○高橋参考人
最初のお尋ねの未契約者の対応でございますが、私
どもの立場からいうと二つあるかと思うのです。一時的に
NHKと契約ができていない方、この捕捉が大切だろうと思います。それからもう
一つは、契約をしていただきながら支払いが滞っている方の対策、この二つに分けて
お話を申し上げたいと思います。
最初の一時的な未契約者の方につきましては、私
どもの集金
関係者、そのほかにアルバイトな
ども動員いたしましてその
情報を収集し、あるいは家屋が空き家になっておるかどうか、あるいは新しく家が建ったかどうか、そういうようなことを
情報収集しましてコンピューターにそれを入れていきまして、コンピューターからその
情報を出しながら、それをもとに再三そこのところを巡回し、訪問して、例えば空き家に人が住んだら契約について伺う、既に契約してほかから移った方なら住居の
変更をお願いする、そういうようなことで、一時的未契約者についてはできるだけ早く捕捉して契約に結びつける努力をしております。
それから、契約をしていただきながら支払いが滞っている方、大きく分けますと、
一つは
NHK側がなかなか面接できないために収納に至らないということがございますし、もう
一つは先ほど来御
議論いただいております意識的に
NHKを見ていないから払わない方、こういう二通りあると思います。
面接できない方に対しましては、外務職員の深夜勤を導入いたしまして夜遅くお訪ねしてみるとか、あるいは日曜日、休日も早朝にお訪ねするとか、その方がいらっしゃるであろうというころを見計らってお訪ねして、できるだけお金をいただくようにということで努めておるところでございます。
そのほか、お会いできない方には、お訪ねして会えなければ、こういうことでお訪ねいたしました、次回またこういう時間にお訪ねしますのでよろしくお願いしますというような次回訪問の通知とかあるいは文書で、今までと違いまして銀行の口座だけではなくコンビニエンスストアで深夜でもお払いができるようになりましたので、それもぜひ御利用くださいとか、あるいはフリーダイヤルで、
NHKの料金持ちで御連絡いただければ契約に結びつけるようにいたしますとか、そういう努力をしているわけであります。
それから、意識的に支払いを拒んでいる方でございますが、こういう方につきましては、それぞれの個人の事情によりまして、
NHKの制度がだめだというのか、見てないというのか、いろいろな事情がございますので、それぞれに対して辛抱強くお会いして、事情を説明し、
NHKの
公共放送としての使命だとか
受信料制度の
意味合いというものを御理解いただいて、収納に結びつけるというような努力をしておるわけであります。しかし、特に意識的に支払いを滞らせている方たちは説得にもかなり時間がかかるということが実情でございます。
それから、集金コストの低減でございますけれ
ども、これにつきましては、
平成二年度の予算でも六百七十六億円の営業経費を計上させていただいておりますが、これの大体八〇%が人的経費であるということでございます。それで、
NHKの集金業務というのは、各家庭を御訪問してそれを契約収納に結びつけるという大前提でやっておりますのでかなり人手がかかるわけでございます。一人の委託集金員の方が大体八千
世帯、全国で平均しますと持っているわけでございますが、そのうち七五%は口座払いでございますから、訪問集金は二千
世帯くらいになるのかなと思います。そういうところを定期的に訪ねていってお金をいただくということなんですが、例えば八千
世帯を
一定の面積の中で持っておるわけでございますが、要するに訪問する方たちが一カ所に集まっているわけではございませんで点在しているわけでございます。したがいまして、訪問回数は距離的にも回数的にもふえていくというようなところで、口座が進む一面では訪問集金が非常に難しくなってきている。ですから、私
どもといたしましては、口座をどんどん普及させまして、訪問集金のありようというものを縮小していきたいというように考えております。
それから、集金の委託員さんの数といいますか、そういうものにつきましても、最近は労働力不足でなかなか思うような方が集まらないという実情もございますが、
考え方といたしまして、おやめになった後はできるだけいろいろな労働力を活用してその業務に当たってもらうというようなこともやっております。そのために特別の訓練をトレーニングセンターを設けて
教育しておりまして、十分ではないのですが、ある程度の対応ができるようにさせております。
それからもう一方では、口座をどんどんふやすことによって私
どもとしてはそういうような集金にかかるいわゆる人件費というものを減らしていくわけでございますけれ
ども、口座の中でも実は移動がございます。口座をやめたというのが銀行さんから通知が来るわけですが、やはりそのタイムラグがございますし、例えば六カ月払いとか一年払いですとそのときになってみないとわからないというようなことがございますので、そういうことがないようにできるだけ早く捕捉して、また転出先な
どもつかめるようにしてまいりたいと思っています。
それから、集金労務の問題で言うならば、人手不足ということもございますし、コストの問題もございますので、いわゆる専業的な委託集金員だけではなくて、いろいろな地方自治体などのOBの方だとか、団地の管理組合の方だとか、そういう人たちにお願いして一括的にその周辺について収納業務をやっていただけるようにお願いして、そういうネットワークも今後広げてまいりたいということで取り組んでおります。