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中村公述人 中村でございます。
大変高姿勢な
公述人の方がお二人お出になりまして、
自民党の方はとても喜んでいらして、こちら側半分は大変喜んでいらっしゃる。しかしこれは、選挙のときにこういう公述を外に向かってしていただいたら、随分みんなの受け取り方は違ったんじゃないだろうかと今伺っておりました。何というんでしょうか、女性の受け取り方というのは違うんだな
あというふうに今伺っておりました。――いや、建前じゃないのですよ。女の
人たちは暮らしを
自分たちで抱えていますから、はっきり暮らしの中から
消費税を見詰めている。
そしてまた、この
消費税というのは議会制民主主義の根幹だと思うのです。それが、きょう私は一番
最初に申し上げたいと思っていたのですけれども、何かもう、ねじれ現象だからもうどっちも相打ちになるんだ、だから
自民党の方も
見直し案を、本気で絶対あれを通そうと思って
論議なさっていないし、それから、私は
野党の
廃止の方の賛
成なんですけれども、
野党の方も何かもうまず
与野党の協議の場でやるというところへ行ってしまって、肝心の
国会審議というものがきちっとされていないんじゃないか。それを申し上げようと思って来たら、果たして何かそういう感じなんですね。
この前私は
参議院で、
消費税廃止法案のことで
公述人に出てまいりました。私
たちは
参議院の選挙が終わった後で――あのときは
野党は
廃止と叫び、与党の方は
見直しをする、大幅な思い切った
見直しをするとおっしゃって選挙を戦われたわけです。ですから、選挙が終わったら両方の
法案が出て、そして、この去年の
国会できちっとそれをこういう公開の場で
議論して、私どもが選んだ議員さんが両方できちっと
議論をして、そうしてそれを参考に衆議院の選挙をやるべきだと私どもはずっと主張して、各党にも要望してまいりました。しかし結果はああいうことです。
十二月の一日まで
自民党は
見直し案をお出しにならなかった。そして大綱という――大綱というのは本当の骨なんですね。それが十二月一日に出て、私が
参議院の公述に出ましたときは、まだ大綱が出て五日目でございました。ですからそれは
一つの、こういう大綱がこういうふうに出ているけれどもというふうな話しか出なかったわけです。ですから、
自民党の
見直し案というのが
国会でちゃんと取り上げられて審議されるのは、今度の
国会が初めてなわけです。(発言する者あり)選挙前に出したのは――ごめんなさい、ここで討論しちゃいけないのですね。選挙前にお出しになったのは選挙用の大綱であって、
法案が出てきても宣伝物はそうでなかったんじゃないか。私は、
国民は
見直し論というものに幻想を持たされたまま選挙をしたというふうに思っております。ですから、今の
河野公述人がおっしゃったように、
国民は
見直し、存続を求めているんだという、ああいう暴論をお吐きになるのは、私は困ると思います。
それは確かに、むしろ今のままの存続がいいという方も結構ふえてきています。それはなぜかというと、先ほどからいろいろな方がおっしゃいましたように、やってみたら意外と手元に
消費税分が、
国庫へ入れないで残る人が出てきたわけです。大きな声じゃ言えないけれども、
中村さん、残るんだよと、一緒に
反対運動をしていた仲間からも言われました。けしからぬですよね。だけれどもそうなんですね。だからそういう、先ほどからおっしゃっているような、私どもの納めた税金が途中で消えてしまう。非常に苦しい中から、年金生活や低
所得の
方たちが苦しい中から、年金だけでは暮らせないから貯金を取り崩したりいろいろな形でしている暮らしの中から払ったものがどこかで消えてしまう、これはやりきれないという声は、もう本当にみんなから出ています。ですけれどもそういう
人たちは、大きな声で叫べないから、主婦連の
消費税一一〇番、もう去年のあの
導入の騒ぎのときでやめたんですけれども、いまだに電話がかかってきます。私
たちの声は届かないかもしれないけれどもぜひそれを伝えてほしいと。そういう暮らしの中から、本当に
消費税は、困る
人たちの、弱い
