方にも波及する傾向が見られますけれども、何といいましても、第二種電気通信サービスの面でありますとか、あるいは都市型CATVなんかにつきましても、圧倒的な厚みで東京集中しているという状況になっております。
  191. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 東京というのは日本の首都であるとともに、今や世界的には経済とか文化活動の中心という国際的なビジネス都市の顔もあわせ持っているわけですね。よく言われるのですが、東京に田舎から人と企業が全部出ていってしまって地方はそのために廃れてしまった、こういう議論があります。私は、限られたパイを東京がたくさん持っていってしまったから地方が少なくなった、こういう認識ではいけないのではないかな、こう思うわけです。今求められているのは、東京地方かという二者択一ではなくて、東京地方もともに自立する、こういうシナリオを探すことが大事ではないか。すなわち、地方からいいますと、対東京というのではなくて脱東京という形で地方が国際化していくことが大事ではないかな、このように考えるわけでございます。  東京地方の具体的な調整シナリオとして、第一点は、東京を経由しないで地方と世界をダイレクトで結ぶ。今運輸省の中では地方の飛行場を国際線の出る国際空港、国際化をしていこう、こういう考え方がありますが、やはりこれは通信の世界でも同じことが言えると思います。それから、情報ネットワークを活用した地方都市の連合ですね、地方都市同士が、例えばテレトピアモデル都市が相互に姉妹都市情報交換をしてネットワークを結ぶとか、あるいはCATVの番組を互いに交換をし合うとか、こういう方法があると思います。  あるいは、都市地方のタイムスライド居住、いわゆるウイークデーは東京に住んで週末は地方に住むとか、あるいは垂直的分業から水平的な分業にいく。東京は頭で地方は足という考え方ではなくて、東京地方も水平的に分業し合う、こういうふうな関係性をつくっていく、こういうことを考えた上での地域情報化政策というものを立案していかなければならないのではないか。東京の一極集中を排除するという、ただ対東京というのではなくて、私の申し上げた脱東京と申しますか、地方のネットワークといいますか、あるいは地方の国際化と申しますか、そういう視点に立った地域情報化政策を根本的に立案をしていくのが必要ではないか、このように考えますけれども、感想はいかがでしょうか。
  192. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生、私ども情報化を推進していく上に当たりまして非常に有益な御示唆をいただきまして意を強くしたわけでございますが、私ども先生今御指摘のとおりの地方からの国際化といったような面で、現実に地方の中核都市等でテレポートの構想が着々と進んでおります。仙台、名古屋あるいは広島、福岡といったような地方の中核都市におきまして計画が進んでおりますけれども、そういった面、あるいは地方連合といいますか、テレトピア構想を推進するに当たりましても、やはりお互いの経験交流を深めまして、地方から東京というよりは、地方から地方へダイレクトに情報の受発信ができるような施策、そういった意味関係の市長会議等も開かせていただいておりますけれども先生の御指摘になりました点につきましては、今後の政策展開に当たりましても念頭に置いて取り組んでいかなければならないと考えております。
  193. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 それでは、本法案の具体的な審議をしたいと思います。  まず、この法律の目的規定の中に「電気通信による情報の円滑な流通促進」という文言があるわけでございますが、その趣旨はどういうことでしょうか。
  194. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 情報化進展に伴いまして、経済活動におきましてもあるいは国民生活におきましても、情報をいかに有効に活用するかということが大変重要になってまいっております。具体的には、経済活動におきましては、生産現場、流通段階、消費市場との間における迅速かつ効率的な情報流通が必要となっておりますし、また地域社会におきましても、地域における情報流通あるいは各地域間における情報流通促進するということは、東京等大都市との情報格差を解消する上からも非常に大切なことであろうと思います。また、家庭生活におきましても、豊かで便利な生活を送るために多様な情報ニーズに的確に対応した情報流通システムの実現が望まれているわけでございます。  したがいまして、この法案におきましても、電気通信による新しい情報流通手段開発普及促進することによりまして情報の円滑な流通促進を図るということを目的にしているわけでございます。
  195. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 特定通信放送開発事業の中で三類型をつくっていますね。第一番目が通信放送新規事業、二番目が地域通信放送開発事業、三番目が通信放送共同開発事業、この三類型がございまして、それぞれ支援措置が違っているわけでございますが、この三類型それぞれに対する支援措置をまず説明してください。
  196. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 支援措置としまして、出資それから債務保証あるいは新株引受権付社債の発行限度額の拡大、それから利子補給という支援措置があるわけでありますが、出資につきましては、リスクの高い事業に資本を導入する必要があるということで、通信放送新規事業を対象といたしております。     〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕  それから債務保証につきましては、資金需要の旺盛な事業に対しまして民間からの資金の円滑な導入を可能にするという観点から、通信放送新規事業通信放送共同開発事業を対象にいたしております。  それから新株引受権付社債の発行限度額の拡大についてでありますが、これも、多額の資金需要に応ずるための通信放送新規事業並びに通信放送共同開発事業を対象として予定しているものでございます。  それから利子補給につきましては、開発銀行等の政策金融機関からの低利融資に対するものでありまして、需要の顕在化までに長期を要してなかなかすぐには採算がとれない事業立ち上がり期の金利負担を軽減するという目的で、地域通信放送開発事業を対象といたして支援することにしておるものでございます。
  197. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 それから、負担金の損金算入、これは共同事業だけですね。
  198. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 公益法人によりまして共同開発事業を行う場合の負担金につきまして、損金算入が認められる措置を講じておるわけでございます。
  199. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 二番目の地域通信放送開発事業については郵政大臣の認可を必要としない、こういうふうになっていますが、その理由は何ですか。
  200. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 地域通信放送開発事業に対する助成につきましては、先ほども申し上げましたように、開銀等の政策金融機関によります低利融資に対して利子補給をしようというものでございます。したがいまして、支援対象事業につきましては、開発銀行等の政策金融機関が融資を行うことを既に決定したものに対しまして利子補給という支援をしようとするものでありますから、これにつきましては国として改めて実施計画を認定する必要はなかろう、通信放送衛星機構の判断によってやっていただければ十分じゃないかということで郵政大臣の認定を不要としているものでございます。
  201. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 いわゆる開発銀行が既に認定しているから二重の認定はしない、そういうふうな意味だと思うのですけれども、それぞれの支援措置が異なる、それは郵政大臣が認定したものについては出資あるいは債務保証のみでございますけれども、これをちゃんとやります、それから郵政大臣が認定しないものについては利子補給だけの支援措置になってしまう、こうなりますね。これは少し支援措置が異なって、真ん中の地域通信放送開発事業がより狭められた支援措置になっているのではないか。支援措置にそれぞれ差があって、地域通信放送開発事業というものが地域情報化にとっては大変大事なわけでございますけれども、ここの部分に対する支援措置が利子補給のみである、しかもこれは郵政大臣が認可しないで開銀がやる、これは少し片手落ちた部分があるんじゃないか、こういう印象を受けますが、実際はどうなんですか。
  202. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 地域通信放送開発事業の場合には、その地域におきましてはその事業というものは初めて展開されることになるわけでありますけれども、全国的に見ますと、既に先輩格といいますか、事業として立派に運営されている事例もあるわけでございまして、通信放送新規事業等のリスク性から考えますと、やはりリスクは低いんじゃないかという感じがいたすわけでございます。  資金的な支援措置が厚ければ厚いほどいいという点につきましては、私どももそれは理解できるのでありますが、予算折衝の段階におきましては、そういった対象事業の新規性といいますか、リスク性といいますか、そういうものを総合的に勘案して支援措置に差異が出たという形になっております。
  203. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 条文を読みますと、認定計画に係る特定通信放送開発事業実施に係る債務保証という文言でございますから、要するに郵政大臣が認定をしたものは、特定通信放送開発事業というのは債務保証が三類型全部にできる、あるいは新株引受権付社債発行限度のところもそうですね。認定計画に係る特定通信放送開発事業の新株引受権付社債の発行限度を商法の定める二倍に拡大する、これは郵政大臣が認定していればこの三類型の事業は全部に読めますね。  ところが、二番目のところは郵政大臣による認定はしない。ということは、読めなくなるわけですね。これは何か片手落ちな感じが私はするわけですよ。実際に開銀等が融資を認定しているから二重にしないのです。こういう趣旨は、もともとは郵政大臣が認定することだけれども、開銀が認定しているから認定しません、こういうふうな理解でいきますと、どうも何かわなに入ったと言っては表現が悪いのですけれども、この出資並びに債務保証並びに新株引受権付社債発行限度の特例を除外するために郵政大臣の認可を受ける必要はないとしたとしか読めないのです。そういう意図はありませんか。
  204. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生はそういった読み方をなさるわけでございますが、そういった意図は全然ございませんで、第四条で実施計画の認定というところを規定しているわけでございまして、通信放送新規事業または通信放送共同開発事業実施する者は当該事業実施に関する計画、いわゆる実施計画を作成して郵政大臣の認定を受けることができますということで、この認定を受けた特定通信放送開発事業に対して、六条に言う支援措置が受けられるということでございまして、決して除外するために認定から外したということではございません。
