○江田
委員 大臣、大変なときに重要なポストにおつぎになられまして、大変御苦労さんでございます。
構造協議、
大店法、独禁法、
エネルギー、地球
環境、
消費者重視などなど、商工
委員会の抱えるテーマはまさに重要なものばかりで、私は参議院から衆議院にかわりましてこれまで六年間文教
委員会でずっと教育改革に取り組んでまいりましたが、このたびは商工
委員会初めてでございまして、ベテランの
皆さんの御指導をいただきながら張り切って質問いたしたいと思いますので、ひとつよろしくお願いします。
当面する
日米構造協議に絞って、しかもその総論だけの質問をさしていただきたいと思います。
一体この
構造協議というのは何だろうかということですが、既にもうお話ありましたように、経緯からすれば、
日米間に多額の
貿易経常収支のインバランスがある、これはもうどうしようもないのでいろいろの手を講じなきゃならぬというので、いろいろなことをやってきた。いずれもどうもなかなかはかばかしくいかない。そこでいよいよそれぞれの国の、まあ
アメリカの方にも問題ありますが、特に
日本の社会や
経済の構造に手をつけていこうというような話に次第になってきたんだと思います。
経緯はそういうことですが、もっと根本には、これは
アメリカに言われるまでもなく、
日本の戦後の、いや戦後だけでなくて、もっと言えば明治維新以来、
日本の近代史、現代史の
経済や社会の発展や展開の型、その転換、
日本がこれまでつくり上げてきた
日本的な構造の転換をしていかなきゃならぬ、これは
日本自身がやっていかなきゃならぬ、そういう問題だということに私たちは気がつかなきゃならぬのではないかと思っておる。それがなかなか今まで
日本自身にうまくいかなかった面があって、そしていわば先送りの形でここへ来て一気に噴き出しているからかなり重大な
課題として起きてきておりますが、やはりそういう問題で、いわば
日本はおくれて近代という時代に入って、戦後は今度廃墟の中から再スタートを切って、欲しがりません勝つまでは、ではありませんけれ
ども、極端に言えばあらゆるものを犠牲にして
経済の成長をしようと
努力をしてきたと言えると思うのですね。労働時間は長いまま、住居は狭いまま、もちろんそれなりに
改善はありますけれ
ども、しかし欧米の
改善の速度と比べたら随分遅い。通勤時間は長い、わびしい老後、すさまじい受験競争あるいは自然
環境の問題もある。こういう人間の生きがいというものを、仕事が生きがい、仕事一本やりに絞ってキャッチアップを目指してやってきて、それで今
GNP第二位ということになっている。しかし、何か今までのやり方というのがもう習い性となって、いわば車を回すハツカネズミのようにくるくる回ってとまらなくなっちゃった、どっかで何とかしなきゃ、そういうところに来ているのだと思うのですね。
先進諸
外国はもっと
生活というところに重点を置いている。達成された
経済力を上手に使いこなして、
生活しやすいシステム、社会構造というものを、人生のあらゆる段階でそれぞれ生きがいを持った選択ができるようにやってきた。ところが、
日本はどうもそれをきちんとやることができていなくて、そこで、その
日本の社会や
経済の核の部分、構造の核の部分にメスを入れなきゃならぬということになってきた。
アメリカもずばりそういうことはなかなか言えません。それは内政干渉とかいろいろある。しかし、いろんなこのたくさんなテーマの中で、行き着くところはそういうところになっているんじゃないか。
私は、
日米間でいえば確かにストラクチュァルインペディメンツ、障害ですけれ
ども、それについてイニシアチブを発揮しよう、しかし、
我が国にとったらストラクチュアルリフォームじゃないか、構造改革ではないかという気がいたしております。私は今どうも悪名高い二世議員の一人でございますけれ
ども、私の父は構造改革ということを、もう既に何十年前でしょうか、言っておったのですが、親子二代で構造改革ということなんですが、そういう構造改革をやらなきゃいけない、そういうような思いで、問題意識で取り組まなきゃならぬ
課題を含んでおる問題だと思っておるのです。
そういう意味で私たちは、これは与野党ということでなくて、心ある政治家、この
構造協議という問題については
牽引力になっていかなきゃいかぬし、私
どももこの
構造協議の問題については、もちろん変なことをやってはいけませんよ、ちゃんとそういう意味の私の問題意識に合致する
方向でなきゃ困りますが、そういう意味であれば、我々も与党になっていきたいという気さえしておるのです。もちろん、痛みを伴う改革がありますから、そういうところにはきちんと思いを寄せて、温かい手も差し伸べながらですが、そういう問題だと思っているのです。
大臣の問題意識をまず伺っておきたいと思います。