立場の
人たちのことを考えて
政治はやるべきではないか。
逆進性なんか当たり前だってさっきおっしゃいましたけれども、
逆進性、さすがに
自民党の方々も選挙のときには、
逆進性を考慮して
食品の一・五、一・五、ゼロ、最後が非
課税という、あれで-体どれぐらい下がるのだろうかという疑問がありますし、むしろ売っているスーパーの
方たちまで、これでは下がらない、こんな面倒くさいことはできないと言っていらっしゃいますけれども、しかしそういうふうに
逆進性を緩和しようということをおっしゃっていらっしゃる。
私は、
政治というものは、そして特に
税制というものは、すべての
国民が納得して払う、すべての
国民が納得しないにしても、大多数の
国民が納得できるような説得性のあるもの、そして私どもが選んだ選良が、私どもの代表が
国会の場で十分
論議して中身を明らかにして、そして我々が見ているところで納得できるような
論議があって初めて
税制というものを
国民は、まあみんながそういうふうに言うならばということだと思うのです。決して主婦
たちが税金を納めるのが嫌だと言っているわけじゃないのです。納めるのが嫌じゃなくて、不公平なのは困る、それから決め方が不明朗なのは困る、そして納めた税金がどこへ行ってしまうかわからないのは困る、そういうことを言っているわけです。
逆進性も困ります、弱い者いじめの
消費税は困るというのもそれです。
そういう
意味で、私
たちはいろいろなことを
国会に要望してまいりましたけれども、今度の
国会で果たして、毎日の
論議を私どもテレビと
新聞で見ておりますけれども、本気で、選挙のときに
皆さんが訴えたことが
国会の中でぶつけられているのかどうか。私はどうもそうではなくて、もうどちらも、いずれ協議会で何かお決めになるということになっているのじゃないか。私はやはり
国民の前ではっきりガラス張りでやってくれなければ
国会ではないと思います。それをぜひお願いしたいと思います。私は前に
国会で、マル優
廃止のことを一生懸命こうやって、こういうところで訴えておりました。ところが、帰ってみると、もう違うところで
与野党の話し合いがついて、マル優は
廃止になっておりました。そういうようなことではなくて、みんなの見えるところでしていただきたいということを申し上げたいと思います。
さっき、お産の話が出ました。それからお葬式の話が出ました。女としてちょっとこれは黙ってられないのですけれども、お葬式とおっしゃったけれども、
自民党の
先生方よく御存じだと思います。私よく読んでみたら、お葬式全部じゃないのですね。選挙のときはお葬式と
皆さんおっしゃったのです。だから、みんな錯覚を起こしているけれども、火葬料と埋葬料だけなのですね。火葬料というのは、市営もありますからそんなに大したお金じゃない。埋葬料はお寺様に包むお金ですから、これもお金があってないようで、一番困るのはお葬式なのですね。みんなはお葬式が非
課税になると思っていたわけですね。今の町長さんもそういうおっしゃり方をなさいました。それから出産も、病院に駆けつけて産まれるときは非
課税かもしれない。しかしその前に十カ月病院に通うのは、これも私どもは出産だと思っているのですけれども、それはそうじゃないのですね。
そういうふうに、食料品の非
課税につきましても、これは
自民党がお出しになった広告を持ってきたのですけれども、「毎日の食料品非
課税です。(小売段階)」と書いてありますけれども、みんなはこれをそういうふうに読んでないのですね。ほとんどの方が食料品は非
課税だ、
逆進性をなくすために非
課税になるんだ、そういうふうにやはり、何というのでしょうか、信じているわけですよね。
自民党の方もやっとわかってくださったと信じて投票したと思うのです。
そういう
意味で私は、そういうことがもっとはっきりされないで、そしてどこかでねじれ現象を正すために裏で話し合いがされるというようなことが、ないと思いますけれども、そういうふうになるのだとしたら、非常に
国民の不信はさらに募ると思います。私は、
税制は国政の基本であって、それはきらっとここの場で討論して、そしてどういうふうに私どもの選んだ