  205. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 私は、地域通信放送開発事業という位置づけをこの法案の中で明確にするという意味からいえば、やはり通信放送新規事業あるいは通信放送共同開発事業にある支援措置もあってしかるべきではないか、このように考えるわけです。それは支援措置を要請するかしないかは各事業が選択すればいいわけでありますが、それを初めから除外しているというのはやはり何か片手落ちな気持ちがするわけでございまして、その辺は実際にこの法律が施行された後、そういう要請があった場合にはぜひ勘案をしてもらいたい。要請がなければ結構でございますけれども、実態にそういうところが即していない部分が出てくれば、これは少し柔軟に対応できるようにぜひ考えてもらいたい、こう思いますが、どうですか。
  206. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 私ども、この法案実施状況によりまして、将来の支援措置がどうあるべきかということにつきましては、先生の御意見も十分念頭に置きまして対処してまいりたいと考えております。
  207. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 それから、この法律ではそういう支援措置を行うのは通信放送衛星機構ですね。ここが行うわけでございますけれども、そういう仕事をやるということを機構法自体の目的規定を変更しないで業務の特例としてそれを付加した。これは、先ほども議論を聞いておりましたのですが、何か非常になし崩しでこの機構法の仕事をふやしているという感じがするわけでございまして、もっと機構法の目的規定を、こういう仕事もできるようにするのだということで、変更した方が非常にすっきりわかるのではないか、私はこう思うわけです。一つものがある、それが具体的に実体的にはだんだん変性していってしまって、もう実際に衛星を使わない事業まで全部面倒を見る、こういうのはやはり不正常ではないかという疑問を持ちます。  これは、もう一回確認をしたいのですが、業務の特例ということで、まあ何となくそういう仕事もできるのですよということだけでは余りすっきりしない感じがするわけでございますが、いかがですか。
  208. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生指摘のとおり、一つの立法技術として、私どもこういう方法を選ばせていただいたわけでございまして、先生の御指摘したとおり、この通信放送衛星機構法自体を改正してできないというものではないのでございますが、通信放送衛星機構の業務というもの以外にもいろいろと規定すべき事項がございましたので、単独立法によりましてそれを一体的につくらせていただいたということでございます。
  209. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 これは、行革の方針から特殊法人をふやすことはできない、そういう制約があって郵政省の持っている有力な特殊法人はこの一つである。これに、郵政省の行う仕事をこれもこれもとみんな次から次へと持っていく、こういう形でもう機構法の設立目的から大きく、逸脱と言ったら大げさでございますけれども、そのもともとの目的以外のものも付加していく、こうなってくると将来的には機構の名称そのものも変えていかなければいけない状態が来るのではないか、私はこう思うのですね。その機構自体を将来どういうふうに持っていくのか、こういうビジョンも必要ではないかと思うのですね。これはどうなのですか。もっといろいろと郵政省やりたいことがたくさんあります。そうするとまたこればかりではなくてほかにもふえていく、こういうふうな形になるのでしょうか、どうですか。
  210. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 確かに情報化がどんどん進んでいく段階におきまして、いろいろ新しい行政需要というものも出てまいるわけでありまして、それにどのような体制で取り組んでいくかということは、私どもも大変関心のあるところでありますが、現状におきまして機構をどんどんふやしていこうかといったような意図があるのかといいますと、そういった特別の意図があるわけではございません。  将来どうするのだという点につきましては、また時代の変化等を踏まえまして、その時点で判断をさせていただきたいというふうに思います。
  211. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 それから、本法案による支援措置と既存のテレトピア構想の支援措置との関連でございますが、それは両方受けられるかあるいは片方だけ選択することになるのか、この辺をちょっと明確にしていただきたいと思います。
  212. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 テレトピア構想のねらいとその支援措置と本法におきます支援措置に相違があることはたしかでございますが、本法におきます基準に該当するというものでありますれば、テレトピアに指定されていたものでありましてもそのプロジェクトにつきまして本法に基づく支援措置が受けられることは可能であります。
  213. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 私、徳島県の話をさせていただいて申しわけないのですが、徳島県関係のいろいろな通信放送分野の新規事業として出てきておりますのは、例えば第二種事業では、徳島ファルマ、それから放送では四国放送あるいは西日本文字放送テレモ西日本、それから都市型CATVで、先ほどのケーブルテレビ徳島、電波利用では徳島JSMR、そのほかCATVにはいろいろありまして、大俣農業協同組合がやっているものとか、土成町農業協同組合がやっているものとか、あるいはリビング鳴門新聞社とか、国府町農事放送農業共同組合とか、こういうものを私郵政省から資料としていただいたわけでございますが、こういう事業は当然本法の支援措置が受けられる事業と理解してよろしいですか。
  214. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 それらの事業がこの法律で予定します通信放送新規事業でありますとか、あるいは通信放送共同開発事業でありますとかといった支援対象の事業に当たる場合には、当然本法の支援が受けられるということでございます。
  215. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 それから、平成二年度予算の関連でございますけれども、予算は今参議院で審議をしている最中でございますが、一般会計から四千八百万円、それから開銀の融資は二十五億円、産役出資が五億円、こういうふうな予算であるようでございます。  民間から二十五億くらいの出資ということを予定しているようでございますが、これは大体どういうふうな事業者等が出資をすると考えられるのか、またこの二十五億円というのは実際に集まるのかどうか、その辺の見通しをお聞きしたいと思います。
  216. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 開銀出資の二十五億円と、それから民間からの出損あるいは出資金等御協力をいただきまして、その信用基金をつくろうということでございますが、現在のところまだ民間におきます具体的な出資者等は未定でございます。しかし、この法律の趣旨、目的から考えてみますと、例えば電気通信事業者でありますとか、放送事業者でありますとか、金融機関等が、出資者あるいは出損者になるものと思っております。  二十五億円の出資というのは可能かという話でありますが、できるだけ御趣旨を理解していただきまして、同程度の額が集まることを期待しております。
  217. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 これは、開銀と民間と合わすと五十億円になるわけですが、その果実でいわゆる通信放送衛星機構に債務保証とか利子補給をやってもらう、こういうことですが、これは平成二年度の形ですけれども、今後きちっと成熟した段階では大体どういうふうな規模を想定しているのか、その辺の展望を聞きたいと思います。
  218. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 私どもまだ平成三年度以降の予算措置につきましては何も具体的なものを持っているわけではございませんで、やはりお認めいただいた本法律案に基づく施策成果を十分見きわめながら、この必要性を判断して今後取り組んでいきたいというふうに考えております。
  219. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 本当に地域情報化を本気で推進しようと考えるならば、こういう予算措置で実際に実効性があるのかなと心配をするわけです。これは初年度はこういう形になります、来年度はこうです、例えば五年たったらこうなりますとか十年たったらこうなりますとか、少しその辺の展望はやはりあってもいいと思うのですよ。それは、なるかならないかというのは大蔵省が相手ですからいいわけでございますが、郵政省としてはこういうふうな展望を持ってこの計画に取り組んでおります、こういうことを示さなければ、実際の事業者の方は、本当にずっとお願いしていいのかしら、こういう心配を持つと思うのですね。  こういうところをこういう委員会ではっきり申し上げるのはなかなか難しい部分があるかもわかりませんけれども、大蔵省がどう考えようと郵政省としてはこういう考え方を持っています、こういうことをこういう委員会できちっと提示すべきだと私は思います。もっと成熟した形、あるいは見通しでも結構ですが、その辺はどういうふうに考えていますか。これで終わりですか。今後の計画もあるわけですね。
  220. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 私どもこれで終わりということを考えているわけではございませんで、今後の情報化進展に合わせまして支援内容も充実していくべきだというふうに考えておりますが、大蔵省を説得するに当たりましてもやはり実績が非常に大切でありまして、そういった実績も踏まえまして十分必要な措置を将来とらしていただきたいというふうに考えております。
  221. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 わかりました。  それから、最後に郵政大臣にお伺いいたします。  この法案には直接関係がないのですけれども地域情報化ということを考えていきますと、郵政省の持っている全国に二万四千カ所ある郵便局を地域情報化一つのコアにしていくということは非常に有益な方法ではないかと私は思います。自分の組織を持っているわけですから、その地域地域にある郵便局、これは国民の生活に直接深いかかわりがありますから、この郵便局で、例えば住民票が発行できるとか戸籍謄本とか抄本が発行できるとか、あるいはパスポートが発行できるとか、あるいは鉄道の、JRの券が発行できる、航空券の発売ができるとか、そういう住民サービスを追加するということが一つありますね。  もう一つは、例えば情報の最先端のコアとして情報サービスを行う。そういう意味で、例えば郵便局の中にキャプテンを置くとかパソコンを置くとか、あるいは衛星放送を受信する装置を置くとかあるいはファクシミリを置くとか、これは効果があると私は思うのですね。例えば聾唖の方々は、郵便局に行けばファクシミリがあるということになると通信がお互いにできるわけですね。こういったニューメディアの機器を郵便局に置いて地域情報化の大きなネットワークをつくっていく、これは郵政省として取り組もうと思えば幾らでも取り組める課題ではないか、このように考えるわけですが、こうした私の意見に対しまして大臣の見解を聞きたいと思います。
  222. 深谷隆司

