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武藤国務大臣 たまたま私が農林水産
大臣をやらせていただいておりましたときは、御承知のように農地三法の
改正をやらせていただいたわけでございまして、あのときも
日本の農業というものが今までのような形ではなかなか難しい、いわゆる保護
政策の中で農業が生きていこうと思ってもなかなか難しくなるよ、どうしても農業そのものが生産性の向上を図っていかなければいけない時代になってきている、そのためには思い切って農地を
集積化していくということも必要ではないか、あるいは一方、基盤整備をしっかりやっていくことが必要ではないか、そして農業そのものが足腰の強い農業になっていかなければいけない、これがたしかあの当時の私が一生懸命
努力をした
政策ではなかったかと今思い出しておるわけでございますが、これは農業面の一面。
それからまた
通産省といたしましては、今御
指摘のようにどうしても限界があると思うのでございますけれども、やはり
地域の
産業の
活性化を図っていくということは当然
通産省として
考えていかなければならないことでございますし、同時に、
地域のそれぞれの
産業が
発展していくということから
考えれば、相対的に結局大都市に
集中しているものができるだけ
分散をしていくということと相まっていかないことには、一方だけ幾ら
地域を盛んにしようと思っても、どんどん片方に集約してしまっていわゆる
一極集中でどんどん固まってくれば、これはなかなかそうはいかないわけでございますから、いろいろな
施策で
地域のそれぞれの
産業を盛んにしていくという
政策と同時に、なるべく
東京には
集中しない方がいいという
政策も相まって私はやっていかなければならないのじゃないか。それで
国土全体の中で、
産業というものがそれぞれ
地域に固まらない形で
発展を遂げていくのではなかろうか。これが結果的には
国土の総合的な均衡ある
発展につながるのではないか。こういうのが、これは夢かもしれません、理想かもしれませんけれども、そういう形に
努力をしていかなければならないと私は
考えておるわけでございます。
たまたま一昨年に施行させていただきました
法律を見て、その実施
状況を見ておりますと、
先ほど来いろいろお話のあるように、二年前にもう既に、
東京にはできるだけ
情報産業が
集中しないように、なるべく
地方にといってやったにもかかわらず、なかなか結果は必ずしもうまくいっていない。となれば、ここで
一つは追い出しというかあるいは誘導というか、そのための金融なり税制面の措置を少しでも
考えることが必要であろうということでこの
法律ができてきたわけでありまして、私はこれを契機により一層、少しでも
情報産業が
地方に行くことによって、今度は
地方のそれぞれの
産業を
発展させる
政策によって
地方の企業が少しでも新しい時代に対応できる企業に脱皮していこうと
努力されるところに、
情報がすぐ近くで幾らでも提供されるとか、あるいはそこでいろいろの研究所がいろいろの研究をされることで近くでそれを手に入れることができるとかということになれば、結果的に将来、総合的にその
地域が
発展していくということになるだろうと思いますので、そういう
意味合いでは、私はこの
法律が将来どれだけ効果が上がるかどうか、これは企業御自体がそれをうまくどこまで御活用いただくかどうかということと、実際、企業の経営者の皆さんがそういうことに理解をされてどれだけ
地方に進出をされていくのか、
集積促進地域にどれだけいくのかということにつながっているので、
法律ができたからそれで何か自然にうまくいくとは
考えません。しかし、やはりそういう企業がそういうことに行きやすいようなインセンティブを少しでも与えるということが私は必要ではないか、こう
考えておるわけでありますから、結果的にそれじゃどのくらいそれが効果が上がるかというのは、私は正直その見通しははっきりは持っておりませんけれども、とにかくそういうことはやらないよりはやる方がいいのじゃないだろうかということで、これは私はお願いをしているというのが正直なところでございます。