方たちが、選挙で言ったこととそれからこれから
国会の場で発言することと、そしてそれがどういうふうになっていくのか、
国民の暮らしをこれからの
税制、納めることだけじゃなくて使う方も、両方きちっと議会制民主主義にのっとって決めてくださるということを信じたいと思いますし、ぜひそうあってほしいということをお願いしたいと思います。
消費税は定着しているとさっきおっしゃいました。しかし、ついこの間、私どもの仲間が欠陥商品展というのを飯田橋のセントラルプラザというところの下の通路でいたしました。三日間で風船を、通る人や学生さんやお昼御飯を食べに来る人、そこに住んでいる
方たちに紙風船をかごに入れてもらいました。そうしましたら、そのままという方が三%、二十三人です。
見直しが百六十九人で二三%です。そして
廃止が七四%、五百三十
四人の方が緑色の風船を入れてくれました。これは
反対運動する
消費者団体の人じゃないのです。普通の町の
人たちが、つい六月にそういう行動が出ています。この間の福岡の選挙のときもそれが十一万票という、そして西
日本新聞の調査を見ても、
消費税を一番大事に気にするんだという調査が出ております、その事前に。ですから、決して
消費税は定着したのじゃない。声高に
反対、
反対と言わなければ定着したのだと言われるのだとしたら、またこれからは声高に言ってこなければならないのじゃないか。私は、
政治の場で皆様方の選挙の公約をきちっとしていただきたい。さらに大幅な
見直しということを
自民党の方もおっしゃっていましたし、抜本的な、凍結ということも選挙の公報の中でおっしゃっていました。私はそういう
意味で、ぜひ
消費税は一度やめて、そして
国民の総意で、本当に不公平
税制の是正をまず行う、そして
逆進性のない、我々の納めた税金がどこかへ消えてしまうような不透明なものでない、そういう
税制にしていただきたいと思います。
もう簡易
課税とかいろいろな問題については、すべての四人の方が全部おっしゃいました。私はそれが一番問題じゃないかと思いますけれども、それは
導入のときの約束からいって、絶対そこはやれないんじゃないでしょうか、どうなんでしょうか。質問してはいけないのであれなんですけれども、一番基本的なところがやれないで、そして小手先の、素人に非常にわかりにくいところで何か
見直しがなされているというような
自民党の今の
見直し案、これには私は、これは当たり前のことに、実際にやってみたら本当にそういうふうにいかないのじゃないかということを危惧して
反対でございます。
そして最後に、
消費税転嫁カルテル、表示カルテル、これはもう何回もやめる、去年の夏から
自民党の方もこれはやめると。私どもは、独禁法を強化
改正する国はあっても、独禁法を緩和して転嫁カルテルまでやる国は
日本だけしかないということを言い続けてまいりましたけれども、いまだにそれはもうしまったままになっています。黙っていればいずれ二年後にもうなくなるのだからいいじゃないか。しかし、今
日本は独禁法の運用が非常に手ぬるいと外国からも指摘されている。そういうときに、ああいうカルテル体質を助長するような
消費税転嫁カルテル、表示カルテルがいまだに置かれている。
見直し案の中にそれが入ってないということも私は非常に不満でございます。
福祉の
目的に使うということが書いてある。しかし実際に福祉の
人たちが心配するのは、福祉
目的にもし使うとしたら
税率アップの理由に使われるのじゃないか、
反対だということを福祉の
方たちが、これはもういろいろなところで発言していらっしゃいます。今三%だから、まあ大したことないじゃないか。生協の調査でも平均一年間に十万四千幾らだ。そして非常に年金生活の
方たちは普通の
方たちよりも、給与生活の人よりも一・八%と率が高いんだ、普通は一・五だけれども。そういう
消費税の、三%だから黙っているけれども、
消費税を残していればこれはいずれ五%になり一〇%になる、海部総理の間は
税率アップはないと言われますけれども、この道筋が残っていれば私は
税率アップは必ずある、それを前提にしてもう一度
国民が考えなきゃいけないんじゃないかというふうに考えております。大変失礼いたしました。(拍手)