    深谷国務大臣 おっしゃるとおり、郵便局は地域社会に最も密着した公的な機関でございます。これは他の民間企業と違いましてお客様が減ったから移動していくというようなものではありませんで、過疎地帯でもきちっと隅々まで二万四千の郵便局が配置されている。こういうネットワークというのは他に見られないことでございます。  そこで、この郵便局のネットワークの特性を最大限に活用してさまざまな地域の活性化、情報も、先ほど先生指摘のように、東京からの発信でなくて地方からの発信も含めてさまざまにその多様性を生かして活用することは可能だと思います。今先生が御指摘の中身、私が答えるとすれば当面答えようとしたほとんどを網羅しておられまして、改めて感銘を受けておりますが、ワープロ、パソコン等のニューメディア機器を配備してどなたにも御利用いただけるようなそういう施策を、既に一部で行っておりますけれども、一層広げていくことなども重要なことではないかと思っています。今後とも、先生の御指摘のように、地域住民の利便性を高めるためにもこれらの施策を展開していきたいと思っております。
  223. 遠藤和良

    ○遠藤(和)委員 終わります。ありがとうございました。
  224. 大野功統

    ○大野(功)委員長代理 次に、田中昭一君。
  225. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 答弁をされる方も大変お疲れのことと思いますけれども、私もきょうはずっと質問を聞いておりまして、私、七番目になります。我が党でも四番目でございますから、この円滑化法について疑問に思っておった点とかあるいは質問をしたい点などについて、かなりの部分解明されている点があります。また、中には私どもの考え方と若干違う答弁もございますようですから、そこらを中心にいたしまして少し御質問などしたいと思っております。  先ほど我が党の上田委員の方からの質問の中で、これはわかりやすい例で取り上げられたと思いますけれども、電子郵便と電報の問題が取り上げられました。また、吉岡委員の提起の中でP・NET計画について提起がございまして、これらの関連を含めまして、私はこの際、郵政省の性格といいますか、あるべき姿といいますか、そういう問題について若干御意見を承りたいというふうに思っております。     〔大野(功)委員長代理退席、委員長着席〕  郵政省は御存じのとおり、前回の委員会では従来からの郵政省の仕事である郵便、貯金、保険などの取り扱いについて、郵政大臣の所信表明について若干の不満の点も述べられましたけれども、しかし、郵便、貯金、保険などが中心的な郵政省の業務で、現在もこれが国民のために極めて重要な業務としてやられていると思っております。最近はこれに、いろいろ議論があっておりますように、電波や電気通信分野の監督官庁、規制官庁になっているわけでありまして、これも今後の高度情報化社会に向けまして極めて重要な仕事だろうと思っております。  しかし、これが今から少しお聞きをしたい点ですけれども、監督、規制官庁として一生懸命やられることについてはそのとおりでありますけれども、監督、規制にとどまらず、郵政省みずからが競争分野である電気通信事業に参入をしてきているのじゃないか、またしようとしているんではないか、そういうふうに受けとめられる点がございます。今後そういうものが拡大をしていくということになるとすれば、監督官庁、規制官庁としての任務、責務という面ではやや問題が出てくるのではないかな、そういう疑義が頭の中に残るわけでありまして、先ほども電報の例あるいは電子報便の例が出されたわけですけれども、規制機関として事業を規制をしつつみずからも同じ企業に参入をする、こういう状況について私は疑義があるわけです。  例えば電報と電子郵便というのは、先ほど御説明がございまして部分的には理解もするのですけれども、確実に競争になっているわけです。地方に行きますと、葬式があります、結婚式がありますと、そこに電子郵便が何通来たのか、電報が何通来たのかというのを調査にお互いが行くというぐらいに激烈な競争になっているわけです。一方は規制官庁として料金を決めたりいろいろなことをやれる権能を持っている、一方は簡単にそういうことができないという一般の事業者ですから、そこがまともに競争するということになった場合に、競争原理が十分に働いていくのかという点などについては疑義があるところではないだろうか。例がわかりやすいから電報と電子郵便の関係になっているわけですけれども、今後の事業計画の中でそういう点があるのではないか。  例えば、先ほど質問がございましたP・NETの問題ですね。私はここに資料を若干持っているのですけれども、少し古くなりますけれども、六十三年八月一日の日経新聞ですけれども、これに「郵政省 自前の全国通信網」という見出しで、「郵政省は、借用しているNTT回線とは別に、自前の全国回線網を構築する。通信衛星などを利用した独自のネットワークを持つことにし、年内にまず東京―大阪間で実現させたうえ順次拡大して六十六年度をメドに全国展開を目指す。」という記事があるわけですね。その後、先ほども質問がありましたけれども、P・NET計画を推進中で、この関係で六十三年二月打ち上げのCS2の中継器、トランスポンダーを十億円で購入しておる云々という記事があるわけです。  そうしますと、これは第一種事業に乗り出すということになるのではないかなという点などについて疑義があります。ですから、電報と電子郵便の次元ならそれなりに理解しますけれども、今後、高度情報化社会の中では競争分野ですからかなり激烈になっていくという中で、郵政省が規制官庁あるいは監督官庁として指導していかなければならない立場にありながら、一事業者になるという点などについてやはり問題が将来出てくるのではないかという点が一つございます。先ほど若干の質問に対して説明がございましたので、もう少しこの点についての郵政大臣の見解をお聞きをしたいというのが一つであります。  もう一つは、先ほど公明党の質問に対して各省の方からのいろいろな御意見がございましたように、情報通信というのは官公庁の場合も各省庁全般に広がっていく、拡大をする、そういう分野になっているわけですね。例えばここに一つの例として、販売時点情報管理システム、いわゆるポイント・オブ・セールス・システムというのを例にとりましても、例えば販売製造は通産省、倉庫とか配送は運輸省、それから金融、決済、クレジットは大蔵省、医療システムについては厚生省など各省庁で管轄分野がずっと広がっている、こういう状況になっている。  また、文部省などでも教育システムの導入というのがいろいろ計画されていく。あるいは自治省の地方自治体のオンライン化、あるいは先ほどもちょっと発言がございましたように建設省のインテリジェントシティー構想、通産省のニューメディアコミュニティー構想などなど多岐に分かれている。今後さらにこれが拡大をしていくという状況になりますと、このような情報化の多角的拡大の中で、今や一郵政省がこれらを管轄し、規制し、監督していくということについては無理が出てくるのではないか。また、郵政省自体も、みずからが情報化社会の中でこれを使って一種事業ないしは一種事業的な仕事に乗り出していった方が郵政省本来の仕事が円滑に進むのではないかな、こういう点もあるのではないか。  先進国の場合でも、規制機関というのは行政自体でなくて、やはり公正公平な第三者機関によるということが一般的になってきているのではないか。例えばアメリカの場合は、全体としてはFCC、いわゆる連邦通信委員会というのが設置されている。あるいは州内の場合でも州公益委員会、いわゆるPUCが設置されていて、ここが公正な規制、監督をやるということになっております。イギリスの場合にも若干違いますけれどもオフテルのようなものがありますし、西ドイツの場合もそういう委員会が設置されているということを考えた場合に、今後情報化社会進展していく中でいろいろそういう点について考えていくべき問題ではないかなという気がするわけです。  以上二点について、郵政省の見解なり、あるいは前段では現状について、少しお聞かせをいただきたいと思います。
  226. 白井太

    ○白井政府委員 まず、P・NETの関係について申し上げさせていただきたいと思いますが、先ほど吉岡先生の御質問にもお答えをさせていただいたところでありますけれども、P・NETはもともと郵政省の自家用のと申しますか、自社内のシステムとしてつくっているものでございます。わざわざP・NETというのを現在のオンラインとは別になぜつくったのかという理由につきましては、これも吉岡先生のときにお答え申し上げたわけですけれども、郵便、貯金、保険がばらばらにそれぞれ通信回線をNTTからお借りしてつくっているものですから、非常に回線のコストが割高になっているということがございまして、それを同じ郵便局に引っ張っていく線だから共同利用するようなシステムにしようということでつくっているものでありまして、このようなシステムは郵政省だけではなくて、一般に全国的な規模で企業活動を行っておりますような会社ではしばしばそういうシステムをつくっておりまして、全く自前のシステムということで電気通信事業ということとは全く関係がないものと見ております。  それから、電気通信等の情報通信手段というのがいろいろ使われる方面が非常に多岐にわたる。使われ方によっては、関係する省庁というのも、医療関係であれば厚生省が、あるいは教育関係であれば文部省がというふうに分かれるのではないかという御指摘でございます。それはまさに先生の御指摘のとおりだと思います。あくまでも私ども郵政省は電波とか電気通信とかというようないわゆる情報通信の仕事を受け持ち範囲にしておるという限りにおきましてこのようなものにかかわっておるわけでありまして、教育とか医療とかそういう内容にまでどうこうするということではもちろんないわけでございます。  したがいまして、郵政省の仕事というのは、基本的には冒頭先生がおっしゃいましたように郵便、貯金、保険の三本柱を中心といたします郵政事業を直接経営をするということと、電波を含みます電気通信等につきまして規律、監督あるいは政策の立案、さらにはそれらの業の振興を行うという役割を持っておるわけでありまして、その役割の範囲の中でいろいろな施策を御提案申し上げているということでございまして、郵政省の組織を、たまたま例にお出しになりました外国の例のように変えていくというようなことについては私どもとしては考えていないところでございます。
  227. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 それで、高度情報化社会と言われるように、量的にも質的にもかなり拡大をしている。先ほど一例を挙げたように、官公庁の場合だってもういろいろなシステムを取り入れて、郵政省も御多分に漏れず、そういう官公庁と同一にみずからの業務についてもそういうシステムを導入しているということになるわけですね。そういうことになりますと、そういう電気通信システムを使って仕事をするような、官公庁であっても民間であったとしても、規制をしたり監督をするという、公平、公正なことをやるためには行政ではいけないんじゃないかなという発想がやはり民間などの場合にあるわけですね。  ですから、郵政省もみずからの貯金であるとか郵便であるとか保険であるとか、そういう業務にP・NETを入れようと何しようとこれは郵政省事業運営のために必要であればいいのですけれども、しかし、それにさらに全体を統括する、監督をし規制をするという仕事をなぜ郵政省みずからがやらなければいけないのか。やはり公平、公正なためにはそういうきちんとした機関を設置するという発想に立って議論があってもおかしくはないんではないかな、私はこう考えるわけで、郵政省がなぜそこにこだわるのかという点についてむしろ逆に疑義を感じるわけで、その点についてもう少しお聞かせをいただきたい。
  228. 白井太

    ○白井政府委員 大変高い見地からの御指摘のように思いますから、直接のお答えになるかどうかわかりませんが、たまたま先ほど来のお話で出てきておりますのは、あくまでもそんなにこだわるという趣旨ではないというお話ではございますけれども、電報と電子郵便という一つの例えで考えますと、これはたまたまサービスの内容が大変よく似ておった、したがって、いかにもこの電報と電子郵便、あるいは電気通信と郵便とが競合あるいは競争関係にあるというような感じで、片方においては認可を受けたり監督を受けるという立場でサービスをしながら、他方は自分で条件を決めてサービスを提供するというのはおかしいではないかというような話にどうもなつたように思うわけでございます。  電報と電子郵便につきましてはいろいろな事情があることはあるわけでありますけれども、もともと電気通信サービスというのは、初めからしまいまであるいは端末から端末までをすべて電気通信でやるということを基本的な考え方として六十年のときの法律改正がなされたように記憶しておるわけでありまして、配達というような人手をかける部分については原則として郵便というか、むしろ郵便局の方に任せるというような考え方があったんじゃないかなと、法律を読みますとどうもそういうふうに思えるわけであります。  したがって私どもとしては、他方を監督すると同時に自分は監督されるような仕事を同時にあわせて行っておるというような関係には余りないように思っております。したがって、先ほど申し上げた結論めいた話になるわけですが、郵政省の組織あるいは郵政省の仕事の範囲として、あるいは郵政省の組織のあり方を今日の段階で大きく変えるというようなことは私どもとしては考えておりませんし、また、そういう御意見は特に私どもは余り耳にしているようにも思っていないわけでございます。
  229. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 それでは二つだけ確認をさせていただきたいのですが、P・NET計画、これをもって第一種事業に乗り出すという考え方は郵政省にはない、これはようございますか。
  230. 白井太

    ○白井政府委員 P・NET計画をもって電気通信事業を行うという考えはございません。
  231. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 郵政省は今後いわゆる電気通信事業の規制官庁、監督官庁として成長していくわけですけれども郵政省みずからが第一種事業に乗り出すという考え方は全くない、こういうふうに理解をしていいですか。
  232. 白井太

    ○白井政府委員 郵政省が第一種電気通信事業者になるという考えはございません。
  233. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 わかりました。  それでは次に、円滑化法の具体的な問題ですが、規制緩和とかあるいは競争原理等いろいろ言われているわけですけれども、競争原理に基づいて自由な競争が、通信事業放送事業の場合には行われていかなければいけない分野であるわけですが、これに監督官庁として郵政省が関与する、こういう点についてお考え方をお聞きしたいのです。  この法案に基づいて融資などの支援措置をすれば、事業運営などにも口出しをし拘束をする、これが私は当然だと思うのです。融資などの支援をした、しかし運営には一切口出しをしない、拘束もしない、全くしない、こういうことにはならないのではないか、こういう点が実は気になるわけでありまして、この点についてのお考え方を、先ほどからお聞きいたしておりますから理解はいたしておるつもりですけれども、もう一度お聞かせをいただきたい。  特に、先ほどこれも提起があったわけですけれども、明確にしていただきたいのは、やはり第三条の実施指針の決定と第四条の実施計画の認定についてです。これも先ほど御説明がございましたけれども実施指針の策定について、一体だれがどういうぐあいにどこでつくるのか。これは明確に、審議会に諮問をする、意見を聞くというか、こういう形になっておるようですけれども実施指針の策定について、なぜこの際実施指針についてもう少し明らかにして、これを審議会に諮問するなら諮問する、こういう形でもう少しオープンにできないのか。実施指針をつくる、これは電気通信審議会に聞く、しかしどういう実施指針ができてくるのかというのが全くわからないままにこれを認めるというのは、やはり我々としてもいささかちゅうちょするところがあるわけでありまして、そういう意味では実施指針の策定についてもう少し具体的にお聞きをしたい。  また、実施計画の認定についてどのような基準、手法に基づいてやられるのか、この点も非常に気になる点でございまして、この点についても先ほどお答えございましたけれども、もう少し具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
  234. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 第一点目の郵政省特定電気通信事業に対して支援をしたら経営にまで口を出すのじゃないかというお話でありましたが、私どもはその事業立ち上がりを金融的に支援をする、あるいは機構を通じまして情報提供という形で立ち上がり支援するということでございまして、決して口を出すといったような形のことは考えておりません。ただ、機構としますれば、その計画が実施計画に基づきまして確実に実施をされる必要があるわけでありまして、そういった意味での事業者と機構とのかかわりというものはあろうと思いますが、郵政省として直接経営にタッチするということはございません。  それから、第三条の郵政大臣実施指針を定めることになっている場合の具体的な手続につきましてのお尋ねでありますが、この実施指針は、本法律案に基づく施策の趣旨を明確にしまして支援対象事務の内容等を公表するためのものであります。実施指針をつくるに当たりましては関係行政機関の長へ協議するということ、また政令で定めます審議会への諮問を経まして策定をし、公表するものでございます。関係行政機関の長への協議でありますが、これは実施指針の策定に当たりまして、情報流通に深くかかわる事業を所管する省庁などに協議することによりまして支援措置の円滑な、効果的な実施を図ろうという趣旨でございます。また審議会への諮問につきましては、指針を策定するに当たりまして広く各界の意見を聞くというために諮問をいたすものでございます。  それから実施計画の認定の基準につきましてのお尋ねでありますが、事業者が出されます実施計画の認定というものは、この法案の趣旨に沿わない事業実施が確実でない事業が公的支援の対象になるということはおかしいわけでありまして、そういった事業を排除しようというものでございます。したがいまして郵政大臣実施計画の認定は、実施計画がこの政策趣旨に合致し、かつ確実に実施される見込みがあることを確認するわけでありまして、その際認定が恣意的にならないよう事業実施に関する実施指針を前もって策定し、公表し、これに照らして適正な判断をいたすことにしているわけでございます。
  235. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 実施指針というのはこの法律をつくるに当たっては極めて重要な項目だと私は思っているわけで、それで再度御質問したわけですけれども関係行政機関の長に協議をして、そして審議会の意見を聞く、慎重な態度であるということについては理解をいたしますけれども、しかし実施指針の中身、どういうことを実施指針として決めようとするかという点などについてはなお少しインターロゲーションマークをつけたい点がございます。しかし今の局長答弁もございましたから、これはこれで受けとめておきたいというふうに思います。  時間もございませんので最後ですが、これもおおむね解明ができたと思いますが必ずしも納得するところまではいってないと思いますけれども、この法律の目的を達成するための業務について第六条で明記されているわけですね。通信放送衛星機構自体を改正しない、そして業務の特例とする、こういうことになっているわけですね。これは先ほども指摘がありましたけれども一つの団体をつくってその設置目的などを決める、しかしそれがだんだん付加されていって元も子もないように変形していく、そういうことはやはり一般論としておかしいのですね。ですからそういう意味では、通信放送衛星機構の設置目的がはっきり決められたのに、これと、全くとは言い切れないと思いますけれども、やや異なった業務を特例として付加していく、また情報化問題などというのはいろいろな法律が今後たくさん出てくるのじゃないかと思いますけれども、その都度そういうことで業務の特例だという形をつくっていくという手法についてはいささか問題があるのじゃないか。この点についてはやはりもう少し郵政省の考え方を明確にしておいた方がいいのではないか。  これは郵政省だけの問題ではなくて往々にしてあるのですね。一つの団体をつくった、するとどんどん変形していく、振り返ってみれば元も子もない、初め設置をしたときと全く違った形になってきたというのが例として幾つかあるのです。時間がありませんから申し上げませんけれども、そういう意味ではやはり業務の特例としているという点について問題ありというふうに思うのですけれども、この点もう少し、先ほど納得できる御回答がなかったと思うのですが、お聞かせをいただきたいと思います。
  236. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 本法に基づきます特定通信放送開発事業に対する支援措置を衛星機構を通じて行うという点につきまして、今先生から新しい行政需要が出てきた場合に、衛星機構を使って、本来的な目的がどこにいったかわからないような形で変質するのじゃないかという点の御指摘があったわけでありまして、私どもも今回の法律を作成するに当たりまして、こういった追加業務をどんどん追加すればいいんだという考えは別に持っているわけではございません。  確かに衛星機構法を改正するということも一つの立法の方法としてあるわけでございまして、ただ今回の法案の作成に当たりましては、衛星機構の業務追加だけではなく、郵政大臣による実施指針でありますとか、あるいは実施計画の認定でありますとか、その他商法の特例を設けるといったもろもろの規定につきまして、今の組織法の改正というものは必ずしもふさわしくないんじゃないか、単独の法律を一本つくりまして、その中で衛星機構に追加業務を追加するという方法も立法手法上許されないことではないんじゃないかという観点でこのように作成をさせていただいたわけでございまして、先生の御疑念につきましては私ども十分に理解をいたしておるところでございます。
  237. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 先ほどお聞きをいたしておりましてわからなかった点が一つ残っておりますから、最後にこれをお聞きしたいと思います。  支援措置の内訳ですけれども通信放送共同開発事業については債務保証あるいは通信放送新規事業については出資などなど、いわゆる支援措置が違っておるように見受けられるわけで、この点について、どうしてこういうことになるのかという点についてもう少し御解明をいただきたいと思います。  関連をいたしまして、郵政省はこれまでいわゆる情報化を推進するために通信基盤整備などに努力をされてきたと思っておりまして、この中で財政投融資とか無利子の融資とかいろいろな御努力をされてきたんではないか、こういうふうに思っておるわけで、そこで、今日までの支援措置の実績や問題点などについて一体どういうふうに総括をしておられるのか、この辺概略お聞かせをいただきたいと思います。
  238. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 第一点目の特定通信放送開発事業の性格の違いによりまして三類型に分類をして、それぞれの事業の性格に応じた支援措置を用意しているわけでありますが、通信放送新規事業につきましては新たな事業分野の開拓のための事業リスクが非常に高い分野でございます。したがいまして、こういう事業リスクの高い事業分野の開拓をねらいといたします新規事業に対しましては、機構からの出資、それから民間資金の導入促進のための債務保証、それから新株引受権付社債の発行限度の拡大という支援措置を予定しているわけでございます。  それから、地域通信放送開発事業につきましては、地方におきまして需要の顕在化までに長期を要する、地域へのニューメディアの円滑な導入がなかなか図られないという実態に照らして、財投の融資に対する利子補給を行うことによりまして立ち上がり期の金利負担を軽減しよう、そういう立ち上がり期における金利負担の軽減に対する要望も非常に多いものですから、そういった御要望にこたえる意味利子補給という支援手段を用意しているものでございます。  それから、通信放送共同開発事業は、企業化の対象となる高度な電気通信技術でなかなか単独では企業化が困難なようなものに対しまして支援をしようというわけでございまして、そのためには民間資金の導入を円滑にするために債務保証、それから新株引受権付社債の発行限度の拡大を予定させていただいているところでございます。  それから、二点目の、これまで地域情報化につきまして財投でありますとかあるいは税制上、財政上のいろいろな支援措置を用意をしてまいったわけでありますが、これまでの実績等から考えてどのように評価をしているかということでございます。例えばテレトピア等の施策あるいは民活事業法等のこれまでの実績を見ましても、この数年間で事業は急速に拡大をしております。まだまだその財政的あるいは税制的な支援措置は他分野に比べますと私ども十分だというふうには思っていないわけでありまして、今後ともそういった地域情報化が円滑に推進できるようできるだけの支援措置の充実に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  239. 田中昭一

    ○田中(昭)委員 これで質問を終わります。ありがとうございました。
  240. 上草義輝

    上草委員長 次に、菅野悦子君。
  241. 菅野悦子

    ○菅野委員 まず、実施指針と認定について私もお尋ねしたいと思うのですが、この第三条で規定されております郵政大臣が定める実施指針についてということで、法案では「情報の円滑な流通促進に関する事項」とか「事業の内容に関する事項」「実施方法に関する事項」「実施に際し配慮すべき重要事項」ということで、非常に抽象的なことしか書いていないのですね。実施指針は実際どのような表現、どういう内容になるのかということ、先ほどからここが非常にポイントだというやりとりがありますけれども、もっと具体的な、リアルな説明をお願いしたいのです。よろしくお願いします。
  242. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 実施指針につきましてどのようなことを規定するのかというお尋ねでございますが、この実施指針は、電気通信による情報の円滑な流通促進を図るために、特定通信放送事業実施に関しまして、三つの類型の事業それぞれにつきまして支援の趣旨でありますとか、あるいは支援目的をブレークダウンをして明らかにしていこう、それぞれの事業の内容、実施方法、それから配慮事項等を三類型に従って敷衍をしていこうという内容でございます。  もう少し実施指針の趣旨、内容を申し上げますと、一つは、「全国及び地域における電気通信による情報の円滑な流通促進に関する事項」の中では、電気通信による情報流通現状と今後の見通し等につきまして明らかにしたいと思っておるところでございます。  それから「特定通信放送開発事業の内容に関する事項」につきましては、三類型の事業ごとに本法案の第二条の各事業の定義に即しまして、その事業内容をより具体化をしたいというふうに考えております。  それから三点目の「特定通信放送開発事業実施方法に関する事項」でございますが、実施方法に関する事項につきましては、市場の的確な把握あるいは実施体制の整備、適切な資金計画に基づく資金調達等について明らかにしたいというふうに考えておるところでございます。  それから「特定通信放送開発事業実施に際し配慮すべき重要事項」という点につきましては、資金、人材等の経営資源に関する留意事項を定めたいというふうに考えております。  そのほか、「当該事業が行われるべき地域に関する事項」につきましては、地域通信放送開発事業の対象とされる地域について明確にしていきたいというふうに考えておるところでございます。  それから「国際環境との調和」については、通信方式の標準化でありますとか、あるいは特段の理由がない場合におきます事業参入、事業参加につきまして、内外無差別の指針等を明らかにしたいというふうに考えておるところでございます。     〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕
  243. 菅野悦子

    ○菅野委員 先ほど来のやりとりの中でもどのような実施指針をつくるのかというのがこの法案のキーポイントではなかろうかと私も思うのです。新規事業共同開発事業について、国の支援を受けたいとする事業者というのは郵政大臣の認定を受けることになると思うのですけれども、この認定の基準を明確にしていただきたいと思います。
  244. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この認定につきましては、本法案の趣旨に沿わない事業でありますとか、あるいは確実な実施を見込むことが非常に難しいといった事業を排除するといいますか、除外するという意味で認定をさせていただくということでございます。したがいまして、郵政大臣の認定というものは、事業者が提出されます実施計画がこの政策趣旨に合致し、かつ確実に実施される見込みがあることを確認をするという趣旨でございます。
  245. 菅野悦子

    ○菅野委員 実施指針が多分認定の基準になるということだと思うのですけれども、そういう点ではやはりここがポイントというふうに思うのです。  それで、郵政省として、その実施指針の中身がどんなものになるのかという実施指針の内容を、例えばこの審議の中で文章で出すというふうなことがなぜできなかったのかなということが疑問に思うのですけれども、その点どうなんでしょうか。
  246. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 法文の趣旨については私もるる御説明をさせていただいたところでございますし、この具体的な内容につきましては、関係行政機関の長に協議をいたし、かつ政令で定める、審議会にもお諮りするということで公正を期してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  247. 菅野悦子

    ○菅野委員 多分法案が成立したら、まず何よりも先にやるのがその作業だというふうに思うわけですけれども、そういう点では特に国が支援する事業ということで具体的にこういうことが出ているわけで、ぜひ国会審議のあり方としても、できたらそういう必要な資料、具体的な成文というふうなものなども出して本来審議というのをやるべきではないかというふうに思うのですね。何も秘密にするべきことでも何でもないはずですから、そういうふうなやり方が正常な形ではないかということを痛感するところでございます。  ところで、この法律は放送事業にも及ぶと思うのですけれども郵政大臣の認定という行為が放送の自由などを侵さないという大前提が必要だと思いますけれども、その点はどうでしょうか。
  248. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 郵政大臣実施計画の認定は、先ほども申し上げましたように、この実施計画が実施指針に照らして適切であるかどうか、あるいはこの実施計画が確実に実施される見込みがあるのかどうかという点につきまして判断をするわけでございまして、決して放送番組の内容に着目をしまして認定の適用をやるといったようなものではございませんので、放送の自由を侵すといったようなことはないというふうに考えております。
  249. 菅野悦子

    ○菅野委員 放送に限らず、先ほど来の論議の中でも、金を出せば口も出すということになりがちではないかという御心配のやりとりもあったかと思うのですが、そういう点では放送の自由を保障するということはどうしても大事なことであって、放送事業者の経営に国などが不当に介入しないということが重要な条件だと思うわけです。この点での十二分の配慮を強調しておきたいというふうに思います。  続いて、共同開発事業についてお聞きをしたいと思います。  法案では、「高度な電気通信技術企業化共同して行う事業」「高度な電気通信技術企業化のために必要な需要の開拓の事業」を共同開発事業として税制支援措置をとることにしております。事前郵政省の説明では、この共同開発事業として具体的には広帯域ISDNとかミリ波伝送などが想定されるということなんですけれども、この広帯域ISDNとかミリ波伝送というのは一体どういうものなのか、また事業化の計画を現在進めているということでどこかあるのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。
  250. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お尋ねの広帯域ISDNでございますが、これは電話局から家庭の間にもいわゆる加入者線まで光を引くということで、光ファイバーを導入することによりまして大変高速、大容量の通信が可能になるわけであります。例えて言いますと、現在のテレビジョン映像も見ることができる、あるいはハイビジョン伝送も可能だといったようなサービス期待できるわけであります。  それから、ミリ波伝送といいますのは、ミリメートル単位の非常に波長の短い電波を持ちました無線通信システムでありまして、このシステムを使いますと高速、大容量の通信に適している。ただ、波長が非常に短いために、長距離を飛ばすということは非常に難しいわけでありまして、例えば雨に当たると減衰するとか、あるいは障害物に当たるとそれ以上先に行かないといったようなことがございまして、非常に短距離通信に適している。事務所でありますとか工場でありますとか、構内の無線システムを構築するといったようなところに活用されるのではないかというふうに見ております。  ただ、こういったものにつきまして、今の時点で事業化ないし企業化の具体的な予定があるのかというお尋ねでございますが、現時点におきましては、具体的な計画は私ども承知はしておりません。
  251. 菅野悦子

    ○菅野委員 実は広帯域ISDNについては、実際の事業化を進めているのはNTTではないかと思うのですね。先ごろNTTが、二十一世紀に向けたサービスビジョンということで明らかにしています。これについて、「NTTビジネス」の五月号に「21世紀に向けたNTTのサービスビジョン VI&P」というNTT取締役が書いた論文が載っているのですけれども、ここでは「VI&Pを支えるネットワークは、高速・広帯域ISDNです。」というふうに書いておりまして、二〇〇五年の見通しとして、ネットワークの高速・広帯域化を三〇%ということで見通しているということがあるわけです。  一方、郵政省所管の財団法人テレコム先端技術研究支援センターが広帯域ISDN推進協議会というものを昨年九月につくっていらっしゃる。この構成員を見ると、NTTや郵政省とともに日電とか富士通、それから日本アイ・ピー・エムなどの有力なコンピューター、電機メーカー、第一勧銀とか新日鐵、東京電力など、我が国の有数の大企業がこれには参加しているわけなんです。法案で言う共同開発事業として広帯域ISDN、これが想定されるとしたら、ネットワークを構築するNTTとそのネットワークに必要なコンピューターメーカーとかユーザーになる大企業共同開発事業ということになるのではないかと思いますが、その点いかがですか。
  252. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この広帯域ISDNにつきましては、現在CCITTでも国際標準化の検討に取り組んでいるところでございまして、九〇年代の半ばごろには実現をするのではないかというふうに一般的に見られているわけでございます。そういう意味では、通信事業者、NTTも含めまして、あるいはメーカーとかその他ユーザー企業も大変関心が深いわけでありまして、どういった姿でサービスが行われるようになるのかという意味では、各企業体が協力をして共同開発事業を行う可能性というものは私はあると思いますが、しかし、それはいわば子会社方式といいますか、いきなりそれほど大きなものがスタートするわけじゃないでしょうし、手探り的な状況からだんだんユーザーニーズも把握しながらアプリケーションも考えていくということになるのではないかと思っております。
  253. 菅野悦子

    ○菅野委員 そうおっしゃられましても、ここには「広帯域ISDN推進協議会・構成員」ということで、今言ったような大企業がずらりと並んでいる。まさに共同開発事業というふうなことになっているわけですが、そういうふうな事業に新たな支援措置としての債務保証や負担金の損金算入などが必要なのかどうか、率直に言って疑問を感じるわけです。  そこで、一例としてお聞きいたしますけれども、現在NTTなど電気通信事業者には税制上の優遇措置としてどのようなものがあるのか、ぜひ列挙していただきたいと思います。
  254. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 現在、NTTに対しましてどのような支援措置があるかというお尋ねでございますが、NTTのみを対象としました支援措置としましては、NTTが電電公社から承継をしました電気通信回線設備につきまして固定資産税の特例が設けられております。それから、NTTを含む第一種電気通信事業者に対する税制上の支援措置としましては、電線領地中化に係る特別措置でありますとか事業所税の非課税措置等が設けられております。
  255. 菅野悦子

    ○菅野委員 もう少しあるんじゃないですか。もっと詳しく言っていただきたいのですが。
  256. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 NTTを直接対象にしてということではございませんで、第一種事業として、このNTTも含めて第一種通信事業者に……(菅野委員電気通信事業者全体です。」と呼ぶ)NTTが利用可能な融資分野としましては、開銀の融資が受けられるのは、衛星通信設備でありますとかバックアップセンターでありますとか新技術開発等が開銀の利用可能な融資分野になっておりますし、また輸銀の製品輸入という点でも、これはサテライトであろうと思いますが、そういった政策融資の道も開かれております。
  257. 菅野悦子

    ○菅野委員 財政投融資それから無利子融資、それから、税制上でもさまざまな優遇措置というのが現在もとられているわけですね。  また、広帯域ISDNを今例に挙げて質問してきましたけれども、この法案で言う「高度な電気通信技術企業化」これを共同開発しようというパートナーというのは、この広帯域ISDNの例のように大企業になるということは明白だと思うのです。こうした大企業にも、ここで、時間がありませんから列挙していくことはやりませんが、さまざまな税制上の優遇措置がとられているというのが現状です。今、不公平税制が国民の間で大きな不満になっている。既にこの手厚い税制上の優遇を受けている大企業に対してもっと税金をまけてやるというふうな損金への算入を初め、こういう法案は、新たな大企業優遇策という側面が非常に強いということを指摘せざるを得ないわけです。  そういうことをきちっと私は指摘をした上で、次へ進みたいというふうに思うのですけれども、本法案のこの地域通信放送開発事業、これは地方情報格差を是正するという面もあると思うのですね。この地方都市におけるCATV事業への支援などは適切に行われる必要があると思うのです。  この問題で、この法案の第三条の三項ですか、「地域通信放送開発事業に係る実施指針においては、当該事業が行われるべき地域に関する事項について定める」ということになっておりますけれども、具体的にどの地域を指定するのかということです。この指定のやり方として、具体的な地域名を挙げて指定するのか、それとも概念的な指定になるのか、この点をお伺いしたいと思います。
  258. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 一点、通信放送共同開発事業関係につきまして、公益法人が行いますものに対しての負担金の損金算入が認められるという点につきましては、これは、公益法人がいわば特定企業のメリットになるということではなしに、例えば広帯域ISDNのいろいろなサービスといったようなものについて一般の皆様方に大いに普及啓蒙をするとか、あるいはいろいろな端末について御意見を伺うとか研修を行うとか、そういった公益的な事業に対しましてその負担金の損金算入を認めるということでございますので、その点御理解をいただきたいというふうに思います。  それから、お尋ねの地域指定の点でございますが、これは地域に関する事項につきましては、審議会の意見を聞いた上で実施指針において定めることといたしております。この法案の趣旨から考えますと、東京都の特別区といったような大都市地域以外は対象にしていいんじゃないかというふうに考えておりますけれども、まだ具体的な地域について申し上げられる段階ではございません。
  259. 菅野悦子

    ○菅野委員 どういう地域が指定されるのかはっきりせずに法案を審議せよというのは、若干無理があるのではないかというふうに思うのですね。地方情報格差を是正するという趣旨ですから、これは非常に具体的な問題だと思うわけです。  今、二十三区以外はというふうなお話がありましたので、多分そういう方向だと思うのですけれども、もっとちょっと突っ込んで、例えば東京の多摩地区とか大阪府の衛星都市などは支援の対象になるのかならないのか、ここまではまだ言えませんか、お答えいただきたいのですが。
  260. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 この法案で定めます地域通信放送開発事業が行われるべき地域は、当該地域電気通信整備が不十分なために当該地域における諸活動が円滑に進まない状況にある地域という趣旨でございまして、そういった点から考えますと、大都市近郊でありましても、電気通信整備が不十分だというふうに認められる地域につきましては対象に取り上げてまいる考えでございます。
  261. 菅野悦子

    ○菅野委員 ぜひ、地方情報格差を是正するという趣旨に沿って地域指定が行われるように要望しておきたいと思います。  関連して、都市型CATVの問題についてお聞きをしたいと思います。CATVに加入しようとしても、団地とかマンションなどの共同住宅というのは困難があるんじゃないかと思うのですね。建物に付随しているケーブルとかブースターの工事というのが当然これは必要になってくるわけですけれども、多額の工事費、これが当然要ります。分譲住宅の場合、建物の改修工事費扱いになるので管理組合などの決定が要るというふうなこととか、それから、CATVへの加入を希望しない人も含めて工事費を分担するというようなことになったりということで、事実上大変困難だと思うのです。また、公団とか公営住宅を含めた賃貸住宅では、設置者が改修工事をしないと、居住者は希望してもこのCATVに加入できないというふうなことも出てくると思うのですね。  今後このCATV普及していくと、共同住宅に住んでいるとこれに加入できないとかしにくいということが多くなってくるのではないかということが予想されます。これもある意味では情報格差ということになると思うのですけれども郵政省としてこの点について何らかの対応策を考えておられるかどうかを御質問いたします。     〔大野(功)委員長代理退席、委員長着席〕
  262. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 ただいま先生の御指摘のように、既存の共同住宅の共聴設備の多くはいわゆるテレビジョン放送の再送信用のものであるわけでございまして、伝送容量が非常に少ないために、仮に都市型CATVと接続しようといたしましても非常に困難な場合が多いわけでございます。したがって、都市型CATV事業者の努力にもかかわらず、このような共同住宅の住民に対するサービスの提供がなかなか進展していないのが実情でございます。一方、最近新築されている共同住宅では、建築主等の関係者も理解が深まっておりまして、都市型CATV事業者のケーブルと良好に接続できるような共聴設備を最初から設置するケースが非常に多くなっております。  郵政省としましても、共同住宅において希望があっても加入できない人が生じないように、既存の共同住宅の共聴設備に関しまして技術的により効果的な改修方法というものを、これを我々グレードアップと言っているのですけれども、グレードアップの方法等の研究を進めているところでございます。また一方で、共同住宅の新築に当たりましては、当初から都市型CATVが受け入れ可能な共聴設備を設けるように一層の周知に努めてまいりたいと考えているわけであります。  現在、CATVに対する支援措置等は行われているわけでございますが、共聴となりますと若干レベルが違いまして、なかなか難しいのが現状でございます。我々もそういう面を改善するように一層の努力をしてまいりたいと思っているわけでございます。
  263. 菅野悦子

    ○菅野委員 なかなか難しい問題と思いますけれども共同住宅内のケーブルなどを改修する工事、これに対する例えば低利の融資など、こういうものも考えていく必要があるのじゃないかと思うわけです。現在マンションに対する一般的な改修工事、これに対しては住宅金融公庫などの融資制度があるわけですけれども、金利などの面で必ずしも十分とは言えないという状況です。また、賃貸住宅対策でも、建設省や公団にも働きかける必要もあるのではないかというふうに思いますので、ぜひ御検討をしてみていただきたいというふうに思います。  時間が参りましたので、終わります。
  264. 上草義輝

    上草委員長 次に、中井洽君。
  265. 中井洽

    中井委員 九人目ですのであるいは質問等も随分重なるかもしれませんが、お許しをいただきまして、賛成の法案ですので簡単にお尋ねをしたい、このように思います。  今回、地方分散に関する研究会の研究報告を受けて郵政省は、各省といろいろと折衝の結果、大変御苦心をいただいてこういう通信放送衛星機構の中に新たに業務を授ける法案を作成されたわけでありますが、今国会で通信放送衛星機構に新しい業務を設ける法案を審議するのは二つ目であります。行政改革等いろいろあって、どんどんと分野の広がる電気通信関係法案あるいは援助をやりたくてもなかなかやれない面もあろうかと思うのでありますが、一方、こういう形で衛星機構本来のところから少し枠をはみ出してでもどんどんとふやし続けるということもいささかどうであろうか。  先ほど自民党の議員の方から、郵政省の名前を変えることを考えたらどうだというお話がありましたが、それこそ放送衛星機構の、法案の機構の名前を変えてしまわなければ概念がはみ出すのではないか、こんなことまで実は心配をいたしております。大体こういう形でこれからも衛星機構の任務といいますか業務をふやすということをお考えなのか、あるいはこの二つぐらいで業務をふやすのをやめて十分運用をしていくお考えなのか、なかなか難しいと思いますが、そこら辺のところを大臣にお答えをいただきます。
  266. 深谷隆司

    深谷国務大臣 社会経済の急速な情報化進展背景にして、電気通信行政もさまざまな新しい要請が生まれてまいっております。電気通信行政を預かる郵政省としましては、こうした要請に適宜適切に対処することが必要だろうと基本的には考えております。  今回の施策は、電気通信普及発達を図ろうとする点で、宇宙における無線通信普及発達と電波の有効な利用を図ることを目的とした通信放送衛星機構の存立の趣旨に沿ったものであると存じまして、時代要請に即した施策であろうと私どもは確信をしております。  これ以外にやらないのかということについては、今何とも申し上げようがありませんが、その折々の時代に即しながら、必要があれば皆さんとも相談もしなければなりませんし、検討もしていく余地もあるかとは思っております。
  267. 中井洽

    中井委員 この法案の主な目的は、高度な、また各般にわたる情報流通促進といいますか刺激剤を果たすということが一つ、それから地方における電気通信高度化促進目的としておる、このように私どもは理解をいたしておりますが、間違いありませんか。
  268. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 先生指摘のとおりでございます。
  269. 中井洽

    中井委員 地方電気通信高度化促進ということが特に大きな目的となっておる背景にあります、地方東京あるいは地方と首都圏あるいは大都市、そういったところの情報量というのですか、数字にあらわすのはなかなか難しいと思うのですが、どのくらいの格差があると御認識でありましょうか。例えば私の選挙区の三重県と東京なんというとどのくらいの格差になるか、そういったところおわかりでしたらお教えをいただきます。
  270. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 具体的に東京と日本のある地域との情報格差がどのくらいになるかという計量的なデータがないものですから、ちょっと正確なお答えはできかねるわけですが、例えば情報の受発信機能東京にどのくらい集中しているかということをいろいろ郵政省で調べたデータとかその他のデータを参考にして申し上げますと、情報供給量で見ますと、東京圏からの情報供給量というのは八七%というデータが出ております。それからデータベース数がどのくらいあるかという点を見ますと、東京圏というのは九三%という数字が出ております。  それから、これは情報サービス業の売上高で見た数字でございますが、東京圏が情報サービス業の売上高は六五%を占めておるといったような数字が出ておりまして、東京にいかに情報集中しているかという一端をかいま見ることができるのではないかというように思います。
  271. 中井洽

    中井委員 かつて電気通信というものが、例えば電話ですとかあるいはテレビ、自動車電話、こういう簡単といえば簡単で、当時は簡単ではなかったのですけれども、こういうものの普及で、見られたときには、テレビがいつ見られるようになったとか電話がいつ自動化になって東京との差が何年だとか、あるいは自動車電話だって首都圏で始められて、私のところと大体八年ぐらい差があったんじゃないかなと思うのですが、それくらいの差だとか、何か感覚的にはかれたわけでございます。ところが、この情報だとか、高度になればなるほどはかれないし、またすさまじい格差が出てきておる、このように考えるわけであります。それをどういうように具体的に格差是正を、あるいは地域のレベルアップを図ろうとされておるのですか。
  272. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 確かに東京の位置というのは、我が国の首都といった位置づけから、もう既に世界の一つの中心になっております。特に金融業務等を見ますと、東京、ロンドン、ニューヨークというのは完全に三極が一体的に業務を行うといったような形でございまして、国内からの東京集中もありますけれども、外国からの東京集中といったような状況になっておりまして、それと日本国内の情報格差というのは我々が想像する以上の格差があると思います。  しかし、そういった格差というものを、単に成り行きに任せてというわけには決してまいりませんで、これからの情報化社会を考えた場合、地方におきましてもいろいろ情報関連産業が育ってくる、新しい雇用機会も生まれてくる、しかも文化的にも経済的にも豊かさを実感できるような生活が送れるようにしなければならぬというのが我が国の大きな政策課題でもありますから、そういう意味ではできるだけ、今まで光が当たらなかった地域に対しましても、いろいろな国の政策支援を考えまして、情報化の推進が図れるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  273. 中井洽

    中井委員 お心はよくわかるのですが、例えばこの法案でも広帯域ISDN、あるいはミリ波伝送、ファクシミリ放送、こういったところをどんどん刺激していく。私どもではこの広帯域ISDNというのはどんなものが出てくるのかわからない。しかしこういったものを刺激して、出てきたら一番最初はやはり東京だ、首都圏だ。ますます地域との格差が広がっていく、このことを痛感せざるを得ないのであります。こういう法案地域格差を少しでも是正するんだということであるならば、どういうふうにやっていくのか、難しいでありましょうが、そういった意味での対応を賜りたい。  同時に私は、郵政省というのは根幹に郵便業務であろうと貯金業務であろうと保険業務であろうと、あまねく地域でありとあらゆる国民にサービスを、これが郵政省の根幹だと思うのですね。これが崩れたのでは郵政省の存在というものはない。それを郵政省の管轄している電気あるいは通信ということで大きく格差があこうとしている。それも想像を絶するような格差ではないかと思うのです。それをどういう形で、少しでも埋めさそうとするのか、この点についてお答えをいただきたい。
  274. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 私ども地域情報化施策を考えますのに、従来からテレトピア計画でありますとかあるいは民活法の施設整備事業でありますとか、あるいはハイビジョン・シティー構想でありますとかいろいろの面で努力してまいったわけであります。  先生今御指摘のありました、例えばこの法案支援の対象になる共同開発事業等で、例えば広帯域ISDN企業化を考えるといったような場合も、東京よりも地方で取り組んでもらうといったようなことも、大変地方の活性化といいますか地方情報化の刺激にもなるわけでございまして、そういう点、これからの本法の運営に当たりましても、そういったことを十分に念頭に置きまして、衛星機構等にも本法の運営につきまして配慮してもらいたいというふうに思います。
  275. 中井洽

    中井委員 変な言い方で恐縮なんですが、例えばこの研究会のメンバーを見させていただいても、大変立派な方が御苦労いただいているわけですが、それでは、地方格差是正だ、こう言いながら、地方代表の人はだれが入っているんだといったら、知事会の代表と市長会の代表の人が入っているだけじゃないかと私思うのです。大半のメンバーが東京に住んで東京を中心に大きく企業活動をやっていらっしゃる方、あるいは電気通信政策審議会で、こういろいろおっしゃるけれども、そのメンバーだって僕は、一度か二度ざっと見させていただいただけですけれども地方の方が入っているかといったらほとんど入っていらっしゃらない。それでは地方には人材がいないのかといえば、本当に意欲を燃やして地方の復権あるいは地方の独自の形での振興といったことに意欲を燃やしていらっしゃる企業経営者やらあるいは学者やらいろいろな方がいらっしゃる。こういう審議会の構成一つ見ても東京集中になっているんじゃないか、こんなことをふと思うわけであります。  大臣ひとつ、そんな点を含めて地方にも十分御配慮を、郵政省の根本的な理念として日本じゅうあまねくということがあるわけですから、郵政省全体の審議会とか発想の中に常に地方というものをお考えいただく、こういったことでお考えをお聞かせいただきます。
  276. 深谷隆司

    深谷国務大臣 この席でも何回も申し上げておりますが、都市集中型に大きな問題があることは皆さんも御承知のとおりであり、御指摘のとおりであります。地方を活性化していくためには、地方の意見を十分聞いていかなければなりません。そういう方向でこれからも十分に耳を傾けるように努力をいたしてまいります。
  277. 中井洽

    中井委員 今回のこの法案で、先ほどから申し上げておる地方高度化促進情報高度化促進、この中心としてCATV利子補給等をしていこう、これがあるということは間違いないことですか。
  278. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 地域情報化を図る場合に、都市型のCATVというのは非常に利用価値の高いメディアであろうというふうに考えておりますし、私ども地域にそういうものが初めて入るといったようなところにつきましては、十分支援の対象になるというふうに考えております。
  279. 中井洽

    中井委員 支援の大半がこのCATVということになると、今のお答えでわかりますけれどもCATV以外にそう大して取り立てて今ないんじゃないかという気がするのですが、どうなんですか。
  280. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 まだ、民間の創意工夫によりましてどういったサービスが育ってくるかということにかかるわけでありますけれども地方で活用されているメディアを申し上げますと、CATVのほかにローカルキャプテンあるいはデータ通信というようなメディアが非常に活用されているというふうに見ております。
  281. 中井洽

    中井委員 今都市型のCATVというのは全国でどのぐらい営業がなされておるのですか。そしてその数の中で東京あるいは首都圏というのはどのくらいになっておるのか、お聞かせください。
  282. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 都市型のCATVというものは、大規模、それから多チャンネル、双方向機能を有するものでございまして、現在許可済みのものは、全国で六十八施設、六十三事業者でございます。その中で運用開始済みが四十七施設、四十二事業者でございます。ちょっと東京都だけというのは資料の持ち合わせがないのでございますが、開始をしているものが十七ほどあるということでございますけれども、ちょっと正確な数字が……。
  283. 中井洽

    中井委員 東京十七、大阪やら含めて大半が大都市であろうかと思うのですが、地方都市CATVがなかなか出てこない、あるいはやろうという空気が出てこない、どの辺に原因があるのですか。
  284. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 CATV事業は、その施設、区域の中でケーブルを多数張りめぐらすということが必要でございますので、多額の初期投資を必要とするわけでございます。そういう関係で、電波による放送事業に比べまして経営を安定化させるのに比較的長期間を要するということで、やはり都市のように集中しているところの方が効率的であるということでございます。一方、道路を占有するという問題、それから地中化の問題などいろいろなことがございまして、都市内でも非常に経費がかかるということで、そういう面でも都市としての難しさというのもあるわけでございます。
  285. 中井洽

    中井委員 この法案並びに予算措置で、初年度新規のCATVに対してどれだけの利子補給、あるいはまたどれぐらいの資金需要があると予測されておりますか。
  286. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 お答え申し上げます。  特にこの都市型CATVにつきまして需要予測をしたものは持ち合わせておりませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
  287. 中井洽

    中井委員 ちょっと質問のしようがないのであれですが、地方格差是正をするとおっしゃって地方のあれをやるとしたらCATVくらいしかないかなという形で私は法案を読ませていただいて、そしてそれに利子補給をして地域CATV促進を図ることによって少しでも地域情報のおくれているのを直そうという形ではないかと考えておるのですが、それの資金需要なりどれくらいの利子補給をしていくかということはさっぱり計算なしにこんな法案をつくられたのですか。私の認識が違いますか。
  288. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 利子補給の原資としましては五十億程度のものが用意できると思うのでありますが、需要の方がローカルキャプテンが出るのか、CATVが出るのか、あるいはまたデータ通信が出るのか、そういった意味で需要予測はしておりませんということを申し上げたところでございます。
  289. 中井洽

    中井委員 先ほどから共産党の菅野先生の御質疑を聞いておりますと、地域格差というのは、例えば三多摩だとか大阪圏だとかそんなところも対象になるのだというお話だったのですが、私はそれはおかしいと思うのですね。そうではなしに、首都圏や大阪圏や名古屋圏と比べて情報が圧倒的におくれている地域を国の力で郵政省が頑張ってバックアップをしていく、こういうことでなければならないと考えるわけであります。そういう地方にいる者として、データ通信だとかいろいろと言われましたけれども、私は、やはり出てくるのはCATVじゃないかと思うのです。それはどういうようにやっていくかというのはもう少し綿密にお考えをいただき、助けていただくということでなければならないのじゃないかと考えております。  観点を変えますが、それでは、今それぞれの地域で、大都市を除いて、CATVを用意してこれから施設を開始しようとしているところは幾つくらいあるわけですか。
  290. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 今後どのくらいこのようなCATVが出てくるかという御質問でございますが、現在申請を受け付けておりますのが三十件ほどございます。そのほか、各地方電気通信監理局におきまして事業化計画の相談を受けておりますのが約二百件ほどございます。しかしながら、非常に玉石混交と申しますか、そういう点がございますので、今後とも私ども十分相談に乗りながら事業化が実現できるように指導してまいりたいと思っておるわけでございます。
  291. 中井洽

    中井委員 そうすると、これもわかりませんか。今三十件申請を処理中、二百件地方の局で御相談になっていらっしゃる。大都市圏を除いて、その二百三十件のうちどのくらいあるのか、それはわかりますか。
  292. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 大変失礼でございますけれども、私ちょっと手元にその資料がないものですから即答できかねます。大変失礼でございます。
  293. 中井洽

    中井委員 結構です。そうすると、いけずを言うわけではないのですけれども、要するにこの利子補給は、大都市圏であろうと東京であろうと、CATVを新しくやろうという人が申請をしたら出すということなんですか。地方格差是正で、地方CATV利子補給をやる、こういうことではないのか、これが一つ。  もう一つ、五十億の利子補給と言われました。本当に初年度五十億ですか。そんな金どこから出るのですか。五十億利子補給しようと思ったら大変な原資が要ると思うのですよ。大丈夫ですか。
  294. 中村泰三

    中村(泰)政府委員 全体の事業規模としてそのくらいなものに対して利子補給ができる予定になっております。(中井委員事業規模ですか。五十億の事業規模に利子補給をするのですか」と呼ぶ)全体が五十億、はい、そういうことです。  それから一点、CATVにつきまして、例えば大阪周辺でありますとか三多摩でありますとかということも地域の指定に入るのかという話がございまして、二十三区以外は可能性はあるという話を申し上げたわけでありますが、例えば都市型のCATV地方で計画をしまして認定が競合して出てくるという場合には、地方において電気通信高度化がおくれた地域の方が優先するという形になりますから、やはり地方で初めてCATV導入しようというところがより優先されるとお考えいただきたいと思います。
  295. 中井洽

    中井委員 そうすると、規模によったり地域によって違うでしょうが、CATVをやろうとしたら資金需要というのは大体どのくらい要るのですか。平均で結構です。
  296. 大瀧泰郎

    ○大瀧政府委員 いわゆる規模によっていろいろ差があるわけでございますが、端子当たり六万あるいは八万……(中井委員「いや、そうじゃない、会社の規模、会社の資金需要」と呼ぶ)会社の規模でございますか。そういうことでございますので、例えば一万端子をやりたいと言いますと、一端子当たり十万円経費がかかるとしますれば、十億円という経費がかかるわけであります。大体そういう程度の規模を想定する必要があろうかと思っております。
  297. 中井洽

    中井委員 そうしますと、初年度ですから仕方がないかもしれませんが、五十億の資金需要の枠での利子補給、そして地方CATVがどれぐらいあって、どのぐらいの資金需要があるかというのは、まだなかなか御精査が行き届いていない、こういう感じを抱きます。  ますます開く地方東京との情報格差、これを法案に書いてあるとおり本当に少しでも詰めようあるいは地方をレベルアップしようというのなら、もう少し地方のおくれというものを十分御認識をいただいて、そして十分な目的にかなった運用ができるようにしていただくことを強く希望いたしまして、質問を終わります。
  298. 上草義輝

    上草委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ─────────────
  299. 上草義輝

    上草委員長 日本共産党から討論の申し出がありましたが、先刻の理事会において協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、さよう御了承願います。  これより採決に入ります。  特定通信放送開発事業実施円滑化法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  300. 上草義輝

    上草委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────
  301. 上草義輝

    上草委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、前田武志君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を聴取いたします。前田武志君。
  302. 前田武志

    ○前田(武)委員 ただいま議題となりました特定通信放送開発事業実施円滑化法案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     特定通信放送開発事業実施円滑化法案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、新たな通信放送事業分野の開拓等を通じて電気通信による情報の円滑な流通を図るため、次の各項の実施に努めるべきである。  一 電気通信審議会は、公平適切な運営に配慮することはもとよりのことであるが、意見の答申に当たっては、過疎地域通信放送事業の健全な発展にも留意し、また、利用者及び通信放送事業者等の意向をも十分参酌するよう配意すること。  一 通信放送衛星機構については、我が国社会経済の急速な情報化進展に対応するため、本法の施行状況や衛星通信衛星放送の将来の動向等を踏まえ、その経営基盤の一層の強化を図るとともに、今後の機構の在り方について総合的に検討すること。  一 本法の運用に当たっては、現存する情報地域間格差地域の実情等に十分留意し、均衡のとれた地域情報化を推進するよう努めること。  一 特定通信放送開発事業実施に必要な資金の確保、充実に努めるとともに、中小の事業者も本法による支援を十分に活用できるよう、その運用に万全を期すること。  一 新しい技術を用いた情報通信システムの構築に当たっては、心身障害者の立場に立ったシステムの構築の支援にも努めるよう配意すること。 以上のとおりであります。  この附帯決議案は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四派共同提案に係るものでありまして、案文は、当委員会における質疑の動向等を参酌して作成されたものでありますから、各項目についての説明を省かせていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げる次第であります。  以上であります。
  303. 上草義輝

    上草委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  304. 上草義輝

    上草委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、深谷郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。深谷郵政大臣
  305. 深谷隆司

    深谷国務大臣 ただいま特定通信放送開発事業実施円滑化法案を御可決いただきまして、厚くお礼を申し上げます。  本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。  まことにありがとうございました。(拍手)     ─────────────
  306. 上草義輝

    上草委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  307. 上草義輝

    上草委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕      ────◇─────
  308. 上草義輝

    上草委員長 簡易郵便局法の一部を改正する法律案放送法及び電波法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  順次趣旨の説明を聴取いたします。深谷郵政大臣。     ─────────────  簡易郵便局法の一部を改正する法律案  放送法及び電波法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────
  309. 深谷隆司

    深谷国務大臣 最初に、簡易郵便局法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  この法律案は、大都市において郵便局の設置が著しく困難になっていることなど最近における社会経済情勢の推移にかんがみ、経済的に、郵政事業の役務の一層の普及を図るため、郵政窓口事務を委託することができる場合を拡大するとともに、受託者の資格を追加すること等を行おうとするものであります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一は、現在、郵政事業の役務をへんぴな地方にまで広めることとされている目的規定を、郵政事業の役務の一層の普及を図ることに改めることであります。  第二は、現在、事務の量が著しく少ないため委託することが経済的である場合に限られている郵政窓口事務を委託する場合を、事務の量、取扱場所または取扱時間から見て委託することが経済的である場合に拡大しようとするものであります。  第三は、現在、地方公共団体、農業協同組合その他の組合及び十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行うために必要な能力を有する個人とされている受託者の資格に、十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行うために必要な能力を有する法人を追加しようとするものであります。  第四は、委託事務の監督を行う郵便局長を、郵便物の取り集め及び配達の事務を取り扱う郵便局長から、地方郵政局長等の指定する郵便局長に改めるほか、取扱手数料は、委託事務の取扱量に応じて定めることとされているのを、委託事務の取り扱いに要する費用を勘案して算定する額とすることに改めようとするものであります。  なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日といたしております。  次に、放送法及び電波法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  テレビジョン放送の受信障害対策の円滑な実施に資するため受信障害対策中継放送に関する規定を整備し、あわせて、ファクシミリ方式によるテレビジョン多重放送の実用化に伴いテレビジョン多重放送に関する規定を整備しようとするものであります。  次に、法律案の概要を申し上げます。  まず、放送法の一部改正の内容でありますが、その第一は、受信障害対策中継放送に関する事項についてであります。  受信障害対策中継放送を行う放送局の免許を受けた者は、放送事業者の定義から除くこととしております。また、受信障害対策中継放送を行う放送局の免許を受けた者が行う放送等について、訂正放送等の本法の適用に関し、必要な規定を整備することとしております。  第二は、テレビジョン多重放送に関する事項についてであります。  テレビジョン多重放送に係る補完利用努力義務の及ぶ範囲をテレビジョン放送及びテレビジョン文字多重放送またはテレビジョン音声多重放送を行う者に限定することとしております。  その他所要の規定の整備を行うこととしております。  次に、電波法の一部改正の内容についてでありますが、受信障害対策中継放送をする無線局の免許を与えない事由を定めることその他所要の規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上が、これら二法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  310. 上草義輝

    上草委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  次回は、明三十一日木曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時二十二分散会